校長雑感ブログ

2024年5月の記事一覧

5月30日(木)3学年数学「多項式の応用」

〇修学旅行が終わり、3年生は本格的に学習に取り組んでいます。来月の期末テストは、進学にも大きな比重をもっていることは、本人たちも自覚しており、真剣さが増しているのがわかります。

〇数学は、多項式に関して、式の展開と因数分解をセットで学んでいます。特に因数分解の公式は、一次式の乗法や式の展開の公式の逆であることを理解し、その方法を見いだすことができるように配慮したり、式の展開の公式や因数分解の方法の理解を深めるために数の計算と関連付けて,そのよさを実感できるようにしたりしています。

〇数学でも自分の解き方と友達の解き方をお互いに説明しあうことが、学びを深める最良の方法です。

須藤昌英

 

 

5月29日(水)1学年保健体育「陸上競技(リレー)」

〇昨日は雨でグラウンドが使用できず、体育館で男女合同で行いました。1時間目でしたが、授業開始5分前には体育館に集合・整列が完了していました。2人の指導者も「入学した時よりも時間を守るなど、著しく成長しています」と私に教えてくれました。

〇短距離走・リレーでは、自己の最大スピードを高めたり、バトンの受渡しでタイミングを合わせたりして、個人やチームのタイムを短縮したり,競走したりできるようにします。

〇滑らかな動きとは、腕振りと脚の動きを調和させた全身の動きであり、タイミングを合わせるとは、次走者が前走者の走るスピードを考慮してスタートするタイミングを合わせたり、前走者と次走者がバトンの受渡しでタイミングを合わせたりすることです。

〇指導に際しては,走る距離は、短距離走では 50〜100 m 程度、リレーでは一人 50〜100 m 程度を目安としますが、生徒の体力や技能の程度やグラウンドの大きさに応じて弾力的に扱うようにします。

〇私が見ていても、最初の段階よりも自分たちで話し合って練習していくと、明らかに上手になっていくことがわかります。生徒たちの力は絶大です。

須藤昌英

 

5月28日(火)1学年音楽「アルトリコーダーと鑑賞」

〇1年生はまだアルトリコーダーを配付していませんでしたので、昨日配付していました。みんな嬉しそうにもらっていました。本格的な練習は次時からになります。

〇本時のメインは、鑑賞です。音楽のよさや美しさを味わって聴くとは、曲想を感じ取りながら、音や音楽によって喚起された自己のイメージや感情を、音楽の構造や背景などと関わらせて捉え直し、その音楽の意味や価値などについて自分なりに評価しながら聴くことです。

〇音楽表現を創意工夫したり、音楽のよさや美しさを味わって聴いたりするためには、音楽を形づくっている要素や要素同士の関連を知覚し、それらが生み出す特質や雰囲気を感受しながら、知覚したことと感受したこととの関わりについて考えることが必要です。その過程においては、音や音楽及び言葉によるコミュニケーションを図り、音楽科の特質に応じた言語活動を適切に位置付けられるよう指導を工夫しています。

〇音楽の鑑賞は、音楽を聴いてそれを享受するという意味から受動的な行為と捉えられることがありますが、音楽科における鑑賞領域の学習は、音楽によって喚起されたイメージや感情などを、自分なりに言葉で言い表したり書き表したりして音楽を評価するなどの能動的な活動によって成立します。

〇音楽のよさや美しさなどについて、言葉で表現し他者と伝え合い、論じ合うことが音楽科における批評です。このように自分の考えなどを表現することは、本来、生徒にとって楽しいものと言えます。ただし,それが他者に理解されるためには、客観的な理由を基にして、自分にとってどのような価値があるのかといった評価をすることが重要となります。

〇ここに学習として大切な意味があるのです。評価の根拠をもって批評することは創造的な行為であり、それは漠然と感想を述べたり単なる感想文を書いたりすることとは異なる活動です。このような学習は,音楽文化に対する理解を深めていくとともに,生徒が自らの感性を豊かに働かせて,その音楽のよさや美しさなどを一層深く味わって聴くことにつながっていきます。

〇一緒に見ていた実習生は、「私が中学校の頃は、聴いて自分で感想を書いただけで、班で話し合うなどはありませんでした。びっくりしました」と感想を述べていました。

須藤昌英

 

