校長雑感ブログ

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2月21日(水)自転車の事故と乗り方について

〇先週の休日、本校生徒が通塾で自転車に乗っていた際、車線を逆走してきた大人と衝突しました。相手の大人は「大丈夫?」の一言はあったものの、その後中学生の身体や自転車の様子をきちんと確認せずにその場を立ち去ったという事故がありました。

〇自転車も「車両」ですので、事故の場合は必ず警察に通報し、双方で事故処理をしなければなりません。つまり車と同様に、交通ルールを破れば処罰の対象になります。事故や違反を犯したとき、知らなかったでは済まされません。

〇今回は保護者の判断で、相手は不在のまま現場で事故状況の調書を作成してもらいました。現場には警察が目撃者に情報を提供する旨を掲示した看板が立てられました。

〇この事故で幸いにも中学生に大きなケガはなかったものの、通院して身体の状況を確認しました。また自転車の前輪はもう乗れないくらい変形していたそうです。相手の大人の判断はどう考えても非常識ですし、自転車どうしの事故であれば、過失割合はどこをどうやって走っていたかで決まります。今回は相手の大人が逆走ですので、過失割合は相手が大きくなるはずです。

〇今回の事故とは別ですが、自転車で歩道を走行する場合に、歩道はあくまでも歩行者優先ですので、徐行しスピードに気をつけて走らなければなりません。もし歩道上の歩行者と自転車の事故であれば、歩行者の過失は0になります。相手が怪我等をすれば、その補償をしなければなりません。最近の自転車保険は、相手への賠償だけでなく、自分のケガの補償もしてくれるものがあります。

〇特に中学生には、私用で自転車を使用する際に、イヤホン・ヘッドホンをつけて音楽を聴いたり、夕方以降に無灯火で走行したりすることは、とても危険なので注意してもらわなければなりません。また努力義務となっているヘルメットの着用も、街中では少しずつ増えてきていますが、まだまだ全体の数パーセントしかありません。

〇よく思い出せば私も若い頃は広い道路で全力で自転車を走らせていた記憶があります。若いですから、今振り返るとある意味それでストレスを解消していた面もあったのかもしれません。ですがたまたま事故に遭わなかっただけで、もし自動車などと衝突していたら命を落としていた可能性もあります。

〇18歳になれば自動車免許も所得できますので、3年生は3年後には運転している可能性もあります。もう一度ご家庭でも、交通ルールや標識の意味の確認をしてください。

須藤昌英

2月20日(火)学年末テスト(1・2学年)

〇今日と明日、3年生の千葉県公立高校入学者選抜に合わせて、1・2年生は今年度最後の定期テストを受けています。朝の登校時間にも参考書などを手に抱えている生徒や友人と問題を出し合っている人も多く、私からは「転ばないように気をつけて歩きましょう」と声をかけました。一生の中で一番、知識や技能を脳に蓄えたり身につけたりすることの出来る時期ですので、頑張ってもらいたいです。

〇以前にも書きましたが、そもそも勉強は「復習」に主眼をおくべきで、覚えられる範囲をストレスなく覚えること、これが記憶の性質に適した学習方法です。比でいうと、『予習:学習:復習=0.5:1:4』が理想的だそうです。脳の海馬という部位に入ってきた情報が溜まっている期間は、情報の種類によって異なりますが、短いと1か月程度です。海馬は情報を1か月かけて整理整頓し、『何が本当に必要な情報なのか』を選定しています。もし入ってきた情報を際限なく記憶していくと、脳のキャパシティーはいっぱいになり、パンクしてしまうということでしょう。

〇心理学者ビネーは、「脳はインプット(入力)よりもアウトプット(出力)を重要視している」と指摘しており、復習の中で手で書いたり口で話したりすること(アウトプット)で、海馬に「この情報はこれほど使用する機会が多いのか、ならば覚えねば・・」と判断させ、「短期記憶」から「長期記憶」に格上げさせることが有効な方法のようです。つまり「詰込み型(ガツガツと一方的に覚える)」よりも「知識活用型(余裕をもって双方的に身体を使ってみる)」の方が効率的だということです。そのようなことから教科書や参考書を何度も見直すよりも、問題集などを何度も解く復習法の方が良いと言われています。

