学校生活

必要不可欠 情報モラル教育

必要不可欠 情報モラル教育

「情報モラル教育」という言葉をご存知でしょうか。

スマホやタブレットが普及し,便利な世の中になりました。

インターネットを利用すれば,いつでもどこでも

世界中のあらゆる場所とつながることが可能です。

なんとも便利なネットですが,使い方によっては大変危険なものになります。

ある程度判断力が身についた大人であれば,その危険を回避することもできます。

しかし,発達途上の小学生にそれは望めません。

今や,小学校の高学年の半数ほどが自分専用のスマホを持っている時代です。

だからこそ,小学生の今から,「正しく適切なインターネットの使い方」を教えていかなくてはならないわけですね。学校で,そして家庭で。

冬休みを前にした先週16日(木)に,5,6年生の子どもたちを対象に,情報モラルの授業を行いました。

講師は,前酒井根中学校校長の宮武先生にお願いしました。

宮武先生は情報モラル教育のスペシャリストです。現在は千葉県の情報モラル教育講師を務めており,県下全域でご活躍されています。

導入は思春期の話でした。

思春期は自立の時期。

保護者の手元を離れ,友だちとの関わりが人間関係の中心に移行していきます。

親の目が届かなくなり,友だちとの関係が大きなウエイトを占めるようになる。

そんな中で,インターネットを介した深刻なトラブルが多発しているというのです。

代表的な例として話されていたのが,LINEに関わるトラブルでです。

グループLINEでの仲間外れ,グループ内での特定の子どもに対する悪口の書き込み。

「友達に嫌われたくない」という思春期特有の感情が優先され,

悪いこととは知りながら,そうした流れに同調はしても,止めることができない。

そうして,事がエスカレートしていくということでした。

LINEグループによるいじめが原因で,クラスの仲間が不登校になってしまったという事例を聞いた子どもたちの中には,隣同士で顔を見合い,不安そうな顔で互に顔を横に振っている子がいました。

「そんなこと,絶対に嫌だよね」というように。

こんな話もありました。

他人をはずかしめる画像をグループで共有したとします。

すると,画像を送った子どもだけでなく,その画像を送られて保有しているだけでも罪に問われることになる。

宮武先生は,柏市を中心に実際にあった事例をもとに,具体的に子どもたちに話してくださいました。

座間市の殺人事件も,ネットにより犯人と被害者が接触したことが発端でした。

実例をもとに,ネット上で知り合い,実際に出会うことがいかに危険なことか。

子どもたちは,真剣なまなざしで姿勢を崩さず聞き入っていました。

一時期ニュースをにぎわしていた「バイトテロ」の画像拡散の話もありました。

「君たちがつい出来心でそんな行動をしたとしたら,何千万円というお金を,君たちの親が支払わなければならなくなるんだよ。」

軽はずみな行動が,莫大な損害賠償請求につながることを聞き,子どもたちは驚愕していました。

スマホやネットへの依存が,昼夜逆転,不登校,引きこもりなどにつながる危険があること。

現実と仮想との区別がつかなくなり,犯罪事件に発展するケースがあること。

宮武先生は,インターネットの危険性について,様々な側面から具体的に話してくださいました。

次の写真が,授業のまとめです。

いかがでしたでしょうか。

冒頭にお伝えしたように,これは学校教育だけでどうにかなる話ではありません。

子どもたちにスマホを与え,子どもたちが使用しているのは,それぞれのご家庭だからです。

もうすぐ冬休みです。

今回の授業,記事を機に,ぜひご家庭でスマホやタブレットの使い方について,お子さんと話し合っていただけたらと思います。

(例)

・一日の使用時間の限度について。

・閲覧内容,使用内容の制限について。

・夜間の使用の制限について。

・グループLINE等の内容の管理

これらの制限は,子どもたちを危険から守り,健全な成長を保障するためのものです。

親子で話し合い,ルールを作り守らせる。それは私たち大人の責任です。

情報モラル教育については,これからも学校と家庭が手を携えながら,進めていきたいと思っています。