校長雑感ブログ

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4月19日(火)ミラーニューロンと共感

〇2年くらい前、ちょっとしたきっかけから「ミラーニューロン」という言葉(概念)を知りました。直訳すると、「鏡のような神経細胞」となります。

〇人間など高等な霊長類の脳には、「ミラーニューロン」という細胞があるのだそうです。これによって、お互いは、相手の行動をわが身のことのように置き換えることができるのだそうです。

〇たとえば、相手が笑っているのを見ていると、ミラーニューロンを通してなんとなく自分も楽しい気分になるというのです。また逆に、相手が怒っているのを見ると自分も怒りたくなるというはたらきをするそうです。

〇人間の「共感」というものには、この「ミラーニューロン」が関わっているというのです。たとえば、「両親が楽しそうにしていると、それを見ている子どもはミラーニューロンを興奮させて「楽しそうだ」と感じて、まねをします」と書いてありました。

〇もっともこの「ミラーニューロン」は、決して良いことばかりではないようです。 「ドメスティックバイオレンス(DV)は遺伝するように見えるけど、実はあれは行動パターンをまねしているだけなんだ」ということです。「DVは先天的に遺伝するのではなくて、お父さんやお母さんが子どもにDVをすると、ミラーニューロンを通して子どももDVをするように脳が変わっていく」のだというのです。

〇子どもはどこか親に似たように育っていくのは、ミラーニューロンの働きだそうです。私も息子2人と娘1人を育ててきました。3人とも成人して、もう親の影響など及ぼないと思っていますが、幼いころから一緒に住んでいた事実は上記のようなことを今でも引き起こしているのかと思うと、なるほどと思います。

〇昔から「子どもは親の鏡」ということわざがあります。私も人の親として、今更ながら、自分を正していかねば・・・と思います。

須藤昌英

 

 

4月18日(月)1学年レクリエーション活動

〇入学して10日間が過ぎましたが、1学年生徒はまだまだ不慣れなことも多く、朝自宅を出る時もまだ緊張している子がいるとも聞いています。

〇そんな中、少しでもお互いに仲良くなったり、クラスへの所属意識を高めてもらうなどの目的で、グラウンドにてレクを行いました。

〇日差しもなく涼しかったので、せっかく用意した水筒もあまり活躍することはありませんでした。

須藤昌英 

4月18日(月)中学生のころの学習は一つのきっかけ

〇45年前の昔、私が中学生で理科の授業で習ったことで、「四季がどうして生まれるか」については、今でも当時「なるほど何にでも根拠はあるのだな」と思ったことを今でも覚えています。要点を振り返ってみると、

〇「地球は地軸を傾けて太陽を一年かけて回ります。その傾きがあることで、一年間の間に地球が太陽に向かう部分が異なっていく。地表にあたる太陽の角度が変わり、そのため地球には日本のような美しい四季が生まれた。」ということなのです。

〇なるほど傾いているから、四季が生まれたのです。まっすぐもいいのでしょうが、確かに地球儀は傾いており、そのことにも意味があったのです。更に、「しかも地球は、コマのようにきれいな軸を保ちながら回っています。もし軸が安定せずに、ドッタンバッタンしながら回っていたら、ある時は北極のような寒さ、またある時は赤道直下の灼熱の地など、美しい四季どころか大変な気候の変化にさらされていたはず。」というのです。

〇実際に、「火星という星は、地軸が安定してないのだ」ということを後から自分で調べて知りました。そしてそれはどうしてかというと、「火星を回っている衛星がとても小さくて、地軸を安定させるほどの力が無い」そうなのです。それに比べると、地球を回っている衛星の月ですが、大きさは地球のおよそ四分の一だそうで、かなり大きい」。空に浮かぶ月を見ていると、地球の四分の一もあるとは想像できませんが、それくらい大きいことや地球と月の関係が深いことは自分の視野を広げてくれました。

〇ですから海の潮の満ち引きがあることにつながります。これはよく知られているように、月の引力によって、地球の海水が引っ張られて起こるのです。さらに潮の満ち引きは、人間の出生や息を引き取ることにも大きく関わってきていると大人になって知りました。何はともあれともあれ、月のおかげで、地球は地軸を安定させているのだそうです。そのおかげで、穏やかな四季の移ろいがあり、それは地軸の傾きや月のおかげなのです。

〇このように、中学生の学習が一つの起点となり、大人になっても物事を考えていく視点や学び続ける姿勢を身に付けていけるのではないでしょうか。水曜日から正式日課が始まります。いろいろな授業の中で、生徒たちが身近な問題や疑問に感じることに、興味関心をもってもらいたいものです。

須藤昌英

 

 

4月17日(日)「遺伝子オン」で生きる

〇昨年お亡くなりになった、筑波大学名誉教授の村上和夫先生は、バイオテクノロジーの権威でしたが、何冊かの本で、わかりやすく「私たちに人間の無限の可能性」を遺伝子の視点で教えてくれています。要点だけ紹介します。

〇一個の細胞内の遺伝子がもつキャパシティー(潜在能力)は、とても大きく、かりに遺伝子のもつ全能力を100とすれば、その3%から5%くらいしか私たちは用いていないと言われています。この「遺伝子のスイッチをオン」にして生きていけば、これまでとは違う新たな自分をつくっていけるのです。たとえば新年度の進級や進学で、環境が変わったり違う先生や友達に出会ったりすることによって、遺伝子は比較的簡単に「スイッチオン」になります。特に人との出会いが「スイッチオン」の欠かせない要因であり、どんな出会いであっても「この出会いが自分にすごい結果を呼ぶかもしれない」と期待していいのです。