5月27日(月)2学年理科「第1分野:金属の燃焼」

〇小学校では、6年生で「燃焼の仕組み」について学習しています。そして2年の本単元では、物質を加熱したときの変化には固有の性質と共通の性質があることを学習中です。ここでは、熱や電流によって物質を分解する実験を行い、分解して生成した物質から元の物質の成分を推定できることを見いださせることが最終のねらいです。

〇例えば,化合の実験としては,金属が酸素や硫黄と結び付く反応のように,反応前後の物質の色や形状などの違いが明確なものを取り上げます。また化合して生成した物質を調べる方法を考えさせる際には、既習の物質の調べ方や物質の性質を活用させるように配慮します。

〇なお、硫黄等を用いた化合の実験では有害な気体が発生することもあるので,実験室内の換気に十分注意したり、火の扱いには気を抜かないようにしたりと安全配慮を優先しています。

須藤昌英

 

5月26日(日)学区3小学校運動会

〇昨日、学区にある小学校3校(富勢小、富勢東小、富勢西小)にお邪魔しました。暑さも心配されましたが、少しカラッとした気候で、熱中症の心配もなく、3校の児童のみなさんは、楽しそうに取り組んでいました。数年後には、富勢中学校に来て、体育祭を盛り上げてくれることでしょう。

〇本校の体育祭は、10月4日(金)に行う予定です。昨年までとは異なり、ウィークデーですが、午前中のみの競技(給食有り)の予定です。秋の週末は、部活の新人戦やクラブの大会等も多く、ウィークデーの方が、生徒が参加しやすいという条件を優先します。ご理解をお願いします。

須藤昌英

【富勢小】

【富勢東小】

【富勢西小】

5月24日(金)2学年社会「ルネサンスと宗教改革」

〇歴史的分野の学習に関しては、社会的事象の歴史的な見方・考え方を働かせることで、時代の転換の様子や各時代の特色を考察したり、歴史に見られる諸課題について複数の立場や意見を踏まえて選択・判断したりするという目的があります。またそれを用いることによって生徒が獲得する知識の概念化を促し,理解を一層深めたり,課題を主体的に解決しようとする態度などにも作用したりします。

〇今回の中世ヨーロッパ史は、中学生にとっては日本史以上に縁遠い部分がありますが、日本にイエズス会のザビエルが来日したことを生徒は小学校で既習しており良く知っています。そして「なぜザビエルが日本に来たか」の背景を理解するためには、今日の授業が重要な意味をもっています。

〇広い視野に立ち,グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を身に付けることを目指すことは、社会科及び各分野に共通するねらいとなります。生徒は自分で調べ、考え、仲間と意見交換していました。

須藤昌英

 

 

 

5月23日(木)2学年理科「第2分野:気象観測」

〇小学4年生で、天気によって1日の気温の変化の仕方に違いがあること、5年生で、天気の変化は雲の量や動きと関係があることについて学習しています。

〇中学校では、継続的な気象観測を通して、様々な気象現象の中に規則性があることを見いだして理解させるとともに、観測方法や記録の仕方を身に付けさせることがねらいです。例えば、時間の変化に伴う気温や湿度などの気象要素間の関係を見いだす課題を設定し、それを検証するために、観測の場所や器具、期間、間隔について観測の計画を立てさせ、観測記録から分析して解釈させ、各気象要素間に関係があることを見いだして理解させます。

〇その際、例えばデータの連続性を補うため、温度計、湿度計、気圧計などの活用を図ることも考えさせます。また、アメダス(AMeDAS;地域気象観測システム)などの地域の気象情報を自らの観測結果に加えて考察させることも考えられます。

〇なお、気象観測は、前線の通過が予想されるときや季節に特徴的な天気がみられるときを利用して継続的に行い、観測の技能を身に付けさせ、生活に身近な理科の知識を活用するような姿勢をもたせたいです。

須藤昌英

 

