校長雑感ブログ

2022年4月の記事一覧

4月29日(金)礼を尽くす

〇「日経トップリーダー 『会う人がすべてが、幸之助の虜になった なぜ一見の相手にも深く頭を下げるのか』 」という本に、以下のような話があります。

〇とある中小企業を経営する五十代の方が、東京から大阪に仕事の帰りで新幹線に乗っていました。もともと松下電器(Panasonic)の創業者松下幸之助の大のファンであったらしいです。それがたまたま、通路を挟んで斜め前に松下幸之助さん本人が坐っていました。「何とか一言でも話しかけてみたい」と思うのですが、相手にもされないだろうと尻込みします。

〇「それでも千載一遇の好機を逃したくない」と思って、当時車内で売っていた冷凍ミカンを買っ松下松下幸之助さんに差し上げてみました。それがきっかけとなって、「一言でもお言葉を聞けたらいい」と思ったのでした。恐る恐る冷凍ミカンを「どうぞ」と差し上げると、松下幸之助さんは驚きながらも「ありがとうございます」と受け取られて、それから二十分も話ができたというのです。それだけでもその人は感動しました。

〇やがて京都駅に近づくと、松下幸之助さんは降りる準備を始めました。するとその方のところまで来て、「先ほどはありがとうございました。ミカンおいしかったです」と丁寧に御礼を言われたそうです。更に驚いた事に、ホームに降りた松下幸之助さんは、その方の席のところまで来て、お辞儀をされました。そして新幹線が動き出すまで、見送ってくれたというのです。

〇全くこれまで面識も無い人に対する松下幸之助さんの丁重なふるまいに感激したその人は、大阪に帰ってから、自分の会社と家にある電化製品をすべて松下電器の製品に替えたということでした。

〇なぜ初対面の人に対しても、こんなに丁重に応対されたのか、その文章の中には松下幸之助さんの深い思想が書かれていました。「人間は誰しもとても素晴らしい能力を与えられている、だから老いも若きも偉大な存在なのだと。会った人がお客であろうがなかろうが、顔見知りであろうがなかろうが、今自分は素晴らしい人と話しているのだから、失礼のないように礼を尽くさなければならないと」いう考えだったという話なのです。

〇本当のリーダーのあるべき姿を学んだ気がします。

須藤昌英

 

4月28日(木)身体的技能や芸術表現をする教科

〇高等学校の入試科目にある5教科(国・数・英・社・理)がある一方、音楽・美術・保健体育・技術・家庭などの教科を、通称「技能(表現)教科」などと呼んだりしますが、私は前者が「主に文字や数字を使っていろいろな概念の理解を深めること」に対し、後者は「手や足などの自分の身体を使って何かをかたちにしていくことだ」思っています。

〇有名な解剖学者の養老猛司先生は講演の中で、「本来の教育は、身体を使って表現することであった。もともとインプットの学習とアウトプットの表現は一緒だったのが、近代教育ではそれを分離してしまった。昔の『文武両道』は、その2つ(学習と表現)がもとは1つであることを示しており、それがサイクルを描いて回っていないといけない」とおっしゃっています。

〇まさに別表の各5教科は、それぞれのねらいをもって、生徒たちの感性を豊かにするために、日々の授業を行っています。生徒も他の人と比較するのではなく、自分なりの作品制作や表現活動を行っているので、表情が豊かに見えます。

須藤昌英

 

4月27日(水)「3D」から「SNS」へ

〇ある冊子に、精神科医の西多昌規先生の「言葉を前向きに「変換」してみよう!」という記事がありました。「3D接続詞というのを使わないように」と書かれています。

〇3D接続詞というのは、「でも」「だって」「どうせ」というのです。こういう言葉を使っていると、同じ言葉を使う者が集まってくるそうで、「ネガティブな口癖の人同士が集まって、不満ばかりの人生になる」と指摘されています。

〇西多先生は、「でも」「だって」「どうせ」の3D接続詞が出そうになったら、「そうですね」「なるほど」「その通りです」など、肯定的な接続詞を使うようにと指摘しています。こちらはその頭文字からSNS接続詞となります。まずは相手を決して否定しないことから入り、そうすればその後の会話がスムーズになるということでしょう。

〇私も人に言われないと自分の口癖を認識していないことが多く、この記事を読んだ際、もう一度自分の言動を一日かけて振り返りました。するとやはり無意識にいくつかの言葉を発し、「その言葉にあとから自分の気持ちが引きずられているのでないか?」と思いました。

〇はじめにある気持ちがあって、それによってあとから発する言葉はまだ自然でよいですが、先ほどのように言葉に気持ちが左右されるのは、「不合理な気がして、できるだけ避けよう」と思っています。

〇次回、全校生徒の前で話す場面で、「3DからSNSへ」を投げかけてみようと思います。

須藤昌英

 

4月27日(水)仮説を立ててそれを実証していく力(理科の学習)

〇理科については、先日の18日に「中学生のころの学習は一つのきっかけ」として、45年前の昔、私が中学生で理科の授業で習ったことで、「四季がどうして生まれるか」については、当時「なるほど何にでも根拠はあるのだな」と思ったことを書きましたが、それは第二分野(生命や地球に関する自然の事物・現物を対象)に入ります。もう一つは第1分野(物質やエネルギーに関する自然の事物・現物)があり、生徒も好き嫌いが分かれるようです。

〇理科のある先生に、「どのような気持ちで授業に臨んでいますか」と尋ねたところ、「自然の不思議さとか、面白さとか、そういうものを伝えたい。こういうことを知識として持っていたら、豊かな生活になるということを伝えたい。また、社会に出て、いろいろな人生を送っていく中で、未知の課題が出てきたときに、観察・実験を通して得てきた課題を解決していく能力というのは、そこできっと発揮されるのではないだろうかという期待も持ちながら、授業をしている。」とのことでした。

〇私も理科の学ぶ過程の中に、仮説や予想を立て、自分の問いを追求し、それをみんなに説明したいために、実験・観察をするというところが大切ではないかと思っています。この力は社会に出てからもよく使われるもので、成功しても失敗してもその原因を考え、そこからまた新しいアイデア(仮説)を立てていく・・この繰り返しは、どんな職業でも本質的に同じではないかと思います。

〇いずれにせよ、実験などには安全性の確保が欠かせませんので、特に年間を通して理科室での授業は、理科支援員さんのバックアップを受けて、安全面に最大の配慮をしていきます。

須藤昌英

 

4月26日(火)富勢中の生徒会本部

〇中学校での生徒会活動は、生徒が自発的、自治的活動を行なう機会であり、また異学年との交流を深める場として位置づけられています。学校の全生徒を組織する生徒会で、生徒は一人ひとりの役割に活動意欲を持ち、創意工夫しながら社会生活の基盤を培っています。

〇中学校学習指導要領において生徒会活動は、集団の一員として協力し充実した学校生活に主体的に関わる能力育成を目標とする、「特別活動」のひとつとして設定されています。

〇生徒会は全校生徒が会員であり、生徒会本部役員は、会員の選挙によって選ばれた生徒が運営します。その本部が指揮を執り、各委員会と各学級が連携しながら、学校内での自分たちの生活の充実や学校生活の改善、向上を目指しています。

〇今は6月の生徒総会に向け、本部が作成した議案書を各学級で討議を行っています。

須藤昌英

 

4月26日(火)人々の営みがメインテーマの社会科

〇中学校の社会科は、3つの分野「地理」「歴史」「公民」があり、特に前の2つは1~2学年に、並行して学び進めます。

〇まず地理分野ですが、単に国名や産業を覚えるのではなく、世の中で起こっている現象について、様々な角度から体系的に学習する分野です。今存在している文化や産業が、地理的現象や空間的な配置をもとに、どのようにして形作られたのかを学びます。最近では、「地域の過疎化」などに焦点を当てた現代社会の諸問題について、地理分野でもよく取り扱います。ですので他の科目と比べて、「非常に実用性の高い科目といえる」と思います。地理的なことを理解することが、自分自身の生活に、あるいは地域社会の課題解決に直接役に立ちます。

〇次に、歴史分野は今ある政治体制や文化を正しく理解するために、まずは過去にさかのぼって背景を知る分野です。例えば今のウクライナとロシアの危機的状況を理解するには、それぞれの国民性やこれまでの経緯を学習することは必須でしょう。また用語の暗記にとどまらず、ものごとの流れにふれるなかで、物事の因果関係を学ぶことにもなります。そうすることで、先人たちの成功や失敗から、問題の原因の特定や解決策のヒントを学べます。よく昔から「未来を考えるには、歴史から学べ」とも言われています。

