校長雑感ブログ

2025年6月の記事一覧

6月13日(金)3学年理科

〇3学年の理科は第1分野の「水溶液とイオン」を学習しています。まず水溶液の電気伝導性を調べる実験を行い、溶けている物質には電解質と非電解質があることを教えました。

〇例えば砂糖や食塩など身近な物質の水溶液や、塩酸やうすい水酸化ナトリウム水溶液、塩化銅水溶液などに炭素電極を入れ、適切な電圧をかけ、水溶液には電流が流れるものと流れないものがあることを実験から見いださせ、水溶液に溶けていた物質を電解質と非電解質に分類できることを理解させています。

〇また電気分解の実験を行い、イオンの存在及びイオンの生成が原子の成り立ちに関係することを理解させています。例えば、うすい塩酸や塩化銅水溶液などの電解質の水溶液を電気分解する実験を行い、陽極と陰極に物質が生成することから、電解質の水溶液中に電気を帯びた粒子が存在することに気付かせ、イオンの概念を形成させるようにしています。

〇さらにイオンの生成と関連して、原子は電子と原子核からできていることを扱い、その際原子核は陽子と中性子からできていることも教えています。イオンを表す記号としてイオン式も新しく学んでいます。

〇今回はそれらの実験を通して、イオンについてモデル的に再思考をする授業でした。理解を深めるために、友達に説明したり逆に相手の説明を聞いたりしていました。話す、聞く、書く、読むなどの言語活動は、理科以外のどの教科にも必要です。

須藤昌英

 

6月12日(木)キャリアパスポートについて

〇平成30年より文部科学省がすべての小・中・高校生を対象に導入した「キャリア・パスポート」に関する授業を、昨日行いました。講師をキャリアコンサルタントの間野さんとサクランナーの坂本さんにお願いしました。

〇そもそも「キャリア・パスポート」とは、児童生徒が小学校から高等学校までのキャリア教育に関わる諸活動について、特別活動の学級活動を中心として、各教科等と往還し自らの学習状況やキャリア形成を見通したり振り返ったりしながら、自身の変容や成長を自己評価できるよう工夫されたポートフォリオ(学習成果物の記録)のことです。

〇キャリア教育はややもすると就業体験や進路指導といった狭いものとして捉えられがちですが、本来、自らのキャリア形成のために必要な様々な汎用的能力を育てていくものであり、学校の教育活動全体を通して行うものです。

〇学習指導要領の特別活動においては、「学校、家庭及び地域における学習や生活の見通しを立て、学んだことを振り返りながら、新たな学習や生活への意欲につなげたり、将来の生き方を考えたりする活動を行う際に、児童生徒が活動を記録し蓄積する教材等を活用すること」と示されています。

〇またその記述や自己評価の指導にあたっては、教師が対話的に関わり、児童生徒一人一人の目標修正などの改善を支援し、個性を伸ばす指導へとつなげながら、学校、家庭及び地域における学びを自己のキャリア形成に生かそうとする態度を養うよう努めなければなりません。

〇生徒たちは小学校からの記録を見返し、自らの学習状況やキャリア形成を振り返ったりして、自己評価を行うとともに主体的に学びに向かう力を育み、自己実現につなぐことにつながりました。

〇講師が参考として、学年職員一人ひとりのキャリアデザインについてインタビューしてくださり、生徒たちはそれに真剣な表情で耳を傾けていました。

【使用した「私のエントリーシート2025」にある8項目】

1 私の好きな音楽・本 

2 自分を色で表すと(その理由も)

3 私の機嫌が悪くなるスイッチは

4 私の得意なもの(ただし勉強以外)

5 あの頃の憧れの職業

6 私の性格

7 私のやる気スイッチの場所

8 十年後の自分はこんな感じ(その理由も)

〇生徒たちは自分でエントリーシートに記入し、その内容をお互いに紹介しあっていました。自分を見つめつつ、友達の気持ちも大切にしていく有意義な時間でした。

須藤昌英

 

6月11日(水)2学年理科

〇2学年の理科は第1分野の「化学変化」を学習しています。中学校2年ではここまで、物質の酸化や還元の実験を行い、酸化や還元が酸素の関係する反応であることを理解させています。

〇実験では、金属を酸化したり金属の酸化物を還元したりして生成する物質を調べることを通し、酸化と還元は酸素をやりとりする逆向きの反応であることに気付かせるようにしています。

