校長雑感ブログ

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11月8日(火)秋の収穫(サツマイモほり)

〇秋の味覚の代表格の一つにサツマイモがあります。昨日の午後、富勢東小学校の児童が来校し、あすなろ学級の生徒と一緒に、「紅はるか」と「紅あずま」の芋ほりをしました。予想以上に大きな芋もあったので、小学生ではなかなか抜けずに、中学生が活躍しました。

〇芋ほりで大切なことは、いきなりスコップを土に差し込まないことです。スポッと引き抜くためにも、掘り起こす時は少し広い範囲で周りの土を手などで柔らかく崩しておきます。この時に土を触る感覚を子どもたちは楽しんでいました。

〇芋の他には、たくさんのツルが残りましたので、乾燥させてクリスマス用のリースを作ります。

須藤昌英

 

 

11月7日(月)柏市技術・家庭科作品展

〇一昨日と昨日、さわやかちば県民プラザにて、柏市技術・家庭科作品展が行われ、本校から16点の作品を出品しました。

〇県民プラザの隣は、県立柏の葉公園ですので、久しぶりに見学後に公園内を散策しました。県民プラザも柏の葉公園も、前任校の西原中の学区内にありありましたので、在任当時はよく行っていました。この時期は木々の紅葉も進み、バラ園では色々な種類のバラが、香りの高さを競っていました。

〇作品展では生徒たちの造形美、公園では自然美を感じることができました。今日は「立冬」です。冬の足跡が近づいています。

須藤昌英

 

11月4日(金)文化の日に「平和」について考える

〇昨日は朝から澄み渡る青空が広がり、暑くも寒くもない過ごしやすい一日でした。「このような気候が一年中続けば・・」などと思わず思ってしまいます。

〇ところがニュースでは、北朝鮮がミサイルをこれまで以上に危険な状態で発射し、日本、韓国、アメリカへの対抗意識をましているとの見方が強まっています。今年の2月からの継続しているウクライナとロシアの争いは、まだ遠い大陸の話と関心を寄せながらもそこまで緊迫感はありませんでした。しかし実際には連日、市街地にミサイルが着弾し、住居やインフラが破壊され、市民の悲痛な表情が報道されています。

〇この北朝鮮の動きや中国と台湾間でのキナ臭い関係は、日本の近海での話であり、その危機感が日本国政府が防衛費を増大させることにつながっている事実は、私たちの生活に直結してきます。政府与党内では、「北大西洋条約機構(NATO)諸国が国防費予算をGDPの 2%以上とすることを目指していることを念頭に、日本でも防衛費を5年以内にGDP比2%以上とすること」を求める声が強まっているようです。2022年度当初予算で防衛費はGDP比1%の5.4兆円でした。これを5年間でGDP比2%まで引き上げるには、単純計算で毎年約1兆円程度ずつ増額していくことが必要となるそうです。

〇私は2月からの8カ月間、「教員としてこの状況から中学生に何を伝えていけばよいか」をずっと考えています。夏ごろにある調査から、日本の若者の7割以上が、「日本の防衛力を強化することに賛成している」と知ったとき、正直「これでいいのか」と呆然としました。

〇私が教員になった昭和の終わり頃には、まだ先輩の先生方の中には、「教え子を戦場に送らない」ことを常に念頭におき、絶対非戦の考えを中心に、「民主主義の精神を生徒達に伝えたい」と強く願っている方がいました。しかしその後、平成の30年間と令和の4年間が過ぎ、そのような意識をもつ教員は私も含め皆無といってよいほどです。

〇もちろん歴史的・政治的なイデオロギーを生徒に教え込むというのではなく、もっと身近な日頃の生活の中で、他人を排除したり仲違いすることの延長が、大きな戦争につながるということを考えさせることは必要だと思います。少なくとも、「やられたらやり返す」「やられる前にやる」などのような短絡的な考えではなく、お互いが今の問題に向き合い、相手の話に耳を傾け、どうしていったらよいかの話し合いを継続していく姿勢をもってもらいたいのです。

〇昨日は「文化の日」でしたが、1948年 (昭和23年) に、「自由と平和を愛し、文化を進める日」として国が制定した国民の祝日です。この日は、1946年 (昭和21年) に日本国憲法が公布された日であり、日本国憲法が平和と文化を重視していることから、1948年 (昭和23年) に公布・施行された祝日法で「文化の日」と定められました。

