校長雑感ブログ

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3月7日(木)最後の給食と卒業式前日準備

〇昨日の午前中は卒業式の予行練習があり、3年生にとって中学校最後の給食でした。メニューは「唐揚げカレーライス、ひじきのマリネ、パイン、牛乳」でした。

【予行練習と最後の給食】

〇午後は在校生が明日の準備をします。今日は日差しが出て少し暖かいようですが、明日は雪が混じる雨の予報です。何とか奇跡的に天気が回復しますように。

須藤昌英

【昨年の準備の様子】

 

3月6日(水)卒業式予行練習とてるてる坊主

〇今日は朝から体育館で、卒業式の予行練習を行います。卒業生はもちろんですが、在校生も保護者席で見守ります。

〇ほぼ本番通りに行い、計時して記録をとります。特に4番目の卒業証書授与の場面がメインですので、各クラスごとにバランスがとれるようにします。

〇当日の式次第です。

1 開式の言葉

2 国家斉唱

3 校歌斉唱

4 卒業証書授与

5 校長式辞

6 祝辞(PTA会長)

7 記念品贈呈

8 送辞

9 答辞

10 卒業の歌(旅立ちの日に・・)

11 閉式の言葉

【最終チェックが終わった卒業証書】

〇心配なのは、当日の天気と気温です。今朝の気象庁の予報では、「降水確率70%、気温8度」です。気温は仕方がありませんが、何とか午前中だけでも雨や雪が降らないことを祈っています。

須藤昌英

3月5日(火)努力努力(ゆめゆめ)

〇昨日は、千葉県公立高等学校選抜試験の合格発表がありました。入試にはどうしても募集定員がありますので、嬉しい結果と残念な結果の生徒が出るのは仕方ありません。ただそれぞれ努力したという経験は、必ず本人にとってプラスにはたらきます。

〇この時期になると思い出す言葉があります。「努力努力」と書いて「ゆめゆめ」と読みます。何となくきれいな読み仮名です。古い言い回しとして、「ゆめゆめ怠ることなかれ(決して怠ってはいけない)」などと、後ろに禁止の言葉をつなげて、「決して~するな」の意味で使われていることもあります。ただ私も近年になってから、読みの「ゆめゆめ」を「努力努力」と書くことを初めて知った時から、強く印象に残っている漢字です。

〇「努力」とは、目の前のことを心を込めて行うことですが、この言葉から私の受ける印象は、どちらかというと親や先生から「努力しなさい」と言われてきたこともあり、とても窮屈で強制されるイメージです。教育論でよくテーマとなる「厳しくするか甘やかすか」の中では、外的コントロール(ほかから押し付けられた)に近いような気がします。

〇同様の意味で私などは「精進」という言葉の方が「自ら(内的コントロール)」のイメージがもてるので好んで使います。「精」の字は、「こころ。たましい。気力」の意味がありますので、「1つの事柄に精神を集中する」という「努力」と似た意味と捉えています。

〇「努力」と聞くと、まずアメリカの発明家(蓄音機や白熱電球など)の「トーマス・エジソン」の言葉が有名です。幼い頃に伝記を読みましたが、彼は大変な努力家で、新聞を売りながら自分でコツコツと貯金し、自分の実験室を作ったそうです。そのエジソンが「努力」について、「天才は1パーセントのひらめきと99パーセントの努力である」という言葉を残しています。

〇また相対性理論でノーベル賞を受賞した理論物理学者の「アルベルト・アインシュタイン」にも多くの格言がありますが、その中に「天才とは努力する凡才のことである」というものがあります。天才のように思われがちなアインシュタインですが、実際は努力によって多くのアイデアや真理を見出した人でした。

〇平安時代初期の僧だった空海(真言宗の開祖:別名弘法大師)は、当時の日本におけるケタはずれの天才であり、書の達人、土木技術のエキスパートなどの複数の実績があります。空海が若い頃に遣唐使として中国に渡り密教について学び、帰国する際に中国人の師匠から、「早く日本に帰って密教を伝えなさい・・・努力努力(ゆめ ゆめ)つとめよ」と言われたそうです。その後日本中で活躍されたことは有名であり、学区にある布施弁天東海寺にもその伝説があります。