〇また日常生活や社会と関連した例として、酸化では金属がさびること、還元では鉄鉱石から鉄を取り出して利用していることなどを扱います。

〇本時のねらいは化学変化によって熱を取り出す実験を行い、化学変化には熱の出入りが伴うことを見いださせることです。それにより身近な例として、アルコールの燃焼やカイロなど日常生活や社会で利用されているものを取り上げ、学習の興味・関心を高めるように配慮しています。

須藤昌英

 

6月10日(火)柏市のすべての児童生徒に身に付けさせたい資質・能力と土中の強みと弱み

〇20世紀の天才理論物理学者のアルベルト・アインシュタインは、「学校で習ったことを一切忘れてしまった時に、なお残っているもの、それこそ教育だ」という言葉を残しています。数年前に私はこの言葉を初めて知ったとき、その意味について深く考えたことを今でもはっきりと覚えています。

〇学校では教科書を中心に授業を行っていますが、それは生徒が学ぶために、効率よく配列・整理されているからです。するとその延長で、生徒や大人も、一般の知識なども順番立てて学べるものだと思いこんでいるふし?があります。しかし当然のことですが、社会に出ればいつどこに、何かを学べる材料があるのかは誰にもわかりません。

〇生徒が学校を卒業してからその後一生涯困らないように、教育の本質とは、教わった内容だけではなく、それを自分なりに解釈したり統合・分析したりすることができる資質・能力を身につけさせることだと思います。良く言われる「学力」とは、学んだ内容を把握する力のことではなく、その内容を通して思考する力のことです。

〇そもそも学校で学習したことをすべて覚えている人はほとんどいません。もし内容を忘れてしまったとしても、その調べ方や考え方などを覚えていけば、疑問の答えにたどりつくことができます。調べ方や考え方を覚えているとは、過去の体験が経験となり、感覚として身体が覚えている状態だと私自身の経験から明言できます。あらためてまた、アインシュタインの言葉をかみしめています。

〇柏市は「第2次柏市教育振興画(~令和7年度)」の中で、この変化の激しい時代を生きていく生徒に、最低限身に付けて欲しい力を設定しています。それを4つの力(コンセプト、チャレンジ、コミュニケーション、コントロール)を「4つのC」と銘打っています。先ほどのアインシュタインの言葉のような教育の実現が、「4C」に込められています。

〇2週間後から前期中間テストがあります。これはあくまでも現時点での「知識の定着」を測るものですが、その準備をする中で、生徒たちは4つの力を徐々に蓄えていると信じています。

〇特に一番必要なのは、「続ける資質・能力」です。失敗しながらも試行錯誤しながら自分にあった学習方法を少しずつ身につけ、ある程度の期間そのことを継続してみること。

〇学習だけでなく何事も続けるポイントは、生徒自身が人から教わった方法ではなく、自分なりの方法をもっているかどうかです。1年生はまだまだこれからですが、上級生になればなるほどその傾向が高まります。

須藤昌英

 

6月9日(月)第79回体育祭

〇先週の体育祭は、青空で日差しもありましたが適度に風も吹き、耐え難い暑さではありませんでした。そのおかげで競技で大きな怪我をしたり熱中症などで体調を崩したりする生徒もなく、無事に終わりホッとしています。

〇生徒たちは朝から張り切って取り組み、自分の出場する競技だけでなく、仲間や先輩・後輩の応援をするなど、全校行事として楽しんでいました。特に1年生は初めての体育祭の雰囲気を実感したことでしょう。

【開会式:校長の話】

生徒の皆さんおはようございます。よかったですね、晴れましたね。お待たせしました。いよいよ令和7年の体育祭本番です。私はここまでの皆さんの練習や準備の様子をみてきて、今何の心配もしていません。ただ1点、一昨日と昨日と真夏のような暑さで今日も同じのようです。そのため全員が疲労蓄積の状態だと思います。疲労がたまると、ケガをしやすくなったり、特に怖いのが脱水症状から頭痛、吐き気、めまいにもなりやすくなったりします。もし重症化すると痙攣(けいれん)を起こしたり、意識を失ったりすることもあります。中学生ですので、水分補給を細目にしたり帽子をかぶったりと、まずケガと熱中症だけには自分で自分のケアを行ってください。それでも具合が悪い場合には、我慢せずにはやめに申し出てください。

目標と目的の話をします。ちょっと聞いてみます。実行委員長高橋さん、あなたの体育祭での目標は何ですか?そうですね。今回のスローガンである「力~ワンパワー~」をみんなで目指すことですね。同じように、総合優勝をとるために全力で参加することも良いと思います。ただ例え総合優勝できても、そのうれしい気持ちはせいぜい次の日くらいまでです。そんなに長続きするものではありません。