〇また環境というと「いい環境」と「悪い環境」という考え方がすぐに出てきますが、「スイッチオン」のためには、環境の善し悪しよりも、まず「変える」ということをだけが必要です。自分が行き詰っていると感じるとき、あるいは自分をもっと成長させたいようなときは、環境を変えてみる価値は大いにあるそうです。

〇さらに強い意志や使命感をもつことも遺伝子を「スイッチオン」にしますし。他を利する生き方も遺伝子をオンにします。他を利する生き方をしていると、ネガティブ・ストレス(欲・競争・出世・憎む・恨む・陥れる等)から無縁でいられるので、健康にもよいしいつも元気いっぱいでいられます。人間は不思議なもので、同じ苦労でも自分の欲得でやるときは、こだわりが強いので結構疲れますが、純粋に人のためと思ってやるときは、なぜか生き生きわくわくできる経験がきっと誰にでもあるでしょう。

〇科学者が言うことには説得力がありますし、私も経験上から「素直な人は伸びる」という言葉の「素直」とは、「今の自分を大切にし、将来の自分に期待する」心情をもてることではないかと思ってきました。そして素直な人は、常に「感謝の心」も備えもっています。生徒達には素直な心で自分の遺伝子をオンにしてもらいたいです。

〇以上のようなことを前任校では、全校生徒に話したことがありましたが、今度富勢中でも機会をみて話してみようと思います。

須藤昌英

4月16日(土)身だしなみや生活のリズムを整えることの効能

〇五木寛之の『大河の一滴』の中に、2年前にお亡くなりになったC・W・ニコル氏のから聞いた話があります。

〇ニコル氏が「南極へ探検に行ったときの話」で、五木氏が、「南極などの極地では、長いあいだテントを張って、くる日もくる日も風と雪と氷のなかで、じっと我慢して待たなければいけないときがある。そういうときに、どういうタイプの連中がいちばん辛抱づよく、最後まで自分を失わずに耐え抜けたか。」と尋ねると、ニコル氏は、「それは必ずしも頑健な体をもった、いわゆる男らしい男といわれるタイプの人ではない」と言ったとのこと。

〇では再び、「ではどんなタイプの人か」と尋ねると、ニコル氏は、「南極でテント生活をしていると、どうしても人間は無精になるし、そういうところでは体裁をかまう必要がないから、身だしなみなどということはほとんど考えなくてもいい」ようになってしまう。ところが、そんな中であっても、「なかには、きちんと朝起きると顔を洗ってひげを剃り、一応、服装をととのえて髪もなでつけ、顔をあわせると「おはよう」とあいさつし、物を食べるときには「いただきます」と言う人もいる」とありました。そして「こういう社会的なマナーを身につけた人が……、厳しい生活環境のなかで最後まで弱音を吐かなかった」という話でした。

〇過酷な南極のテント生活ほどではないにしても、この2年間は「コロナ、コロナ」で気が滅入ることもあったり、外出は控え以前よりも自宅にいることが多くなったりしていました。

〇そういうときであっても、朝起きる時に起きて、きちんと身だしなみをととのえて、「おはよう」などと、お互いに挨拶をするということは大事だとあらためて思います。

〇学校は学ぶでありますが、それ以外にも、良い生活習慣を身に付けることができ、よき生活習慣を身につけていることが、どんな時にも自分自身を守ることになるのではないでしょうか。

須藤昌英

 

4月15日(金)年度初め保護者会

〇本日、保護者会にご参加くださいました皆様、ありがとうございました。全体会後、1及び3学年は学級にて懇談会、2学年は体育館で林間学校の説明をさせていただきました・

〇お子様の件で、気になることがありましたら、本校職員にご相談ください。

須藤昌英

【保護者会での校長挨拶の要約】

本日はお忙しい中、また足元の悪い中、保護者会への参加、ありがとうございます。この1日より、前任の髙橋校長のあとを引継ぎ、就任しました須藤です。どうぞよろしくお願い致します。4月5日の始業式での生徒たちの姿を見て、感動・感激しました。

ちょうど2年前の3月,突然当時の総理大臣の「学校休業宣言」により、臨時休業になり,私は前任校で校長としてどのように卒業式を行うかで,右往左往していました。試行錯誤の結果として,初めて来賓,保護者,在校生を会場に入れず,広い体育館に目いっぱい170人の卒業生を間隔をあけて座らせ,その様子をYouTubeで保護者や地域の方々にみてもらうという試みを行いました。そのとき,「コロナによって確実に世の中は変わりつつある」と実感したのを今でも覚えております。

そしてこの2年間は、市教委で主にコロナ対策を行ってきました。柏市は中核市として、単独の保健所を設置しています。市教委と保健所が連携し、学校からの報告を受け、濃厚接触者の特定や学級閉鎖をするか否かなどを協議しました。松戸・我孫子・流山・野田などの周辺他市は、県の保健所の管轄なので、特にピーク時には濃厚接触者などはとても追いきれないので、1人でもでれば学級閉鎖、もしくは見逃すこともあったようです。実際に報道では連日のように、柏市の発症者等の人数が一番多く、ある時は市民からの問い合わせで、「なぜ柏市ばかり多いのか。学校はきちんと対策しているのか」などもありましたが、市教委として「学校は頑張って対策をしています」と答えてきました。

そして、「子どもと学校のつながりを保ち、子どもの学びをとめない」を市教委の使命として位置づけ、色々な対応策を講じてきました。その際、小中学校校長会とは、常に情報を交換し、現場からの意見も聴取しました。丁度校長会の会長が髙橋校長だったので、毎日のようにやりとりをしました。