〇つまり毎回の定期テストも「1つのアウトプットの機会」と考えられます。テストへ向けて準備をしてきたことを一気に押し出すように解答用紙に吐き出すイメージでしょうか。ただし私もそうでしたが、学習したことを正確にアウトプットするのも結構大変で、「失敗(不正解)」することも多々あります。しかしまたその失敗が脳に強い刺激を与え、「あのとき失敗したからこそ今ではそのことをきちんと覚え理解できている」ということもあります。

〇本日は給食がありますが、明日はありませんので、ご家庭で準備をお願いします。

須藤昌英

2月19日(月)千葉県公立高等学校入学者選抜

〇明日と明後日、千葉県立及び柏市立高等学校の学力検査が行われます。今日の給食は「味噌カツ丼」で、勝負事の前の「験担(げんかつぎ)」として縁起のよいメニューを全校生徒で食べ、3年生の合格祈願をします。3年生はさすがに前日ということもあり、今からみんな緊張していると思いますが、無事に自分の力を出し切れるように祈っています。

〇20日(火)国語・数学・英語、21日(水)理科・社会で、今年から解答用紙はマークシート形式になります。学力検査以外の検査については、各高等学校が設定して実施しています、いくつかを紹介します。

・面接(複数の面接官と受検生の個人面接や集団討論など)

・適性検査(作文・小論文を書く、運動・音楽の技能の検査など)

・自己表現(当日にパフォーマンスや実技等を行うなど)

・思考力を問う問題(論理的思考力や表現力などを問う内容)

〇以下の確認事項(時間、持ち物や身だしなみなど)や、「トラブル対応」も指導していますが、ご家庭でも再度お願いします。

【受検票を忘れた】

・あわてずに受付に申し出る(学校名、氏名、受検番号)

・受検票は合格発表の際も必要なので、大切に保管する

【電車やバスを乗り間違えた】

・できるだけ公共交通機関を利用する(感染症対策で車の場合は保護者判断)

・もし間に合いそうになかったら、直接志望校に連絡する

【体調不良(感染の疑い)】

・前日までに判明した場合には、富勢中に連絡する

・当日の場合には、直接志望校に連絡し、その後富勢中にも連絡する

〇千葉県の入学者選抜の歴史をさかのぼると、今から37年前までは、一部の専門学科を除きすべての普通科では、1回のみ(2日間で行う学力検査等)でした。その後当時の文部省の通知で「受験機会については、同じ高等学校においても定員の一部を留保して、入学者選抜を2回にわたって実施するなど、受験生に複数の機会を与える工夫をすることが望ましい」とあったのを受けて、昭和61年度から平成14年度までは、「推薦」と「一般」に分かれ、徐々に募集定員に対する推薦枠を拡大(普通科で最大40%)していきました。

〇さらに平成15年度から22年度は、「推薦」に変わり「特色ある入学選抜」が導入され、生徒の多様な能力・適性等を多元的に評価するようになりました。そしてその理念を継承しつつ、3年前までは、「前期選抜(2月中旬)」と「後期選抜(2月下旬)」の2回行っていました。確かに受験生にとっては2回受けられるという精神的な安堵感や受験パターンを戦略的に構築できるなどのメリットはありました。

〇上記のような入学者選抜の推移をみると、単純に言えば今の制度は40年前に戻っているということですが、中学校の校長としては、いつまでこのような選抜を行うのか・・、志願者はすべて入学させるような制度はいつになったら構築されるのか・・、少なくともそうなるための選抜方法の議論を不断に継続してほしい・・などの疑問や要望があります。

〇過去には2月は雪の影響などで、受検会場に行くことを心配したことがありましたが、今年はそれはないようですので、今日は早く休んで、明日に備えてほしいです。

須藤昌英

【味噌カツ丼 ひじきと切り干し大根のサラダ けんちん汁 不知火 大豆小魚 牛乳】

2月16日(金)卒業アルバム等の掲載内容及びその他学校行事等に係る写真の取り扱いについて

〇近年は通信器具の発達等により、個人情報の管理が厳しくなり、学校でもこれまでと違った対応を求められています。例えば昨年から卒業式や入学式のしおりには、卒業生名簿は掲載をしないことになりました。もちろんこれまでも来賓や保護者等の学校関係者のみに配付してきましたが、もしその方々のお一人が故意ではなくてもそのしおり紛失し、それによって結果的に生徒の名前が関係者以外に拡散されたりすると、最終的には作成した学校の責任になります。学校としては配付したあとのすべての管理状態までは把握できませんので、教育委員会が名簿は掲載しないと決めたのでした。

