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令和2年度 校長室より

教育実習

 昨日は朝から暑かった!「もしかしたら外遊びも、体育もできないの?」そんな心配が子供たちにはあったでしょうね。暑さ指数は久々に高く、心配したのですが、何とか無事に過ごすことができました。でも気がつけば9月も後半に入り、朝夕の気温や吹く風の涼しさに秋を感じられるようになりました。
 17日のこと。5年生が稲刈り体験をしました。昨年に引き続き、地域の関根さんのご協力により、今年も実現しました。感染症の影響により、残念ながら田植え体験はできなかったのですが、鎌を使っての刈り取り体験です。残念ながら私は同行できなかったのですが、12時前に戻った子供たちの顔は紅潮し、片道40分程の徒歩と初体験の稲刈りの興奮、そして心地よい(?)疲れが伝わってきました。「全部刈り取れなかったよ」とは子供たち。場所は利根川第1堤防と第2堤防の間に広がる一面の水田です。周りはもう既に機械による刈り取りが終わり、子供たちのために残しておいてくださいました。鎌で刈り取ってすぐに機械で脱穀、残ってしまった稲は機械で刈り取ってくださったそうです。間近で見る機械による刈り取りも、子供たちにとっては印象に残ったことでしょう。半日、こんな体験をした子供たちです。きっと夕飯のごはんはいつもと違った味がしたかもしれませんね。富勢地域ならではの学習に取り組んだ5年生でした。
 今、学校には3名の大学生が教育実習をしていて、1週間と3週間の実習を昨日でほぼ終えることができました。1名は栄養士、2名は教員をめざしての実習です。実習開始の頃はやはり緊張気味でしたが、慣れてくると表情は和みます。「学校には子供たちをはじめ多くの人がいて、コミュニケーションが不安」「教員の仕事量は多いとのこと。なれるかどうか、選ぶかどうかは大きな迷い」そんな話が実習スタート時にはありました。仕事に就くというのは簡単なことではなく、その仕事それぞれの大変さがあるはずです。学校という場所は人との関わりなしでは成り立ちません。たとえ短い実習期間ではあっても、興味を持って挑んでみるか、別な道を選んでみるか、選択する1つの機会になるだろうと思います。17日は教員をめざす2名が算数の授業に挑みました。担任の支援を受けながら数日前から準備をし、緊張MAX状態でこの日を迎えました。わずか45分のために「子供たちにわかってもらいたい」という思いで数日間準備をする…これも教員ならではの仕事です。2人とも落ち着いていて、マスク越しではあるけれど優しい目も随所に見られました。子供たちを自分にひきつける瞬間も何度か見られ、教員としての醍醐味も味わえていたようです。授業後、「子供たちの発言をうまく取り上げられない」「小さな声の発言をどう扱おうか」「あの子にも声かけしたい、この子にも声かけしたい。でも時間が…」そんな反省を述べていました。でもこれは教員にとって永遠の課題です。次から次へと出てくる課題に対して次の手を打ち続けていくこと。これは教員の宿命かもしれません。この2人の最終日は来週23日、実習を終えて何を思うか、ぜひ聞いてみようと思います。
 もう1人は昨日で栄養士の実習を終えました。事務仕事から始まり、調理業務をする給食室での仕事、そして教室で配膳から食する子供たちの様子と、驚くほどたくさんの仕事があります。実習の目的の1つに「講義で学んだことと実際の業務との違いを体験すること」とありますが、中山栄養教諭と過ごすことで、多くを感じ、多くを学んだ様子でした。子供たちとの関わりも、たとえ1週間ではあっても慣れてきたとのこと。そう話す表情が嬉しそうでした。世代交代が進んでいる学校現場では、勤務している若年者の育成とともに、学校現場に勤務する職員のなり手を増やすことが大きな課題です。そのためには職場の魅力を感じてもらうことが必要です。嬉しそうに話す表情に私も嬉しくなり、何だかホッとしました。
 今日から連休が始まります。2学期の始まりから暑い日が続き、外に出られない日も多かった子供たちにとっては、疲れとストレスがたまっているかもしれません。ゆっくりと過ごしながら、時間を有効に使い、気分を一新して欲しいと思います。ただし、感染症への備えだけは忘れずにお願いします!

