創立78周年目 学び成長し続ける富勢中
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2024年3月の記事一覧
3月22日(金)令和五年度修了式&辞校式
〇昨日の9時過ぎの地震には、正直びっくりしました。授業中でしたが、生徒たちは落ち着いて第一次避難(机の下に身を隠す)を行い、器物等の被害もありませんでした。震源地は茨城県南部、震源の深さは50km、地震の規模はM5.3と推定されています。でも今後もしばらくは余震などに注意していかねばなりません。
〇本日の修了式では、先日の卒業式で卒業生に送った言葉を引用しました。
「皆さんは、自転車に初めて乗れた日のことを覚えていますか?おそらく最初から上手に乗れた人はいないと思います。何度も転んで時には手足を擦りむいて痛い思いをしながらも、「乗れるようになりたい」という強い意思がその困難を乗り越える原動力になったのではなかったですか?諦めずに練習するうちに、コツをつかみやがて一人で乗れるようになったと思います。今からの話は、自転車の話を頭の片隅におきながら聞いてください。
私達が何気なく毎日を過ごしていることの約四十%が「習慣」によって成り立っているといわれます。もし、習慣を身に付けていないとどうなってしまうのか。例えば朝の洗顔で「今日は右側と左側の歯のどちらから磨こうか?」などと一回一回考えていますか。毎日の繰り返しであれば、いちいち考えなくても昨日までと同じことをすると思います。そのように、特に考えなくても自動的に行動を起こすことが「習慣」です。人間は「習慣」によって生かされている、まさに「習慣の動物」と言えます。
新たに習慣を身に付けようとするには、何度も繰り返すことが必要ですが、行動や考え方が習慣化することで、脳内での情報伝達はより円滑になります。それでは人間が新しい習慣を身に付けるには、どのくらいの時間が必要なのでしょうか?それを調べた研究があります。それは平均すると約六十六日、つまり約2か月ちょっとであることがわかりました。
習慣化の第一ステップは、新しいことを身に付けるのに、反発が大きい期間をいかに乗り越えるかです。新しいことを始めると、脳ではこれまでとは異なる情報処理が進みます。脳には限られた資源を有効活用するために「エコ」を心掛けるような性質が元々備わっており、これまでの情報処理の仕方を変えて新しいことをすることを拒みやすいようになっています。ただ自ら進んで新しいことを身に付けようとする場合には、やる気に満ちているので、その勢いを利用してそれを乗り越えることができます。
目標設定も大切です。習慣化においては、「こんなことを目標にしていいのか?」と思うくらいの小さな一歩から始めることが秘訣です。その小さな一歩を踏み出したとき、脳内では「報酬系」と呼ばれる神経ネットワークの働きが高まり、ドーパミンという物質が増えます。すると楽しくワクワクするので、良い成果を得られます。すなわち自分がなりたい姿を明確に想像してワクワクし、それに近づくために何をしたらよいかを思いついたときには、ドーパミンが脳内を巡ってやる気も高まっているので、習慣化の導入期には理想的な状態と言えます。
そしてやる気が高まっている時には、「その気」も高めておきます。やる気とその気は、クルマに例えると両輪にあたります。片方だけが回り続けても空回りになります。その気とは、「セルフ・エフィカシー(自己効力感)」のことで、自分自身をどうとらえるかについての物差しにあたります。目の前にやりたいことのハードルがあったりすると、そのハードルを自分が越えられるという自信を持てたときに、それは高まります。
ただ新しいことを続けようとしたとき、やる気もその気もないという日が必ずきます。特に習慣化において、導入期の次に訪れる「定着期」は、不安定な期間です。その時に備えて、うまく続けるための仕組みが重要になります。例えば、ジョギングを習慣させたい場合には、玄関に専用のシューズを置いておくことや、スポーツウエアを見えるところに吊るしておくのも効果的です。自分がどういうときにあきらめがちなのかを知っておき、先回りして自分の背中を押したり、続かなくなりそうな時には、そうさせない工夫を散りばめたりしておけば、「始めやすくて止めにくい」仕組みは作れます。
このように各段階で工夫をしつつ、新しい習慣が身に付くまでの期間を過ごせたらならば、きっと新しい自分に出会えていることでしょう。つまり新しい習慣を始めることは、新しい自分を発見する旅の始まりであり、私たちの脳や心、そして生活そのものを豊かにするカギとなります。習慣化による変化は、自分の人生そのものの変化でもあります。4月からも新しい習慣を始める勇気を持ち、その過程を楽しんでください。」