〇最後の公民分野は、「法律」「政治」「経済」などの現代社会のしくみや在り方について学びます。特に最近は、SDGsの理念から、持続可能な社会という視点から、環境問題や少子化問題における社会保障や財政の問題について考えさせる問題も取り上げています。学習指導要領には、「グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力を育成する」という大きな目標が掲げられており、これを読むと思わず私たち大人も「本当に自分はそこまで達しているか?」と振り返ってしまいます。

〇分野は違いますが、これらに共通するのは、「すべて人の生活や営みから派生している」のであり、最後は自分の生活にどのように活用していくかに戻していくことだと思います。自然科学と社会科学をつなぐ、重要な科目ですね。

須藤昌英

 

 

 

4月25日(月)北部Ⅱ地区校長会議を行いました

〇柏市には小・中・高等学校合わせて64校あり、2ヶ月に1回程度全校の校長が集まり、会議を開いています。

〇また、もっと距離的に近い学校の校長が集まることで、より具体的な課題や取り組みについて話し合う機会があります。本日、富勢西小学校で、中学校3校(富勢中、松葉中、柏の葉中)、小学校6校(富勢小、富勢東小、富勢西小、松葉第一小、松葉第二小、柏の葉小)による第1回目の会議を行いました。

〇前校長の髙橋柏の葉中校長も一緒でしたので、有意義な情報交換ができました。具体的には、1学期の宿泊を伴う行事について、松葉中は林間学校(6月初旬)と修学旅行(6月下旬)、柏の葉中は林間学校(6月初旬)と修学旅行(5月下旬)ですので、本校の林間学校(5月の下旬)と修学旅行(6月の中旬)と全く状況は違いますが、お互いに情報をやりとりして、お互いに無事に行けるような方策を立てていきます。

 須藤昌英

4月25日(月)ちょっとはやい五月病?

〇今朝のNHKニュースで気になる報道がありました。それに関連するサイトから引用させてもらいます。

〇「新年度が始まりまもなく1か月ですが、コロナ禍で迎える3年目のこの春、職場や大学ではリモートでの業務や授業を対面に切り替えるところも多く、日常が少しずつ戻ってきました。新たな出会いや刺激への期待に胸を躍らせるこの季節。ただSNSをのぞいてみると…「対面しんどい」「視線と話し声が気になる」との意見も多い状況があります。なぜこうした声が上がっているのか?取材してみると、4月なのにどうやらもう“五月病”が現れているようです。」

〇「例えば新大学3年生は、入学したときには、すでに新型コロナウイルスの感染は拡大していて、入学式は中止でした。1、2年生では体育の授業を除き、履修したすべての授業はオンラインで自宅で受けていました。対面授業の再開については、『当初思い描いていた学生生活を送れると楽しみでしたし、友人とも何か月ぶりに会えて本当にうれしかったです』と話していました。この4月は月曜日から金曜日まで毎日大学に通って、友人たちと肩を並べて授業を受け、サークル活動にも精を出しました。ただ、その週末は、朝からなにもやる気が出なくなってしまったと話します。『土曜日は午前中から勉強をしようと思っても、手が付きませんでした。気分転換をしようと散歩にもいったのですが、効果がありませんでした。日曜日も気分が晴れず、食べて、寝ることしかできなかったんです。』」

〇「『小中高のときはもちろん対面で授業を受けていたので、対面授業にすんなり戻れると思っていました。でもみんな同じ場所で授業を受けている間は無意識に気を遣っていたのではないかと感じます。対面授業のほうが、プライベートな空間で授業を受けるより疲れます。』つまり早送りも可能で何回も聞き直しができるオンライン授業が当たり前になっていて、対面授業の感覚を取り戻せないことも負担に感じているようでした。」

〇まさに私の長女もこの4月から大学3年生で、今のところ異変は見えませんが、もしかしたら内面では同様の不安や悩みがあるのかもしれません。この記事は主に大学生を扱っていましたが,「中学生ももしかしたら・・」と少し心配になりました。これからゴールデンウイークに入りますが、ご家庭でもお子様の様子を観察してみてください。

須藤昌英

 

 

4月24日(日)生徒たちのより良い成長のためのPTA活動

〇昨日、お忙しいところ新旧の役員の皆様にお集まりいただき、引継ぎ及び今年度の第1回の役員会等を開きました。

〇PTAは本来子どもの健やかな成長を願う保護者や教師が協力していく団体です。また保護者や教職員のPTAへの加入につきましては、個人の自由(任意加入)であり、強制ではありません。ただし、子供たちが安全で健やかに成長するためには、学校と保護者の連携は不可欠であり、PTAは子供たちに必要な組織と考えています。本校生徒のために、保護者と学校が自主的・協働的に進めているのがPTA活動であり、学校ごとに組織されている団体で、またそれをまとめる市内のPTA連絡協議会もあります。

〇昨今の状況から、これまでの活動内容を見直し時期にきていることは認識しており、今後よりよいPTA活動の在り方について、役員の皆様方と情報共有し、協議してまいります。

〇また、「地域とともにある学校」の理念のもと、コミュニティ・スクール(CS)運営協議会に参画する委員は、学校や地域の実情を踏まえた方にお願いしています。このPTA 及びCSは、頼もしい「学校の応援団」として考えており、本校の生徒の健やかな成長のために、一緒に伴走してくださると認識しております。

〇また保護者の皆様につきましては、PTA役員などの選出にとらわれることなく、学校を支援する保護者ボランティア視点からのお手伝いも想定しています。今後も、持続可能でお互いの顔が見える関係になるよう、御協力をお願い致します。

須藤昌英

 

4月23日(土)英語の目的は話せること?

〇国語や数学にそれぞれの世界観があるように、世界の共通語と言われる英語も、近年は小学校の外国語活動が活発になっているおかげで、少しずつ生徒達にはその特性などは理解されていると思います。

〇英語を含む外国語科の目標は、「簡単な情報や考えなどを理解したり表現したり伝えあったりするコミュニケーションを図る資質・能力を育成すること」となっています。よく「コミュニケーション能力」を考えるうえで最も大切なことは、「双方向のもの」であり、相手への伝達だけでなく、「相手からの情報をいかに上手に(正確に)受け取るか」という観点も持っていなければならないと言われます。

〇しかし世間では、高機能でコンパクトな翻訳機はたくさん出回っており、外国へ行くにもそれをもっていけば、困ることはない時代になっています。ではなぜ、英語を学習するのでしょうか?もちろんさきほどのコミュニケーションのツールとして、英語は日本語よりもある面は適していると思います。でもそれだけでしょうか?

〇これも私の私見にすぎませんが、中学校から英語を勉強し始めて、私はやはり英語の文法に馴染むのに時間がかかった記憶があります。よく「S主語、V動詞、O目的語、C補語」を組み合わせた5文型をひたすら覚えましたが、それまでどうしても日本語と違う違和感が頭から離れなかったのが、ある日突然その霧のようなものが晴れて、しっくりと英文が見えるようになったのは、今でも忘れられません。

〇そしてさらに、例えば日本語との一番大きな違いである、主語の次に動詞がくるのも、「これも悪くないな」と思うようになりました。と同時に、逆に日本語の奥ゆかしさなどの良い面も、両者の比較によってより明確になりました。実際に英語を日本語へ、日本語を英語に直す際、その感覚が一番役に立ちました。

〇生徒達には、互いにコミュニケーションをとりながら、英語と日本語のそれぞれの良さを自分なりに感じてほしいと思って、各学年の英語の授業を参観しています。

須藤昌英

 

4月22日(金)「数学嫌い」の原因として考えられること

〇国語の学習が全学年統一で、「詩」から始まっているのと同様に、数学では全学年が、「数と式」の領域から始めています。

〇数学の学習内容は、大きく「数と式」「図形」「関数」「データの活用」の4領域から成り立っています。最初の「数」と「式」は、数学全体の下支えをしていますので、当然最初に学習します。

〇まず「数」についてですが、数学では学年が進むほど「新しい数」を定義し、その世界をひろげていきます。中1ではまず、マイナス符号のついた数を含めて初めて学習します。でもこれはまだ身近に気温や成績などに使われているので、理解しやすいです。ところが中3になると、「2乗するとある数になる数のもとの数」いわゆる平方根(√)というあまり馴染みのない数が登場します。昔数学を教えていた際、よく生徒から「何でルートのついた数なんかでてくるの?」と尋ねられましたが、「数学の世界を広げ、応用範囲をひろげるためには、どうしても新しい数がないと数学は発展していかないのだよ」と答えてきました。