「脚下照顧」の取組

 涼しい日が続いています。「先週はあんなに暑かったのに…」そう感じている方も多いでしょうね。我が家のエアコンも先週末から使用中断です。このまま終了になるのでしょうか? さすがに多くの子供たちが過ごす教室は子供たちの熱気もあり、エアコンを稼働していますが、暑さ指数を気にせずに校庭で遊べる子供たちはいきいきと活動する今週です。「やったあ、次は外体育だ!」そう言いながら階嬉しそうに階段を降りる子供とすれ違いました。予報では今週末に暑さが復活ということですが、季節は一段と秋に近づいていることは確かです。
 先週のことです。休み時間に4年生の男児が昇降口のくつ箱を点検していました。「何しているの?」と尋ねると「みんなのクツが揃っているか見ています」とのこと。見れば全てのクラスの、ほとんどの子のくつが揃えられています。
 「いつから始めたの?」
 「4年生全体で1学期から始めました」
 「始めてみてどう?」
 「揃えることで気持ちが良いし、全部が揃っているとやっぱり気持ちは良いです」
その子は嬉しそうな表情でそんな返答をしてくれました。放課後、4年生のくつ箱を見ると、上履きもきちんと揃っていました。下履きはくつ箱の縁の部分にかかとを揃え、上履きはつま先部分を箱の奥に合わせているようです。今まで気がつかなかった自分を反省しつつ、とても嬉しくなりました。何だか隣にある6年生のくつも揃っているように見えてきます。
 『脚下照顧(きゃっかしょうこ)』という言葉があります。仏教用語で「自分の足下を見なさい。履き物を揃えなさい」という意味から「履き物を揃えて心のゆとりを持つ。自分の心を見つめる」という戒めとして使います。以前、全校朝会で『脚下照顧』の言葉を子供たちに紹介し、「くつを揃えるわずかな時間が心のゆとりにつながる。これって大事」そんな話をしたことがありました。そんな取組を今、4年生が実践しています。日々、次から次へと様々なことに流されてしまい、自分のことを見つめる機会が思うようにとれないのが現状です。特にこの1年は感染症に影響されることが多く、更にかもしれません。そんな毎日の中で、くつを揃えながら、朝は「よし、今日も一日!」、休み時間後は「次は3時間目!」、急いで校庭に出る際も「よし!くつを揃えて」、下校の際は「一日が終わった!」…そんな自分を見つめる機会はホッとするはずです。そして周りのくつが揃っていることを見るだけでも気分は良くなります。くつを揃えることは心がけ次第で、誰にでもできること。広がっていくことを期待したいですね。ご家庭でも一緒に取り組みませんか?

