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2025年10月の記事一覧
10月16日(木)モチベーションと上手に付き合う
〇毎月学校には、いろいろな小冊子の寄贈があります。各団体が発行しているもので、せっかく送料もかけて送ってくださっているので、時間がある時は目をとおすようにしています。
〇PHPという月間冊子の7月号に、臨床心理士の関谷裕希氏が、表題の文章を投稿しています。一部を要約して紹介させていただきます。
やる気やモチベーションというと、自分の心の問題のように思えるかもしれませんが、私たちのモチベーションは、置かれている環境や、そのときどきの状況の影響を受けています。たとえば、読書感想文にやる気が出ず、結局ギリギリまで手をつけられない場合、課題の内容があいまいすぎることが、その一因かもしれません。ただ「感想を書け」と言われるのではなく、「主人公の考え方や行動に共感できた部分とそうでない部分を、理由もあわせて書いてください」と言われたら、とりかかりやすくなるでしょう。(途中略)こんなふうに、やる気やモチベーションが上がらないのは、あなたのせいではありません。モチベーションの仕組みを知ると、もっと自分のモチベーションと付き合いやすくなります。
何かに取り組むときのモチベーションの状態は次の4種類です。
【①やる気なし】
【②仕方なくやる】
【③大切だからやる】
【④楽しいからやる】
普段の活動を振り返って、自分のモチベーションはどの状態かな?と考えてみてください。①➡②、②➡③、③➡④とモチベーションを変化させるコツを紹介します。
【①やる気なし】➡【②仕方なくやる】
とにかく最初の行動を起こすために、「行動スイッチ」を押す必要があります。おすすめなのは、「もっと頑張らないと!」と自分をアメとムチで奮い立たせるよりも、親友を励ますように、自分にやさしい気持ちを向ける方法です。心理学では、セルフ・コンパッションと呼ばれます。やる気が出ない時に、「こんな状態ではダメだ!」と自分を責めるのではなく、「やる気が出ないこともあるいよね」「モチベーションを上げたくても上がらないのも苦しいものだよね」と自分に声をかえるのです。少しホッとした気持ちになって、モチベーションが自然と回復してきます。
【②仕方なくやる】➡【③大切だからやる】
「大切スイッチ」を押すために、自分がやっていることの価値や意味に注目します。たとえば、今やっている勉強や仕事が、五年後や十年後の自分にどう役立つのかを考えてみると、見え方が変わってくるかもしれません。毎日の掃除ならば、「クラスみんなが気持ちよく過ごせる環境づくり」につながっていると思うと、大事な仕事だと認識し直せます。
【③大切だからやる】➡【④楽しいからやる】
ここでは「喜びスイッチ」を押していきます。注目するのは「自分らしい楽しさ」です。「楽しいといっても、その種類は人それぞれ違います。だからこそ、自分に合った「楽しさ」のツボを見つけることが大切です。そのツボを日々の活動や学習に取り入れるのです。そう言われても、「自分らしい楽しさ」ってどうやって見つけるの?という方は、小さいころに好きだったことをヒントにしてみてください。たとえば「小さいころ、昆虫採集が好きでした」という人が5人いたとしても、実は楽しさのポイントがみんなバラバラです。
・「採集するのが好き」➡何かを探して手に入れるのが楽しい
・「こんな昆虫がいたと誰かと共有するのが楽しい」➡発見を伝えるのが好き
・「昆虫の絵を描くのが好き」➡観察して表現するのが好き
・「標本にしてコレクションするのが楽しい」➡体系的に整理・観察するのが好き
・「飼って育てるのが楽しい」➡生き物の成長を見るのが好き
このように、同じ「好き」「楽しい」でも、そのツボは人によって異なります。自分らしい楽しさのツボを探って、それを学習や活動に取り入れることで、「楽しいからやる!」という感覚が生まれるのです
〇まず、「やる気やモチベーションが上がらないのは、あなたのせいではありません」というところでホッとした気持ちになります。いくら頑張ろうと思っても、思いとおりにならないことは必ずあります。そんな時は私も、「自分の意思が弱いからだ・・」と自分を責めるようにしてきました。
〇しかしそういう自分も認め、自分にもやさしい気持ちを向ける「セルフコンパッション」こそ、次の新たなやる気やモチベーションを引き出すためには不可欠なことだと再認識できました。
〇やはり理想は4段階の最後である「楽しいからやる」だと思います。説明では昆虫採集が例として挙げられていましたが、好きなことは人それぞれみんな違うので、自分にあてはめて考えると良いと思います。
〇私にあてはめて考えてみましたが、40年続けてこられた教員という仕事もここ数年になってやっと、【大切だからやる】から【楽しいからやる】になってきたか?と思います。
〇この二つの差は、前者は教員としての義務的な気持ちがまだありますが、後者はもちろん教員としての責任感はベースにもちつつ、純粋に生徒たちの成長を実感できることの楽しさの方が大きい気がします。
〇生徒たちにも「モチベーションと上手に付き合うには?」について、機会を見つけて話したいと思います。
須藤昌英
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