〇次に「式」ですが、これはいわゆる「文字を使った式」のことで、算数と数学の違いの究極はここにあります。小学校では□を使った式で、「□のなかにはいろいろな数が入ることができるよ」と説明していますが、その□の代わりに、文字という抽象性の高い記号を使うことにより、式を形式的(アルゴリズム)に扱うようにできるようになります。要するに式を計算する課程をより簡単し、「その結果として得られた最後の式から何がいえるのか?」に意識を集中させやすくすることをねらっています。

〇いずれにせよ、数学に苦手意識をもっている生徒は一定数いますが、原因の一つが、「数学の独特の世界に違和感がある」と私は経験上感じています。生徒には、「例えば旅行で、アメリカに行ったとしたら、その国の文化や風習にある程度合わせた上で、楽しむよね。数学もそれと同じで、数学の国の文化や風習にまずは慣れ、楽しむまでいかなくても、『まあ、こんなものか』くらいに思っていればいいよ」と話していました。

〇今の生徒に通じるかわかりませんが、「にいればにしたがえ」は、他の教科にも同じく言えるかもしれません。

須藤昌英

 

4月21日(木)詩の学習にちなんで

〇我孫子市に住んで20年以上になります。我孫子市は大正から昭和にかけての昔、「北の鎌倉」と呼ばれていたほどで、今でも自然が多く残っています。手賀沼と我が家の間には、田んぼと小さな山の林があり、春の田んぼからは蛙の声、夏の林からはうるさいほどの蝉の鳴き声が聞こえ、年間を通して四季を身近に感じます。

〇最近は朝の五時から、鶯の「ホーホケキョ」の鳴き声が聞こえ、気分良く起床しています。耳を澄ましていると、その他に「ケキョ」とか「ホヶキョ」とか「グチュグチュ」のように鳴くことがあり、それがある一定のリズムをもっているような気がします。

〇リズムと言えば、昨日から正規日課の授業が始まり、各学年の国語は、ぞれぞれ「詩」の学習から入っています。1学年は金子みすゞの「ふしぎ」、2学年は吉野弘の「虹の足」、3学年は谷川俊太郎の「春に」と有名な詩人ばかりの作品を味わっています。また詩の暗唱を通して、表現方法や作者の気持ちの変化などを自分や友達の考えを出し合い、読み取っていく過程を全学年共通で行っています。

〇詩を読み慣れることで、国語に必要不可欠な力が養われます。その力は、一説によると「映像化力」と呼ばれ、目の前に詩の情景をイメージしていく力だそうです。詩を難しいと感じる人が多いのは、少しの言葉で表された世界を、十分につかみとれないのが一つの原因らしく、生徒たちは繰り返し自分のイメージづくりに懸命です。

〇今はコロナ対策で、大きな声での暗唱はできませんが、生徒のつぶやく声と、鶯の鳴き声が重なっています。

須藤昌英

 

 

4月20日(水)今日から正規日課になります

〇昨日までは臨時日課でしたが、今日より正規日課となりました。生徒たちは、6時間目の終了時刻(午後3時25分)まで、自分の学びを深めようと取り組んでいました。彼らをみていると、50分授業6コマを受けるのは、「知力」よりもある意味「身体力」が必要ではないか・・と感じます。

 

〇小児科医師及び発達脳科学者で、文教大学教授でもある成田奈緒子さんは、多くの著書がありますが、それを一貫しているのは、「子育て=脳育て」ということです。

〇子どもの脳(特に前頭葉)を「順序良く、バランスよく」育てる作業が大切で、脳を育てるとは、「神経細胞(シナプス)を増やすこと」だそうです。

〇「脳育て」を家づくりに例えると、2階建ての家をイメージし、その1階は、「からだの脳(朝起き、就寝、睡眠、食べる、排せつ、呼吸、体温維持等)」で、2階が「おりこうさん脳(会話、読書、学習、運動等)」と表現されています。

〇と同様に2階をつくるにはまずはしっかりとした1階部分をつくることだそうです。その上で、あとから2階部分はゆっくりとつくればいいとなれば、やはり規則的な生活を優先させること、よく言われ使い古された言葉ですが、「早寝・早起き・朝ごはん」ということでした。

〇中学校時代は、論理的で人間的な思考ができるようになり、さらに抽象的な概念・言語を使って表現したりするようになります。もしご家庭で、お子さまの言っていることが、今までよりも「屁理屈」のように聞こえたとしても、それが成長の過程だと理解してあげてください。

 

 

4月20日(水)ネットモラル授業(1学年)

〇世の中はますます便利さを追求し、コンビニでは何時でも欲しいものがすぐに手に入り、わからないことは手元のスマホで検索すれば、何でもそれなりの情報が得られるようになっています。もっと言えば、我々が「当たり前」と感じているこれらの「便利さ」は、「何かにすぐにパッと飛びつく習性を嫌でも身に付けてしまうこと」に直結しています。

〇我々のような昭和生まれの人間には、そのような時代の変化が自分の生きてきた時代とリンクしているので、これからもっと便利さを追い求める世間の風潮に、少しの不安を覚えますが、中学生たちは生まれながらに今の状態が「当たり前」なので、ちょっと違った感覚なのでしょう。

〇もちろん時代は後戻りできませんので、大切なのは生徒たちに、そういう環境中で、気をつけなければならないことや周囲への配慮などを教えていくことだと思います。

〇昨日、講師を招いて、新入生にネットモラル授業を行いました。

須藤昌

4月19日(火)全国学力・学習状況調査(3学年)

〇この4月に毎年、全国の中学校3年生を対象に行っていますが、本日午前中に、3教科のテストと学習や生活に関するアンケート調査を行いました。

〇夏以降に結果を分析し、授業改善の取り組みや教職員の校内研修の充実、放課後等の補充学習の実施などに役立てていきます。

須藤昌英

 

4月19日(火)ミラーニューロンと共感

〇2年くらい前、ちょっとしたきっかけから「ミラーニューロン」という言葉(概念)を知りました。直訳すると、「鏡のような神経細胞」となります。

〇人間など高等な霊長類の脳には、「ミラーニューロン」という細胞があるのだそうです。これによって、お互いは、相手の行動をわが身のことのように置き換えることができるのだそうです。

〇たとえば、相手が笑っているのを見ていると、ミラーニューロンを通してなんとなく自分も楽しい気分になるというのです。また逆に、相手が怒っているのを見ると自分も怒りたくなるというはたらきをするそうです。

〇人間の「共感」というものには、この「ミラーニューロン」が関わっているというのです。たとえば、「両親が楽しそうにしていると、それを見ている子どもはミラーニューロンを興奮させて「楽しそうだ」と感じて、まねをします」と書いてありました。

〇もっともこの「ミラーニューロン」は、決して良いことばかりではないようです。 「ドメスティックバイオレンス(DV)は遺伝するように見えるけど、実はあれは行動パターンをまねしているだけなんだ」ということです。「DVは先天的に遺伝するのではなくて、お父さんやお母さんが子どもにDVをすると、ミラーニューロンを通して子どももDVをするように脳が変わっていく」のだというのです。

〇子どもはどこか親に似たように育っていくのは、ミラーニューロンの働きだそうです。私も息子2人と娘1人を育ててきました。3人とも成人して、もう親の影響など及ぼないと思っていますが、幼いころから一緒に住んでいた事実は上記のようなことを今でも引き起こしているのかと思うと、なるほどと思います。

〇昔から「子どもは親の鏡」ということわざがあります。私も人の親として、今更ながら、自分を正していかねば・・・と思います。

須藤昌英

 

 

4月18日(月)1学年レクリエーション活動

〇入学して10日間が過ぎましたが、1学年生徒はまだまだ不慣れなことも多く、朝自宅を出る時もまだ緊張している子がいるとも聞いています。

〇そんな中、少しでもお互いに仲良くなったり、クラスへの所属意識を高めてもらうなどの目的で、グラウンドにてレクを行いました。

〇日差しもなく涼しかったので、せっかく用意した水筒もあまり活躍することはありませんでした。

須藤昌英 

4月18日(月)中学生のころの学習は一つのきっかけ

〇45年前の昔、私が中学生で理科の授業で習ったことで、「四季がどうして生まれるか」については、今でも当時「なるほど何にでも根拠はあるのだな」と思ったことを今でも覚えています。要点を振り返ってみると、