時間の使い方を見直す

 「“残暑が厳しい”とは今週のような毎日を言うんだろうな」そう感じた1週間でした。陽射しがサンサンという日ばかりでなく、見る見る雲に覆われてきて雨が降ったり、時には雷が鳴り響いたりと、変化が激しい天候でしたが、暑い日が続いた毎日でした。「先生、暑いよ~」「溶けちゃいそう」そんな声を登校中の子供たちから聞いたり、「朝から暑いですね」と職員間で言葉を交わしたりしました。「暑さ指数」も高く、熱中症警戒アラートが発表されて、厳重警戒や危険レベルの暑さが続き、外遊びや体育が中止になることもしばしばで、少し空が曇ってくると「先生、昼休みは外で遊べますか?」と聞きに来る子がいます。「指数の数値が上がったので、外遊びや体育はできません」という放送が流れると、「えーっ!」という声があちこちから聞こえてきます。また「数値が下がったので昼休みは外で遊べます」という放送が流れると、倍以上の「やったあ~!」という反応が聞こえてきました。「校長先生、今日は外で遊べますか?」廊下ですれ違う子から尋ねられることもあり、「どうかな?調べてみるからね」「ごめんね、今日は暑いんだ」と返答していました。とにかく暑さに一喜一憂する1週間でした。「今週の暑さはピーク」との予報もあり、涼しくなることに期待したいと思います。
 感染症による影響もあり、教員の働き方の見直しもあり、今学校では「今まで続いてきたことの見直し」に取り組んでいます。先日のメールでお伝えしたPTA活動の在り方についてもその1つです。私たち教職員にとっての“見直しの視点”は時間の使い方です。子供たちに向き合う時間や授業の準備の時間など、どのように時間の使い方を工夫していくかについて考えています。1例をあげれば、毎日の教育活動に位置づけられている清掃活動。今は週5日間、毎日20分間実施しています。この取組は長年実施されている、定番の活動です。目的は「自分たちが使う校舎をきれいにする」ことですが、やるべきことが多い中、その目的は達成されているでしょうか。富勢小では「あじみ運動」を掲げ、清掃活動への取組を通じて子供たちを育てようとしていますが、反省すべき点も多々あります。高学年の児童(5年生は児童会役員4名)に「清掃時間が減ったら、学校はきれいでなくなるか」について聞いてみました。はじめは戸惑った様子でしたが、「その分、掃除の時間に頑張れば良い」「掃除のないときにきれいにすることを心がければ良い」「減った分、他の活動ができたり、早く下校できたりになれば嬉しい」という声が返ってきました。「きっといい加減な人もいると思うけど、みんなで働きかけてできるようになることを期待したい」そんな声もありました。「子供たちはしっかり考えているし、よくわかっている」と感じ、嬉しくなりました。決まっているからやるのではなく、何のために、どのようにやるのかが大事で、そのことを子供たちにしっかりと伝えること、そして理解し、実践できる子供から学級全体に広げていくことが目的を達成するには必要です。新しいことに取り組む際には、子供たちの意識を踏まえながら、その点をしっかりと考えて行きたいと思います。
 すっきりしない今日の天候です。気温は30℃には届かないと言うことですが、まだまだ暑さはあります。熱中症にはくれぐれもお気をつけください。暑さの中での1週間、子供たちもきっと疲れたはず。ゆっくりと休んで、元気回復、月曜日には笑顔で会いたいと思います!

「ゆるい学校」!?

 7日の新聞に、「『ゆるい学校』への転換を」(千葉日報 千葉大学教授 藤川大祐 氏)という記事があり、興味を持って読みました。「“ゆるい”って、何でも許しちゃうってこと?」そんなふうに見出しから受け取ったからかもしれません。
 コロナで学校生活全般が見直される中で、私たちは目の前の児童生徒と向き合いながら、学校生活の再構築を進めなければならない。学校現場に身を置く教育研究者の立場で、私たちが目指すべき新たな学校像を一言で言うなら、それは「ゆるい学校」である。
 という藤川先生の考えが述べられており、「ゆるい」という言葉の意味についても、「きっちりと固定されていないのに、つながっている。必要に迫られているわけではいないのに、欲している。細かいことは決まっていないのに、全体としては成り立っている状態」という説明が書かれていました。「ゆるい学校」では、多様な子供たちが誰も排除されず、適切にケアされる。遅刻をした子、落ち着かない子、居眠りをする子がいても頭ごなしに叱られず、「大丈夫か?」と心配される…とも書かれていました。
 「なるほどな」とは読み終えての私の感想です。「何でも許してしまう」という「えっ?」と思うことではなく、子供に寄り添うとか、感染症による子供への影響とか、今まで続いてきた学校の“当たり前”を見直すこととか、「ゆるい学校」という言葉の中に、最近考えていることが全て含まれているように思いました。また子供に向き合うことを職業とする教員に、「今こそ、何ができるか」が問われている気もしました。宿題、掃除はやるべきもの、忘れ物はなくすもの、そして学校は行くもの、…今までは「それが当たり前」で子供たちに接してきました。それが「なぜ宿題をやるのか」「面倒な掃除はなぜ、やらないといけないのか」「学校には行きたくない。なぜ行かないといけないのか」という子供たちに向き合い、説明して理解につなげなくてはいけないのです。“やらされてきた”子供たちが、“やる”子供たちに変化する時なのかもしれません。それには時間と我慢が必要ですし、子供たちに関わる家庭と学校の連携は今まで以上に必要です。家庭は学校での集団生活とは違い、「家庭のルール」であったり、「やるべきもの」として位置づけられていることは多いでしょう。でも必要なことは「やる意味」を子供たちにしっかりと理解させることです。理解して取り組むときの力は大きいはずです。
 「ゆるい学校」については職員とも共有していきたいと思います。記事には「『ゆるい学校』では、学ぶことが強制されない。このため、楽しさによって動機づけがなされるしかない」とも書かれていました。まさにこれこそが私たちの工夫です。長期の休校を経験した子供たちには、動機づけにつながる様々な工夫が必要です。その点はしっかりと確認したいと思います。

