校長雑感ブログ

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4月21日(木)詩の学習にちなんで

〇我孫子市に住んで20年以上になります。我孫子市は大正から昭和にかけての昔、「北の鎌倉」と呼ばれていたほどで、今でも自然が多く残っています。手賀沼と我が家の間には、田んぼと小さな山の林があり、春の田んぼからは蛙の声、夏の林からはうるさいほどの蝉の鳴き声が聞こえ、年間を通して四季を身近に感じます。

〇最近は朝の五時から、鶯の「ホーホケキョ」の鳴き声が聞こえ、気分良く起床しています。耳を澄ましていると、その他に「ケキョ」とか「ホヶキョ」とか「グチュグチュ」のように鳴くことがあり、それがある一定のリズムをもっているような気がします。

〇リズムと言えば、昨日から正規日課の授業が始まり、各学年の国語は、ぞれぞれ「詩」の学習から入っています。1学年は金子みすゞの「ふしぎ」、2学年は吉野弘の「虹の足」、3学年は谷川俊太郎の「春に」と有名な詩人ばかりの作品を味わっています。また詩の暗唱を通して、表現方法や作者の気持ちの変化などを自分や友達の考えを出し合い、読み取っていく過程を全学年共通で行っています。

〇詩を読み慣れることで、国語に必要不可欠な力が養われます。その力は、一説によると「映像化力」と呼ばれ、目の前に詩の情景をイメージしていく力だそうです。詩を難しいと感じる人が多いのは、少しの言葉で表された世界を、十分につかみとれないのが一つの原因らしく、生徒たちは繰り返し自分のイメージづくりに懸命です。

〇今はコロナ対策で、大きな声での暗唱はできませんが、生徒のつぶやく声と、鶯の鳴き声が重なっています。

須藤昌英

 

 

4月20日(水)今日から正規日課になります

〇昨日までは臨時日課でしたが、今日より正規日課となりました。生徒たちは、6時間目の終了時刻(午後3時25分)まで、自分の学びを深めようと取り組んでいました。彼らをみていると、50分授業6コマを受けるのは、「知力」よりもある意味「身体力」が必要ではないか・・と感じます。

 

〇小児科医師及び発達脳科学者で、文教大学教授でもある成田奈緒子さんは、多くの著書がありますが、それを一貫しているのは、「子育て=脳育て」ということです。

〇子どもの脳(特に前頭葉)を「順序良く、バランスよく」育てる作業が大切で、脳を育てるとは、「神経細胞(シナプス)を増やすこと」だそうです。

〇「脳育て」を家づくりに例えると、2階建ての家をイメージし、その1階は、「からだの脳(朝起き、就寝、睡眠、食べる、排せつ、呼吸、体温維持等)」で、2階が「おりこうさん脳(会話、読書、学習、運動等)」と表現されています。

〇と同様に2階をつくるにはまずはしっかりとした1階部分をつくることだそうです。その上で、あとから2階部分はゆっくりとつくればいいとなれば、やはり規則的な生活を優先させること、よく言われ使い古された言葉ですが、「早寝・早起き・朝ごはん」ということでした。

〇中学校時代は、論理的で人間的な思考ができるようになり、さらに抽象的な概念・言語を使って表現したりするようになります。もしご家庭で、お子さまの言っていることが、今までよりも「屁理屈」のように聞こえたとしても、それが成長の過程だと理解してあげてください。

 

 

4月20日(水)ネットモラル授業(1学年)

〇世の中はますます便利さを追求し、コンビニでは何時でも欲しいものがすぐに手に入り、わからないことは手元のスマホで検索すれば、何でもそれなりの情報が得られるようになっています。もっと言えば、我々が「当たり前」と感じているこれらの「便利さ」は、「何かにすぐにパッと飛びつく習性を嫌でも身に付けてしまうこと」に直結しています。

〇我々のような昭和生まれの人間には、そのような時代の変化が自分の生きてきた時代とリンクしているので、これからもっと便利さを追い求める世間の風潮に、少しの不安を覚えますが、中学生たちは生まれながらに今の状態が「当たり前」なので、ちょっと違った感覚なのでしょう。

〇もちろん時代は後戻りできませんので、大切なのは生徒たちに、そういう環境中で、気をつけなければならないことや周囲への配慮などを教えていくことだと思います。

〇昨日、講師を招いて、新入生にネットモラル授業を行いました。

須藤昌

4月19日(火)全国学力・学習状況調査(3学年)

