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校長室より

ランニング

先週の金曜日、菜の花学級の朝のランニングに参加しました。菜の花学級は10分間走に毎日取り組んでいます。これからも参加させてもらおうと思います。

活用する力

 ヒンディー語に「Jugaad(ジュガール)」という言葉があります。日本語には該当する言葉がないので翻訳するのが難しいのですが、「最低限の道具や材料でどうにかして問題を解決すること」というような意味があります。

 フランス語にも「Bricolage(ブリコラージュ)」という言葉があって、「ありあわせの材料や持ち合わせた道具で現状を切り抜けること」というような意味です。もともとは「取り繕う」「誤魔化す」といったニュアンスがあったのですが、フランスの文化人類学者クロード・レヴィ=ストロースがブリコラージュには「創造性」や「機智」が必要で、それらは人類が古代から持っていた知の在り方であると紹介したことから、ポジティブな意味で使われるようになりました。

 この、自分が知っていることを活用する力こそ、「生きる力」の本質なのではないでしょうか。これはブルーム・タキソノミーの「適応」「分析」「総合」「評価」に対応します。もちろんベースとなりツールとなる知識や技術を習得していくことは基本なのですが、大事なのは、それを問題解決の手段にできること、それぞれの現場で活用できることのはずです。知らない・できないからあきらめる、というようなことがないようにするのがこれからの教育の中心課題だと言えます。

 

         『先生、この「問題」教えられますか?教育改革時代の学びの教科書』

                         石川一郎・矢萩邦彦 共著 洋泉社 より抜粋

 

「ありあわせの材料や持ち合わせた道具で現状を切り抜ける」ためには、持っている材料や道具は多いに越したことはないはずです。学校で学んだり経験したりすることは必ず役に立ちます。というより、自分が今現在持っている知識や経験をどう生かすのかということが重要になるわけです。つまり、一番よくない姿勢としていえることは「これはやっても意味がない」とか「受験に出ない」とか、今の価値観で学びを止めてしまうことだと思います。学び続けることで多くの材料や道具を手に入れることができるのだと思います。

「豊四季台さんあいひろば」ボランティアの募集ですI

「豊四季台さんあいひろば」を知っていますか?柏三中のすぐ隣の豊四季台近隣センターで毎月実施されているイベントです。赤ちゃんから高齢者まで楽しくすごせる居場所づくりとして、ダンス教室や、ボッチャ、卓球、将棋、折り紙、工作、紙芝居など、様々な活動が行われています。小学生の参加が多いので、一緒に遊んでくれる中学生に参加してほしいと連絡をいただきました。もし時間のある三中生はボランティアとして参加してみませんか?

場所 豊四季台近隣センター体育館

日時 5月20日(土)13時~14時45分 

   6月17日(土)13時~14時45分

 

友だちとはどういう人のことか?

 なにをするにも誰かさんといっしょにやるのが好きなタイプの人は友だちができやすい。友だちができにくいという人は、基本的に一人でやるタイプの人です。友だちを作りたいと思うことそのことについても一人でやるのです。ひとりで考えるのですね。いっしょにやりたいタイプの人は、友だちを作るにもだれかといっしょにやるわけです。つまり作る前から友だちがいるというわけです。誰かといっしょにやっていると、気づいたら友だちになっていたなんてこと、よくあることです。友だちの自然発生です。友だちとは自然発生です。できないから作るといった代物ではありません。できてしまうようなものだと言ったほうがよいかもしれません。なぜなら友だちというものは、いるから楽しいし、いるから豊かだ、いるから寂しくないといった側面もありますが、同時にいるから苦労する、いるから頭にくる、いるからいらいらする、などということもあるのです。そんな奴らは友だちじゃないといっても友だちなのです。何しろ自然発生するものですから。友だちができない、友達がほしいと悩む人は、友だちというもののいい面だけを求めすぎている傾向があります。自分が好むような友だちが欲しいと無理な注文をしているキライがあります。そううまくはゆきません。苦労もいらいらも覚悟の上で誰かといっしょにしたいということが少しはっきりすると、友だちは自然発生します。そして苦労します。


「じょうぶな頭とかしこい体になるために」 五味太郎 著 ブロンズ新社 より抜粋


 最初の集会で、生徒たちに「人はそもそも仲良くすることが難しい」という話をしました。だから「自分と違う考えを認められるように努力してほしい、多様性を認められるようになってほしい」と伝えました。また最低限のルールとして「命と人権を大切にすること。差別をしてはいけないこと」を意識してほしいと伝えました。相手を嫌だなと思う心、差別をする心を完全に消し去ることはできないかもしれません。大人だってできないでしょう。でも意識をすれば差別をしないことは誰でもできるはずです。意識をすればいじめはなくせるのです。無理に仲良くする必要はないのです。相手に対する思いやりを持つのと同じくらい、自分自身も大切にしてほしいのです。お互いに尊重しあうこと、つまり多様性を認められるようになってほしいと願っています。そのためにはメタ認知が必要です。メタ認知についてはこれからも子どもたちに話をしていきたいと思います。

令和5年度 第52回 入学式 校長式辞

「式辞」

 例年になく早い開花となった三中の桜の花は、もうすっかり葉ざくらとなり、木々の緑があざやかな季節となりました。本日、保護者の皆様にご列席をいただき、令和5年度第52回入学式ができますことに、深く感謝申し上げます。

 169名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。そしてようこそ柏第三中学校へ。君たちの入学を私たち教職員一同、心より歓迎します。そして、皆さんを後ろから見守ってくれている三年生、式には参加していませんが二年生の先輩たちも皆さんと会えるのを心待ちにしていました。やさしく、頼りになる先輩ばかりです。どうか安心して登校してきてください。

  さて、約三年にわたる、新型コロナウイルス感染症の拡大による世の中の混乱もようやく出口が見えてきたようです。この三年間は「答えのない課題」にどう立ち向かえばよいのかという、試行錯誤の繰り返しでした。きっとこれからも、皆さんが歩んでいく世界は、様々な変化が起こることが予想されます。私たちは変化を続ける社会をどう捉え、どのように向き合うべきなのでしょうか?一つは変化に対応することであり、もう一つは変化の中から新しい価値を生み出すことです。そのために私たちは何をするべきなのでしょうか。私は大切なことが四つあると考えます。

 まず一つ目は、 心身共に健康で,笑顔でいること。

二つ目は、 様々な人たちの多様性を認め,相手を尊重し,対話し,協働すること。

三つ目は、 知識をアップデートするために,学び続けること。

四つ目は、 これまでの価値にとらわれずに,新しいことに挑戦すること。

  みなさんに身に着けてほしい本当の力、それは人と比べるものではなく、むしろ自分の持つ強みを生かしながら、様々な立場の人々と協力して、問題を解決していくことができる力だと考えます。

より良い未来を作るために、笑顔を忘れず、多様性を認め、謙虚に学び続け、勇気をもって新しいことに挑戦してください。

 保護者の皆様、本日はお子様のご入学まことにおめでとうございます。大切なお子様をお預かりいたします。今後三年間、皆様のご期待に応えるべく私ども教職員一同、誠心誠意全力を尽くして教育する所存です。中学校三年間は心も体も大きく成長する時期であるがゆえに、悩みも多い時期です。特に、気になる点や相談等がありましたら、ご遠慮なく申し出てくださるようお願い申し上げます。お子様の自立と成長を共通の願いとして、ご支援・ご協力を賜りますようお願いし、式辞といたします。

 

                         令和5年4月11日 柏市立柏第三中学校 校長 藤崎英明