創立78周年目 学び成長し続ける富勢中
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校長雑感ブログ
5月19日(金)1学年数学「正負数の乗法」&3学年音楽科「合唱活動」
須藤昌英
5月18日(木)熱中症に注意&2学年国語「説明文(日本の花火の楽しみ)」
〇5月にもかかわらず、今日も気温が30度を超えるとの予報から、熱中症にかかる危険性があります。実際に午前中から体調の悪い生徒が多く、一日をとおして全職員で注意深く見守りしています。
〇最近は特に、「暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)」に注目が集まっていて、判断の目安にしています。暑さ指数(WBGT)は従来の気温だけではなく、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。
〇今日の正午の時点では、「21~25(積極的に水分補給)」でした。ご家庭でも気温にあわせた服装やマスクの着脱、水筒の持参について、再度確認してください。
須藤昌英
5月17日(水)1学年英語「Be動詞と一般動詞」&2学年保健体育科「陸上競技」
須藤昌英
5月16日(火)2学年家庭科「ハーフパンツ制作」&2学年美術科「自分の好きな美術を描く」
須藤昌英
5月15日(月)1学年理科「生物の世界」&1学年国語「漢字の広場」
〇本日より、1つの授業を4コマで紹介していきます。中学校の授業のねらいを理解していただき、授業中の生徒たちの様子を想像していただきたいと思います。
須藤昌英
5月12日(金)部活動保護者会
〇本日の部活動保護者会の中で、私からは日本の部活動のこれまでの経緯を、その背景となる21年前からの学校週休2日制開始や6年前の柏市部活動ガイドライン施行も含めてお話ししました。続いて担当からは、部活動地域移行や本校の活動方針などの説明を行い、その後、各部活動ごとに分かれて顧問から細かい説明や意見交換などを行いました。
〇部活動は、生徒に生涯にわたってスポーツや文化に親しむ能力・態度を育み、体力の向上や健康の増進、技能・技術の向上を図ることのできる教育活動です。またそれ以上に、自主性や協調性・責任感・連帯感などを育成するとともに、部員同士が同じ目標に向かって取り組むことで、豊かな人間関係を築くなど心身ともに健全な育成を図ることができる有意義な教育活動です。地域移行の流れはありますが、以前の勝利主義に戻ることなく、上記のねらいに向けて、取り組んでいきたいと思います。
須藤昌英
5月11日(木)学ぶ意欲と習慣を身に付ける
〇「学校で習ったことを一切忘れてしまった時に、なお残っているもの、それこそ教育だ。」とは、誰が残した言葉かご存じですか?大分昔、私はこの言葉を初めて知ったとき、その意味について深く考えたことを今でもはっきりと覚えています。
〇答えは、20世紀の天才理論物理学者のアルベルト・アインシュタインです。学校では教科書を中心に授業を行っていますが、それは生徒が学ぶために、効率よく配列・整理されているので、ついつい一般の知識なども順番立てて学べるものだと思いこんでいます。しかし、社会に出ればいつどこに、何らかを学べる材料があるのかはわかりません。そのため生徒が学校を卒業してからも困らないように、教育の本質とは、教わった内容だけではなく、それを自分なりに解釈したり統合・分析したりすることができる資質・能力だろうと思っています。
〇またそもそも学校で学習したことをすべて覚えている人はほとんどいません。もし、内容を忘れてしまったとしても、その調べ方を覚えていけば、疑問の答えにたどりつくことができます。調べ方を覚えているとは、過去の体験が経験となり、感覚として身体が覚えている状態だと言えます。あらためてまたアインシュタインの言葉をかみしめています。
〇柏市も「第2次柏市教育振興計画」の中で、この変化の激しい時代を生きていく生徒に、最低限身に付けて欲しい力を設定しています。それを4つの力(コンセプト、チャレンジ、コミュニケーション、コントロール)を「4つのC」と銘打っています。先ほどのアインシュタインの言葉のような教育の実現が、「4C」に込められています。そして2学期に行う「柏市学力・学習状況調査(生徒アンケート)」を分析し、生徒一人ひとりの強みと弱みをはじめ、学級・学年・学校・学区全体、そして柏市全体の強みと弱みを,同じ尺度で測れるようにしています。