〇この4月に毎年、全国の中学校3年生を対象に行っていますが、本日午前中に、3教科のテストと学習や生活に関するアンケート調査を行いました。

〇夏以降に結果を分析し、授業改善の取り組みや教職員の校内研修の充実、放課後等の補充学習の実施などに役立てていきます。

須藤昌英

 

4月19日(火)ミラーニューロンと共感

〇2年くらい前、ちょっとしたきっかけから「ミラーニューロン」という言葉(概念)を知りました。直訳すると、「鏡のような神経細胞」となります。

〇人間など高等な霊長類の脳には、「ミラーニューロン」という細胞があるのだそうです。これによって、お互いは、相手の行動をわが身のことのように置き換えることができるのだそうです。

〇たとえば、相手が笑っているのを見ていると、ミラーニューロンを通してなんとなく自分も楽しい気分になるというのです。また逆に、相手が怒っているのを見ると自分も怒りたくなるというはたらきをするそうです。

〇人間の「共感」というものには、この「ミラーニューロン」が関わっているというのです。たとえば、「両親が楽しそうにしていると、それを見ている子どもはミラーニューロンを興奮させて「楽しそうだ」と感じて、まねをします」と書いてありました。

〇もっともこの「ミラーニューロン」は、決して良いことばかりではないようです。 「ドメスティックバイオレンス(DV)は遺伝するように見えるけど、実はあれは行動パターンをまねしているだけなんだ」ということです。「DVは先天的に遺伝するのではなくて、お父さんやお母さんが子どもにDVをすると、ミラーニューロンを通して子どももDVをするように脳が変わっていく」のだというのです。

〇子どもはどこか親に似たように育っていくのは、ミラーニューロンの働きだそうです。私も息子2人と娘1人を育ててきました。3人とも成人して、もう親の影響など及ぼないと思っていますが、幼いころから一緒に住んでいた事実は上記のようなことを今でも引き起こしているのかと思うと、なるほどと思います。

〇昔から「子どもは親の鏡」ということわざがあります。私も人の親として、今更ながら、自分を正していかねば・・・と思います。

須藤昌英

 

 

4月18日(月)1学年レクリエーション活動

〇入学して10日間が過ぎましたが、1学年生徒はまだまだ不慣れなことも多く、朝自宅を出る時もまだ緊張している子がいるとも聞いています。

〇そんな中、少しでもお互いに仲良くなったり、クラスへの所属意識を高めてもらうなどの目的で、グラウンドにてレクを行いました。

〇日差しもなく涼しかったので、せっかく用意した水筒もあまり活躍することはありませんでした。

須藤昌英 

4月18日(月)中学生のころの学習は一つのきっかけ

〇45年前の昔、私が中学生で理科の授業で習ったことで、「四季がどうして生まれるか」については、今でも当時「なるほど何にでも根拠はあるのだな」と思ったことを今でも覚えています。要点を振り返ってみると、

〇「地球は地軸を傾けて太陽を一年かけて回ります。その傾きがあることで、一年間の間に地球が太陽に向かう部分が異なっていく。地表にあたる太陽の角度が変わり、そのため地球には日本のような美しい四季が生まれた。」ということなのです。

〇なるほど傾いているから、四季が生まれたのです。まっすぐもいいのでしょうが、確かに地球儀は傾いており、そのことにも意味があったのです。更に、「しかも地球は、コマのようにきれいな軸を保ちながら回っています。もし軸が安定せずに、ドッタンバッタンしながら回っていたら、ある時は北極のような寒さ、またある時は赤道直下の灼熱の地など、美しい四季どころか大変な気候の変化にさらされていたはず。」というのです。

〇実際に、「火星という星は、地軸が安定してないのだ」ということを後から自分で調べて知りました。そしてそれはどうしてかというと、「火星を回っている衛星がとても小さくて、地軸を安定させるほどの力が無い」そうなのです。それに比べると、地球を回っている衛星の月ですが、大きさは地球のおよそ四分の一だそうで、かなり大きい」。空に浮かぶ月を見ていると、地球の四分の一もあるとは想像できませんが、それくらい大きいことや地球と月の関係が深いことは自分の視野を広げてくれました。

〇ですから海の潮の満ち引きがあることにつながります。これはよく知られているように、月の引力によって、地球の海水が引っ張られて起こるのです。さらに潮の満ち引きは、人間の出生や息を引き取ることにも大きく関わってきていると大人になって知りました。何はともあれともあれ、月のおかげで、地球は地軸を安定させているのだそうです。そのおかげで、穏やかな四季の移ろいがあり、それは地軸の傾きや月のおかげなのです。

