校長雑感ブログ

4月23日(土)英語の目的は話せること?

〇国語や数学にそれぞれの世界観があるように、世界の共通語と言われる英語も、近年は小学校の外国語活動が活発になっているおかげで、少しずつ生徒達にはその特性などは理解されていると思います。

〇英語を含む外国語科の目標は、「簡単な情報や考えなどを理解したり表現したり伝えあったりするコミュニケーションを図る資質・能力を育成すること」となっています。よく「コミュニケーション能力」を考えるうえで最も大切なことは、「双方向のもの」であり、相手への伝達だけでなく、「相手からの情報をいかに上手に(正確に)受け取るか」という観点も持っていなければならないと言われます。

〇しかし世間では、高機能でコンパクトな翻訳機はたくさん出回っており、外国へ行くにもそれをもっていけば、困ることはない時代になっています。ではなぜ、英語を学習するのでしょうか?もちろんさきほどのコミュニケーションのツールとして、英語は日本語よりもある面は適していると思います。でもそれだけでしょうか?

〇これも私の私見にすぎませんが、中学校から英語を勉強し始めて、私はやはり英語の文法に馴染むのに時間がかかった記憶があります。よく「S主語、V動詞、O目的語、C補語」を組み合わせた5文型をひたすら覚えましたが、それまでどうしても日本語と違う違和感が頭から離れなかったのが、ある日突然その霧のようなものが晴れて、しっくりと英文が見えるようになったのは、今でも忘れられません。

〇そしてさらに、例えば日本語との一番大きな違いである、主語の次に動詞がくるのも、「これも悪くないな」と思うようになりました。と同時に、逆に日本語の奥ゆかしさなどの良い面も、両者の比較によってより明確になりました。実際に英語を日本語へ、日本語を英語に直す際、その感覚が一番役に立ちました。

〇生徒達には、互いにコミュニケーションをとりながら、英語と日本語のそれぞれの良さを自分なりに感じてほしいと思って、各学年の英語の授業を参観しています。

須藤昌英