〇昨年もこのブログで、「柏市学力・学習状況調査(生徒アンケート)」における本校生徒の分析結果について書きましたが、今年度も本校では、上記のように一番左の「見通す力」の育成を最優先していきます。校長としては、目の前の出来事や将来のことについて、焦らずじっくりと考えていく力を身に付けてほしいと思っています。
須藤昌英
5月10日(水)全国学力・学習状況調査(英語・話すこと)
〇昨日、中学校3年対象で、英語の「話すこと」テストがあり、生徒が音声で回答をするなど、初めてオンラインで実施されました。生徒は個人に貸与されているタブレットを使い、文部科学省の特設のWebシステムへ個人IDとパスワードでアクセスします。そして映し出された画面のイラストを見ながら、ヘッドセットから聞こえる問題に対し、制限時間内で、各自マイクへ向かって口述による解答をします(その音声は録音されます)。
〇ただし、1つの教室内で全員が調査を受けるには、音声が混ざってしまうなどの困難がありますので、クラスを三分割して実施しました。個別の調査ですので、周囲には何を問われているのかはわかりません。終わった生徒に聞いてみると、「周りからぼんやりだけど、英語で答えている友達の声が少し聞こえて来た」や「一人一人がバラバラ答えるから面白かったけど、答えがあってるかどうか分かりません」と答えていました。いつもとの違いに、少し緊張気味な生徒もいたようです。
〇英語で身に付けたい4つの力(4技能)に、「聞く(リスニング)」「話す(スピーキング)」「読む(リーディング)」「書く(ライティング)」があります。これまでも日本の英語教育の現状として、日常生活に関わる基本的な単語の発音や相手の話しかけ(質問)に対し、状況に即して定型表現を用いて適切に英語で応答する能力は、良好であるものの、自分の考えや気持ちなどが聞き手に伝わるように話す力に課題があると指摘されています。そのため定型としての対話練習ばかりでなく、意味を考え、正確に伝える練習が日ごろから大切です。
〇この4技能は、大きく2つに分けられます。「聞く・読む」が受信(インプット)技能と、「書く・話す」が発信(アウトプット)技能で、最近よく紹介していますが、「インプットとアウトプットのバランスの理想は、3:7」と言われますので、前者の「聞く・読む」をベースにしながら、どんどん後者の「書く・話す」に挑戦していった方がよいと思います。
〇乳幼児(あかちゃん)が言葉を覚える際も、親が話している言葉や、「それは◯◯だよ」といった周りの人たちの会話を聞いて、まだ言葉を話せない段階でも、徐々に脳を日本語に適応させています。そしてその言葉を、口真似で何度もつぶやくことを繰り返しているうちに、自然と言えるようになってきます。
〇注目すべきことは、乳幼児が決して無理して覚えているのではなく、楽しみながら覚えていることです。周囲の大人が話している言葉を自分もアウトプットすることで、大人は褒めてくれるし、もしかしたら何よりも自分も同じことができるようになったという自己有用感を感じているのかもしれません。
〇今回は「英語を話す」という調査であり、生徒はどうしても出来栄えや評価を気にしてしまいます。それは仕方のないことだとしても、授業の中では会話する方法を工夫して、乳幼児と同じようなモチベーションをもたせてあげたいと英語科の教員と話をしています。
須藤昌英
5月9日(火)対話活動の大切さ(学びはわからないことから始まる)
〇先月から行っている教職員との面接の中で、生徒の授業中の様子を聞き取っています。特に気になるのが、答えがわかっていても発言を避けたり自分の考えを表現することが苦手だったりする生徒がどのクラスにもいることです。生徒の心理面からすると、自分の考えに自信がないことで、発表や質問をしたがらない傾向がありますので、授業の中で意図的に、2人組のペア学習・それ以上の複数人のグループ学習などの小集団交流を取り入れることで、生徒が自分の考えを表現しやすくしたり他者の考えを取り入れたりすることを行っています。
〇指導者側からすると、生徒にペアやグループでの学習による深め合いのよさを実感させることが一番難しく、もしそれが理解できれば、生徒は自ら進んで対話活動をすると思います。学習指導要領が唄う「主体的・対話的で深い学び」を実現するためには、自分の考えを表現し、考えを深め合うことが欠かせません。
〇都立の特別支援学校の主任教諭である川上康則氏は、その著書「教室マルトリートメント」の中で、ペアでの活動等のメリットを次の5つで示しています。
①インプットしたことをアウトプットして記憶に残す
②理解レベルや活動の進捗状況をそろえる
③他の人のフィルターを通して学ぶ
④集中を続けるために、いったんガス抜きする
⑤考えを整理させたり、発表に自信をもたせる