具体的には、分散登校や短縮授業の実施、給食の希望制における給食費の対応、部活動の内容制限、子どもと直接ふれあう3回の教職員のワクチン接種、全児童生徒へのタブレット配付(3万台、20億円以上)、タブレットの効果的な活用のための教職員研修など、私の教職経験35年では経験したことのないことばかりでした。

後でお話ししますが、この2年間の経験を通し、すべてに「正解(最終解)はない、教科書はない、答えありきではない、これまでの知識は役に立たない」ことを痛感しましたが、これはまさしく、これからの社会に出ていく子どもたちに身に付けてもらいたい力だと思います。目の前の現状を分析し、最善策を話し合い、実施した上で失敗をまた改善していくことを、すべての授業で疑似体験させていかねばなりません。来月の26日と27日は、授業参観を行いますので、どうぞご覧ください。

 

4月15日(金)市長の「子育て・教育世代を支援する」施策について

〇昨年11月に就任した太田市長は、下記のように、未来を生きる子どもたちを育てることを、施策の筆頭に位置付けています。

〇校長として、市のバックアップのもと、「学び続ける富勢中の生徒・教職員」を実現させていきます。

須藤昌英

 4月15日付 広報かしわ第1面(朱線は校長による)

4月15日(金)知事の「教育活動の制限緩和」についての発言

〇熊谷千葉県知事は、昨日の定例記者会見で、下記のような内容を発言しました。

〇本校としましても、手放しに喜ぶのではなく、今後も生徒たちの健康状況を把握したり、市教育委員会との情報共有をしたりしながら、慎重かつ前向きに「出来ることを増やしていく」検討をしていきます。

須藤昌英

 4月15日付:千葉日報第1面

4月14日(木)新入生歓迎会

〇新入生に富勢中の諸活動を紹介し、富勢中の一員としての生活を、本格的にスタートできるように、2学年と3学年生徒が準備をしてくれました。

〇感染症対策として、主に事前に作成したビデオを投影する形をとりました。

須藤昌英

 

〇校長の話では、「富勢中三大伝統」のうち、4月5日の始業式に2学年と3学年生徒に話した「挨拶」について、再度話しをしました。

 

4月14日(木)ちば!教職たまごプロジェクト研修生

〇本日から、大学生で教職員を志望している椎葉さんが、毎週木曜日にインターンシップとして、本校で研修します。

〇「教育実習」は、大学の取得単位で3週間の期間ですが、この通称「たまプロ」は、年間を通して学校現場で学ぶことができるので、とても有意義な機会となります。

〇我々の後輩を育てていくつもりで支援しますし、精一杯生徒たちとふれあってもらいたいと思います。

須藤昌英

4月14日(木)第1回避難訓練

〇昨日、私は定例校長会議に出席し参加できませんでしたが、全校生徒で避難訓練を行いました。

〇教職員からは、全員真剣に取り組んでいたと報告を受けました。

〇日頃から「万が一はないだろう」ではなく、「万が一はあり得る」との危機意識をいつももっています。

須藤昌英

4月12日(火)自転車交通教室(スケアード・ストレイト)

 

 

〇柏市役所交通施設課、柏市教育委員会、柏警察署、柏交通安全協会の皆さまとスタントマンの派遣会社のおかげで、自転車交通安全教室を開くことができました。

〇本校にも70名ほど自転車通学者がいます。また普段から多くの中学生が塾や買い物等で自転車を利用しています。自転車は道路交通法でも軽車両として扱われており、交通ルールを守らないと乗ってはいけません。ただし、自分だけで守っても交通事故に巻き込まれることがあります。

〇私も3年前にバイクに乗っていて、交差点を右折しようとしたとき、前の横断歩道に通行人がいたので、横断歩道の手前で停車して待っていました。そこへ後ろから車に衝突され、バイクは前に飛ばされ、私も道路に投げ出されました。幸い頭は打たなかったので、入院はしませんでしたが、その後3カ月間病院で診察とリハビリを行いました。

〇以前には「ながらスマホ」の大学生が自転車で老人に衝突、転倒させ、死亡させるという事件も報道されていました。それに伴う賠償金も何千万円になっているようです。

〇「生徒たちが被害者にも加害者にもなってほしくない」というのが、保護者・地域の皆さん・教職員の共通な願いです。全校生徒が、しっかりと話を聞いて、学んでいました。 

【千葉県自転車交通安全ルール】

〇自転車に乗る前のルール

・自転車保険に入ろう

・整備をしよう

・反射器材をつけよう

・ヘルメットをかぶろう

・飲酒運転はやめよう

〇自転車に乗る時のルール

・車道の左側を走ろう

・歩いている人を優先しよう

・ながら運転はやめよう

・交差点では安全確認しよう

・夕方からはライトをつけよう

 

4月12日(火)多様性について

〇「多様性」もしくは「ダイバーシティ」という言葉を最近よく耳にします。私自身も職員会議で、「生徒たちの多様性を尊重していき、可能な限りその生徒にあった『オーダーメイド』の教育を模索していきましょう」などと教職員に説明しています。

〇大切なのは、それを耳障りのよい「キャッチフレーズ」で終わらせてはいけないと思うのです。オックスフォード英語辞典によると、多様性(diversity)は、「互いに非常に異なる多くの人や物の集まり」と定義されています。

〇様々な立場や考えの違う人へ配慮や理解を示すことで、お互いを尊重しあい、調和のある場所や世界を一緒につくっていきたいのですが、特に日本は、「社会の多様性が見えにくい国」と言われています。

〇日常生活の中でも、自分とは意見の異なる人と出会うことはたくさんあり、そのたびに相手を拒否したり遠ざけたりしたのでは、自分も内向きになりますし、周囲にも良い影響を与えません。