一方でこの体育祭の目的を2つ紹介します。1つ目はまずこれまでの体育の授業の延長(発表)として、体力強化と各競技のスキルアップがあります。2つ目が人間関係づくり(きずなつくり)です。1,2年生はクラス替えしているので、いつもとは異なる友達の新しい面を発見できるでしょう。また3年生はクラスは変わりありませんが、お互いに最上級生となった友達の新たな再発見をしてみましょう。きっとそれが来週からの生活にいかされると思います。

ご来場の保護者及び地域の皆様、本日は誠にありがとうございます。生徒には応急的に応援席に遮光ネットを屋根として設置しましたが、グラウンドには日影がありません。体育館を空調を入れたままで解放しますので、体調に留意して本日はお時間の許す限り、躍動する生徒たちの姿をどうぞご覧ください。

さて生徒の皆さん、準備はいいですか?自信はありますか?それでは「土中スピリット」を保護者や地域の皆様にお見せしてください。皆さんの躍動する姿がすべての大人を感動させます。頑張っていきましょう!

〇終わってみると、青組が総合優勝でした。表彰式で落ち込んでいる赤組の生徒たちには、「君たちが真剣に取り組んだからこそ青組も本気になって取り組んだので、残念な気持ちはわかりますが、また頑張りましょう」と声をかけました。

〇学校公開及び体育祭にご来校していただき、ありがとうございました。今週から梅雨の時期に入ります。生徒の体調管理をお願いします。

須藤昌英

 

 

 

6月6日(金)体育祭前日準備

〇昨日の前日準備は、午後2時から行われました。本朝、係生徒を中心に会場を完成します。

〇本日の体育祭のプログラムについては、ホームページのトップで確認してください。

〇午前8時30分開会式、午前11時55分閉会式の予定です。真夏日の予報ですので、暑さ対策をしてご来校ください。

須藤昌英

 

6月5日(木)体育祭予行練習

〇昨日は当初の予定では朝から体育祭に向けた予行練習を行うつもりでしたが、火曜日の大雨でグラウンド状態がよくないため、時間を遅らせて午前11時から行いました。

〇予行練習を行う一番の目的は、係になっている生徒たちが実際の動きを確認することです。体育祭実行委員及び生徒会役員以外の主な係は、

・放送・救護・招集・用具・記録・得点・出発合図・決勝審判 などがあります。

〇すべての行事は見えないところで多くの係分担をする生徒たちがいることで成立します。よく「裏方がいるから表舞台でスターが活躍できる」といいますが、体育祭もまさにその通りだと思います。

〇表向きには競技などに取り組む生徒たちの姿ばかり目立ちますが、その裏で表舞台を支えている生徒たちも大勢いることも知っていただき、当日はそれにも注目してください。

〇予行を終えた後、係別会議の中に当日に向けた改善点を洗い出し、修正や再度の確認を加えました。我々教職員は、表や裏で活躍する生徒たちのサポートに徹していきます。

須藤昌英

 

6月4日(水)前期中間テスト3週間前

〇雨があがり、今日は体育祭の予行練習を行います。ただし明後日の体育祭当日までは気温があがり、真夏日30℃になる予報が出ていますので、熱中症予防が最優先になります。

〇一方で今日は前期中間テストまで残り3週間となります。生徒たちには主に4月からの授業内容を復習し、テストの準備に入るように指導しています。特に1年生は初めての定期テストで、テスト範囲を計画的に復習する経験はこれまでありませんので、丁寧に指導しています。

〇授業をみてまわっているとよく生徒たちから、「私はあまり覚えることが得意ではありません」とか、逆に「僕は自分で覚えやすい方法を考えて勉強しています」という声を聞きます。要するに生徒たちの意識も「授業で学んだことを正確に記憶し、それをいつでもどこでも再生できるようにする」ということを重視しているということです。

〇ところで「記憶」とは、脳科学的に言えば「脳内で新たな神経回路が形成されること」だそうで、ヒトの脳には、一説には一千億個もの神経細胞があるようです。

〇そして記憶を大きく2つにわけると、「短期記憶」と「長期記憶」の2種類があり、短期記憶とは「脳の中に短期的に記憶しておく能力のこと」で、情報を一時的に保管することです。それに対して、長期記憶は「情報を長期的に記憶すること」で、テストに向けてはこちらの比重が高いです。

〇人間の記憶とパソコンの仕組みはよく似ているそうで、パソコンで例えると、短期記憶がRAM(パソコンの中のデータを活用しパソコンにデータ保存するための領域)、長期記憶がHDD(パソコンの中にたくさんのデータを保存しておくための領域)に当たります。

