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校長室 令和5年度

授業づくり

 小学校の教員にとって,児童の「意欲」を高める授業(児童が「やってみたい」「おもしろそう」「がんばればでき

そう」などと思える授業)を行うことは,最も重要なことのひとつです。

 しかし,正直に申し上げると,中学校や高校のように自分の専門教科のみを教えるわけではないので,大変さはあり

ます。

 そこで,大事になってくるのが,すべてひとりでやろうとしないことだと思っています。

 「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがあるように,みんなで知恵を出し合えば,いいアイデアが浮かびやすく

なると考えています。

 

 先日,5年生から相談があり,「言葉と事実」という説明文の単元づくりを一緒に行いました。

 この説明文で押さえたいこと(児童に伝えたいこと・考えさせたいこと)は,次の3点です。

  ① 言葉は事実と異なることも伝えることができる。だから,事実と結びついた言葉を使うことが重要である。

  ② 事実を伝える際に,言葉によって,読み手に違った事実の受け取り方をされる場合がある。

  ③ よって,事実を伝える際に,どのように表すかに気を配る必要がある。

 とても大事なことですが,難しさもあると感じました。

 この説明文を「おもしろく」,でも,勉強していく中で①~③に気づき,子どもたちが実際に表現を工夫できる

ようになるためにどうすればよいか・・・,5年生の担任と一緒に考えました。

 その結果,「新聞記者になりきって,新聞記事の見出しを考える」という言語活動に取り組んでみようということに

なり,昨日,1回目の授業を行いました。

 次の写真はその板書です。

 金環日食について紹介する新聞記事の見出しを,右から順に紹介して,何の記事か予想するという導入を行い

ました。子どもたちは,とても意欲的に考え,発表していました。

 そこから,「ひとつの事実を伝える見出しにも,様々な表現の仕方がある」ということに子どもたちは気づき

ました。

 この後,教科書の本文(文章)から,「見出しを考えるヒント」を探すという学習を行い,「見出しづくり」へと

進んでいきます。

 

 今回だけでなく,様々な学年,単元について,みんなで知恵を出し合って,子どもたちの「意欲を高める」ことの

できる授業づくりに取り組んでまいります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聴く力

 「聴く力」は,学校で最も「つけたい力」の一つです。

 その理由は,一人では力をつけることが難しいからです。

 動画視聴でも聞く(主は見る)という行為がなされているのですが,視聴するだけでは一方向となってしまいます。

 リモートも含めてですが,話し手と聞き手の両者がいて,双方向のやりとりができるからこそ,聴く力が高まると

考えています。

 つまり,集団(複数)で学ぶことの意義のひとつが,聴く力をつけることだと思います。

 このことについても,まずは教職員が子どもたちの話を「傾聴」することで,そこから子どもたちが学んでくれたら

と思っています。

 同時に,日々の授業の中で,「聴く」という行為を大事にして,よく聴けている子をお手本に,子どもたち同士も

学び合えるように指導・支援してまいります。

相手の目を見て挨拶をしよう

 タイトルの言葉は,2日(月)にリモートで実施した「全校朝会」で子どもたちに話したことです。

 以下に,その内容を記します。

 

<全校朝会での話>

 今月の校長先生のお話は,「あいさつ」についてのお話です。

  校長先生が朝,皆さんの登校の様子を見守っている時,先生の姿を見かけて,先生より先にあいさつできる子が

たくさんいます。校長先生はとてもうれしくて,いい気持ちになります。

 朝だけではなくて,休み時間や廊下ですれ違った時,下校の時なども進んであいさつのできる子がたくさんいます。

 「進んであいさつができる」のは,田中北小学校の皆さんの素晴らしいところのひとつです。

  そこで,そんな皆さんに,もうひとつがんばってほしいことがあります。

 それは,「相手の目を見てあいさつをすること」です。

 校長先生は,言葉だけでなく目と目が合ってあいさつができると,さらにいい気持ちになります。

  さわやかな天気が続く5月を,さらに気持ちよく過ごすために,「相手の目を見てあいさつ」をしていきま

しょう。

 

 私は,相手と心を通わせる手段の一つは,相手の目を見て話したり聞いたりすることだと思っています。

 まずは,目と目を合わせて挨拶ができることを今月の生活目標の一つとして取り組んでまいります。 

 

 

串を通す

タイトルの言葉は,教育委員会時代にお世話になった弁護士の真下麻里子氏からお聞きした言葉です。

真下先生は下にお示しする著書があり,教員免許状をお持ちの弁護士です。

真下先生は,常々,学校現場では,3個のお団子に串を通すように,「児童」「保護者」「教職員」の三者に

「串を通す」ことが大事だとおっしゃっています。

 

「串を通す」とは「共通認識を持つ」ということです。

例えば,「いじめ」と「いじり」の違いなど,皆が何となくイメージはできるけれど,本当に共通の認識を持てている

かと言うと難しい・・・ということが結構あります。

共通の土台があるからこそ,同じ土俵で議論ができるのであって,共通認識を持てていない中で議論をすると,誤解が

誤解を生んでしまうなどということも起こり得ると思っております。

 

そこで,この校長室を通して,子どもたちや職員に話していることを,保護者や地域の皆様にも知っていただこうと

考えております。「全校朝会でこのような話をしました。」「職員会議でこのような共通理解を図りました。」等の

情報をこちらでお伝えをさせていただき,少しでも「串を通す」ことができたらと思っております。

 

また,真下先生をはじめ,いじめ,不登校,合理的な配慮,学力向上,集団作り等,学校の諸課題に関する第一人者の

方々をお招きし,保護者の皆様向けの講演会や,子どもたち向けの出前授業なども実施できたらと考えております。

 

3年ぶりの制限のないGWを,子どもたちはじめ皆様が有意義に過ごされることを願っております。

管理職は笑っていればいいんだよ

 タイトルの言葉は,私が最も尊敬している教育者である,前柏市教育長の河嶌貞先生からお聞きした言葉です。

 河嶌先生は口数の多い方ではないので,これ以上のことはおっしゃいませんでした。

 ですから,この言葉の意味するところを自分で考え,実行していかなくてはなりません。

 私は,この言葉の意味を,以下の2点と解釈しました。

  ①管理職が笑っていることで,学校,職員,子どもたちに「安心感」を与えることが大事である。

  ②ピンチに遭遇することもあるだろうが,そのような時でも笑って対応できるくらい,度量の大きな人間に

   なりなさい。

 子どもたちにとっては,担任も同様ではないかと思います。

 担任ができる限り笑顔で,落ち着いた対応をすることで,子どもたちに安心感を与えることができると考えます。

 そのような学校・学級を作っていきたいと考えております。