〇「地球は地軸を傾けて太陽を一年かけて回ります。その傾きがあることで、一年間の間に地球が太陽に向かう部分が異なっていく。地表にあたる太陽の角度が変わり、そのため地球には日本のような美しい四季が生まれた。」ということなのです。

〇なるほど傾いているから、四季が生まれたのです。まっすぐもいいのでしょうが、確かに地球儀は傾いており、そのことにも意味があったのです。更に、「しかも地球は、コマのようにきれいな軸を保ちながら回っています。もし軸が安定せずに、ドッタンバッタンしながら回っていたら、ある時は北極のような寒さ、またある時は赤道直下の灼熱の地など、美しい四季どころか大変な気候の変化にさらされていたはず。」というのです。

〇実際に、「火星という星は、地軸が安定してないのだ」ということを後から自分で調べて知りました。そしてそれはどうしてかというと、「火星を回っている衛星がとても小さくて、地軸を安定させるほどの力が無い」そうなのです。それに比べると、地球を回っている衛星の月ですが、大きさは地球のおよそ四分の一だそうで、かなり大きい」。空に浮かぶ月を見ていると、地球の四分の一もあるとは想像できませんが、それくらい大きいことや地球と月の関係が深いことは自分の視野を広げてくれました。

〇ですから海の潮の満ち引きがあることにつながります。これはよく知られているように、月の引力によって、地球の海水が引っ張られて起こるのです。さらに潮の満ち引きは、人間の出生や息を引き取ることにも大きく関わってきていると大人になって知りました。何はともあれともあれ、月のおかげで、地球は地軸を安定させているのだそうです。そのおかげで、穏やかな四季の移ろいがあり、それは地軸の傾きや月のおかげなのです。

〇このように、中学生の学習が一つの起点となり、大人になっても物事を考えていく視点や学び続ける姿勢を身に付けていけるのではないでしょうか。水曜日から正式日課が始まります。いろいろな授業の中で、生徒たちが身近な問題や疑問に感じることに、興味関心をもってもらいたいものです。

須藤昌英

 

 

4月17日(日)「遺伝子オン」で生きる

〇昨年お亡くなりになった、筑波大学名誉教授の村上和夫先生は、バイオテクノロジーの権威でしたが、何冊かの本で、わかりやすく「私たちに人間の無限の可能性」を遺伝子の視点で教えてくれています。要点だけ紹介します。

〇一個の細胞内の遺伝子がもつキャパシティー(潜在能力)は、とても大きく、かりに遺伝子のもつ全能力を100とすれば、その3%から5%くらいしか私たちは用いていないと言われています。この「遺伝子のスイッチをオン」にして生きていけば、これまでとは違う新たな自分をつくっていけるのです。たとえば新年度の進級や進学で、環境が変わったり違う先生や友達に出会ったりすることによって、遺伝子は比較的簡単に「スイッチオン」になります。特に人との出会いが「スイッチオン」の欠かせない要因であり、どんな出会いであっても「この出会いが自分にすごい結果を呼ぶかもしれない」と期待していいのです。

〇また環境というと「いい環境」と「悪い環境」という考え方がすぐに出てきますが、「スイッチオン」のためには、環境の善し悪しよりも、まず「変える」ということをだけが必要です。自分が行き詰っていると感じるとき、あるいは自分をもっと成長させたいようなときは、環境を変えてみる価値は大いにあるそうです。

〇さらに強い意志や使命感をもつことも遺伝子を「スイッチオン」にしますし。他を利する生き方も遺伝子をオンにします。他を利する生き方をしていると、ネガティブ・ストレス(欲・競争・出世・憎む・恨む・陥れる等)から無縁でいられるので、健康にもよいしいつも元気いっぱいでいられます。人間は不思議なもので、同じ苦労でも自分の欲得でやるときは、こだわりが強いので結構疲れますが、純粋に人のためと思ってやるときは、なぜか生き生きわくわくできる経験がきっと誰にでもあるでしょう。

〇科学者が言うことには説得力がありますし、私も経験上から「素直な人は伸びる」という言葉の「素直」とは、「今の自分を大切にし、将来の自分に期待する」心情をもてることではないかと思ってきました。そして素直な人は、常に「感謝の心」も備えもっています。生徒達には素直な心で自分の遺伝子をオンにしてもらいたいです。

〇以上のようなことを前任校では、全校生徒に話したことがありましたが、今度富勢中でも機会をみて話してみようと思います。

須藤昌英

4月16日(土)身だしなみや生活のリズムを整えることの効能

〇五木寛之の『大河の一滴』の中に、2年前にお亡くなりになったC・W・ニコル氏のから聞いた話があります。

〇ニコル氏が「南極へ探検に行ったときの話」で、五木氏が、「南極などの極地では、長いあいだテントを張って、くる日もくる日も風と雪と氷のなかで、じっと我慢して待たなければいけないときがある。そういうときに、どういうタイプの連中がいちばん辛抱づよく、最後まで自分を失わずに耐え抜けたか。」と尋ねると、ニコル氏は、「それは必ずしも頑健な体をもった、いわゆる男らしい男といわれるタイプの人ではない」と言ったとのこと。

〇では再び、「ではどんなタイプの人か」と尋ねると、ニコル氏は、「南極でテント生活をしていると、どうしても人間は無精になるし、そういうところでは体裁をかまう必要がないから、身だしなみなどということはほとんど考えなくてもいい」ようになってしまう。ところが、そんな中であっても、「なかには、きちんと朝起きると顔を洗ってひげを剃り、一応、服装をととのえて髪もなでつけ、顔をあわせると「おはよう」とあいさつし、物を食べるときには「いただきます」と言う人もいる」とありました。そして「こういう社会的なマナーを身につけた人が……、厳しい生活環境のなかで最後まで弱音を吐かなかった」という話でした。

〇過酷な南極のテント生活ほどではないにしても、この2年間は「コロナ、コロナ」で気が滅入ることもあったり、外出は控え以前よりも自宅にいることが多くなったりしていました。

〇そういうときであっても、朝起きる時に起きて、きちんと身だしなみをととのえて、「おはよう」などと、お互いに挨拶をするということは大事だとあらためて思います。

〇学校は学ぶでありますが、それ以外にも、良い生活習慣を身に付けることができ、よき生活習慣を身につけていることが、どんな時にも自分自身を守ることになるのではないでしょうか。

須藤昌英

 

4月15日(金)年度初め保護者会

〇本日、保護者会にご参加くださいました皆様、ありがとうございました。全体会後、1及び3学年は学級にて懇談会、2学年は体育館で林間学校の説明をさせていただきました・

〇お子様の件で、気になることがありましたら、本校職員にご相談ください。

須藤昌英

【保護者会での校長挨拶の要約】

本日はお忙しい中、また足元の悪い中、保護者会への参加、ありがとうございます。この1日より、前任の髙橋校長のあとを引継ぎ、就任しました須藤です。どうぞよろしくお願い致します。4月5日の始業式での生徒たちの姿を見て、感動・感激しました。

ちょうど2年前の3月,突然当時の総理大臣の「学校休業宣言」により、臨時休業になり,私は前任校で校長としてどのように卒業式を行うかで,右往左往していました。試行錯誤の結果として,初めて来賓,保護者,在校生を会場に入れず,広い体育館に目いっぱい170人の卒業生を間隔をあけて座らせ,その様子をYouTubeで保護者や地域の方々にみてもらうという試みを行いました。そのとき,「コロナによって確実に世の中は変わりつつある」と実感したのを今でも覚えております。

そしてこの2年間は、市教委で主にコロナ対策を行ってきました。柏市は中核市として、単独の保健所を設置しています。市教委と保健所が連携し、学校からの報告を受け、濃厚接触者の特定や学級閉鎖をするか否かなどを協議しました。松戸・我孫子・流山・野田などの周辺他市は、県の保健所の管轄なので、特にピーク時には濃厚接触者などはとても追いきれないので、1人でもでれば学級閉鎖、もしくは見逃すこともあったようです。実際に報道では連日のように、柏市の発症者等の人数が一番多く、ある時は市民からの問い合わせで、「なぜ柏市ばかり多いのか。学校はきちんと対策しているのか」などもありましたが、市教委として「学校は頑張って対策をしています」と答えてきました。