〇修了書を各学年代表2名の生徒に授与しました。そこには「本校〇学年の課程を修了したことを証します」とあります。1年生の代表生徒には「入学してあっという間に1年がたち成長しましたね」と、2年生の代表生徒には、「4月からいよいよ最上級生ですね、頑張って」と声をかけました。
〇その後令和5年度末で転退職する教職員10名の辞校式を行いました。まだ新聞発表がありませんので、異動先の学校はつたえられませんでしたが、それぞれの先生方からお別れの言葉をもらいました。中には泣いている生徒もいました。
〇異動先の学校は来週の新聞発表まではお伝え出来ませんので、よろしくお願いします。
〇「校長雑感ブログ」も、今年度は本日で終了します。あらかじめ「雑感(雑多な感想)」とことわって始めましたが、その日の思いや気づいたこと、自分のこれまでの経験を一方的に連ねるようなまとまりのない文章になってしまいました。お詫びいたします。それでもお読み頂きましたことを感謝いたします。ありがとうございました。新年度もよろしくお願いいたします。
須藤昌英
3月21日(木)遺伝子オンと場の力をいかす
〇2月は暖かい日が多く、サクラの開花も今年ははやいか?と予想していましたが、最近の開花予想日は段々と遅れて、現時点では東京は24日となっています。今朝も冷たい風が吹いています。
〇火曜日の学年末保護者会では2つの話(2人の学者の著書)をさせてもらいました。共通しているのは、体験や経験を通して、子どもの成長は促されるということです。
〇一人目は、筑波大名誉教授の故村上和雄氏の「遺伝子ONで生きる こころの持ち方であなたのDNAは変わる」です。引用した箇所です。
・私たちの遺伝子は三十八億年、一度も途切れることなく続いてきたからこそ、私たちが今ここにいるということ
・立派な目標がなくても、小さな目標をもったほうがいい。目標をもつことで、目標達成の遺伝子がONになる
・人との出会いも遺伝子オンの欠かせない要因であり、どんな出会いであっても「この出会いが自分にすごい結果を呼ぶかもしれない」と期待していい
・人が笑うと脳細胞に新鮮な血液が送られ、脳卒中を予防する効果があったり、記憶や感情をつかさどる脳深部の働きを刺激することができる
・他を利する生き方も遺伝子をオンにする。他を利する生き方をしていると、ネガティブ・ストレス(欲・競争・出世・ 憎む・恨む・陥れる等)から無縁でいられるので、健康にもよいしいつも元気いっぱいでいられる
・今の親や教育はチャレンジさせないから子供たちが生きる喜びや確固たる自信が持てなくなっている
〇二人目は、元福島大教授の飯田史彦氏の「場の力をいかす 優れた『残存・実存思念』は大きな価値を含む」です。引用した箇所です。
・奈良・京都には多くの神社・仏閣があり、そこには過去に蓄積された濃厚な「残存思念」があり、清らかな気持ちになったり、その逆で何となく心がざわつくこともある
・ディズニーランドや遊園地にいけば、楽しい「残存思念」を身体全体で浴びるので、入口に入った瞬間に不思議と楽しい気持ちになる
・学校や図書館にいけば、そこには学ぼうとしてきた人たちによる「残存思念」により、自然と心が落ち着き学びに向かう気持ちになる
・対する「実存思念」は、今を生きている人の生の思いであり、「良い学校をつくりたい」「子どもの学校を応援したい」という教師や保護者の思いが個人を超えてつながり、生徒の脳に届いて、生徒の潜在意識に働きかけていく。結果として、生徒に安心感や勇気を与え、「何かに挑戦してみよう」と前向きになる。
〇とにかく生徒たちは「可能性の塊(かたまり)」です。きっかけや自分の思いによって、いかようにも自分を変化・成長させることができます。そのためには、自分に対するマイナスの感情や意識を持たせないようにすることが肝要であり、その基盤が先日に書いた「朝起き、運動、食事、睡眠」の4つの好ましい習慣です。
〇明日の修了式で、生徒達には話したいと思います。
須藤昌英
3月19日(火)生活習慣と給食最終日
〇昨年度の全国体力・運動能力、運動習慣調査の結果が発表になりました。対象は小学校5年生と中学校2年生(現3年生)で、一週間の総運動時間(体育の授業を除く)が「0分」の児童生徒が、記録の残る2016年度以降で最も多くなったそうです。
〇県の教育委員会によると、同時間が0分の割合は、中2女子が7年前の16%から22%、中2男子が5%から10%に増加しており、その要因について、ゲームなど室内で過ごす時間が増えていることに加え、新型コロナで生活習慣が変わったなどと分析しています。
〇本来子ども(中学生も含む)は遊びや運動の中で体を動かし、体の使い方、運動習慣を身につけます。そもそも「運動が嫌い」なのではなく、できないから嫌いになるのです。そして嫌いになると、やらなくなり、さらに筋力や体力が低下するといった悪循環に陥ります。
〇また運動不足による体力低下が招く身近な悩みとして、今、肩こりや慢性腰痛に悩む小中学生は少なくありません。これも基礎筋力、体力の低下が大きな原因です。さらに体力がなくては、長時間、座っていることもできません。それにより集中力が低下し、学習意欲、態度、そして、学力の伸び悩みにまで影を落とします。