〇同じ理由で、学校行事の写真や卒業アルバムの権利侵害も法律で規制されています。例えば卒業アルバムの内容の複製等を許可なく行い、業者の著作権を侵害したと認定された場合、著作権法第119条1項~同3項により刑事罰に処され、また民事上では業者に対して、民法709条により不法行為に基づく損害賠償責任を負うことがあります。

〇また児童生徒の無許可による写真の公開は肖像権侵害、個人情報の公開はプライバシー侵害として、その児童生徒に対して,民事上の不法行為に基づく損害賠償責任を負うことがあります。そのため 卒業アルバム及びその他学校行事等の写真について、上記のような権利侵害を防ぐため、学校またはアルバム作成業者が、児童生徒及び保護者に禁止事項をお知らせ、配付する等の注意喚起をする必要があります。

〇学校でも注意してまいりますが、くれぐれも生徒には友達の写真などを勝手にSNS上でアップしたりしないように、ご家庭でお話ししてください。

須藤昌英

2月15日(木)社会とのつながり(小さな貢献)

〇先日の日曜日、柏駅近くの献血センターで400mlの献血をしてきました。1回で400mlをすると、最低でも12週以上は間隔をあけないと次の献血はできませんので、多くても年間3回が限度です。次の予約は5月5日としました。

〇近年の日本赤十字社のホームページには長らく、「献血協力者の深刻な減少が続いています !」と書かれています。血液が不足している事情として、「日本は本格的な少子高齢社会を迎えました。輸血用血液製剤や血漿分画製剤の大半は、高齢者の医療に使われています。輸血を受ける方々の約85%は50歳以上である一方、献血にご協力いただいた方々の年齢層を見ると、約76%が50歳未満、そのうち16~29歳の方は約25%であり、健康的な若い世代の献血が高齢者医療の多くを支えている現状があります。今後、少子高齢社会が進むにつれて、現在のように若年層の献血者が減少している状況が続くと、輸血医療に重大な支障をきたす恐れがあります。」とあります。

〇私は20歳くらいから不定期に時間の余裕があるときのみ献血をしていましたが、定期的にするようになったのは、今から15年くらい前、当時勤務していた小学校の児童がある病気にかかり、緊急で多くの献血が必要となり、職員や保護者に協力依頼があったのがきっかけです。私は残念ながら事前の検査で血の条件が合わなかったので、その時は献血できませんでしたが、世の中には血を必要としている人が身近にいることを再認識したわけです。

〇これだけ科学が進歩した現代でも、血液は人工的に造ることができませんし、血液は生きた細胞であるため、長期間保存することができません。私はこれを知った時、人間はなんでもできるというような錯覚に陥っているのではないか・・と感じました。どれだけお金を積んでも血の一滴も造ることができないのであれば、方法はただ一つしかありません。献血ができる健康を保っている人が、献血の意義に関心をもち、気が向いた時でも良いので、貢献していくことではないでしょうか。

〇200ml献血は、男女ともに満16歳以上からできますので、今の中学校3年生も今年の春以降は可能になります。最初は少し怖い気がするかもしれませんが、それも一つの社会経験です。チャンスがあったらチャレンジしてもらいたいです。

須藤昌英

 

2月14日(水)令和7年4月に導入する「柏市標準制服」について

〇先週の新入生保護者説明会でも説明しましたが、市内の中学校21校では、現在の各校の既存の制服に新たな選択肢を追加するかたちで、「ブレザータイプ(スラックス&スカート)の柏市標準制服を導入する予定です。ただし上着のブレザーにはエンブレム(胸のワッペン)などはなく、シンプルなデザインのものです。

〇目的は多様性への対応や寒暖差及び衛生面の機能向上、さらには制服のリユースをすすめることがあります。すでに柏市教育委員会が製造業者と協議の上、「生徒モニター」の準備を進めています。これは新年度の1学期に希望する生徒に、新制服の試作サンプルを2着目の制服として無償で貸し出し、その着心地や機能についてのアンケートに回答してもらい、それをもとにさらなる改良を加えていくものです。