そして、「子どもと学校のつながりを保ち、子どもの学びをとめない」を市教委の使命として位置づけ、色々な対応策を講じてきました。その際、小中学校校長会とは、常に情報を交換し、現場からの意見も聴取しました。丁度校長会の会長が髙橋校長だったので、毎日のようにやりとりをしました。

具体的には、分散登校や短縮授業の実施、給食の希望制における給食費の対応、部活動の内容制限、子どもと直接ふれあう3回の教職員のワクチン接種、全児童生徒へのタブレット配付(3万台、20億円以上)、タブレットの効果的な活用のための教職員研修など、私の教職経験35年では経験したことのないことばかりでした。

後でお話ししますが、この2年間の経験を通し、すべてに「正解(最終解)はない、教科書はない、答えありきではない、これまでの知識は役に立たない」ことを痛感しましたが、これはまさしく、これからの社会に出ていく子どもたちに身に付けてもらいたい力だと思います。目の前の現状を分析し、最善策を話し合い、実施した上で失敗をまた改善していくことを、すべての授業で疑似体験させていかねばなりません。来月の26日と27日は、授業参観を行いますので、どうぞご覧ください。

 

4月15日(金)市長の「子育て・教育世代を支援する」施策について

〇昨年11月に就任した太田市長は、下記のように、未来を生きる子どもたちを育てることを、施策の筆頭に位置付けています。

〇校長として、市のバックアップのもと、「学び続ける富勢中の生徒・教職員」を実現させていきます。

須藤昌英

 4月15日付 広報かしわ第1面(朱線は校長による)

4月15日(金)知事の「教育活動の制限緩和」についての発言

〇熊谷千葉県知事は、昨日の定例記者会見で、下記のような内容を発言しました。

〇本校としましても、手放しに喜ぶのではなく、今後も生徒たちの健康状況を把握したり、市教育委員会との情報共有をしたりしながら、慎重かつ前向きに「出来ることを増やしていく」検討をしていきます。

須藤昌英

 4月15日付:千葉日報第1面

4月14日(木)新入生歓迎会

〇新入生に富勢中の諸活動を紹介し、富勢中の一員としての生活を、本格的にスタートできるように、2学年と3学年生徒が準備をしてくれました。

〇感染症対策として、主に事前に作成したビデオを投影する形をとりました。

須藤昌英

 

〇校長の話では、「富勢中三大伝統」のうち、4月5日の始業式に2学年と3学年生徒に話した「挨拶」について、再度話しをしました。

 

4月14日(木)ちば!教職たまごプロジェクト研修生

〇本日から、大学生で教職員を志望している椎葉さんが、毎週木曜日にインターンシップとして、本校で研修します。

〇「教育実習」は、大学の取得単位で3週間の期間ですが、この通称「たまプロ」は、年間を通して学校現場で学ぶことができるので、とても有意義な機会となります。

〇我々の後輩を育てていくつもりで支援しますし、精一杯生徒たちとふれあってもらいたいと思います。

須藤昌英

4月14日(木)第1回避難訓練

〇昨日、私は定例校長会議に出席し参加できませんでしたが、全校生徒で避難訓練を行いました。

〇教職員からは、全員真剣に取り組んでいたと報告を受けました。

〇日頃から「万が一はないだろう」ではなく、「万が一はあり得る」との危機意識をいつももっています。

須藤昌英

4月12日(火)自転車交通教室(スケアード・ストレイト)

 

 

〇柏市役所交通施設課、柏市教育委員会、柏警察署、柏交通安全協会の皆さまとスタントマンの派遣会社のおかげで、自転車交通安全教室を開くことができました。

〇本校にも70名ほど自転車通学者がいます。また普段から多くの中学生が塾や買い物等で自転車を利用しています。自転車は道路交通法でも軽車両として扱われており、交通ルールを守らないと乗ってはいけません。ただし、自分だけで守っても交通事故に巻き込まれることがあります。

〇私も3年前にバイクに乗っていて、交差点を右折しようとしたとき、前の横断歩道に通行人がいたので、横断歩道の手前で停車して待っていました。そこへ後ろから車に衝突され、バイクは前に飛ばされ、私も道路に投げ出されました。幸い頭は打たなかったので、入院はしませんでしたが、その後3カ月間病院で診察とリハビリを行いました。

〇以前には「ながらスマホ」の大学生が自転車で老人に衝突、転倒させ、死亡させるという事件も報道されていました。それに伴う賠償金も何千万円になっているようです。

〇「生徒たちが被害者にも加害者にもなってほしくない」というのが、保護者・地域の皆さん・教職員の共通な願いです。全校生徒が、しっかりと話を聞いて、学んでいました。 

【千葉県自転車交通安全ルール】

〇自転車に乗る前のルール

・自転車保険に入ろう

・整備をしよう

・反射器材をつけよう

・ヘルメットをかぶろう

・飲酒運転はやめよう

〇自転車に乗る時のルール

・車道の左側を走ろう

・歩いている人を優先しよう

・ながら運転はやめよう

・交差点では安全確認しよう

・夕方からはライトをつけよう

 

4月12日(火)多様性について

〇「多様性」もしくは「ダイバーシティ」という言葉を最近よく耳にします。私自身も職員会議で、「生徒たちの多様性を尊重していき、可能な限りその生徒にあった『オーダーメイド』の教育を模索していきましょう」などと教職員に説明しています。

〇大切なのは、それを耳障りのよい「キャッチフレーズ」で終わらせてはいけないと思うのです。オックスフォード英語辞典によると、多様性(diversity)は、「互いに非常に異なる多くの人や物の集まり」と定義されています。

〇様々な立場や考えの違う人へ配慮や理解を示すことで、お互いを尊重しあい、調和のある場所や世界を一緒につくっていきたいのですが、特に日本は、「社会の多様性が見えにくい国」と言われています。

〇日常生活の中でも、自分とは意見の異なる人と出会うことはたくさんあり、そのたびに相手を拒否したり遠ざけたりしたのでは、自分も内向きになりますし、周囲にも良い影響を与えません。

〇まずは大人の私たちから、意識を変えていく必要があると感じます。ただ、難しいことではなく、以前にも書きましたが、「鎌研(かまと)ぎの名人が鎌研ぎの名人たるゆえんは、たとえどんな下手な人が研いだ鎌であっても、自分には及ばない点を一点見つけることができる」つまり、相手の欠点ではなく、相手には自分には及ばないところが必ずあり、それをみつけた時に、相手の良さがわかり、そう思って人に接していると、自然と相手を尊重(リスペクト)できるようになるのではないでしょうか。

〇最近読んだ本の中に、「多様性は社会的、経済的活力の源泉である」とありました。富勢中もそういう意味では、「多様性の宝庫」です。

〇すでに正門付近のソメイヨシノは葉桜になりましたが、校庭にはピンクの色が濃いおそらくカンヒザクラは、まもなく満開になろうとしています。このように身近な自然にも、多様性がしっかりと根付いていることに感動しました。

 

 

4月11日(月)給食開始

 

〇生徒たちが待ちに待った給食がはじまりました。

〇校長は、生徒が食べる30~40分くらい前に「検食(実際に食べて色や味などのチェック)」をします。少し大げさに言うと、「自分の身体を張って、生徒が安心して食べられる」ようにしています。今日ももちろん、「問題はありません」でした。

〇1学期は、7月15日(金)が給食最終日です。

須藤昌英

 

4月11日(月)清掃活動

〇富勢中学校の生徒が行う活動の中で、特に伝統として引き継がれている「挨拶・清掃・歌声」があります。始業式では、生徒たちにその中の「挨拶」について、話をしました。

〇その一つの「清掃」ですが、生徒全員が自分の分担範囲を担当しています。この清掃は、いわゆる「日本型教育」の一つになるそうで、他の国ではほとんど生徒が清掃することはないそうです。

〇ではなぜ、日本では昔から行っているのでしょうか?色々な理由があると思いますが、まず自分たちの学校は自分たちできれいにし、「感謝の気持ちをもたせること」が目的としてあると思います。ただ。感謝の気持ちは押し付けられて湧くものではありませんので、「やらされている」と感じた場合には難しいことも事実です。

〇次に実際に「体験活動」の一つとして、学校生活の中に位置づけられています。体験活動とは、大げさに言えば文字どおり、「自分の身体を通して実地に経験する活動のことであり、子どもたちがいわば身体全体で対象に働きかけ、かかわっていく活動」です。清掃であれば、「1つのゴミを拾えば1つだけきれいになる」という単純で当たり前のことを「身体で感じ、覚える」ことです。