〇「文化」は英語で表すと、「カルチャー:culture」ですが、それは「耕す」が語源であり、音楽、美術、書画、映像などの芸術により、人間の心を豊かにしてくれます。しかし、その前提は、「自由と平和を尊重する」世の中でなくてはなりません。自宅近くの手賀沼や北柏ふるさと公園を散歩しながら、そんなことを思いました。

須藤昌英

(手賀沼と青空に浮かぶうろこ雲)

11月3日(木)頑張れ!酒井選手(サッカーワールドカップ)

〇先日の1日に、今月中東のカタールで行われる「FIFAワールドカップカタール2022」の日本代表メンバーに、本校卒業生の酒井宏樹選手(現浦和レッズ所属)が選ばれました(3度目)。翌日の千葉日報には、本校のサッカー部と若いころ一緒のチームでプレーしていた郡司先生(保健体育)のインタビューが掲載されました。

〇酒井選手は1990年生まれの32歳、平成18年に富勢中を卒業しています。当時の卒業アルバムには、学ランを着て満面の笑顔の酒井選手が掲載されています。卒業後柏レイソルをはじめ、サイドバックとして、これまで数多くの日本や海外のチームで活躍しています。

〇11月20日が開幕ですので、富勢地域及び全校で応援していきましょう。

須藤昌英

 

11月2日(水)来年度の合唱コンクールについて

〇昨日の合唱コンクールは、柏市民文化会館大ホールで午前中にプログラムを詰め込み、保護者の方々には学年入れ替えで鑑賞していただきました。「お知らせ」には、感想を掲載しています。

〇来年度の合唱コンクールですが、現時点でまだ会場である柏市民文化会館大ホールの予約が確定していません。例年明日の「11月3日文化の日」の前後は、他の団体も使用することが多く、令和5年11月1日は、抽選になる可能性が高いです。

〇9月の体育祭後、約1か月半程度の練習期間が最低でも必要ですので、この時期に行うことが多いのですが、本校も今日から「三学年の三者面談」が始まりますので、11月中旬に合唱コンクールを設定することは、進路指導(進路事務)の日程に影響があるので、難しい状況です。

〇もし、来年度11月の初旬に柏市民文化会館大ホールの予約が取れない場合には、学校の体育館で開催するしかありません。抽選結果は今月中にわかりますが、何とか当選するように願っています。

須藤昌英

(昨日の朝、柏市民文化会館に集合した生徒たち)

11月1日(火)令和4年度合唱コンクール

〇本日の午前中に、3年ぶりの合唱コンクールが、柏市民文化会館大ホールで行われます。生徒たちは現地に9時までに集合します。途中経過を少しずつお知らせしていきます。

   【結果速報】                         1学年 優良賞1組 優秀賞3組                2学年 優良賞1組 優秀賞5組                3学年 優秀賞4組 全校最優秀賞1組

ご来場いただき、ありがとうございました。

須藤昌英

 

 

 

 

 

 

10月31日(月)高校生インターンシップ(職場体験実習)

〇先週の3日間、県立柏中央高校の1年生3名がキャリア教育の一環として、本校に実習に来ました。3人はまだ高校へ入学して7か月、また松戸市や流山市の中学校を卒業しており、しかも本校のことはよく知らないこともあり、少し緊張していました。感想を聞いたので掲載します。

【青山航成さん】

先日お世話になりました、この度はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。先生方のご指導を生徒としてではなく、教員の立場で見させていただいたことは、とても新鮮で、自分にとって、大変勉強になる3日間でした。実習前は、教師という仕事に対し、「辛い仕事」というイメージ持っていましたが、実習を通して、人に教える事の楽しさを感じました。また、先生方の生徒たちの事を第一に考え、常に自己を高めていくその姿勢を肌で感じとることが出来ました。この経験を活かして、将来、教育の世界を目指す事になった際、常に生徒に寄り添える先生になれる様、頑張っていきます。

【菊田妃七さん】

実習前は教師という職業について「ただただ大変」という想像しかありませんでした。しかし実際に体験をして、生徒の方から挨拶をしてもらったり、勉強を教えてわかったと言ってもらったりした事が本当に嬉しくて、まだ教師の"体験"ですが「大変なのは勿論だが楽しいと思える仕事」なのではないかと感じました。今後の高校生活ではこの経験を忘れず自分から挑戦、教師という職業にもっと関心をもっていきたいと思いました。インターンシップ期間中、多くの先生方に一方ならぬご丁寧なご指導をいただきました。本当にありがとうございました。