〇今の生徒には「努力しなさい」というよりも「自分の好きなことを究めなさい」と言った方がよいと感じるようになりました。好きなことはやっていれば楽しいし、楽しいから「夢中」になれるし、好きだからそれに熱中できて「努力」が継続できるからです。それが本来の「ゆめゆめ」の真意だと感じました。

須藤昌英

3月4日(月)3年生を送る会

〇先週の金曜日の午後、3年生を送る会がありました。卒業をお祝いする在校生とそれに感謝する卒業生の姿。生徒たちの素直さ、優しさを職員一同が感動していました。学校はやっぱり素晴らしい場所であり、そういう生徒たちにかかわれる我々職員は、幸せだと感じました。

〇今日は9時から、千葉県公立高等学校入試の合格発表があります。どうか全員の希望が叶うように、朝から職員全員で祈っています。

須藤昌英

 

3月1日(金)英語の交流授業と3年生を送る会のリハーサルと学年レク

〇昨日、富勢小6年生と本校1年生とをオンラインで結び、交流授業(英語)を行いました。小学生と中学生がグループになり、お互いの自己紹介や小学生が「小学校の思い出」を英語で話し、それを聞いて中学生が質問をしました。それぞれ立派な説明態度で、何よりも楽しそうでした。

〇小学生の主な感想としては、

「中学生と話すのは最初緊張しましたが、中学生は優しく話を聞いたり、質問に面白く答えたりしてくれたので、うれしかったです」

「ほとんど中学生と話をすることはありませんが、今日の授業を終えて、自分もはやく中学生になりたいと思いました。部活動は●●を希望しています」

〇中学生の感想の振り返りでは、

「小学生が英語で説明することにびっくりしました。私たちももっと英語を話せるようにならないといけないと思いました」

「小学生の言葉遣いも丁寧で、自分たちの日常生活でも気をつけていきたいと思いました」

〇1年前は同じような小学生だった彼らが、中学校生活を経験し、後輩のみなさんに話ができるところまで成長したのだと感じました。4月からは同じ学校で学ぶことになります。この交流を通して、「先輩になるという自覚」をもつことを期待します。

〇1・2年生は、今日の「3年生を送る会(3送会)」の学年発表のリハーサルを体育館や武道場で懸命に行っていました。私からみても出来栄えは上々で、歌声も感動しました。きっと心のこもったあたたかい会になることでしょう。

 

〇3年生は学年レクで、笑顔や歓声がいっぱいの時間を過ごしました。

須藤昌英

2月29日(木)うるう年(閏年)の今日をどう過ごすか

〇うるう年とは、1年が366日となる年のことだとは知っていると思います。またこの追加された今日は、2月29日(うるう日)と言います。4年に1度しかありません。4年前は、まさに新型コロナが蔓延するという影響で、亡くなった安倍元首相が緊急会見で、全国的に学校を臨時休業にすると宣言し、3月からどうするかをあたふたしながら考えている時期でした。

〇うるう年がある目的は、太陽暦(太陽の位置に基づく暦)と、日常生活で使用する暦(グレゴリオ暦)とのずれを修正することです。地球は、太陽の周りを約365.2422日で1周します。しかし通常のカレンダーは、1年を365日としています。このため、約0.2422日のずれが毎年発生します。このずれが積み重なると、4年後には約0.2422日×4 = 0.9688日のずれが発生し、太陽暦とグレゴリオ暦の日付がずれます。

〇もしうるう年がない場合、時刻のズレはもちろん、それにより食物を生産する農業や様々な経済活動、さらには文化や伝統などに問題が生じて、私達の暮らしに大きな影響が出てしまうことは容易に想像できます。あらためて太陽や地球の規則的な動きのおかげで、私達は安心して生きていられるのだと感じます。