〇人間は頭で物事を「理解」することが多いですが、それはあくまでも脳での作業であり、実際に手や足の身体を動かさないと、物事の本質を本当の意味での「理解」はできないのではないかと思います。お題目で「ゴミがあれば拾う」「汚れたら掃除する」といくら唱えてみても、実際にやってみなければその重要性はわかりません。

〇ただ一方で、「ゴミを落とさない」「汚れないように使う」という視点も大切ですので、たまには「清掃の無い日」をつくって、その日はいつもより汚さないように意識して生活させることもしていきたいと思います。

須藤昌英

 

4月11日(月)祝:小学校3校入学式

〇本日は、富勢小学校、富勢東小学校、富勢西小学校の入学式です。おめでとうございます。

〇コロナ禍の前には、中学校から校長、教頭、教務主任が分担し、それぞれの入学式に参列させてもらっていましたが、今回も「来賓はなし」ということで、残念ですがこのをかりて、お祝い申し上げます。

〇また先週の本校の入学式に際しては、朝の正門で、上記の3校の校長先生方(中谷光男校長、宮本健寿校長、伊藤嘉章校長)が、新入生を出迎え、言葉をかけていただきました。ありがとうございました。

〇本校も含めた富勢中学区の4校は、学区共通の目標として、「自ら学び、心豊かに、たくましく生きる、富勢の子の育成」を掲げ、教育課程の違いを超えて、連携していきます。

〇9日(土)も富勢小において、「富勢中学校区学校運営協議会」企画会議がありました。会長の涌井正幸様、副会長の吉田敬様からの協力的なお話を伺い、小中学校9年間の学びの連続を大切にし、そこで育った生徒が、来年3月の本校の卒業式で、胸をはって巣立っていけるようにしていきたいと思いました。

須藤昌英

(富勢小学校の鯉のぼり)

 (学校運営協議会企画会議)

4月10日(日)地域部活動への移行について

〇文部科学省は、休日の部活動を令和5年度以降段階的に地域へ移行していく方針を示しています。具体的には、休日の指導や大会への引率などで教員をサポートする方々を配置したり、拠点校に一つの学校だけでなく、複数の学校の生徒が集まり、野球やバスケット、吹奏楽などの活動を一緒に行ったりすることが想定されています。その背景には、学校(教員)の働き方改革の一環としての方策として位置づけられていますが、実現するためには、幾つかのハードルがあるのも事実です。

〇そもそも学校の部活動は、スポーツや音楽などに興味・関心のある同好の生徒が参加し、教師等の指導の下、学校教育の一環として行われ、我が国のスポーツや音楽などの振興を大きく支えてきました。また、体力や技能の向上を図る目的以外にも、異年齢との交流の中で、生徒同士や生徒と教師等との好ましい人間関係の構築を図ったり、学習意欲の向上や自己肯定感、責任感、連帯感の涵養に資するなど、生徒の多様な学びの場、そして活躍の場として、教育的意義を有したりしています。

〇しかしながら、今日においては、社会・経済の変化等により、教育等に関わる課題が複雑化・多様化し、学校や教師だけでは解決することができない課題が増えています。とりわけ、少子化が進展する中、部活動においては、従前と同様の運営体制では維持は難しくなってきており、学校や地域によっては存続の危機にあります。

〇将来においても、全国の生徒が生涯にわたって豊かにスポーツや音楽などを楽しむ資質・能力を育む基盤として、部活動を持続可能なものとするためには、各自のニーズに応じたスポーツ・音楽などを行うことができるように、抜本的な改革に取り組む必要があります。

〇柏市においても、教育委員会が昨年度からある中学校を指定し、その学校のいくつかの部活動に、NPO法人からコーチを派遣する試行的な取組を行っています。その成果を今年度中にまとめた上で、来年度から市内で段階的に、生徒にとって望ましいスポーツや音楽などの環境を構築するという観点に立って、部活動が地域、学校、競技種等に応じた多様な形で最適に実施されることを目指しています。

〇本校といたしましても、市の方針を受け、教育委員会と連携し、地域や保護者の意見を伺いつつ、今後の方向性を検討してまいります。

 須藤昌英

4月9日(土)「教えることの難しさ」について

〇平成4年に亡くなられた教育者(哲学者)の森信三先生が書かれた『修身教授録』という本があり、毎年この時期、取り出しては読み返しています。

〇その中で、「人を教えるということは実は教える者自身が常に学ぶ事である。」と明言されており、「教えることは学ぶこと」とあることが、若いころから私の頭にあります。

〇森先生は、「教科の内容を教えるだけでも、実に容易ならざらる準備と研究を要する」のですが、「教育の眼目である相手の魂に火を付けてその全人格を導くということになれば、私達は教師の道が、実に果てしないことに思い至らしめられるのであります」と書かれています。実に、「一人の人間の魂を目覚めさすと言うことは至難中の至難」なのだと思います。

〇では、この至難のことにどう対処したらよいのか、森先生は、「それに対処する道はただひとつあるのみであってそれは『人を教えようとするよりも自ら学ばねばならぬということであります』」と述べられており、「学び続ける富勢中」を今年のテーマにしようと提案した私自身が、襟を正していかねば・・と感じています。

須藤昌英

 

4月8日(金)第76回入学式

〇本日10時より、新入生174名を迎え、第76回入学式を無事に挙行できました。来週から全学年がそろっての生活になります。

【入学式での校長式辞】

 今年の桜は、例年よりも開花してから散るまでに時間があり、今日も君たちが登校したとき、正門の桜吹雪は見事でしたね。時々朝晩の寒の戻りがありますが、花壇の花々も咲き誇り、着実に春の訪れを感じる今日の良き日に、保護者の皆様のご臨席のもと、本校第七十六回入学式を挙行できますことは、まことに喜ばしく、高いところからではございますが、厚く感謝申し上げます。

 さて、百七十四名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。そしてようこそ富勢中学校へ。君たちの入学を在校生及び我々教職員一同、心より歓迎します。今、担任の先生から呼名され、返事をしていた君たちの姿を見ていましたが、ドキドキする不安とともに、ワクワクする期待も入り混じっていることがよくわかりました。今の初心を忘れないでください。来週からは、君たちの先輩である2年生や3年生との一緒の生活が始まります。でも彼らもそれぞれ1年前、2年前は全く同じ気持ちでこの場にいたのです。

 人間にとって「経験する」ことが最も大切です。今の不安は、優しい先輩や親身になって指導してくれる先生方によって、すぐに安心感に変わります。しかしそれは、先輩や先生方もみんな同じような経験を過去にしてきたからこそ、君たちの不安が手に取るようにわかるのです。

 本校は昭和二十二年に創立しましたので、第1回入学生は、現在九十歳くらいになっています。それ以来、学習をはじめ学校行事・部活動に、これまで一生懸命に取り組んできた富勢中の歴史を、これから皆さんたちと一緒に引き継ぎ、さらに、発展させていきたいと思っています。

 今、毎日のように、ウクライナでの悲しい出来事をニュースが伝えています。平和な暮らしが一瞬して奪われたり、多くの人が命をおとしたりしています。確かに遠い国のことなのであり、実感としてその悲惨さはわかりにくいですが、過去にはもともと同じ国であり、しかも今は隣合わせの国が争っている状況を、決して私たちは「他人事」や「傍観者」でいてはいけないと思います。昨日、学区を歩いていたら、青と黄の2色のウクライナ国旗を玄関先に掲げている御宅がありました。おそらく「ウクライナ頑張れ」のメッセージだと思います。

 私も含めた大人の多くも、この紛争の歴史的背景や現状について、分からないことが多いのです。「どうしてこうなってしまうのだろう」と毎日首をかしげてばかりです。ただ、大切なことは、この現実から目をそらさずに、情報を整理し、「自分ならどうするか?」といつも「考え続けること」だと思います。でもその考えは決して「正解」ではありません。他の人は違う考えをもっています。であるならば、それをお互いに話し合い、相手を理解し、一緒に何ができるかを模索していきましょう。ともかく同じ人間として、一日でもはやく紛争が終わり、亡くなった方のご冥福をお祈りし、生きている人が希望をもてるようにと願います。

 毎日学校で友達と会えること、好きな学習やスポーツができること、おいしい給食が食べられること等すべてが、「当たり前」ではなく、たまたま現在平和が保たれている日本という国に生まれたからなのです。そういう視点で物事を見て、できることに感謝しながら日々を過ごしていると、やがて「自分たちだけ幸せであればいい」ではなく、「世界の平和に自分として何ができるのか」を考えられ人になれます。