修学旅行第三日目を振り返って

前日指導の集会では、私から生徒たちに「この修学旅行に関しては、ほぼ何も心配はしていません。ただあえて一つだけ言うとすれば、皆さんには十分に楽しんでもらいたいと思う一方で、二泊三日の合計60時間がすべて楽しい時間ばかりというわけにはいかないことは、理解して下さい。なぜなら集団でしかも学校以外の不慣れな場所で、活動や生活をするということは、裏を返せば、まったく気を抜く時間がない(一人の時間がない)ことになります。つまり全員がそれぞれある程度の我慢をしたり窮屈な思いをしたりすることも当然ながら出てくるからです。ましてや160名の生徒を私も含めてたった12名の職員で引率しますので、皆さんへのお願いとして、当日発生したトラブルに対して、まず自分たちで問題解決を図ってほしい」と伝えました。また「その問題解決をリーダー一人に任せっぱなしにせず、その他の人がリーダーを支えるフォローアーとして自覚して下さい。特にトラブルが起きても、その場はあえて黙っていて、あとから『本当は私は~だと思っていた』だけは避けてほしい。それは一生懸命やっている仲間に失礼にあたると思います」と続けました。生徒たちがその事をどこまで意識してくれたかは、今は把握できませんが、明日の代休明けの金曜日から、この二泊三日で彼らの成長した面をみるのが楽しみです。
三日間、ありがとうございました。帰りましたらどうぞお子様のお土産話を、めいっぱい聞いてあげてください。
須藤昌英 

8:00~京都市内クラス別行動(体験学習を含む)

○二泊三日お世話になったホテルの方に実行委員がお礼を言い、バスに乗り込みます。天気は晴れで暑くなりまさが、クラス別行動でも思い出が出来ることでしょう。主な体験場所、見学地は、京菓子作り、陶器絵付け、東映太秦映画村、北野天満宮(ご祈祷)、清水寺参拝、嵐山周辺散策、伏見稲荷、平等院、東寺などです。   

三 日 目  5月22日( 水 ) 6:30起床  7:00朝食 荷物整理

○ホテルの東側には鴨川、西側には京都御所があります。今朝は生徒の起床の前に御所に行ってきました。今、NHKの大河ドラマでは、紫式部や平安貴族について扱っていますが、まさにその舞台です。広大な敷地から朝日をみましたが、千二百年の歴史をしみじみと感じ取りました。間もなく起床時間です。朝食のあとは、部屋の片付けと荷物の送り出しです。

修学旅行第二日目を振り返って

朝から天候に恵まれました。鴨川から比叡山がよく見え、朝日に生徒の安全を祈りました。生徒たちのグループ別行動は少し予定の時間よりもスタートがおくれましたが、その後は順調てした。しかし午後からは、初夏の日差しが少しずつ生徒の体力を奪っていきました。特にホテルには朝から緊急用のタクシーを待機させていましたが、一人の女子生徒を急遽ホテルに搬送し、涼しい保健室で様子をみました。軽い熱中症だと思います。また有名な観光スポットは、日本人よりも外国人の方がはるかに多いなど、普段とは全く異なる状況で戸惑ったこともあったようです。グループによっては、事前に調べておいた昼食の飲食店が廃業または休業日だったりと、なかなか予定通りにはいきませんでした。しかし終わってみると、水分補給を適宜行うなどの意識の高さや時間を守ろうとする行動など、能楽堂の体験学習も含め、よくかんばりました。夕方の宿への帰着時には、どのグループも疲れた表情はありましたが、その後部屋で寝込むことはありませんでした。明日はクラス別行動ですので、昨日と今日の経験いかし、無事に学校に戻れるようにしたいと思います。須藤昌英

22:30消灯

○学年集会では、疲れたいるのでしょう、目を赤くしたりトロンとした眼差しをしたりしている生徒も複数いました。ゆっくりと休んで明日も元気に乗りきっていきたいです。部屋のスリッパもきちんとそろえられていました。