〇東京大学大学院の池谷裕二教授(日本の薬剤師、薬学者、脳研究者)は、著書「受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法」で、次のような指摘をしています。参考になりますので、少し長いですが引用させてもらいます。

「人の脳の海馬という部分は、神経細胞の結合をつくる役割を果たしていており、『短期記憶から長期記憶』へと情報をつなげる中期記憶を担っています。海馬に入ってきた情報が溜まっている期間は、情報の種類によって異なりますが、短いと1か月程度です。海馬は情報を1か月かけて整理整頓し、『何が本当に必要な情報なのか』を選定しています。一日のうちに、新しい知識をあまりにもたくさん詰め込むのは避けたほうがよいですし、そもそも勉強は「復習」に主眼をおくべきで、覚えられる範囲をストレスなく覚えること、これが記憶の性質に適した学習方法です。比でいうと、『予習:学習:復習=0.5:1:4』が理想的です。」

「心理学者ビネーは、脳は入力よりも出力を重要視していると指摘します。海馬に『この情報はこれほど使用する機会が多いのか、ならば覚えねば』と判断させること、つまり『詰込み型よりも知識活用型』の方が効率的だということです。ならば教科書や参考書を何度も見直すよりも、問題集を何度も解く復習法の方が良いでしょう。」

「ポイントは、『脳を上手くダマす』ことです。短期間の間に、同じ情報が何度も脳に入ると、海馬は『こんなに短期間のうちに何度も入ってくる情報なら必要なものに違いない!』と勘違いします。つまり、一定期間の間に何度も復習を繰り返すことで勉強した内容が長期記憶になるということです。」

〇要するに、授業で得た知識をただ漫然と覚えようとするだけでなく、口で言ったり手で書いたり、問題集でおさらいすることで、短期記憶の中から繰り返しアウトプットしたものだけが、長期記憶となり、すぐに忘れにくいものになっていくようです。

〇生徒にはテスト範囲表が間もなく配付されます。自分の得意な教科を中心に復習するか、苦手な教科に重点的に取り組むか、生徒たちには自分のやりやすい方法を見つけてもらいたいと思います。

 須藤昌英

 

 

6月3日(火)生徒の視点で授業をみるとわかること

〇今週は学校公開で保護者や地域の方々に授業参観をしてもらっています。参観された印象はいかかでしょうか?

〇先月までに11人の先生の授業を順次紹介してきました。教科や学年はそれぞれ異なりますが、4つのステップ(見出す、調べる、深める、まとめ上げる)で授業を展開していることは共通です。

〇私が1時間の授業を通して、生徒の視点で授業に参加していると、生徒の表情やしぐさ、思わず発するつぶやきなどから、その授業への興味関心や理解の度合いがある程度わかります。

〇そんなときには、次のような「あ、い、う、え、お」のような生徒の反応がよく見られます。ただしこれらは、授業をしている教員がすべて把握することは難しく、外から客観的に授業を観察している人の方がわかりやすいものです。そしてそれらを授業が終わった後に、授業者に伝えるのも私の役目です。

須藤昌英

6月2日(月)キャムデン高校とのオンライン国際交流

〇柏市はオーストラリアのキャムデンと平成9年に友好都市協定を結んでいます。そのつながりをいかし、2年生は田中先生の指導のもと、キャムデン高校とオンラインを結び、交流活動を行っています。

〇キャムデンについて少し調べると、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の東海岸近くに位置する町で、羊毛やワイン、石炭の生産を主な産業としているようです。日本からは飛行機で約9時間。時差は、夏期で2時間、冬期は1時間となっています。

〇オンラインで行うメリットは、場所や時間を選ばずに世界中の人と交流できること、費用が安く済むこと、そして相手の国や学校の様子を知り互いに認め合うこと、それが身近な多様性の理解へつながります。

〇交流授業では、あらかじめ用意しておいた質問を英語で話しかけ、相手に答えてもらいます。はじめにお互いにあいさつ代わりに、「氏名と年齢」を交換します。

「I am ~. I am 14 years old.」

〇次に英語で相手に質問を投げかけます。

「あなたはどんな科目を学んでいますか?」

「そちらの学校では給食がありますか?何を食べていますか?」

「そちらの学校は何時に終わりますか?」

「オーストラリアではどのくらい長期休業がありますか?」など

〇最後にお礼と別れのあいさつを交わします。

「Thank you,very much.Nice talking with you. Goodbye.」

〇キャムデンの高校生も自主的に日本語を学んでいるだけあって、ある程度聞き取りやすい日本語を使いこなしていました。本校の生徒たちにもよい経験になっています。

須藤昌英