 入学にあたり、みなさんに一つお願いがあります。富勢中は「学び続ける富勢中」を今年度から合言葉にしていこうと思います。人間は皆、生まれながらにさきほどの「考える」や「学ぶ」ということから逃げられない生き物です。そして「学び」は決して完結することはありません。大人になっても、常に「学び続ける」ことを運命づけられて生きていくのです。中学校はそのために、「学び続ける資質や能力」を身に付けるところであり、来週から始まる授業や委員会・部活動・学校行事など、すべてが「学びの場」です。よく世間一般には、学んだ結果を「学力」といったりしますが、本来「学力」とは「学」と「力」のあいだに「続ける」という字が入って、「学び続ける力」のことなのです。

 そこで「学び続ける」時に大切な3つのポイントをお話します。まず、わからない事は質問しましょう。その際、無闇に「わからないから教えてほしい」ではなく、「自分はここまでは知ってる(わかっている)が、ここ(ここから)がわからない」という今の自分の状況を把握してください。そうすれば、もしその質問にその時は明確な答えが返ってこなかったとしても、その後また「問い(学び)続けて」いけばよいのです。そしていつか自分の納得する答えにめぐりあえる時が来ます。

 2つ目は、本を読むことです。本を読むことの良さは、大きく2つあります。新しい知識や考えを獲得したり、自分では決して経験できない世界や人生を疑似体験したりできることです。そして本を読む時私たちの中には、著者の言いたいことを理解しつつ、それを読んでいる「自分と対話する」という心理が自然と働きます。これが学びを深めることにつながります。本校には明るくて使いやすい図書室があります。気軽に利用してください。

 3つ目は、自分の思い通りにならない時に、立ち止まって考えることです。人生では、思い通りになる時と、思い通りにならない時が交互にやってきます。ただし後から振り返ってみた時、人間が大きく成長できるのは、むしろ思い通りにならなかった時です。その時こそ、自分のあしもとを見つめ、逃げずに「自分はどうしてこれをやろうとしているのか?」「どうやったらうまくできるだろうか?」と自分に問い続け、家族や友達、先生方の力を借りながら自分なりの答えを求め続けてください。

 世の中はあらゆる分野で飛躍的に進歩を続けており、それに対応するには、いわゆる「何を知っているか」だけではなく、「何ができるのか」が問われてきます。中学校の授業では、先生の話や友達の考えを聞いた上で、自分ではどう考えるかを話し合ったり、発表したりすることを大切にしています。それを3年間積み上げていきましょう。授業に積極的に参加することを期待します。

 最後に、中学校生活を充実させるには、生徒と生徒、生徒と先生が支え合う関係を築くことが必要です。「気持ちのよい挨拶をされた」「不安な時に励まされた」「悩みを聞いてもらえた」など、友達や仲間に勇気づけられ、次の一歩を踏み出せるのが人間です。

 保護者の皆様、本日は、お子様のご入学、誠におめでとうございます。本日より大切なお子様をお預かりいたします。今後三年間、皆様のご期待に応えるべく私ども教職員一同、誠心誠意全力を尽くしていく所存です。特に、気になる点や相談等がありましたら、ご遠慮なく申し出てくださるようお願い申し上げ、式辞といたします。

                        令和四年四月八日  柏市立富勢中学校長  須 藤 昌 英

 

4月7日(木)入学式前日準備

〇明日の入学式に向けて、在校生を中心に、メイン会場の体育館と各教室の清掃と飾りつけを行いました。私もこれまで市内で5校の中学校に勤めたことがありますが、これほど準備をスムーズに、しかも嫌々ではなく楽しそうに、力をあわせて行っていた学校は、記憶にありません。「心が優しい生徒が大勢いるな」と思いました。

〇明日は、在校生は出席しませんが、教職員一同、心を込めて新入生をお迎えしたいと思います。

 

4月7日(木)朝の10分間読書活動

〇戦後から秋の『読書週間』などが設定され、日本の国民的行事として定着し、かつて日本は世界有数の「本を読む国民の国」になりました。しかし今、若者を中心に「読書離れ」が広がってきています。

 〇確かに電子メディアの発達によって、世界の情報伝達の流れは、大きく変容しようとしています。しかし、その使い手が人間であるかぎり、その本体の人間性を育て、かたちづくるのに、「本」が重要な役割を果たすことはかわりありません。読書は、暮らしのスタイルに、人生設計のなかに、新しい感覚での「本とのつきあい方」を考えていく絶好の機会です。

 須藤昌英

 

4月6日(火)生活のリズムとしての睡眠

〇意外に思われるからしれませんが、以前より色々なデータから、日本の子どもは世界有数の「夜更かしっ子」と言われています。また睡眠不足の子どもは、成長の遅れや食欲不振、注意や集中力の低下、眠気、疲労感などの蓄積の可能性が指摘され、学校でもイライラ・多動・衝動行為などとしてあらわれることも少なくないと思います。機会をみて、お子様とお話ししてみてください。

須藤昌英

 

4月6日(火)朝の交通安全指導

〇昨日の朝から、複数の地域の方々が、交通安全指導のボランティアで各交差点等に立ってくださっています。いつも誠にありがとうございます。本年度もどうぞよろしくお願い致します。

〇特に登校時間帯は、小学生の登校の集団とすれ違いますので、私がみていた限りでは、歩道上では中学生は小学生に道を譲っている場面をみましたが、心配なのは自転車通学の生徒です。いくつかの混雑ポイントや正門前の信号は、自転車から降りていますが、場所によっては、車道を走る区間もあります。

〇ある交通安全ボランティアの方から、「朝は車の運転手も急いでいるから、信号前で減速しながら、手元のスマホをみている人もいて、中学生の自転車と接触しないか、いつもハラハラしています。」「中学生は車を運転したことがないから、運転席からの死角や運転手の心理がわからないのだよね」との声をいただきました。確かにそうだと思いました。

〇そこで12日(火)に、プロのスタントマンが交通事故の場面(自転車と自動車が衝突するなど)を校庭で再現してくれる「スケアードストレイト(自転車講習)」を行います。これは自転車通学者だけではなく、普段から自転車に乗ることの多い中学生を対象とした柏市教育委員会主催(協力:千葉県柏警察署及び柏交通安全協会)の交通安全教室です。当日は中学生には少し衝撃のシーンもあるかもしれませんが、万が一のことを想像でき、それを回避するための行動につながるよう、しっかりと学んで欲しいと願っています。

須藤昌英

 

4月5日(火)始業式

【始業式での校長の話】

〇突然ですが、あなたは自分自身のことを「物事に没頭できる人ですか?」「そうでもないですか?」と問われたら、どう答えますか?

〇私は、やはりその時にもよりますが、集中している時は、周囲の様子も無関心に、一つのことに取り組んでいることが多いです。若い頃は例えば受験勉強の時に、集中できていない自分を叱咤激励して、「何とか集中力を持続しよう」としましたが、最近は「まあ、今日はそういう日だから仕方ないか」とあきらめがはやくなっています。ただその「集中している」という精神状態は、「時間的に前にも後にも意識がなく」「今の瞬間に、目の前の対象と自分が一体化している」とも言えるのではないかと感じるようになりました。。

〇20世紀の前半に活躍したアインシュタインという天才物理学者がいました。名前を聞いた人もいるでしょう。「一般相対性理論」という現在の宇宙理論のもととなる考えを生み出しました。一言で言うと、「時間は絶対的なものではなく、時には膨張や収縮、またはゆがんだりする」ということを発見し、数式で証明した人です。

〇実際に、楽しい時間は短く感じたり、苦しい時間は長く感じたりしますよね。あらゆる生物の中で、過去・現在・未来を意識して生きているのは人間だけです。ただ、「過去は過ぎ去り」、「未来はまだ来ていません」。大切なのは、「今」だけだということをアインシュタインは教えてくれているのです。

〇一つだけ例をあげてみます。それは富勢中の伝統の一つである、「挨拶」についてです。私は挨拶には、前から「3つの挨拶」があると思っています。

〇まず、親や先生などの大人に、「人に挨拶した方が良い」と言われてする挨拶があります。これは言われて素直に実践するのですから、やらないよりはずっと良いですね。

〇次に、相手はともかく、何となく挨拶すると自分の気持ちが清々しくなるのでするのでする挨拶です。これはある意味自分にとっての「挨拶の効能」を知っているので、継続できるのではないでしょうか。

〇最後は、自分だけでなく、相手のことを尊重して行う挨拶です。もっと大げさに言えば、自分と相手の存在価値は平等であり、「今この一瞬に同じ場所でこうして出会えたことに感謝しながら行う」挨拶です。これはけっこう難しいので、私もいつもできているわけではありません。

〇最初の人に言われたやる挨拶ですが、起点が「過去」に言われたことから始まっているので、どうしても意識は「過去」にあります。次の自分が気持ちよくなることを意識しての挨拶ですが、これは挨拶した後の「未来」に意識があるといえます。最後の挨拶は、「過去でも未来でもない、今という時間を今ここであなたと共有している」ということですので、先ほどのアインシュタインの話に通じるものがあると思いませんか?