〇まずは大人の私たちから、意識を変えていく必要があると感じます。ただ、難しいことではなく、以前にも書きましたが、「鎌研(かまと)ぎの名人が鎌研ぎの名人たるゆえんは、たとえどんな下手な人が研いだ鎌であっても、自分には及ばない点を一点見つけることができる」つまり、相手の欠点ではなく、相手には自分には及ばないところが必ずあり、それをみつけた時に、相手の良さがわかり、そう思って人に接していると、自然と相手を尊重(リスペクト)できるようになるのではないでしょうか。

〇最近読んだ本の中に、「多様性は社会的、経済的活力の源泉である」とありました。富勢中もそういう意味では、「多様性の宝庫」です。

〇すでに正門付近のソメイヨシノは葉桜になりましたが、校庭にはピンクの色が濃いおそらくカンヒザクラは、まもなく満開になろうとしています。このように身近な自然にも、多様性がしっかりと根付いていることに感動しました。

 

 

4月11日(月)給食開始

 

〇生徒たちが待ちに待った給食がはじまりました。

〇校長は、生徒が食べる30~40分くらい前に「検食(実際に食べて色や味などのチェック)」をします。少し大げさに言うと、「自分の身体を張って、生徒が安心して食べられる」ようにしています。今日ももちろん、「問題はありません」でした。

〇1学期は、7月15日(金)が給食最終日です。

須藤昌英

 

4月11日(月)清掃活動

〇富勢中学校の生徒が行う活動の中で、特に伝統として引き継がれている「挨拶・清掃・歌声」があります。始業式では、生徒たちにその中の「挨拶」について、話をしました。

〇その一つの「清掃」ですが、生徒全員が自分の分担範囲を担当しています。この清掃は、いわゆる「日本型教育」の一つになるそうで、他の国ではほとんど生徒が清掃することはないそうです。

〇ではなぜ、日本では昔から行っているのでしょうか?色々な理由があると思いますが、まず自分たちの学校は自分たちできれいにし、「感謝の気持ちをもたせること」が目的としてあると思います。ただ。感謝の気持ちは押し付けられて湧くものではありませんので、「やらされている」と感じた場合には難しいことも事実です。

〇次に実際に「体験活動」の一つとして、学校生活の中に位置づけられています。体験活動とは、大げさに言えば文字どおり、「自分の身体を通して実地に経験する活動のことであり、子どもたちがいわば身体全体で対象に働きかけ、かかわっていく活動」です。清掃であれば、「1つのゴミを拾えば1つだけきれいになる」という単純で当たり前のことを「身体で感じ、覚える」ことです。

〇人間は頭で物事を「理解」することが多いですが、それはあくまでも脳での作業であり、実際に手や足の身体を動かさないと、物事の本質を本当の意味での「理解」はできないのではないかと思います。お題目で「ゴミがあれば拾う」「汚れたら掃除する」といくら唱えてみても、実際にやってみなければその重要性はわかりません。

〇ただ一方で、「ゴミを落とさない」「汚れないように使う」という視点も大切ですので、たまには「清掃の無い日」をつくって、その日はいつもより汚さないように意識して生活させることもしていきたいと思います。

須藤昌英

 

4月11日(月)祝:小学校3校入学式

〇本日は、富勢小学校、富勢東小学校、富勢西小学校の入学式です。おめでとうございます。

〇コロナ禍の前には、中学校から校長、教頭、教務主任が分担し、それぞれの入学式に参列させてもらっていましたが、今回も「来賓はなし」ということで、残念ですがこのをかりて、お祝い申し上げます。

〇また先週の本校の入学式に際しては、朝の正門で、上記の3校の校長先生方(中谷光男校長、宮本健寿校長、伊藤嘉章校長)が、新入生を出迎え、言葉をかけていただきました。ありがとうございました。

〇本校も含めた富勢中学区の4校は、学区共通の目標として、「自ら学び、心豊かに、たくましく生きる、富勢の子の育成」を掲げ、教育課程の違いを超えて、連携していきます。

〇9日(土)も富勢小において、「富勢中学校区学校運営協議会」企画会議がありました。会長の涌井正幸様、副会長の吉田敬様からの協力的なお話を伺い、小中学校9年間の学びの連続を大切にし、そこで育った生徒が、来年3月の本校の卒業式で、胸をはって巣立っていけるようにしていきたいと思いました。

須藤昌英

(富勢小学校の鯉のぼり)

 (学校運営協議会企画会議)

4月10日(日)地域部活動への移行について

〇文部科学省は、休日の部活動を令和5年度以降段階的に地域へ移行していく方針を示しています。具体的には、休日の指導や大会への引率などで教員をサポートする方々を配置したり、拠点校に一つの学校だけでなく、複数の学校の生徒が集まり、野球やバスケット、吹奏楽などの活動を一緒に行ったりすることが想定されています。その背景には、学校(教員)の働き方改革の一環としての方策として位置づけられていますが、実現するためには、幾つかのハードルがあるのも事実です。

〇そもそも学校の部活動は、スポーツや音楽などに興味・関心のある同好の生徒が参加し、教師等の指導の下、学校教育の一環として行われ、我が国のスポーツや音楽などの振興を大きく支えてきました。また、体力や技能の向上を図る目的以外にも、異年齢との交流の中で、生徒同士や生徒と教師等との好ましい人間関係の構築を図ったり、学習意欲の向上や自己肯定感、責任感、連帯感の涵養に資するなど、生徒の多様な学びの場、そして活躍の場として、教育的意義を有したりしています。