子供の成長

 「子供たちって学年が変わるだけで、こんなに成長するんですね。本当にビックリです!」先週、4年生の書写の授業に、ボランティアとして支援していただいた方の言葉です。この方には子供たちが3年生の時、「習字道具を初めて使う子供たちのお手伝いに」ということで、私と一緒書写授業に加わってきました。今年度も3年生の支援をお願いしており、授業が始まるまで4年生の授業に加わっていただくことになりました。昨年の授業始めは道具を並べるだけで大変で、その上、「墨汁を硯に…」という作業が加わると子供たちのテンションは上がります。墨がこぼれた、手についた、墨がなくなっちゃった、…自分ですることが怖くて(?)、なかなか進みません。そんな子供たちに寄り添っていただきました。先週の火曜日は1時間目から4時間目まで授業が続き、4年生全ての子供たちの、“4年生、書写始め”に立ち会いました。道具の使い方はもう手慣れたもので、話はしっかりと聞き、指示通りに墨を準備し、練習が始められます。2月から7か月ぶりの書写授業でしたが、「昨年とは全く違う」を、私も実感しました。「気持ちが変われば行動が変わる」まさに実感しました。「10月になればもう5年生に近い4年生になるんだよな」そんな言葉を子供たちにかけると、背筋がより一層伸びた気がしました。4時間続いての授業で大変だったのですが、「来週も楽しみです!」とニコニコされながら、その方はお帰りになりました。私も楽しみです。
 私は6年生の書写の授業もサポートします。授業に加わる大きな目的は子供たちを知ることで、少しでも理解を深め、3月の卒業につなげていきたいという思いからです。6年生の授業は先週の木曜日で、3時間目から6時間目まで続きました。子供たちとは3年生からの付き合いですが、授業という形で向き合うのは初めてです。
 「3月24日、5年生の修了式に行った辞校式でのこと。みんなの代表の子が『卒業式にも出られず(卒業生を支えられず)、4月から6年生としてやっていけるかとても不安』と言ったことが忘れられない。その上、入学式にも参加できなかった。『6年生をどのように支えていったら良いのか』は私にとっての大きな課題。そんな中、1年生の給食を献身的に支える6年生の姿は本当に嬉しかった!通常の『6年生への道』を歩めなくても、気持ちは立派に6年生だ。3月まで一緒に頑張ろうね」
と、6年生には伝えて授業を始めました。成長した4年生とは違い、一段と落ち着いた雰囲気で、一生懸命に取り組む姿が見られました。6年生レベルの成長感じました。取り組む最初の作品は『歩む』。現状を考えると、子供たちが気持ちを込められる言葉だと感じています。今週は練習、来週は清書となり、おそらく教室に掲示されるはずです。子供たちの思いが込められた『歩む』が並ぶことが楽しみになりました。 