〇運動時間の減少により体力全体の低下が懸念されることから、ますます体育の時間や部活動で運動の楽しさを伝えていかなければなりません。
〇今日は本年度最後の給食です。メニューは「スパゲティートマトソース、もやしと春雨のサラダ、手作りカレーパン、ブラッドオレンジ、牛乳」です。昨日も急遽イチゴがメニューに加わりましたが、美味しかったです。新年度は4月8日(月)が給食のスタートになりますので、約3週間は給食はありません。
〇先日の卒業式では、「良い習慣づくり」をメインに卒業生に話をしましたが、成長期の生徒を支えるのは、「朝起き、運動、食事、睡眠」です。この4つの好ましい習慣が身につくと、将来思い存分自分の好きな分野で活躍できる身体が備わります。
〇来週からの春休みもご家庭で話し合ってみてください。
須藤昌英
3月18日(月)寒暖差と花粉の飛散
〇週末は5月並みの気温で、外を歩いていても半袖で十分なくらいでしたが、今朝からまた北風が吹き、寒さが逆戻りしています。この寒暖差で体調が崩れやすくなっています。気をつけてください。
〇またこの時期は、浮かない表情の生徒をよく見かけます。その大きな原因は、花粉症だと感じます。コロナ禍のマスク常用で最近はあまり目立たなくなったこともありますが、飛散時期には花粉対象のマスクをしたりメガネでガードしていたりする生徒を以前はもっといた気がします。外に出て体を動かすのがおっくうになったり、室内にいても学習や諸活動に集中できなかったりすることが、本人が一番つらいだろうと思います。
〇スギ花粉飛散のピークは、東京では3月上旬から下旬で、特に今年は平年並みか高めに推移する見込みのところが多いそうです。スギ花粉のピークが終わる頃になると、次のヒノキ花粉のピークが始まるところが多くなります。東京では4月上旬から下旬にかけてヒノキ花粉の飛散のピークを迎えるでしょう。私の住む我孫子もまだ杉林が点在しており、車のボンネットに花粉が積もって黄色く見えるほどです。家族などはそれを見るだけで「ゾッとする」と言っています。
〇せっかくの春の陽気も楽しむどころか、暖かい日ほど花粉症の人にとっては、むずむず、くしゅくしゅ、じゅるじゅる、涙ぽろぽろという状況であった方も多いようです。少し調べましたら、簡単な花粉症対策として、外出から戻ったら顔を洗う方法があるそうです。目の周りや鼻の周りには花粉がついていて、それを洗い流すと吸入する花粉の量が減るのでけっこう楽になるそうです。
〇私は幸いまだ花粉症ではありませんが、顔を洗うとすっきりと頭がさえるので、一日に何度か水で洗うことがありますが、先日、つらそうな顔をしている男子生徒に教えてあげました。ただ女子生徒はなかなかそういうわけにはいかないと思いますが・・・。
須藤昌英
3月15日(金)反省はするが後悔はしない
〇今日は小学校の卒業式です。朝の正門前を富勢小の6年生と保護者が通りかかりましたので、「おめでとうございます。4月からお待ちしています」と声をかけさせてもらいました。良い天気に恵まれて良かったです。
〇昨日の「失敗から学ぶ」でも書きましたが、大人も子どもも成功や失敗という経験から、それを次にいかにいかそうとすることが大切です。その意味でも「反省はするが後悔はしない」も生徒たちには語り続けていきたいと思います。
〇反省を通り越して、必要以上に後悔してしまうことがあります。反省は理性的に成功や失敗の原因や過程を振り返りますが、後悔には、「もっと~しておけばよかった」とか「何であんなことになったのだろう」など、そのほとんどが感情の部分であり、多少は仕方ありませんが、そこに留まっても先に進めないという欠点があります。
〇未来に向けて考えたり行動したりしようとする意欲が後悔によって削がれてしまう経験が私にも多くあります。大いに反省する一方で、自分を責めすぎて元気を失うような後悔はやはり避けた方が良いと感じます。
〇今できることに全力を尽くしていれば、もし失敗しても「あの時はあれで精一杯で仕方なかったのだ」と考えられます。むしろ失敗しながらもそこから多くを学んでいる自分を大いに誉めるくらいで丁度良いのではないでしょうか。昔から日本人の自己肯定感の低さが指摘されていますが、そのあたりに原因があるような気がします。
〇失敗すると「次もまた同じ失敗したらどうしよう」という不安が出てきます。しかし、この失敗から自分がまた成長できると思えば、その不安を上回るくらいにワクワクできるようになります。誰にも自分の人生では確実な将来というものはわかりませんが、だからこそ将来に理想な姿になっている自分を想像し、心配や不安よりも希望に焦点をあてれば、ワクワク・ドキドキしながら、今を楽しみことができることを生徒たちには伝えていきます。
須藤昌英