 〇昔からよく言われますが、2月29日が誕生日の人の法的な年齢の計算です。日本では「年齢計算ニ関スル法律」という法律が施行されており、この法律に基づくと、2月29日生まれの人は毎年「2月28日24時」に1つ歳をとることになります。つまり、うるう年に生まれた人も、他の人々と同じように毎年年齢を重ねていくのですが、そのタイミングは2月28日の夜だそうです。

〇本校には、2月29日が誕生日である生徒はいませんが、今日という日をいつもより大切にするかいつも通りに過ごすかは、その人次第です。明日から3月になります。4年に一度の日に良いことがありますように・・・。

須藤昌英

 

2月28日(水)卒業式の練習(3学年)

〇先週から3学年は特別日課を組んでいます。その中で8日の卒業式練習を行っています。

〇私はこれまでも義務教育の最終年にあたる中学3年生には、保護者や先生などから言われたからその通りにするのではなく、いろいろな人の視点に立って(想像力)、自分はどうすべきかを考えること(創造力)を育んでもらいたいと願ってきました。練習を後ろからそっと見ていると、そういう力が一人ひとりに備わってきているなと感じました。

〇卒業式は学校行事で最も重要で、フォーマルな場面ですので、最初は礼法や作法の確認を行います。これもあくまでも基本を教えますが、あとは自分なりのその基本動作を応用し、堂々と参加してもらいたいです。ちなみに生徒に指導した主な点として、

1 座る姿勢(頭をむやみに動かさない)

男子:足を自然に開き、拳は軽く握って膝と股関節の間に置く。

女子:足を閉じ、手は重ねて膝と股関節の間に置く。

2 座る→立つの動作 (「卒業生、起立」の号令)

背筋を伸ばす(立つ準備)をして、スッと立つ。

3 立つ姿勢(手は体側に)

踵をつけて、つま先は拳1つ分程度開き、視線はまっすぐ遠く。

4 座礼と立礼(若者らしく)

腰を基準にして、1・2・3で45°程度曲げる。

5 歩き方(手は自然に振る)

「パタパタ」と音をたてるのはNG、まっすぐ遠くを見る。

〇「ずいぶんと細かい所まで教えるなあ」と感じるかもしれませんが、卒業式の当日はもちろん緊張するので、ある程度の動作は身体で覚えておいた方が、慌てないですみます。各所作の意味や社会人の常識みたいなものまで含めて説明し、だから「~しなさい」ではなく、教わったことを生徒自身が自分でかみ砕いて考えてもらいたいと思います。

〇一番の緊張は、卒業証書授与の場面です。初めてステージにあがると、ぎこちない動きでしたが、みんな一生懸命取り組んでいて、みていて清々しい気持ちになりました。来週の予行練習では、保護者席に在校生を座わらせて、本番の緊張感で最後の確認をしていきます。

須藤昌英

 

 

 

 

 

2月27日(火)3年生を送る会の準備とネタバレ?

〇1・2年生は、金曜日に予定している「3年生を送る会(3送会)」の学年発表のリハーサルを体育館や武道場で懸命に行っています。きっと心のこもったあたたかい会になることでしょう。

〇昔は「3年生を送る会」のことを「予餞会(よせんかい)」と言っていました。「予餞」とは「あらかじめ送る会」という意味で、何に対してあらかじめかというと、「卒業証書授与式」のことです。

〇細かいことを言えば、卒業式は学校主催行事であり、すべて校長の責任のもとに執り行います。しかし3年生を送る会は生徒会主催行事であり、企画から準備、本番まで生徒会が主体となって実施します。

〇卒業生にとっては、3年生を送る会で後輩の1・2年生とお別れをし、卒業式では保護者の方々にここまで育ててくれたことに感謝の心をもって参加する意義があります。

(1学年の練習風景)

(2学年の練習風景)

〇ところで最近は若者にとって、「ネタバレ」は当たり前になっているようです。例えば観ていない映画のストーリーをあらかじめ知ってから観に行ったり、友人同士のプレゼントのやりとりもあらかじめ何を贈るかを相手に知らせてから渡したりするそうです。