修学旅行第一日目を振り返って

一年前の林間学校では、長野県の八子ケ峰周辺で、山歩きや農業体験を通し、雄大な自然に触れつつ、仲間との心の交流に楽しさを感じながらの二泊三日でした。そして今回の舞台は、かつて日本の中心として栄え、多くの寺社仏閣、国宝、重要文化財、伝統文化や美しい風景を今に伝える奈良・京都です。生徒たちには、古都の「自然」「風物」「人情」等が醸し出す「雰囲気や情緒」を味わい、そこから私たち日本人の心が大きく影響を受けていることを少しでも感じてもらいたいと今朝から願っています。特に朝の集合時は雨にもかかわらず、お互いに声を掛け合って行程を進めていたのには、感心ました。夕方宿に入った生徒の様子を見ると、大きく体調を崩すこともなく、仲間と楽しそうに過ごしていました。生徒の就寝後に行った職員の打ち合わせでは、各クラス会議の内容や一日の生徒の様子から、成長している面とさらに成長してもらいたい点を洗い出しました。明日は終日、京都市内のグループ行動になります。彼らの主体性を見守り、必要に応じて引率職員でサポートしていきます。須藤昌英

21:20就寝準備

○今朝は4時台に起きていることもあり、疲労がたまっています。明日のためにも、ゆっくりと寝てもらいたいです。昨年も夜寝られずに、昼間に体調をくずした生徒がいました。布団を敷いて、歯磨きして、楽しい夢を。21時45分消灯。

10:48近鉄奈良着

○京都や奈良の天気は晴れで、初夏の日差しがまぶしいです。電車の中では本を読んだり話したりとリラックスしていました。奈良公園は外国人観光者でごったかえしています。

5月19日(日)修学旅行前日指導(3学年)

〇明日から2泊3日、3年生は奈良・京都方面へ修学旅行に行きます。

1 日 目 ( 5 / 20 月 )

5:20 班ごとに北柏南口集合

6:45 東京駅丸の内南口地下1階(出発式) 

7:18 新幹線出発

9:29 京都駅着 近鉄京都発(急行)

10:48 近鉄奈良駅着

11:10 東大寺着(クラス写真撮影)

11:30~奈良方面班別行動

17:30 ホテルいしちょう着

18:00~夕食・入浴・クラス会議

21:05 リーダー会議

21:40 消灯

2 日 目 ( 5 /21 火 )

6:30 起床

7:00 朝食

8:00~京都市内班別行動

17:30 大江能楽堂体験学習

19:00 ホテルいしちょう着

19:15 夕食・入浴・クラス会議

21:55 リーダー会議

22:20 消灯

3 日 目 ( 5/22 水 )

6:30 起床

7:00 朝食

8:00~京都市内クラス別行動(体験学習を含む)

13:30 ハトヤ瑞鳳閣着(昼食)

14:40 京都駅へ移動

15:06 新幹線出発

17:21 東京駅着・バスターミナルへ移動

18:00 バス出発

19:30 富勢中着

〇明日からの3日間、上記のスケジュールに沿って、生徒の様子をアップしていきます。昨年ですと約250枚の写真を掲載しました。お楽しみに。

須藤昌英

 

5月17日(金)2学年英語「助動詞(must)」

〇英語の助動詞は、まとまりの慣用的な句を作り,コミュニケーションを図る上で様々な機能を実現する重要なものです。小学校で扱われる助動詞は can のみですが,例えば次のような「能力」を表す場合に限られています。

Can you dance well? Yes, I can.

〇中学校では,加えて次のような「許可」や「依頼」を表す場合が加わってきます。

You can use my pencil. / Can I use your phone?

Can you open the window?

さらに must(義務),must not(禁止),may(許可),should(義務)などが扱われます。

〇昨日の授業でも生徒たちは何度もmustの入ったさまざまな文を発音することにより、少しずつそのセンテンスを身体にしみこませていました。この経験を積み重ねれば、外国人ともさりげなく日常会話ができるようになっていくことでしょう。

須藤昌英

 

5月16日(木)1学年理科「植物の葉と根のつくり」

〇不思議に思ったことを探究していく楽しさは、子どもも大人も同じです。自分の知らない世界を発見し、驚きと感動を積み重ねることにより、自分の枠が大きくなりそれがその人の魅力となっていきます。

〇科学的に探究する力を育成するにあたっては、自然の事物・現象の中に問題を見出し、見通しをもって観察・実験などを行い、得られた結果を分析して解釈するなどの活動を行うことが重要です。そのために理科という教科があります。