感染したら・・・

 9月2日から始まった校門坂のブロック塀工事ですが、雨が降ったり、猛暑だったりの中、順調に進んでいるようです。両側のブロック塀は撤去され、道路部分のコンクリートもはがされました。今は土が見えていて、整地されています。目立つのはくすの木の根っこの太さです。特に校舎に向かって左側の根っこは坂の部分にはみ出していて、「この根っこの部分はどうなるんだろう?」と思います。100年前に学校の敷地に50本のくすの木が植樹され、今はわずかに数本残っている木の1本です。30年前は隣の富勢運動場で、小学校も中学校も市内陸上競技大会が行われていました。その準備のために訪れる際、運動場の駐車場が使えないと、富勢小の校庭に駐車したのですが、校門坂がくすの木で薄暗く、何か街道でも通過しているような気分になったことを今でも覚えています。地肌が見えている校門坂からそんなことを思い出し、完成後の校門坂が楽しみになりました。
 昨日、文部科学省から子供たちと保護者の皆様向けに、感染症についてのアピール文を両面に印刷して配付しました。感染防止策や感染後の対応について記載されていますのでぜひ、ご一読ください。特に重視すべき点は感染した場合の対応についてです。感染者数は一時に比べれば減っているとは言え、各地によって状況は異なり、柏市でも昨日は多くの感染者が報道されていました。高校のサッカー部や大学のラグビー部の集団感染の報道が以前ありましたが、感染を強く避難する行為や同じ大学ということで教育実習が拒否されることがあったとのことです。子供たちは「感染したらどうしよう」との大きな不安や「家族が感染しても絶対に言わない!」との思いがあるというアンケート結果も紹介されました。今はいつ感染しても不思議ではない状況ですが、感染した後の周りからの対応を考えると大きな不安がある子供たちの様子がうかがえます。昨日のアピール文も子供たちにとっては「感染したらいけない」ととらえている子もきっといるはずです。職員には「言葉を添えて伝える」ことを伝えました。「先生だって感染する」「先生が感染したら、○○と考える」と、言葉を添えることで子供たちは「そうか先生も…」と思うはずです。後は日々積み上げる学級の雰囲気作り。学級の関わりの絶対時間が少ない現状の中、各学級担任は学級づくりには苦労しています。今までとは違う工夫によって少しでも安心感を醸しだし、「失敗しても良いんだ」「先生に相談してみよう」そんな気持ちに子供たちがなれるようにしていくことは大切です。感染症による影響は子供たちにとって想像以上のものがあると言われていますが、せめてそんな学級の中での生活を送っていきたいと思います。ぜひ、ご家庭でもアピール文をとりあげていただき、感染した場合の対応について話し合ってみてください。一概に「こうあるべき」とはいきません。感染症に関して、何かあれば相談していただき、一緒に考えていきたいと思います。
 スッキリしない天候と昨日のような猛暑の中、平常日課の1週間が終わりました。きっと子供たちは疲れたと思います(私も疲れました…)。ゆっくりと休んで元気に、来週を迎えて欲しいと思います!

9月になりました!