〇これはスマホなどの情報機器が発達し、ネット上の品物やお店の評価をみてから購入したり食べにいったりする延長で、要するに「失敗したくない」「時間の効率化(タイムパフォーマンス)」という心境がそうさせていると専門家は指摘しています。

〇確かになんでもあらかじめある程度の情報があった方が良いと思いますが、プレゼントの中味まで教えるのはどうか?相手の喜んでくれる顔を想像しながら品物を選ぶことにも楽しさがあると思うのですが・・・。

〇ということで、3年生を送る会で各学年が行う発表内容を紹介したいところですが、私は古い昭和の人間なので、送る会の当日に卒業生が喜んでくれることを期待して、「ネタバレ」はしないでおきます。

須藤昌英

2月26日(月)子どもの可能性を最大限に引き出す方法

〇グロースマインドセット(成長志向)という概念が、最近注目されています。もともとは企業などで人材を育成していくことを目的としていますが、中学生もまったく同じで、人間の成長を促進する思考パターンのことを指しており、自分の成長可能性を信じていれば、難しい問題や課題に積極的に取り組んでいけるという考え方です。

〇グロースマインドセットを提唱したキャロル・ドゥエック氏は、社会心理学、発達心理学を専門とするスタンフォード大学の心理学教授です。マインドセットとは、経験・教育・先入観から形成される、心理状態や思考パターンのことを言います。例えば、思い込みや価値観・信念がこれに該当します。思い込みのことを「パラダイム」とも言い、新たな情報や経験によって自身の思い込みに気づき、思い込みが変化することを「パラダイムシフト」と言います。

〇中味はそんなに新しいことではありませんが、成長を促す側の大人(保護者や教職員など)がわかっていても常に継続してできないのが現実でしょう。

1.褒め言葉を使って自尊心を高める。

2.失敗をポジティブに捉えるよう促す。

3.継続的な努力が必要であることを理解させる。

4. 努力が成功につながることを示すため、適切なフィードバックを提供する。

〇教員となって37年間(小学校3年、中学校34年)、実に多くのそして多彩な児童生徒との出会いがありました。「教えることは教わること」と気づき始めたのは、教員生活をスタートして数年が経過したころでした。「今の教え方で本当にいいのだろうか?」と壁にぶつかった時、目の前の児童生徒が「学ぼうとする姿」をつぶさに観察しました。すると自分の一方的な思いでは何も伝わらないことや、その生徒の姿が新たな手法を私に教えてくれていることを実感しました。

〇コロナ禍前、教え子(私のクラスの学級委員でしかも担当していた野球部の副キャプテンだった生徒)の結婚式に、招待されました。式の始まる前の控え室で彼が、突然私に、「先生、自分で『これで大丈夫、これでいいんだ』と思えるようになったのはつい最近なんです。中学校の時は自分を否定ばかりして、今思うと『苦しかったな』くらいしか覚えていません」と話しました。さらに「今の中学生は僕らのころよりももっと繊細だから、先生も大変ですね」と励ましてくれました。

〇それを聞いて私は意外な気持ちがしばらくぬけませんでした。彼はクラスや部活動においてリーダー的な発言や行動が多く、それしか私の記憶に残っていませんでしたので、本当は心の中では思春期で大変だったのだと初めて知りました。私はおそらく当時、彼の力を最大限にのばしてやりたいという気持ちから彼を叱咤激励だけしていて、彼の「ありのままの姿を認めてあげる」ことがなかったのかもしれないと反省しました。

〇人間は日々、後悔と不安に苛まれています。後悔は「あのときこうすればよかった」と過去に、不安は「このさきどうなるのだろう」と未来に自分の意識があります。英語の Present には「現在」と「贈り物」という二つの意味があるそうです。今生きていることが最高のプレゼントでもあり、そのときに自然と「(ぼくは、わたしは)これで大丈夫、これでいいんだ」という自己を認める気持ちが出てくるのでしょう。そんなことを今でも生徒たちから教わっています。

須藤昌英