インターンシップ制度はいろいろな職場で行われていますが、やはり「百聞は一見に如かず」で、現場で感じることが大切だと思います。若者のポテンシャルの無限だと思います。

須藤昌英

10月30日(日)田嶋勉氏「還暦記念演奏会」

 

〇本校の11月1日の合唱コンクールで審査員をお願いしているお一人の田嶋勉先生が、昨日柏市民文化会館大ホールで「還暦を祝う演奏会」を開いたので、花束を持って聴きに行かせてもらいました。田嶋先生は、この3月まで市内の小学校の校長をされていましたが退職後、以前からの作曲家としての仕事を本格化させて活躍されている方です。

〇田嶋先生とは今から30年以上前、市内の同じ中学校で勤務して以来、仲良くさせてもらっています。当時はお互いに20代の若手教員でしたので、放課後などに夜遅くまで「今の生徒達に何をしてあげたらばよいか」など、お互いの教育論を語り合ったことを今懐かしく思い出します。

〇田嶋先生は教員として活躍される傍らで、若い頃から作曲・編曲を手がけられ、全国吹奏楽コンクールの課題曲や市内の中学校の校歌などを何曲も作曲しています。以前に市立柏高校で吹奏楽部も指導していたので、現在はその当時の教え子が何人もプロの演奏家になっており、その人たちが発起人となり、仲間のプロの音楽家仲間に声をかけ、今回の「還暦記念演奏会」が企画されました。ステージいっぱいに、普段は別々のソロ活動をしている演奏家たちがズラッと並んだ光景は圧巻でした。

〇また驚いたのが、1部と2部の合計3時間近い演奏時間の全てが、田嶋先生が作曲・編曲をした曲であったことです。これまで600曲以上の曲を手がけていますので、それでもほんの一部です。また全ての曲について演奏前に、司会者が田嶋先生にその曲への想いやエピソードをインタビューしてくれたので、音楽に疎い私でも聴いていてまったく飽きることはありませんでした。

〇そして最後の曲が、この8月にピアノ協奏曲として田嶋先生が新曲としてかき上げた曲でした。ステージ中央に田嶋先生が弾くピアノがあり、その後ろに陣取るオーケストラとの素晴らしいハーモニーは感動を呼び、会場は割れんばかりの拍手がしばらくは止みませんでした。

〇またもう一つ私が感心したのは、演奏した23曲(8月の新曲を含む)をたった2日間のリハーサルで仕上げたということです。指揮者と50人近い演奏家は、普段はまったく別々の活動をしているにもかかわらず、短い時間でそれぞれのパートをマスターしつつ、指揮者の曲想に合わせながら、見事に演奏しきったことは、「さすがプロ」と思わざるを得ませんでした。

〇週末の秋空が気持ちの良い午後、心が洗われる時間でした。その田嶋先生に審査員をお願いした合唱コンクールが明後日に迫っています。生徒達には、明日までの練習をいかし、スポットライトを浴びながら臆せず楽しんで歌ってもらいたいです。

須藤昌英

 

 

10月28日(金)新聞を読むことで身につく力

〇昨日は読書について書きましたが、ある調査で「新聞をまったく読まない」という中学3年生が約79%いるという結果があります。一方で各種SNSやYouTubeなどで、自分が関心のある情報だけ、ある意味際限ないほど多量の情報を多くの子どもたちは簡単に得て暮らしています。

〇スマホやタブレットなどで、知りたいことをすぐに調べられることはよく考えてみると、今の学校教育が目指す「主体的、対話的で深い学び」の中の「主体的」に関しては即していると思います。ところが「対話的で深い学び」については、自分の関心があること以外には興味をもたず、みんなで一つのテーマについて考えて協働していく場面では、それについてはあまり興味がないので消極的になってしまうという心配もあります。難しい問題です。

〇新聞は各面の見出しをサッと見渡すだけでも、社会で起こっていることが大まかにつかめるという利点があります。読めば読むほど、世の中や人間は複雑で簡単には理解できないことに気づきます。しかしそのモヤモヤした気持ちが重要ではないでしょうか?新聞を読むという一見非効率に見える時間も、少しずつ自分の引き出しを増やし、じっくりと深く考えてみる機会になるととらえると、前述のまったく新聞を読まないことのもったいなさを感じます。