〇このように、中学生の学習が一つの起点となり、大人になっても物事を考えていく視点や学び続ける姿勢を身に付けていけるのではないでしょうか。水曜日から正式日課が始まります。いろいろな授業の中で、生徒たちが身近な問題や疑問に感じることに、興味関心をもってもらいたいものです。

須藤昌英

 

 

4月17日(日)「遺伝子オン」で生きる

〇昨年お亡くなりになった、筑波大学名誉教授の村上和夫先生は、バイオテクノロジーの権威でしたが、何冊かの本で、わかりやすく「私たちに人間の無限の可能性」を遺伝子の視点で教えてくれています。要点だけ紹介します。

〇一個の細胞内の遺伝子がもつキャパシティー(潜在能力)は、とても大きく、かりに遺伝子のもつ全能力を100とすれば、その3%から5%くらいしか私たちは用いていないと言われています。この「遺伝子のスイッチをオン」にして生きていけば、これまでとは違う新たな自分をつくっていけるのです。たとえば新年度の進級や進学で、環境が変わったり違う先生や友達に出会ったりすることによって、遺伝子は比較的簡単に「スイッチオン」になります。特に人との出会いが「スイッチオン」の欠かせない要因であり、どんな出会いであっても「この出会いが自分にすごい結果を呼ぶかもしれない」と期待していいのです。

〇また環境というと「いい環境」と「悪い環境」という考え方がすぐに出てきますが、「スイッチオン」のためには、環境の善し悪しよりも、まず「変える」ということをだけが必要です。自分が行き詰っていると感じるとき、あるいは自分をもっと成長させたいようなときは、環境を変えてみる価値は大いにあるそうです。

〇さらに強い意志や使命感をもつことも遺伝子を「スイッチオン」にしますし。他を利する生き方も遺伝子をオンにします。他を利する生き方をしていると、ネガティブ・ストレス(欲・競争・出世・憎む・恨む・陥れる等)から無縁でいられるので、健康にもよいしいつも元気いっぱいでいられます。人間は不思議なもので、同じ苦労でも自分の欲得でやるときは、こだわりが強いので結構疲れますが、純粋に人のためと思ってやるときは、なぜか生き生きわくわくできる経験がきっと誰にでもあるでしょう。

〇科学者が言うことには説得力がありますし、私も経験上から「素直な人は伸びる」という言葉の「素直」とは、「今の自分を大切にし、将来の自分に期待する」心情をもてることではないかと思ってきました。そして素直な人は、常に「感謝の心」も備えもっています。生徒達には素直な心で自分の遺伝子をオンにしてもらいたいです。

〇以上のようなことを前任校では、全校生徒に話したことがありましたが、今度富勢中でも機会をみて話してみようと思います。

須藤昌英

4月16日(土)身だしなみや生活のリズムを整えることの効能

〇五木寛之の『大河の一滴』の中に、2年前にお亡くなりになったC・W・ニコル氏のから聞いた話があります。

〇ニコル氏が「南極へ探検に行ったときの話」で、五木氏が、「南極などの極地では、長いあいだテントを張って、くる日もくる日も風と雪と氷のなかで、じっと我慢して待たなければいけないときがある。そういうときに、どういうタイプの連中がいちばん辛抱づよく、最後まで自分を失わずに耐え抜けたか。」と尋ねると、ニコル氏は、「それは必ずしも頑健な体をもった、いわゆる男らしい男といわれるタイプの人ではない」と言ったとのこと。

〇では再び、「ではどんなタイプの人か」と尋ねると、ニコル氏は、「南極でテント生活をしていると、どうしても人間は無精になるし、そういうところでは体裁をかまう必要がないから、身だしなみなどということはほとんど考えなくてもいい」ようになってしまう。ところが、そんな中であっても、「なかには、きちんと朝起きると顔を洗ってひげを剃り、一応、服装をととのえて髪もなでつけ、顔をあわせると「おはよう」とあいさつし、物を食べるときには「いただきます」と言う人もいる」とありました。そして「こういう社会的なマナーを身につけた人が……、厳しい生活環境のなかで最後まで弱音を吐かなかった」という話でした。

〇過酷な南極のテント生活ほどではないにしても、この2年間は「コロナ、コロナ」で気が滅入ることもあったり、外出は控え以前よりも自宅にいることが多くなったりしていました。

〇そういうときであっても、朝起きる時に起きて、きちんと身だしなみをととのえて、「おはよう」などと、お互いに挨拶をするということは大事だとあらためて思います。

〇学校は学ぶでありますが、それ以外にも、良い生活習慣を身に付けることができ、よき生活習慣を身につけていることが、どんな時にも自分自身を守ることになるのではないでしょうか。

須藤昌英