〇しかしながら、今日においては、社会・経済の変化等により、教育等に関わる課題が複雑化・多様化し、学校や教師だけでは解決することができない課題が増えています。とりわけ、少子化が進展する中、部活動においては、従前と同様の運営体制では維持は難しくなってきており、学校や地域によっては存続の危機にあります。

〇将来においても、全国の生徒が生涯にわたって豊かにスポーツや音楽などを楽しむ資質・能力を育む基盤として、部活動を持続可能なものとするためには、各自のニーズに応じたスポーツ・音楽などを行うことができるように、抜本的な改革に取り組む必要があります。

〇柏市においても、教育委員会が昨年度からある中学校を指定し、その学校のいくつかの部活動に、NPO法人からコーチを派遣する試行的な取組を行っています。その成果を今年度中にまとめた上で、来年度から市内で段階的に、生徒にとって望ましいスポーツや音楽などの環境を構築するという観点に立って、部活動が地域、学校、競技種等に応じた多様な形で最適に実施されることを目指しています。

〇本校といたしましても、市の方針を受け、教育委員会と連携し、地域や保護者の意見を伺いつつ、今後の方向性を検討してまいります。

 須藤昌英

4月9日(土)「教えることの難しさ」について

〇平成4年に亡くなられた教育者(哲学者)の森信三先生が書かれた『修身教授録』という本があり、毎年この時期、取り出しては読み返しています。

〇その中で、「人を教えるということは実は教える者自身が常に学ぶ事である。」と明言されており、「教えることは学ぶこと」とあることが、若いころから私の頭にあります。

〇森先生は、「教科の内容を教えるだけでも、実に容易ならざらる準備と研究を要する」のですが、「教育の眼目である相手の魂に火を付けてその全人格を導くということになれば、私達は教師の道が、実に果てしないことに思い至らしめられるのであります」と書かれています。実に、「一人の人間の魂を目覚めさすと言うことは至難中の至難」なのだと思います。

〇では、この至難のことにどう対処したらよいのか、森先生は、「それに対処する道はただひとつあるのみであってそれは『人を教えようとするよりも自ら学ばねばならぬということであります』」と述べられており、「学び続ける富勢中」を今年のテーマにしようと提案した私自身が、襟を正していかねば・・と感じています。

須藤昌英

 

4月8日(金)第76回入学式

〇本日10時より、新入生174名を迎え、第76回入学式を無事に挙行できました。来週から全学年がそろっての生活になります。

【入学式での校長式辞】

 今年の桜は、例年よりも開花してから散るまでに時間があり、今日も君たちが登校したとき、正門の桜吹雪は見事でしたね。時々朝晩の寒の戻りがありますが、花壇の花々も咲き誇り、着実に春の訪れを感じる今日の良き日に、保護者の皆様のご臨席のもと、本校第七十六回入学式を挙行できますことは、まことに喜ばしく、高いところからではございますが、厚く感謝申し上げます。

 さて、百七十四名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。そしてようこそ富勢中学校へ。君たちの入学を在校生及び我々教職員一同、心より歓迎します。今、担任の先生から呼名され、返事をしていた君たちの姿を見ていましたが、ドキドキする不安とともに、ワクワクする期待も入り混じっていることがよくわかりました。今の初心を忘れないでください。来週からは、君たちの先輩である2年生や3年生との一緒の生活が始まります。でも彼らもそれぞれ1年前、2年前は全く同じ気持ちでこの場にいたのです。

 人間にとって「経験する」ことが最も大切です。今の不安は、優しい先輩や親身になって指導してくれる先生方によって、すぐに安心感に変わります。しかしそれは、先輩や先生方もみんな同じような経験を過去にしてきたからこそ、君たちの不安が手に取るようにわかるのです。

 本校は昭和二十二年に創立しましたので、第1回入学生は、現在九十歳くらいになっています。それ以来、学習をはじめ学校行事・部活動に、これまで一生懸命に取り組んできた富勢中の歴史を、これから皆さんたちと一緒に引き継ぎ、さらに、発展させていきたいと思っています。

 今、毎日のように、ウクライナでの悲しい出来事をニュースが伝えています。平和な暮らしが一瞬して奪われたり、多くの人が命をおとしたりしています。確かに遠い国のことなのであり、実感としてその悲惨さはわかりにくいですが、過去にはもともと同じ国であり、しかも今は隣合わせの国が争っている状況を、決して私たちは「他人事」や「傍観者」でいてはいけないと思います。昨日、学区を歩いていたら、青と黄の2色のウクライナ国旗を玄関先に掲げている御宅がありました。おそらく「ウクライナ頑張れ」のメッセージだと思います。

 私も含めた大人の多くも、この紛争の歴史的背景や現状について、分からないことが多いのです。「どうしてこうなってしまうのだろう」と毎日首をかしげてばかりです。ただ、大切なことは、この現実から目をそらさずに、情報を整理し、「自分ならどうするか?」といつも「考え続けること」だと思います。でもその考えは決して「正解」ではありません。他の人は違う考えをもっています。であるならば、それをお互いに話し合い、相手を理解し、一緒に何ができるかを模索していきましょう。ともかく同じ人間として、一日でもはやく紛争が終わり、亡くなった方のご冥福をお祈りし、生きている人が希望をもてるようにと願います。

 毎日学校で友達と会えること、好きな学習やスポーツができること、おいしい給食が食べられること等すべてが、「当たり前」ではなく、たまたま現在平和が保たれている日本という国に生まれたからなのです。そういう視点で物事を見て、できることに感謝しながら日々を過ごしていると、やがて「自分たちだけ幸せであればいい」ではなく、「世界の平和に自分として何ができるのか」を考えられ人になれます。