 8月から9月へ、今までは長い間、「よし!」という特別な気構えとともに迎えていましたが、今年はそれがなく、既に2学期は始まり、月曜日の次は火曜日という当たり前の流れの中で、「今日から9月なんだ」そんな思いになった昨日、1日でした。蒸し暑さは残るものの、涼しさを感じる昨日、今日です。
 昨日から運動部の朝練習も始まりました。昨日も今日も、7時15分には数名が校庭に集まっています。今までは8時頃、富勢運動場前の横断歩道を通過していた6年生が、朝練習に参加するために校庭にいる…その切り替えのはやさ、凄さにビックリしつつ、成長を感じて嬉しくなりました。「練習が始まるのを楽しみにしていた!」という声も聞かれ、眠そうな顔つきはありません。ここにも当たり前に思うことなく、できる喜びを感じて取り組む子供たちの姿が見られました。
また昨日の下校時から正門通過ができなくなり、給食室搬入口からの登下校も始まりました。今朝のこと、低学年の子から「あの坂をずっと上がっていくのか…」そんな声が聞かれました。ちょうど私が立っている運動場入口から見ると、正門から通用門までの直線が坂になって上っています。校門坂の方がきつい登りなのですが、歩いている子供たちには見えません。通用門までは100m以上はあるでしょうか。子供たちの素直な見方をほほえましく思い、「2か月、頑張ろう!」と声をかけました。昨日の放課後は郵便屋さんの配達時刻でもあったので、「10月末までここからお願いします」と伝えましたが、結構影響はありそうです。通用門付近は見通しが良い場所ではありません。車で来校されることはできる限り控えていただき、やむを得ず来校した場合には、子供や大人の出入りに十分、気をつけていただくことをお願いします。
 市内小学生の感染が報道され、ご存じの方も多いかと思います。全国的な感染者は減少傾向にあるという報道がありますが、感染防止策は継続しなければなりません。特別なことをやるのではなく、手洗いやマスク着用など、子供たちの意識を高めながらの取組継続に努めていきたいと思います。「うつらないためだけでなく、うつさないためのマスク着用」や「給食中のおしゃべりを控える」、そして「小まめな手洗い」など、子供たち自身で取り組み、更に徹底できるようにしていきたいと考えます。毎朝の検温とカードへの記入・提出はどうでしょうか?各家庭では進んで取り組んでいるでしょうか? 「忘れ」たため職員室に来る子どもはここ数日、5~8名と少なくはなっていて、ホッとしています。ただ、 学校では2学期になり、非接触型体温計を各学級に配付し、使用できるようにしたので、「学級で計測」という場合もあるかもしれません。そのあたりは職員に様子を聞きながら、「やらなければ、持って行かなければ」という意識を高める取組をしていきます。どうぞご家庭でも、子供たちへの励ましをお願いします。



 

富勢の自慢、学校の自慢

 東葛飾地区に勤務する教職員向けに『葛飾文芸』という文芸・教育情報誌にがあります。その中に「学校自慢」というコーナーがあり、原稿依頼をされました。まずはその記事を紹介します。
 富勢小学校は柏市北部に位置し、利根川を挟んで茨城県守谷市と接する県境地域にある学校です。昨年、創立から120年目を迎えました。
 富勢村が誕生したのは明治22年ですが、「富勢」という名の由来は、奈良東大寺に残る大仏造像の詔によるとされ、大変縁起の良い、幸せをもたらす言葉とされています。村ができて10年、教育の大切さが広まり、「もっと設備の整った良い学校をつくろう」という考えの人々が力を尽くし、明治33年5月22日、富勢尋常小学校が開校しました。それ以来、この日が学校の創立記念日です。
 校長室には50周年、80周年、100周年の記念誌がありますが、その中には「子供たちの中には学校に来ないで山で遊んでしまう子がいて、それを探しに行くのも私の仕事でした」という歴代校長の談話が記載されています。商工地域、住宅地域としての変化はあっても、昔から延々と続いている農村地域の面影はまだまだ残っていて、自然に恵まれた地域の環境は子供たちの「生きる力」を育んでいます。
 「八朔相撲」や「三世代ふれあい体育祭」などの地域行事や米作り体験の学習など、子供たちと地域との関わりはとても深く、確実に根付いています。富勢という土地や自然に育まれ、いきいきと活動する子供たちを通して、地域の大切さとこれからも発展する可能性を感じながら今年、121年目のスタートを切った子供たちが自慢の学校です。 
         