〇生徒の観察力やスケッチ力は多種多様でしかもなかなかのモノです。そばで観ていて飽きませんし、その鋭い感覚に学ぶことも多いです。

〇教科書に書いてある内容と本物を観察してわかった結果がリンクして、はじめて納得したりこれからも自在に活用できたりする「生きて働く知識」になります。

須藤昌英

 

 

5月15日(水)1学年国語「説明的文章:形式段落と大段落」

〇国語の教科書に掲載されている文章は、大きく分けると現代文と古典文の2つになります。さらに現代文を2つに分けると、文学的文章と説明的文章になります。前者は詩や小説・随筆、後者は論文や報告・解説・記録文などです。

〇1年生は今、中学校で初めて後者の説明的な文に触れ、筆者の一番言いたい部分とそれにかかわる付加的な部分を読み取ったり、事実と意見の違いを捉えたりする学習を行っています。

〇今の教科書は、我々の頃とは違ってオールカラーで紙質も格段に良くなっています(ただしその分重さが増していますが・・)。パラパラとページをめくるだけで、何となく楽しくなってきます。保護者の方も一度手に取ってください。

須藤昌英

 

5月14日(火)1学年数学「正負の数の計算」

〇小学校の算数から中学校の数学に変わって、最初の壁が「正負の数」という概念です。日常生活でも「プラス、マイナス」という言葉はよく使われますが、数学的に言うと、180°向きが逆という意味があります。

〇上と下、善と悪、甘と辛・・など、人間は二項対立によって考えることで、いろいろな概念を獲得してきました。例えば、明るい方(正)を「+(plus)」とし、その真逆の暗い方(負)を「-(minus)」と定めます。そしてその丁度真ん中を「ゼロ(ZERO)」とし、そこにさらに「数字(絶対値)」を使って、どちらにどれだけ傾いているのかを表すのに、「+3」とか「-10」と表すことで、今がどれだけ明るいのか(暗いのか)を明確にすることができます。

〇今一年生は、その正負数を使った計算を学習しています。計算は四則(加・減・乗・除)ありますので、その順番で計算ができるようにしていきます。自分で考え、友達と教えあうことで、どんどん力をつけていきます。

須藤昌英

 

5月13日(月)楽しく学ぶ土台は「アハ体験」

〇5月2日のブログに、人間の脳は、「ボーッ」としている方が、何かを考えているときよりも多くのエネルギーを使っていて、そのデフォルト・モード・ネットワークが働いているときは、あらかじめ蓄えられた情報がそれぞれ結びつきやすくなり、新しいアイデアや発想が生まれやすくなる、つまり「創造性」に富む可能性があると書きました。私もこの前の連休で、「そうだ!次は~をやってみよう」などの思い付きがいくつかありました。脳の働きは、まだまだ神秘的で、未解明なことが多いそうです。

〇同じく脳の不思議な能力として、昔一時期、テレビなどで話題になりましたが、「アハ体験(a-ha experience)」があります。簡単に言うと、「あ、そうか、わかったぞ」という心のつぶやきや体験を表す言葉で、やはり「ひらめき」や「創造性」に関する脳のはたらきのことです。よく使われる例として、古典物理学者のニュートンが、木から落ちるリンゴをみて万有引力の法則を発見したことがありますが、もちろんあれも常に一つのことを考え続けた末、フッとした瞬間に知識どうしが結び付く一つのアハ体験だと言えます。

〇少し調べてみると、人間はアハ!体験の最中に、0.1秒ほどの短い時間に、脳の神経細胞がいっせいに活動して、世界の見え方が一瞬で変わってしまうそうです。大げさに言うと、それまでわからないで悩んでいる時の不安感や焦燥感が、ひらめいた時の「ああ、そうか!」一気に消え去り、と同時に大きな喜びや解放感を感じることによって、今までとは違った自分になってしまうということです。そのような感覚を体験することで、関係する脳の回路を強化され、その後は、わからないことが出てきてもじっくりと考え、ひらめきを育むことの大切さを、楽しみながら学ぶことができるようになります。