〇これから挨拶するときに、自分の挨拶はどれか考えてみてください。

〇最後に今年の76周年目を迎える富勢中で一緒に過ごせることを楽しみにしています。これから明るく楽しい富勢中を一緒につくっていきましょう。

須藤昌英

 

 

4月4日(月)始業式準備

〇明日の令和四年度始業式を前に、職員は準備に追われています。教室内の机や椅子には記名のシールを貼り、ロッカーや及び下駄箱には出席番号を示し、生徒が使用する際に迷わないようにしたり、臨時日課の学習内容や正規日課になってからの教科担当を決めたり。また各種のお便りを作成・印刷や、8日の入学式の準備も始めています。正直に言うと、本来はもう少し時間の余裕が欲しいところです。

〇今年度は、2日と3日が土・日曜日となり、実質2日間しか準備の日がありません。ところが、「4月5日が始業式」というのは、「柏市小中学校管理規則」という柏市の条例で定められており、これを改正するには、教育委員会事務局が議案として柏市議会に提出し、議会の承認を得なければなりません。そもそもこの規則の制定が昭和39年ですので、すでに約60年近くたとうとしています。生徒や教職員の負担軽減からも、今後引き続き、柏市の校長会からも教育委員会事務局に要望していくつもりです。

〇コロナ禍になって始めたものに、畑をかりての「野菜づくり」があります。ちょうど2年前の4月、たまたまご近所の方が、「もううちは出来ないから、今かりている畑を引き続いてやりませんか?」と声をかけてもらったのがきっかけです。最初は、「土いじりでもすれば日頃のストレスを解消できるかな」くらいの気持ちでしたが、初夏になると、ナスやキュウリ、トマトなどは予想以上に収穫できたことから、その面白さにはまってしまいました。

〇土を耕すのは無心に身体を動かせばいいのですが、特に真夏の朝や夕方に水をあげるのは大変で、それだけで汗びっしょりになります。でも丹精込めるほど、野菜は「正直」なので、すくすくと成長してくれます。野菜と子どもを一緒にするのはとても失礼ではありますが、「教育(共育)も野菜作りも本質は同じかな」と思うようになりました。子どもの元々もっている力を信じ、必要に応じて水や養分を与えてあげる。肝心なのは、今の状態をよく観察することで、そこから自分の想像力を働かせて、適度に手をかけ、愛情を注ぐ。

〇明日から、生徒たちに会えるのが楽しみです。

 

 

 

 

 

4月3日(日)雑感3

〇コロナ禍と言われるようになって2年が過ぎようとしています。この間以前よりも外出する機会が減りましたので、新聞や本をじっくりと読むようになっています。それ以前は何日も新聞に目を通す間もない間に、溜まってしまうこともありました。

〇1年前くらいにある雑誌の中で、「新型コロナと文明」という論説特集で京都大学総長の山際寿一先生が、「人間の共同体では日常的に顔を合わせ、冠婚葬祭などの集いを通じて触れ合い、地域文化を身体化させることが重要になる。その営みは科学技術を発達させた現在でも基本的に変わっていない。 自宅にいる時間が長くなって、改めてそれを実感した人々も多いのではないだろうか」と指摘されていました。

〇ところが「でも、それは今禁止されている3密(密集、密閉、密接)になりかねず、ウイルスにとっては好条件となってしまう。接触をできるだけ避けた今、世界は総引きこもり状態になった。これが続けば、人間にとって『共に生きる喜びや力』を奪われ、個人がばらばらになってしまう」と懸念されていました。

〇では、どうしたらよいか、「人間の共感社会は身体の共鳴によってつくられる。それを促進するような、たとえば心を癒やす効果のある音楽を共有する。オンラインで人々のつながりを保ち、声や写真や映像を用いて情報を交換して身体の共鳴を図る」ということも有効であると仰っています。

〇そうして「それは信頼という原資を直接触れ合うことでつくってきた社会から、距離を保ってゆるやかに共鳴する社会へと移っていくことを意味する」と言われています。そんな社会へと適応してゆかねばならないのでしょう。

〇今朝は曇り空で少し肌寒いですが、生徒たちはどのように過ごしているのでしょうか?正門前通りを西に向かった坂を「富士見坂」といいます。年に数回きれいに見られるようです。写真は昨年の12月ですが、是非実際にこの眼で見てみたいものです。

須藤昌英

 

 

4月2日(土)雑感2

〇昨日の雨とはうって変わり、朝から正門前の通りは、青空と桜の桃色がきれいなコントラストを映し出していました。

〇グラウンドやテニスコート、武道場や体育館では、各部活動が練習試合や来週からの大会に備えた練習に余念がありません。自分の好きなことを極めようとする若者の姿に、こちらも学ぶべき点が多いです。

〇「己事究明」という言葉があります。もとは「自分とは何かを明らかにしていくこと」の意味ですが、自分と向き合い自分らしさを見つめていくことは、中学生という青年前期にはとても重要であると思います。そこから将来自分がどんな形で周囲や社会に貢献していけるかを模索し、自己肯定感を高めていくなのだと感じます。

〇もう一つ、学校での諸活動を通して避けられないことは、人間関係の練習です。大人も子どももお互いが生きていく上で一番たいへんなのはやはり人間関係です。人間と人間の関係ほど難しいものはありません。楽しかったはずの活動も、人間関係がこじれると続けられなくなってしまうことも多いものです。

〇以前に、「鎌研(かまと)ぎの名人」の話をどこかで読んだことがあります。その鎌研ぎの名人たるゆえんは、たとえどんな下手な人が研いだ鎌であっても、自分には及ばない点を一点見つけることができるというのでした。人の欠点はすぐに見つけられますが、どんな人でも自分には及ばないところが必ずあり、それをみつけた時に、相手の良さがわかり、そう思って人に接していると人間関係が変わってくるものではないでしょうか。

〇校長室でブログを書きながら、外から生徒の元気な声が聞こえています。少しでもはやいコロナの収束を祈っています。

須藤昌英

 

 

4月1日(金)雑感1

〇今朝は雨模様でありましたが、心は躍るような晴れやかな気持ちで、富勢中学校に着任しました。今年度から私も含めて10名の職員が、「チーム富勢」の一員として、働くことになりました。

〇そこで本日から不定期とはなりますが、校長からみた富勢中の様子を、発信していきます。

〇辞書では調べると、「雑感」とは「雑多な感想」のことであり、まとまりのない感想のことです。普通、文章や口頭で感想を述べる時は一旦頭の中で話をまとめて、整理してから述べますが、それとは逆に、思いつきのままにまとまりのない文章をになるので、校長の雑感とします。

〇「ブログ」という用語は、「Web log」(ホームページの履歴の意味)から派生した言葉であると言われています。そこからブログという言葉は、明確に決められた使い方をされているわけではなく、このホームページに日記風の情報を掲載していきたいと思います。あまり期待なさらずに、気軽にお読みいただきたいと思います。

〇大人も子どもも「自ら主体性をもつ」ことが求められることが多くなりました。ただ人間は、例えると紙切れ一枚でも人から「持たされて持っている」と思うと重たく感じるものです。ところがこれが家族や好きな人の為に持つ荷物となると、「どんなに重たい荷物でも軽々と持っていける」のではないでしょうか?

〇そういう面から、この雑感ブログも、「やらされてやる」と苦痛になりがちですが、こちらが「主体性をもってやっていくこと」で、少なくとも苦痛にはならないことをのぞみながら、片意地はらずに続けていきます。

〇そしてそのことを通して、いつか折をみて生徒たちに、「どんなところにいても、どんな時であってもその場その場、その時その時、自らが主体性を持って生きることが大切です」と伝えられたら・・と思います。

須藤昌英