 入学にあたり、みなさんに一つお願いがあります。富勢中は「学び続ける富勢中」を今年度から合言葉にしていこうと思います。人間は皆、生まれながらにさきほどの「考える」や「学ぶ」ということから逃げられない生き物です。そして「学び」は決して完結することはありません。大人になっても、常に「学び続ける」ことを運命づけられて生きていくのです。中学校はそのために、「学び続ける資質や能力」を身に付けるところであり、来週から始まる授業や委員会・部活動・学校行事など、すべてが「学びの場」です。よく世間一般には、学んだ結果を「学力」といったりしますが、本来「学力」とは「学」と「力」のあいだに「続ける」という字が入って、「学び続ける力」のことなのです。

 そこで「学び続ける」時に大切な3つのポイントをお話します。まず、わからない事は質問しましょう。その際、無闇に「わからないから教えてほしい」ではなく、「自分はここまでは知ってる(わかっている)が、ここ(ここから)がわからない」という今の自分の状況を把握してください。そうすれば、もしその質問にその時は明確な答えが返ってこなかったとしても、その後また「問い(学び)続けて」いけばよいのです。そしていつか自分の納得する答えにめぐりあえる時が来ます。

 2つ目は、本を読むことです。本を読むことの良さは、大きく2つあります。新しい知識や考えを獲得したり、自分では決して経験できない世界や人生を疑似体験したりできることです。そして本を読む時私たちの中には、著者の言いたいことを理解しつつ、それを読んでいる「自分と対話する」という心理が自然と働きます。これが学びを深めることにつながります。本校には明るくて使いやすい図書室があります。気軽に利用してください。

 3つ目は、自分の思い通りにならない時に、立ち止まって考えることです。人生では、思い通りになる時と、思い通りにならない時が交互にやってきます。ただし後から振り返ってみた時、人間が大きく成長できるのは、むしろ思い通りにならなかった時です。その時こそ、自分のあしもとを見つめ、逃げずに「自分はどうしてこれをやろうとしているのか?」「どうやったらうまくできるだろうか?」と自分に問い続け、家族や友達、先生方の力を借りながら自分なりの答えを求め続けてください。

 世の中はあらゆる分野で飛躍的に進歩を続けており、それに対応するには、いわゆる「何を知っているか」だけではなく、「何ができるのか」が問われてきます。中学校の授業では、先生の話や友達の考えを聞いた上で、自分ではどう考えるかを話し合ったり、発表したりすることを大切にしています。それを3年間積み上げていきましょう。授業に積極的に参加することを期待します。

 最後に、中学校生活を充実させるには、生徒と生徒、生徒と先生が支え合う関係を築くことが必要です。「気持ちのよい挨拶をされた」「不安な時に励まされた」「悩みを聞いてもらえた」など、友達や仲間に勇気づけられ、次の一歩を踏み出せるのが人間です。

 保護者の皆様、本日は、お子様のご入学、誠におめでとうございます。本日より大切なお子様をお預かりいたします。今後三年間、皆様のご期待に応えるべく私ども教職員一同、誠心誠意全力を尽くしていく所存です。特に、気になる点や相談等がありましたら、ご遠慮なく申し出てくださるようお願い申し上げ、式辞といたします。

                        令和四年四月八日  柏市立富勢中学校長  須 藤 昌 英

 

4月7日(木)入学式前日準備

〇明日の入学式に向けて、在校生を中心に、メイン会場の体育館と各教室の清掃と飾りつけを行いました。私もこれまで市内で5校の中学校に勤めたことがありますが、これほど準備をスムーズに、しかも嫌々ではなく楽しそうに、力をあわせて行っていた学校は、記憶にありません。「心が優しい生徒が大勢いるな」と思いました。

〇明日は、在校生は出席しませんが、教職員一同、心を込めて新入生をお迎えしたいと思います。

 

4月7日(木)朝の10分間読書活動

〇戦後から秋の『読書週間』などが設定され、日本の国民的行事として定着し、かつて日本は世界有数の「本を読む国民の国」になりました。しかし今、若者を中心に「読書離れ」が広がってきています。

 〇確かに電子メディアの発達によって、世界の情報伝達の流れは、大きく変容しようとしています。しかし、その使い手が人間であるかぎり、その本体の人間性を育て、かたちづくるのに、「本」が重要な役割を果たすことはかわりありません。読書は、暮らしのスタイルに、人生設計のなかに、新しい感覚での「本とのつきあい方」を考えていく絶好の機会です。

 須藤昌英

 

4月6日(火)生活のリズムとしての睡眠

〇意外に思われるからしれませんが、以前より色々なデータから、日本の子どもは世界有数の「夜更かしっ子」と言われています。また睡眠不足の子どもは、成長の遅れや食欲不振、注意や集中力の低下、眠気、疲労感などの蓄積の可能性が指摘され、学校でもイライラ・多動・衝動行為などとしてあらわれることも少なくないと思います。機会をみて、お子様とお話ししてみてください。

須藤昌英

 

4月6日(火)朝の交通安全指導

〇昨日の朝から、複数の地域の方々が、交通安全指導のボランティアで各交差点等に立ってくださっています。いつも誠にありがとうございます。本年度もどうぞよろしくお願い致します。

〇特に登校時間帯は、小学生の登校の集団とすれ違いますので、私がみていた限りでは、歩道上では中学生は小学生に道を譲っている場面をみましたが、心配なのは自転車通学の生徒です。いくつかの混雑ポイントや正門前の信号は、自転車から降りていますが、場所によっては、車道を走る区間もあります。