〇ただし、アハ体験は、いつ起こるかなど予測は不能で、コントロールもできないという面があります。またそれに近い体験を実際にしても、いつのまにか見過ごしていることもあります。やはり今の自分が何を感じているのかを、常に意識しておく必要がある気がします。生徒達には、毎日の授業の中で、何か一つでいいので、小さなアハ体験をしてもらいたい・・と思っています。「この漢字はこういうときに使うのか!」とか「この数学の公式は確かにこの場合には便利だ!」など、自分で感じたことを書いたり、人に話したりするアウトプットを積み重ねると、普段の学習への意識が高まります。

〇脳科学者の茂木健一郎氏は、インタビューで次のように語ります。

「生きていくのは何が起こるか分からないこと。学校では答えの決まっていることは教えてくれますけど、人生をいかに生きるべきかという教科はありません。何が起こるか分からない人生をどう生きるかという時に、感情がフル回転するんです。脳にはうれしいことが起こった時に放出される『ドーパミン』と呼ばれるものがあります。何か行動してドーパミンが出ると、その回路が強化される。これを強化学習と呼びます。ですから、頭を良くしようと思ったら、何かを学んで喜ばなくてはいけないんです。アハ体験は気付くことに喜んでドーパミンを出してほしいというもの。気付くということに対して、トレーニングする機会はないんです。答えが決まっていることを素早くやることも大事ですけど、それだけでは今の世の中はやっていけない。何か新しいことに気付くことがすごく大切なんです。脳はオープンエンド、一生学び続けるものですから」

〇生徒達にとって学びの日々が続きます。

須藤昌英

 

5月10日(金)3学年社会「アジアの民族運動」

〇3年生の歴史の学習は、第一次世界大戦終結から第二次世界大戦勃発まで(1919年から1939年)に進んでいます。この時代を「両大戦間期」とも言い、近代史の中では重要なところです。

〇第一次世界大戦で勝利国側にいた日本が、なぜ第二次世界大戦では敗戦国になったのか。背景を知ることで、今の世界情勢で勃発している紛争や戦争の原因を想像することができます。「歴史から学ぶ」とは昔からよく言われていることです。

〇さすがに3年生ともなると、説明を聞き、自分で調べ、仲間と意見交換する流れを自然に身に付けており、深く考えることの大切さを感じています。

須藤昌英

 

 

5月9日(木)1学年保健体育「体力テスト」

〇現在、保健体育の授業では全学年で体力テストを行っています。成長期の中学生にとって、日常生活における運動習慣と生活習慣の改善を促進させることが、「学び続ける」ためには欠かせないものです。

〇特に生活習慣の改善は、健康の三原則である「運動・食事・休養(睡眠)」を中心とした生活習慣を見直すことで、また運動習慣の改善は、運動やスポーツを実践することを中心として「運動時間を増大すること」です。そして、ご家庭においても「スポーツをすること」「スポーツを見る(観る)こと」や「スポーツについて話すこと」を生活の中に取り込み、「日常化」を意識していただきたいと思います。

〇体力テストは、8種目(握力 、上体起こし 、長座体前屈 、反復横とび 、20mシャトルラン(往復持久走 )、50m走 、立ち幅とび 、ハンドボール投げ)を行いますが、とても1時間ではできないので、複数時間で取り組んでいます。1年生も張り切っていました。

須藤昌英

5月8日(水)授業の目的と設計&1学年英語「Be動詞」

〇国の学習指導要領においては、各教科の指導に当たって、生徒に育成すべき資質・能力を育むことが明示されており、そのために本校では日頃より「主体的・対話的で深い学び」を目指した授業を展開し、常にその改善を図っています。

〇また千葉県教育委員会は、そのための手立てとして「『思考し、表現する力』を高める実践モデルプログラム」として、授業を4つの段階で構成することを提唱しています。

〇今日から本校の授業の様子を、先ほどの「見い出す」「自分で取り組む」「広げ深める」「まとめあげる」の起承転結で紹介していきます。それをご覧の上、6月の授業参観では生徒が実際にどんな学びをしているのかに注目してください。

〇昨日は入学して1カ月が過ぎて、徐々に学校生活にも慣れてきた1年生が、英語の授業に集中して取り組んでいました。もうすっかり中学生らしくなってきたのを見て、頼もしく感じました。

須藤昌英

 