〇教職員には授業を進める中で、次のようなことを意識してほしいとお願いしています。
・意見の交流をためらいなくできるクラスの雰囲気(生徒同士の人間関係を含む)を構築しつつ、各自の発言を共有し、「分からない」や「間違い」から学びが始まることや意見や質問し合うことが深め合うことにつながることを理解させていく。
・生徒自身の気付きや考えから、授業を構成する視点をもち、冒頭の学習問題を工夫して提示し、既習事項との違いに気付かせ、生徒自身に今日のめあてを設定させる。聞く、読む、書く、話すなどの言語環境を整備し、自分の考えをもたせ、自分なりの納得解(まとめ)へと導く。
〇私達教職員の間では、昔から「授業は生もの」といわれ、その時間のゴールは設定しますが、生徒の反応によってどっちに転ぶかわからない面もあります。それが面白いところでもあります。
須藤昌英
5月8日(月)楽しく学ぶ土台は「アハ体験」
〇連休の最後の日と今朝は、風雨が強くあいにくの天気でしたが、また通常の学校生活が再開しました。昨晩からのお子様の様子はいかかでしたでしょうか?火曜日のブログに、人間の脳は、「ボーッ」としている方が、何かを考えているときよりも多くのエネルギーを使っていて、そのデフォルト・モード・ネットワークが働いているときは、あらかじめ蓄えられた情報がそれぞれ結びつきやすくなり、新しいアイデアや発想が生まれやすくなる、つまり「創造性」に富む可能性があると書きました。私もこの連休で、いつもと違う生活パターンで逆に疲れたこともありましたが、「そうだ!次は~をやってみよう」などの思い付きがいくつかありました。脳の働きは、まだまだ神秘的で、未解明なことが多いそうです。
〇同じく脳の不思議な能力として、昔一時期、テレビなどで話題になりましたが、「アハ体験(a-ha experience)」があります。簡単に言うと、「あ、そうか、わかったぞ!」という心のつぶやきや体験を表す言葉で、やはり「ひらめき」や「創造性」に関する脳のはたらきのことです。よく使われる例として、古典物理学者のニュートンが、木から落ちるリンゴをみて万有引力の法則を発見したことがありますが、あれも日頃から常に一つのことを考え続けた末、フッとした瞬間に知識どうしが結び付く一つのアハ体験だと言えます。
〇少し調べてみると、人間はアハ!体験の最中に、0.1秒ほどの短い時間に、脳の神経細胞がいっせいに活動して、世界の見え方が一瞬で変わってしまうそうです。大げさに言うと、それまでわからないで悩んでいる時の不安感や焦燥感が、ひらめいた時の「ああ、そうか!」で一気に消え去り、と同時に大きな喜びや解放感を感じることによって、今までとは違った自分になってしまうということです。そのような感覚を体験することで、関係する脳の回路を強化され、その後は、わからないことが出てきてもじっくりと考え、ひらめきを育むことの大切さを、楽しみながら学ぶことができるようになります。
〇ただし、アハ体験は、いつ起こるかなど予測は不能で、コントロールもできないという面があります。またそれに近い体験を実際にしても、いつのまにか見過ごしていることもあります。やはり今の自分が何を感じているのかを、常に意識しておく必要がある気がします。生徒達には、毎日の授業の中で、何か一つでいいので、小さなアハ体験をしてもらいたい・・と思っています。「この漢字はこういうときに使うのか!」とか「この数学の公式は確かにこの場合には便利だ!」など、自分で感じたことを書いたり、人に話したりするアウトプットを積み重ねると、普段の学習への意識が高まります。
〇脳科学者の茂木健一郎氏は、インタビューで次のように語ります。
「生きていくのは何が起こるか分からないこと。学校では答えの決まっていることは教えてくれますけど、人生をいかに生きるべきかという教科はありません。何が起こるか分からない人生をどう生きるかという時に、感情がフル回転するんです。脳にはうれしいことが起こった時に放出される『ドーパミン』と呼ばれるものがあります。何か行動してドーパミンが出ると、その回路が強化される。これを強化学習と呼びます。ですから、頭を良くしようと思ったら、何かを学んで喜ばなくてはいけないんです。アハ体験は気付くことに喜んでドーパミンを出してほしいというもの。気付くということに対して、トレーニングする機会はないんです。答えが決まっていることを素早くやることも大事ですけど、それだけでは今の世の中はやっていけない。何か新しいことに気付くことがすごく大切なんです。脳はオープンエンド、一生学び続けるものですから」
〇今日からまた、生徒達にとって学びの日々が再開しています。
須藤昌英