〇現在の中学校学習指導要領でも、「新聞を活用した学習」が明記され、国語の授業の一部では、新聞の記事を使った教材も使用しています。本校では全国紙(朝日新聞)と地方紙(千葉日報)の朝刊に加え、中高生新聞(読売新聞&小学館)を定期購読しています。全国紙と中高生新聞は、図書室でいつでも生徒は閲覧できます。

〇特に中高生新聞は、週に一度の発行ではありますが、今の社会問題を写真や図を入れたり、難しい用語をできるだけ使わずに説明したりと、大人の私が読んでも「なるほど」を思うときがあります。今朝の中高生新聞の第1~3面は、「習氏 現代の『皇帝』」と銘打ち、異例の3期目となった中国共産党のトップである習近平氏について、その生い立ちや中国共産党の組織について詳しい記事がびっしり掲載されています。これを読むと、「我々大人でもわかっているつもりのことが多いなあ」とつくづく感じます。

〇本と新聞のそれぞれの良さをいかして、生徒の情操や課題解決力を伸ばしていくのが、学校の役割だと認識しています。

須藤昌英

(10月28日の読売中高生新聞のデジタル面より)

10月27日(木)読書週間が始まります「この一冊にありがとう」

〇今日から秋の読書週間が始まります。読書週間とは、公団社団法人「読書推進運動協議会」が推進するもので、毎年10月27日~11月9日の2週間が開催期間です。昔から「秋の夜長に読書」と言われ、確かに近頃は日没が早まり、夕方六時には真っ暗になっていますので、YouTube視聴も決して悪くはありませんが、本を手に取ってみることも楽しいものです。また特に11月3日(火)は文化の日で祝日ですので、読書を楽しむのにもピッタリであり、私も久しぶりに東京駅近くの大きな書店「丸善」に本を探しに出かけようかとも考えています。

〇毎年「読書週間」に合わせて標語が発表され、またポスターの募集が行われます。令和4年の標語は、「この一冊にありがとう」で、ポスターの大賞は上記のポスターです。本と向き合って心が和んでいる様子が表現されています。

〇「読書はどんな世代の人にも良い」とよく言われますが、その理由は人それぞれだと思います。私は生徒が「学び続ける」資質を身につけるという視点からですと、次の点を指摘できると考えています。

1 語彙や知識が増える

これは当然といえば当然ですが、普段触れる機会のない言葉や表現方法に触れる絶好のチャンスです。またこれからさまざまな表現や言い回しなどを覚える必要のある生徒たちには、ぜひとも読書を習慣にして欲しいと思います。さらに深い知識をもつ段階の生徒は、新しい知識を学ぶたびに、自身の「的確な判断力」や「幅広い創造力」にも磨きがかかっていくでしょう。人生は決断の連続です。正しい決断のためには、できるだけ判断材料は多いほうが、決断の精度が上がります。まさに読書はその判断材料を、脳へ蓄積している行為と言えます。

2 想像・創造力や共感力がアップ

次に著者や登場人物の考え方や知識に触れたり、文章には映像がない分、自分の「想像力」で内容を補う必要があったりすることで、結果としていろいろな力が養われます。読書している際中に、「これわかるなあ」「えーっ、どうしてそうなる」「たしかにそういう考え方もあるか」というように、自分とは違う人それぞれの価値観を知り、これまでで自分の考えを見直すことにつながります。生徒たちも社会人になれば、指示待ち人間ではいられません。与えられた情報や仕事をもとにして、どんどん新しい仕事を創り出していかなくてはならない状況に置かれます。日本ではどうしても「創造力」を高める教育が後回しにされてきた傾向にあり、読書により「想像・創造力」をアップさせることが有効だと思います。

〇本の読み方の一つは、自分の興味のある内容をとにかく掘り下げるように、幾つもの同じようなテーマの本を連続して読む方法があります。また一方でさまざま分野の本を読んでみることは、一見つながりのない分野どうしを結びつけて、新しいアイディアが生まれる可能性があります。要するにこれは必要ないと早々に決めつけずに、少しでも興味をもった分野は、片っ端から読書してみると、幅広い視野の形成にきっと役立つはずだと経験から感じます。今度機会をみつけて、お子様の本の読み方を少し尋ねてみてはいかかですか?

 須藤昌英