5月7日(火)連休明けの観察と最優先の熱中症対策

〇ゴールデンウィークが終わり、また本日から通常の学校生活が再開しました。昨晩から今朝にかけてのお子様の様子はいかがでしたでしょうか?大人でさえ気持ちを切り替えるのが難しいですので、生徒たちも登校するにあたって様々な気持ちや葛藤があったかと思います。

〇今朝も正門で交通安全指導をしていると、富勢小の3年生が泣きながら歩いていました。声をかけると、すぐ手前まで母親と一緒に歩いてきましたが、急に不安になり足取りが重くなったそうです。富勢小の教頭先生に正門まで迎えにきてもらい、引き渡しました。おそらく中学生も大半が同じような心境でいると思います。

〇この時期にはよく「五月病」という言葉が聞かれます。主な症状としては、無気力・不安感・焦燥感などがあげられ、病名でいうと「適応障害」と診断されます。似ている症状に「うつ状態」がありますが、「うつ状態(病)」が、原因不明のストレス要因によって発症することがあるのに対して、適応障害は、生活・職場環境などの外的なストレス要因で発症します。

〇今週は学校でも生徒たちの様子をいつもより細かく観察しますが、ご家庭でもお気づきの点がありましたら、担任等にご相談ください

【連休明けの朝の教室風景】

〇連休中には最高気温が30℃を超える真夏日となる地域もあり、湿度が低ければ日陰では快適ですが、これからますます蒸し暑く不快な日が多くなると思います。昨年の猛暑を思い返すと、普通に生活しているだけでも大変です。大人でも体調管理が難しい時期ですので、服装の最適化(長袖などはさける)、帽子の着用(日傘の有効性も)、水筒持参(冷水、スポーツドリンクや麦茶などでミネラル分)、睡眠時間の確保(夜更かしをさける)などをご家庭で指導してください。

〇特に「熱中症」は、即いのちの危険にかかわります。本格的な暑さを迎える前に、体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」をすることが大切です。「暑熱順化」ができていないと、体の熱をうまく外に逃がすことができず、熱中症になる危険性が高まります。

〇暑熱順化には個人差もありますが、数日から二週間程度かかるそうです。また、一度暑熱順化ができていても、数日暑さから離れると暑熱順化の効果は薄れてしまうようなので、常に意識の継続が必要です。

須藤昌英

 

5月2日(木)失敗や葛藤は時間の無駄??

〇今日は柏市内一斉に教員の研修会があるため、生徒は3時間授業(給食無し)で下校となります。しかも明日からゴールデンウイークも後半で、4連休に入ります。時間をもてあまし「何もしないで一日ボーッと過ごすことが多い」という生徒もいるかもしれません。保護者会でも話しましたが、生徒の成長には失敗や葛藤があり、むしろその失敗や葛藤から学ぶ必要があります。失敗や葛藤を「時間の無駄」と切り捨てるのではなく、生涯にわたって学び続ける上には、この無駄と思われることが、案外科学的にも意味があるということがわかってきています。

〇それが脳科学の分野で研究が進んでいる「デフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network)」という状態で、端的にいうと、「ぼんやりした状態の脳が行なっている神経活動」のことです。ある一つのことに集中したり注意が払われたりするのではなく、ただぼんやりとしてあれやこれやと雑念している時や睡眠中の脳が示す神経活動のパターンのようです。

〇これはよく車のイメージに例えられ、デフォルト・モード・ネットワークは、車のエンジンのスイッチはONですが実際には走行していない時の「アイドリング状態」です。日常生活の中で、何も考えずにボーッと散歩しているとき、一息つくために好きな飲み物を飲んでいるとき、身体がリラックスした状態で入浴をしているときなどに、デフォルト・モード・ネットワークは活発化しています。

〇脳神経外科医の奥村歩氏によると、脳は以下のプロセスで情報を処理しているのだそうです。

1 入力(インプット):五感を通して情報を収集する

2 整理:(DMN)入力した情報を取捨選択する

3 出力(アウトプット):言葉や行動として表す

デフォルト・モード・ネットワークが重要になるのは、2番目の「整理」段階で、この状態で自分の過去の経験や記憶を整理・統合したり、これから起きる出来事にどう対応したりするかを想定しています。

