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小学校の教員にとって,児童の「意欲」を高める授業(児童が「やってみたい」「おもしろそう」「がんばればでき
そう」などと思える授業)を行うことは,最も重要なことのひとつです。
しかし,正直に申し上げると,中学校や高校のように自分の専門教科のみを教えるわけではないので,大変さはあり
ます。
そこで,大事になってくるのが,すべてひとりでやろうとしないことだと思っています。
「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがあるように,みんなで知恵を出し合えば,いいアイデアが浮かびやすく
なると考えています。
先日,5年生から相談があり,「言葉と事実」という説明文の単元づくりを一緒に行いました。
この説明文で押さえたいこと(児童に伝えたいこと・考えさせたいこと)は,次の3点です。
① 言葉は事実と異なることも伝えることができる。だから,事実と結びついた言葉を使うことが重要である。
② 事実を伝える際に,言葉によって,読み手に違った事実の受け取り方をされる場合がある。
③ よって,事実を伝える際に,どのように表すかに気を配る必要がある。
とても大事なことですが,難しさもあると感じました。
この説明文を「おもしろく」,でも,勉強していく中で①~③に気づき,子どもたちが実際に表現を工夫できる
ようになるためにどうすればよいか・・・,5年生の担任と一緒に考えました。
その結果,「新聞記者になりきって,新聞記事の見出しを考える」という言語活動に取り組んでみようということに
なり,昨日,1回目の授業を行いました。
次の写真はその板書です。
金環日食について紹介する新聞記事の見出しを,右から順に紹介して,何の記事か予想するという導入を行い
ました。子どもたちは,とても意欲的に考え,発表していました。
そこから,「ひとつの事実を伝える見出しにも,様々な表現の仕方がある」ということに子どもたちは気づき
ました。
この後,教科書の本文(文章)から,「見出しを考えるヒント」を探すという学習を行い,「見出しづくり」へと
進んでいきます。
今回だけでなく,様々な学年,単元について,みんなで知恵を出し合って,子どもたちの「意欲を高める」ことの
できる授業づくりに取り組んでまいります。