〇ある交通安全ボランティアの方から、「朝は車の運転手も急いでいるから、信号前で減速しながら、手元のスマホをみている人もいて、中学生の自転車と接触しないか、いつもハラハラしています。」「中学生は車を運転したことがないから、運転席からの死角や運転手の心理がわからないのだよね」との声をいただきました。確かにそうだと思いました。

〇そこで12日(火)に、プロのスタントマンが交通事故の場面(自転車と自動車が衝突するなど)を校庭で再現してくれる「スケアードストレイト(自転車講習)」を行います。これは自転車通学者だけではなく、普段から自転車に乗ることの多い中学生を対象とした柏市教育委員会主催(協力:千葉県柏警察署及び柏交通安全協会)の交通安全教室です。当日は中学生には少し衝撃のシーンもあるかもしれませんが、万が一のことを想像でき、それを回避するための行動につながるよう、しっかりと学んで欲しいと願っています。

須藤昌英

 

4月5日(火)始業式

【始業式での校長の話】

〇突然ですが、あなたは自分自身のことを「物事に没頭できる人ですか?」「そうでもないですか?」と問われたら、どう答えますか?

〇私は、やはりその時にもよりますが、集中している時は、周囲の様子も無関心に、一つのことに取り組んでいることが多いです。若い頃は例えば受験勉強の時に、集中できていない自分を叱咤激励して、「何とか集中力を持続しよう」としましたが、最近は「まあ、今日はそういう日だから仕方ないか」とあきらめがはやくなっています。ただその「集中している」という精神状態は、「時間的に前にも後にも意識がなく」「今の瞬間に、目の前の対象と自分が一体化している」とも言えるのではないかと感じるようになりました。。

〇20世紀の前半に活躍したアインシュタインという天才物理学者がいました。名前を聞いた人もいるでしょう。「一般相対性理論」という現在の宇宙理論のもととなる考えを生み出しました。一言で言うと、「時間は絶対的なものではなく、時には膨張や収縮、またはゆがんだりする」ということを発見し、数式で証明した人です。

〇実際に、楽しい時間は短く感じたり、苦しい時間は長く感じたりしますよね。あらゆる生物の中で、過去・現在・未来を意識して生きているのは人間だけです。ただ、「過去は過ぎ去り」、「未来はまだ来ていません」。大切なのは、「今」だけだということをアインシュタインは教えてくれているのです。

〇一つだけ例をあげてみます。それは富勢中の伝統の一つである、「挨拶」についてです。私は挨拶には、前から「3つの挨拶」があると思っています。

〇まず、親や先生などの大人に、「人に挨拶した方が良い」と言われてする挨拶があります。これは言われて素直に実践するのですから、やらないよりはずっと良いですね。

〇次に、相手はともかく、何となく挨拶すると自分の気持ちが清々しくなるのでするのでする挨拶です。これはある意味自分にとっての「挨拶の効能」を知っているので、継続できるのではないでしょうか。

〇最後は、自分だけでなく、相手のことを尊重して行う挨拶です。もっと大げさに言えば、自分と相手の存在価値は平等であり、「今この一瞬に同じ場所でこうして出会えたことに感謝しながら行う」挨拶です。これはけっこう難しいので、私もいつもできているわけではありません。

〇最初の人に言われたやる挨拶ですが、起点が「過去」に言われたことから始まっているので、どうしても意識は「過去」にあります。次の自分が気持ちよくなることを意識しての挨拶ですが、これは挨拶した後の「未来」に意識があるといえます。最後の挨拶は、「過去でも未来でもない、今という時間を今ここであなたと共有している」ということですので、先ほどのアインシュタインの話に通じるものがあると思いませんか?

〇これから挨拶するときに、自分の挨拶はどれか考えてみてください。

〇最後に今年の76周年目を迎える富勢中で一緒に過ごせることを楽しみにしています。これから明るく楽しい富勢中を一緒につくっていきましょう。

須藤昌英

 

 

4月4日(月)始業式準備

〇明日の令和四年度始業式を前に、職員は準備に追われています。教室内の机や椅子には記名のシールを貼り、ロッカーや及び下駄箱には出席番号を示し、生徒が使用する際に迷わないようにしたり、臨時日課の学習内容や正規日課になってからの教科担当を決めたり。また各種のお便りを作成・印刷や、8日の入学式の準備も始めています。正直に言うと、本来はもう少し時間の余裕が欲しいところです。

〇今年度は、2日と3日が土・日曜日となり、実質2日間しか準備の日がありません。ところが、「4月5日が始業式」というのは、「柏市小中学校管理規則」という柏市の条例で定められており、これを改正するには、教育委員会事務局が議案として柏市議会に提出し、議会の承認を得なければなりません。そもそもこの規則の制定が昭和39年ですので、すでに約60年近くたとうとしています。生徒や教職員の負担軽減からも、今後引き続き、柏市の校長会からも教育委員会事務局に要望していくつもりです。

〇コロナ禍になって始めたものに、畑をかりての「野菜づくり」があります。ちょうど2年前の4月、たまたまご近所の方が、「もううちは出来ないから、今かりている畑を引き続いてやりませんか?」と声をかけてもらったのがきっかけです。最初は、「土いじりでもすれば日頃のストレスを解消できるかな」くらいの気持ちでしたが、初夏になると、ナスやキュウリ、トマトなどは予想以上に収穫できたことから、その面白さにはまってしまいました。

〇土を耕すのは無心に身体を動かせばいいのですが、特に真夏の朝や夕方に水をあげるのは大変で、それだけで汗びっしょりになります。でも丹精込めるほど、野菜は「正直」なので、すくすくと成長してくれます。野菜と子どもを一緒にするのはとても失礼ではありますが、「教育(共育)も野菜作りも本質は同じかな」と思うようになりました。子どもの元々もっている力を信じ、必要に応じて水や養分を与えてあげる。肝心なのは、今の状態をよく観察することで、そこから自分の想像力を働かせて、適度に手をかけ、愛情を注ぐ。