〇ただし生徒モニターの募集は学校を介せず、本人やご家庭で直接申し込みのようです。後日案内が来る予定ですが、もし応募者多数の場合は抽選になります。

〇現在の小学校5年生が入学する令和7年度の入学式は、従来の制服と柏市標準制服の生徒が混在していることになります。もしお知り合いで小学校5年生がいる保護者がいれば、お伝えください。この秋以降、どの制服にするのかを各家庭で決める必要が出てきます。

須藤昌英

【昨年の制服展示会のポスターより】

2月13日(火)新入生保護者説明会

〇9日に来年度入学予定の保護者の皆様に向けての説明会を行いました。ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。疑問点などがありましたら、学校にお問い合わせください。

〇4月からのご入学を職員一同、お待ちしています。

須藤昌英

2月9日(金)災害支援の募金活動

〇「富勢中学校と県立柏高校です。合同で能登半島地震で被害を受けた石川県の皆さんへの支援のための募金を行っています。ご協力をお願いします!」

〇昨日の夕方4時半から6時の間、北柏駅(南口・北口)とマミーマート前で、2校の生徒会役員が一緒に呼びかける元気のいい声が響き渡りました。

〇私も一緒に駅に立って呼びかけましたが、募金をしてくれる方の多くが、「寒い中ご苦労さま、えらいね」などの声掛けと共に、小銭ではなく千円札を入れてくださいました。

〇生徒たちも「ありがとうございました」とますます勇気をもらった様子で、笑顔がいっぱいでした。こういう経験は必ず彼らのこれからの人生にプラスとなることでしょう。

〇終了後のミーティングで、私からは「今回私たちは募金を呼びかける立場で、皆さんも貴重な体験ができました。でももし今後関東地方に大きな災害があれば、今度は支援を受ける立場になることもあります。この経験を学校に戻って、仲間の人たちに伝えてください」と言わせてもらいました。

〇募金の集計は、高校生にお願いしました。後日、全金額を石川県へ送らせていただきます。

須藤昌英

 

2月8日(木)卒業式まであと1カ月

【保健室前の白梅と武道場前の紅梅】

〇先日の雪とはうって変わり、昨日は日差しが暖かく、過ごしやすい日でした。校庭の梅の花も淡くて良い匂いを漂よわせています。確実に春が足音もたてずに近づいていると感じます。

〇梅は桜とよく比べられますが、梅の方が開花時期がはやく、「寒さを耐え忍んで咲く」というイメージがあります。厳しい状況でも美しく咲くので、つつましくても昔から人々の思いが寄せられてきたのだと思います。事実、平安時代には梅に関する多くの和歌が詠まれました。

〇特に有名なのが、学問の神様と言われる菅原道真(845年~903年:平安時代の公卿・漢学者・文人)が詠んだ

「東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅の花 主(あるじ)なしとて 春を忘るな(春な忘れそ)」です。

〇この和歌は、菅原道真がいいがかりともいえる罪をきせられ、九州の太宰府へ左遷される際、大事にしていた梅の木を前にして心をよせたるように詠んだ作品だと、今から45年前の中学校の国語の時間で習い、当時暗唱して覚えたので、今でも強く印象に残っています。

〇おおよその意訳としては、「春風が吹いたら、お前の匂いを(京から太宰府まで)送っておくれよ、かわいい梅の花。私(主人の菅原道真)がいないからといって、春を忘れてはならないぞ」くらいでしょうか?「東風(こち)」がなぜ春風のことであるのかは、少し調べましたら中国の自然哲学「五行説」からきているそうです。春という季節は、東の方角と関係が深く、同様に「東南西北」が「春夏秋冬」にあたるそうです。

〇菅原道真は天才的な学問の大家で人柄もやさしく、多くの人々から尊敬されていましたが、当時の政権幹部からその名声を疎まれ、あらぬ罪で左遷されました。本人には政治的な意図はなかったとされますが、京の都で学問を究めるという本懐を果たせず、さぞ悔しい思いをしたことでしょう。

〇その大宰府での生活は大変きびしくみじめで、気候や風土が変わったためもあり、最後は体調をこわし、都に残した妻子にも会えず、一説によると西暦903年2月に59才で亡くなったそうです。今から1120年前の2月です。その後、京都では雷が落ちて火災がしきりに起こったり、伝染病がはやったり、よくないことがつづいたので、人々は菅原道真の霊がこのようなたたりをしているのではないかといっておそれたという話も有名です。