〇逆にデフォルト・モード・ネットワークの働きが弱いと、脳内で情報が整理されず、物が散乱した机上のような「脳過労」状態になり、インプットした情報が脳に定着しづらくなったり、脳の活動自体が低下してスムーズなアウトプットにつながらなかったりするといった恐れがあるそうです。脳内にたまった情報をスッキリと片づけ、脳疲労を防ぐためにも、DMNをオンにすることは重要です。

〇一番注目したいのは、デフォルト・モード・ネットワークの働きは「創造性」と関係しているらしいことです。これが活発になるとあらかじめ蓄えられた情報がそれぞれ結びつきやすくなり、新しいアイデアや発想が生まれやすくなります。私も先ほどのように散歩などをしてリラックスして過ごす時間に、フッと「そうだ!あれをやってみよう」などの思い付きがあります。これを実行に移すアウトプットは、どこか楽しくたとえ予想通りの結果が得られなくても、次のチャレンジの意欲につながっていることが多いです。

〇ただデフォルト・モード・ネットワークが活発化していると、脳内では通常時よりも数倍以上のエネルギーを必要としているそうです。つまり「ボーッ」としている方が、何かを考えているときよりもエネルギーを使っていることは意外な感じがしますが、それほど重要だともいえます。

〇4月からの新生活でどの生徒も心身の疲労があります。明日からの連休中、もしお子様が自宅でボーッとしていてもあまりとがめないでください。その時間、脳はその子に新しいアイデアを用意してくれているかもしれません。ぜひ「何か思いついた?」のような声掛けをしてあげてください。

須藤昌英

5月1日(水)対話活動の大切さ(学びはわからないことから始まる)

〇昨日と今日、明日は、連休の間ということもあり、朝登校する生徒の表情も様々です。「明後日からまた休みだから、今週はこの3日間だけ頑張ればいい」と思っている生徒、「この3日間も休みなら、もっとゆっくりできるのに・・」と思っている生徒。言葉にはしませんが、だいたいそんなところではないでしょうか。

〇先月から行っている教職員との面接の中で、生徒の授業中の様子を聞き取っています。特に気になるのが、答えがわかっていても発言を避けたり自分の考えを表現することが苦手だったりする生徒がどのクラスにもいることです。生徒の心理面からすると、自分の考えに自信がないことで、発表や質問をしたがらない傾向がありますので、授業の中で意図的に、2人組のペア学習・それ以上の複数人のグループ学習などの小集団交流を取り入れることで、生徒が自分の考えを表現しやすくしたり他者の考えを取り入れたりすることを行っています。

〇指導者側からすると、生徒にペアやグループでの学習による深め合いのよさを実感させることが一番難しく、もしそれが理解できれば、生徒は自ら進んで対話活動をすると思います。学習指導要領が唄う「主体的・対話的で深い学び」を実現するためには、自分の考えを表現し、考えを深め合うことが欠かせません。

〇特別支援学校の主任教諭である川上康則氏は、その著書「教室マルトリートメント」の中で、ペアでの活動等のメリットを次の5つで示しています。

①インプットしたことをアウトプットして記憶に残す

②理解レベルや活動の進捗状況をそろえる

③他の人のフィルターを通して学ぶ

④集中を続けるために、いったんガス抜きする

⑤考えを整理させたり、発表に自信をもたせる

〇教職員には授業を進める中で、次のようなことを意識してほしいとお願いしています。

・意見の交流をためらいなくできるクラスの雰囲気(生徒同士の人間関係を含む)を構築しつつ、各自の発言を共有し、「分からない」や「間違い」から学びが始まることや意見や質問し合うことが深め合うことにつながることを理解させていく。

・生徒自身の気付きや考えから、授業を構成する視点をもち、冒頭の学習問題を工夫して提示し、既習事項との違いに気付かせ、生徒自身に今日のめあてを設定させる。聞く、読む、書く、話すなどの言語環境を整備し、自分の考えをもたせ、自分なりの納得解(まとめ)へと導く。

〇私達教職員の間では、昔から「授業は生もの」といわれ、その時間のゴールは設定しますが、生徒の反応によってどっちに転ぶかわからない面もあります。それが面白いところでもあります。

須藤昌英