「へーっ、そうなんだ」という内容もあるでしょうね。富勢小の歴史をぜひ、知ってください。
 「自慢」ということでもう一つ。昨日、富勢中学校で「第1回柏市立富勢中学校区 学校運営協議会」が開催されました。富勢中学校区の4校が「学校運営協議会」を立ち上げたことで、この4校は「コミュニティ・スクール」と位置づけられ、地域と学校の今まで以上に強い連携と協力体制を築いていくことをめざします。そしてその取組が小学校、中学校と歩む子供たちのより大きな成長につなげていくための取組です。30名を超える参加者のいた会議でしたが、その中で「富勢の自慢は何?」という話題をとりあげました。
 ・挨拶が交わせる地域
 ・地域イベントが充実
 ・ちょうど良い田舎感、都会的な田舎(笑!)
 ・子供たちの見守りが充実
 ・温かい人が多い
 ・結構、自然がいっぱい、歴史がいっぱい

以上のことが出されましたが、自慢を考える、あげられた自慢を聞く、委員の皆さんの表情は楽しそうで、「富勢には自慢がいっぱいあるんだ!」そんな誇らしさが伝わってきました。以前、紹介したPTAアンケートでも「地域の見守り」についての感謝に触れた内容もあり、富勢地区ならではの良さがたくさんあると感じます。この環境の良さを子供たちの学びに活かすこと、そして更に発展させていくことを考える出発点の日でした。まずは、保護者の皆様にも「学校運営協議会」に関心を持っていただければと思います。
 昨日も暑かったですが、今日も続くとのこと。くれぐれも体調管理にはお気をつけください。

安心感のある学級

 昨日は本当に暑い日でしたね。いつものように朝、富勢運動場入口に向かいましたが、浴びる陽射しの感じがまず、違いました。まさに“射される”感じがしました。次に子供たちの様子。「先生、暑いよ!」「溶けそうだ!」という声かけの子供が多く、目が合った子供たちもとても辛そうです。今夏になって暑い日はたくさんありましたが、「辛いほどの暑さ」は今日が一番かもしれません。熱中症警戒アラートが千葉県にも出されたことを身をもって感じました。9時の時点で暑さ指数は「危険レベル」になっています。体育と外遊びは中止にし、下校時はマスクを外して帰るように、子供たちに伝えました。私は昼前から出張だったのですが、子供たちの下校時、特に異常は無かったとのことでホッとしました。「今日は本当に暑かったね」家庭ではそんな話題もあったのではないでしょうか。
 27日のこと。柏市のとある会場で「教師と子どもがつくる自信と安心感のある学級」をテーマにした講演会がありました。講師は菊池省三氏です。菊池先生は元教師で、退職されてからは「学級づくり」の実践を、全国の教員に伝えてくださっている有名な先生です。私も菊池先生の実践を雑誌で何度も読んだことがあります。この日私は会場には行かずに、自宅でオンラインによって講演を聴いていました。メモをとりながら聴いたのですが、後でまとめてみるとノート2ページ分、心に響く言葉が並びました。
 ・叱る言葉の中に“ほめ言葉”を入れることが大切だ。
 ・教師にとって大事なのは8割の観察力。
 ・普段の子供たちの、何気ない仕草から看取ること。そこからほめることが大事。
  ・良い学級は子供の観察力を育てることから始まる。
 ・いろいろな子供がいるからダイナミックな話し合いができる。
 ・ほめ言葉は「+(プラス)1」で。
 ・学級を温かい雰囲気にするか、冷たい雰囲気にするかは担任次第。