〇明日から、生徒たちに会えるのが楽しみです。

 

 

 

 

 

4月3日(日)雑感3

〇コロナ禍と言われるようになって2年が過ぎようとしています。この間以前よりも外出する機会が減りましたので、新聞や本をじっくりと読むようになっています。それ以前は何日も新聞に目を通す間もない間に、溜まってしまうこともありました。

〇1年前くらいにある雑誌の中で、「新型コロナと文明」という論説特集で京都大学総長の山際寿一先生が、「人間の共同体では日常的に顔を合わせ、冠婚葬祭などの集いを通じて触れ合い、地域文化を身体化させることが重要になる。その営みは科学技術を発達させた現在でも基本的に変わっていない。 自宅にいる時間が長くなって、改めてそれを実感した人々も多いのではないだろうか」と指摘されていました。

〇ところが「でも、それは今禁止されている3密(密集、密閉、密接)になりかねず、ウイルスにとっては好条件となってしまう。接触をできるだけ避けた今、世界は総引きこもり状態になった。これが続けば、人間にとって『共に生きる喜びや力』を奪われ、個人がばらばらになってしまう」と懸念されていました。

〇では、どうしたらよいか、「人間の共感社会は身体の共鳴によってつくられる。それを促進するような、たとえば心を癒やす効果のある音楽を共有する。オンラインで人々のつながりを保ち、声や写真や映像を用いて情報を交換して身体の共鳴を図る」ということも有効であると仰っています。

〇そうして「それは信頼という原資を直接触れ合うことでつくってきた社会から、距離を保ってゆるやかに共鳴する社会へと移っていくことを意味する」と言われています。そんな社会へと適応してゆかねばならないのでしょう。

〇今朝は曇り空で少し肌寒いですが、生徒たちはどのように過ごしているのでしょうか?正門前通りを西に向かった坂を「富士見坂」といいます。年に数回きれいに見られるようです。写真は昨年の12月ですが、是非実際にこの眼で見てみたいものです。

須藤昌英

 

 

4月2日(土)雑感2

〇昨日の雨とはうって変わり、朝から正門前の通りは、青空と桜の桃色がきれいなコントラストを映し出していました。

〇グラウンドやテニスコート、武道場や体育館では、各部活動が練習試合や来週からの大会に備えた練習に余念がありません。自分の好きなことを極めようとする若者の姿に、こちらも学ぶべき点が多いです。

〇「己事究明」という言葉があります。もとは「自分とは何かを明らかにしていくこと」の意味ですが、自分と向き合い自分らしさを見つめていくことは、中学生という青年前期にはとても重要であると思います。そこから将来自分がどんな形で周囲や社会に貢献していけるかを模索し、自己肯定感を高めていくなのだと感じます。

〇もう一つ、学校での諸活動を通して避けられないことは、人間関係の練習です。大人も子どももお互いが生きていく上で一番たいへんなのはやはり人間関係です。人間と人間の関係ほど難しいものはありません。楽しかったはずの活動も、人間関係がこじれると続けられなくなってしまうことも多いものです。

〇以前に、「鎌研(かまと)ぎの名人」の話をどこかで読んだことがあります。その鎌研ぎの名人たるゆえんは、たとえどんな下手な人が研いだ鎌であっても、自分には及ばない点を一点見つけることができるというのでした。人の欠点はすぐに見つけられますが、どんな人でも自分には及ばないところが必ずあり、それをみつけた時に、相手の良さがわかり、そう思って人に接していると人間関係が変わってくるものではないでしょうか。

〇校長室でブログを書きながら、外から生徒の元気な声が聞こえています。少しでもはやいコロナの収束を祈っています。

須藤昌英

 

 

4月1日(金)雑感1

〇今朝は雨模様でありましたが、心は躍るような晴れやかな気持ちで、富勢中学校に着任しました。今年度から私も含めて10名の職員が、「チーム富勢」の一員として、働くことになりました。

〇そこで本日から不定期とはなりますが、校長からみた富勢中の様子を、発信していきます。

〇辞書では調べると、「雑感」とは「雑多な感想」のことであり、まとまりのない感想のことです。普通、文章や口頭で感想を述べる時は一旦頭の中で話をまとめて、整理してから述べますが、それとは逆に、思いつきのままにまとまりのない文章をになるので、校長の雑感とします。

〇「ブログ」という用語は、「Web log」(ホームページの履歴の意味)から派生した言葉であると言われています。そこからブログという言葉は、明確に決められた使い方をされているわけではなく、このホームページに日記風の情報を掲載していきたいと思います。あまり期待なさらずに、気軽にお読みいただきたいと思います。

〇大人も子どもも「自ら主体性をもつ」ことが求められることが多くなりました。ただ人間は、例えると紙切れ一枚でも人から「持たされて持っている」と思うと重たく感じるものです。ところがこれが家族や好きな人の為に持つ荷物となると、「どんなに重たい荷物でも軽々と持っていける」のではないでしょうか?

〇そういう面から、この雑感ブログも、「やらされてやる」と苦痛になりがちですが、こちらが「主体性をもってやっていくこと」で、少なくとも苦痛にはならないことをのぞみながら、片意地はらずに続けていきます。

〇そしてそのことを通して、いつか折をみて生徒たちに、「どんなところにいても、どんな時であってもその場その場、その時その時、自らが主体性を持って生きることが大切です」と伝えられたら・・と思います。

須藤昌英