校長雑感ブログ

4月26日(火)人々の営みがメインテーマの社会科

〇中学校の社会科は、3つの分野「地理」「歴史」「公民」があり、特に前の2つは1~2学年に、並行して学び進めます。

〇まず地理分野ですが、単に国名や産業を覚えるのではなく、世の中で起こっている現象について、様々な角度から体系的に学習する分野です。今存在している文化や産業が、地理的現象や空間的な配置をもとに、どのようにして形作られたのかを学びます。最近では、「地域の過疎化」などに焦点を当てた現代社会の諸問題について、地理分野でもよく取り扱います。ですので他の科目と比べて、「非常に実用性の高い科目といえる」と思います。地理的なことを理解することが、自分自身の生活に、あるいは地域社会の課題解決に直接役に立ちます。

〇次に、歴史分野は今ある政治体制や文化を正しく理解するために、まずは過去にさかのぼって背景を知る分野です。例えば今のウクライナとロシアの危機的状況を理解するには、それぞれの国民性やこれまでの経緯を学習することは必須でしょう。また用語の暗記にとどまらず、ものごとの流れにふれるなかで、物事の因果関係を学ぶことにもなります。そうすることで、先人たちの成功や失敗から、問題の原因の特定や解決策のヒントを学べます。よく昔から「未来を考えるには、歴史から学べ」とも言われています。

〇最後の公民分野は、「法律」「政治」「経済」などの現代社会のしくみや在り方について学びます。特に最近は、SDGsの理念から、持続可能な社会という視点から、環境問題や少子化問題における社会保障や財政の問題について考えさせる問題も取り上げています。学習指導要領には、「グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力を育成する」という大きな目標が掲げられており、これを読むと思わず私たち大人も「本当に自分はそこまで達しているか?」と振り返ってしまいます。

〇分野は違いますが、これらに共通するのは、「すべて人の生活や営みから派生している」のであり、最後は自分の生活にどのように活用していくかに戻していくことだと思います。自然科学と社会科学をつなぐ、重要な科目ですね。

須藤昌英