と、今、そのノートを見ても、心に響いた言葉が並んでいます。「ほめ言葉は『+1』で」とはどういうことだと思いますか?「ありがとう」だけで終わらず、「○○が嬉しかったよ」「○○してくれて助かった」と、一言、具体的なことを添えると言うことです。それによって子供の気持ちは上がる…なるほどですよね。これは家庭でも使えそうですよ。「学級を温かい雰囲気にするか、冷たい雰囲気にするかは担任次第」は置き換えると「学校を温かい雰囲気にするか、冷たい雰囲気にするかは校長次第」となりますよね。気持ちが引き締まりました。夏季日課が昨日で終了、来週からは平常日課となり、2学期も本格的に始まります。子供たちにとっての学校生活の場は学級であり、担任との関わりが中心です。学級には安心感が必要で、それが子供たちには伝わります。菊池先生の数々の言葉を機会を見つけて担任に紹介し、子供たちの観察力が磨かれるようになればと考えています。
 既にお知らせしましたが、来週9月1日から校門坂のブロック塀工事が始まり、正門から玄関にかけて封鎖され、通行ができなくなります。学校への出入りは富勢保育園前の給食室通用門となるので、事故がないよう十分に気をつけ、子供たちにも伝えます。子供ルームへの迎えをはじめ、学校への車の出入りが大幅に制限されますので、ご承知置きください。どうしても車で来校される際には事前に連絡いただきたいと思います。子供たちはこの動線に慣れていませんので、乗り入れの際は“最徐行”でお願いします。
 今日と明日もかなり気温が上がるとのことです。活動の有無にかかわらず、子供たちも、皆様も熱中症にはくれぐれもお気をつけください。

目は口ほどにものを言う

 昨日8月24日、2学期が始まりました。猛暑という感じはありませんでしたが、やはり朝から陽射しは強く、「よし!」と、気持ちを奮い立たせて外に出ました。「校長先生、おはようございます」と、いつもより早い2学期スタートにもかかわらず、いつもと同じ子供たちの挨拶が返ってきます。マスク越しではありますが、目が合う子も多く、朝から子供たちに元気をもらいました。「いつもと違う」光景はもう一つ、子供たちが持つ荷物の量が上げられるかもしれません。いつもの2学期開始の日には自由研究や工作など、休み中に取り組んだ宿題の作品を持ってきますが、昨日はそれがありません。宿題のない夏休み。子供たちはどんな思いで過ごしたのでしょうか? 子供たちから、そして保護者の皆様から、様子をぜひ聞きたいと思います。
 昨日の始業式もオンラインによる各教室での開催でした。私の話は「目は口ほどにものを言う」ということわざを取り上げました。
 4月からマスクをつけた生活がずっと続き、5か月目になりました。当たり前のことですが、マスクで口もとが隠れている皆さんの顔は、やはり“目”が目立ちます。
 5年前のこと。私は目の表面についた余計な皮をはがす手術をしました。お医者さんから「こんな手術ですよ」とは説明はされても、「目を手術するってどういうこと?」と、不安いっぱいでその日を迎えました。手術中もやはり、不安はいっぱいでしたが、前後にいろいろと励ましてくださった看護師さんのマスク越しの目がとても優しく、声かけ以上に思い出します。
 優しく感じられる目と怖く感じられる目。皆さんもそう感じるときがあるのではないですか? 実際にそんな目はないはずです。自分の受け取り方と相手の他人を思いやる気持ちからそう見えるんだと思います。「マスクをしている自分の目は、子供たちにどう見えているのかな?」そんなことを考えながら私は今日、2学期を迎えました。 

 毎朝の検温から始まり、マスク、手洗い、距離をとる…このような生活が今日からまた、始まります。子供たちにとっては「思うようにならないこと」の部分もあり、友だちとのトラブルになることもあるでしょう。でもちょっと気持ちを変える、見方を変えることで理解が進みます。また習慣づいて子供たちの力になっていることもありますので、家庭と連携して励ましていきたいと思います。
 今日から給食も始まり、28日(金)までは夏季日課ということで、低学年は12時半下校(26日、28日は3年生も同様)、3年生以上は15時半下校になります。休み明けの子供たちにはいろいろな不安があるはずです。「何か、いつもと違うな」と感じたら声かけをしていただき、担任にも連絡してください。