〇昨年の修学旅行でも、何クラスかは3日目に、京都の北野天満宮(菅原道真公を御祭神としておまつりする全国約1万2000社の天満宮・天神社の総本社)に受験祈願供養で参拝しています。個人の参拝ですとお守りが多いですが、団体での参拝でしたので、学業成就の札をいただいてきました。

〇卒業式まで残り1カ月。3年生には目の前の受験に立ち向かってもらい、下級生にはそれぞれ進級する心構えをこの時期につくってもらいたいと思います。

須藤昌英

 

 

2月7日(水)防寒着あれこれと社会的マナー

【今朝の朝焼けと霧の校庭】

〇今朝はまるで冷凍庫にいるような気温ですが、東の空が明るくて晴天が戻ってくるようです。ただ霧が濃くなっていますので、路面の凍結もあり心配されます。自転車通学者の生徒は、登校の際は特に転倒などに気をつけてもらいたいです。

〇学校関係者の間では、3学期を「行く一月、逃げる二月、去る三月」とよく言います。3学期は気持ち的に多忙で、「あっという間に」4月の新年度を迎えるという気がします。そして2月になると、まさに来月の卒業式や年度を終える修了式が目の前に迫っているのだと落ち着かない気がしてきます。

〇昨日の朝、正門で雪かきを行っていると、いろいろな防寒着を着た生徒が登校してきました。マフラー、手袋、ネックウォーマーももちろんですが、この時期はマスクも一つの防寒着になっているようです。外着としては、部活用のウィンドブレーカー、市販のダウンウエアー、足もとまでのグランドコードなど、様々です。ただ今日の個人ロッカーが大きくないので、教室内での保管ができるものに限られています。

〇手にもった携帯用の使い捨てカイロも有効です。手がかじかんでいると、身体全体まで寒い気がしますので、もっと使ってもいいと思います。ただ生徒には、使用が終わって不要になったら、自宅へ持ち帰って捨てるように指導していますので、もしかしたらそれが面倒?なのかもしれません。以前に勤めた学校では、その使い捨てカイロが教室のゴミ箱に大量に捨てられ、処分に困った経験もありますので、そのような指導も致し方ないこともご理解ください。

〇またマナー面では、自宅に帰る以外は、「防寒着等は玄関で脱いで手にもって建物に入る」のが社会人の常識ですので、現在はそれを生徒に強いてはいませんが、知識として覚えておいても損はないと思います。「大人になって初めて聞いた」ではなく、知っておいて必要な場面(将来の会社訪問や就職面接など)になったら実行すればいいと思います。

〇防寒対策には重ね着が必須であると言われており、調べてみると今は、重ね着をレイヤリングとも言うそうで、「ベース、ミドル、アウター」と分かれており、それぞれ「〇〇レイヤー」ということを初めて知りました。ベースとは要するに、肌に密着する1番下に着る防寒インナー(アンダーウェア)のことで、最近は汗や水蒸気を熱に変えて発熱するものが主流になっていますね。

〇また寒さ対策には、暖かい空気をうまく体の近くでためることも重要で、その状態を羽毛を使った衣類(ダウンのコートやジャケット)が有効のようです。私も以前はジャケットや背広の下にベストを着用していましたが、近年は「インナーダウン」として、薄手のダウンを着始めましたら、暖かいので脱げなくなりました。そのようにアウターの中に着る防寒服のことを、ミドルと呼び、これにより防寒効果はぐーんと上昇し、暖かさを持続することができます。

〇生徒は制服やジャージの下に、カーディガンやセーターを着用しています。ただし色は、白、黒、グレー、ネイビーなどを基調としたものとしています。休日に私用で外へ出かけるのであれば、特別に規制はなくてもいいと思いますが、生徒にとって学校生活は、一応「公用的な場所」ですので、使い分けをすることも学びだと思います。

〇最後のアウターレイヤーは、保温性もそうですが、防水や防風に優れたものが理想ですね。ぴったりフィットするサイズ感よりも、少し余裕があり、空気をたくさん含めるサイズを選ぶことで、より保温力がアップします。

〇よく「フォーマル」と「インフォーマル」と区別しますが、それぞれの場面で服装を適切に切り替えることが、気持ちを切り替える一助にもなります。生徒には、「決まりだから守る」ではなく、「どうして使い分けるのか?」を、自分事として考えてもらいたいです。

須藤昌英