校長雑感ブログ

2024年6月の記事一覧

6月14日(金)1学年技術科「木工制作」

〇この時期の技術室やその廊下には、いつも木材の香りが漂っています。木の香りは精神を落ち着ける作用もありますので、その影響もあり、生徒たちは淡々と自分の作業に取り組んでいます。

〇技術科では、材料と加工の技術の見方・考え方を働かせた実践的・体験的な活動を通して、生活や社会で利用されている材料と加工の技術についての基礎的な理解を図り、それらに係る技能を身に付け、材料と加工の技術と生活や社会、環境との関わりについて理解を深めることをねらいとしています。

〇また加えて生活や社会の中から材料と加工の技術に関わる問題を見いだして課題を設定し解決する力、よりよい生活や持続可能な社会の構築に向けて、適切かつ誠実に材料と加工の技術を工夫し創造しようとする実践的な態度を育成することも重要視しています。

〇日本人の歴史と文化は、木材を利用してきた歴史と文化と言っても過言ではありません。縄文時代、弥生時代から現代に至るまで、木は様々なかたちで私たちの生活に関わってきました。生活の基盤となる住宅、生活道具、工芸品など、それぞれの時代の生活文化や生活様式を代表するものの多くが木製だったことで、我々にも大変馴染みの深いものです。

〇同じキットを使いますが、制作するものは14種類から生徒が自分で選んでいます。完成までの過程をたどりながら、身近な木工品にも関心が広がるとよいと感じています。

須藤昌英

 

6月13日(木)生徒総会

〇一昨日の5,6校時に、今年度の生徒総会を行いました。前半は各学級にて、学級委員または学級議長が司会を務め、「昨年度の活動及び今年度の予算案」を議事として、質問や意見・その返答の後、採決しました。

〇後半は体育館へ全員が移動し、「今年度の活動方針・計画」を議題として、学級討議で出た質問や意見・その返答の後、採決しました。また第6号議案(他学年の廊下の歩行を認めてほしい)の提案もあり採決し、可決されました。この結果を受けて、さらに詳しく検討していきます。

〇1年に1回の生徒総会ですが、自分たちの学校を自分たちで過ごしやすい空間にしていく・・・、このプロセスが「民主主義」を身近に感じる経験となります。民主主義の本質は多数決ではなく、すべての人が対等な立場で自分の意見を根拠づけて主張し、討議し、お互いに納得できる合意点を探るとことにあります。

〇ですから対話の技術は、民主主義のためのスキルでもあり、そのスキルのポイントは、「問題となっている事実を具体的に特定する」、「人間の思考のバイアス(思い込み)を知る」、「相手の要求を明確化する」、「建設的な質問をする」等です。

〇人は時として、他人の意見をよく聞かずに切り捨てることがあります。「個性尊重」は、まずは相手の考えや意見をありのままに聞き、自分との考えとの相違点や共通点を浮かび上がらせることからはじまります。決して対話や討議は、相手を打ち負かせたり人と人とを分断したりすることではないことを、生徒達にも感じてもらいたいです。

須藤昌英

6月12日(水)1学年美術「表現活動:作品制作」

〇美術の最初の目標は、身の回りの対象や事象を捉える造形的な視点について理解するとともに、意図に応じて表現方法を工夫して表すことができるようにします。自然の造形や美術作品などの造形的なよさや美しさ、表現の意図と工夫、機能性と美しさとの調和、美術の働きなどについて考え、主題を生み出し豊かに発想し構想を練ったり、美術や美術文化に対する見方や感じ方を広げたりすることができるように工夫しています。

〇楽しく美術の活動に取り組み創造活動の喜びを味わい、美術を愛好する心情を培い、心豊かな生活を創造していく態度を養いつつ、意図に応じて表現方法を工夫して表すこととは、発想や構想をしたことを基に、表現の意図に応じて技能を応用したり、表現方法を工夫したりして、更に美しい、面白いなどの表現を創意工夫して表すことも目指しています。

〇生徒の取り組みを見ていると、創造的に表す技能の育成は美術の創造活動にとって重要であり、生徒一人一人の個性が光っていて、楽しいです。

須藤昌英

 

6月11日(火)2学年家庭科「ハーフパンツ制作」

〇2年生は、生活を豊かにするための布を用いた製作として、ハーフパンツを個人で作っています。ここでは課題をもって、製作する物に適した材料や縫い方、用具の安全な取扱いに関する基礎的・基本的な知識及び技能を身に付けると共に、資源や環境に配慮して製作計画を考え、製作を工夫することができるようにすることをねらいとしています。

〇生活を豊かにするための布を用いた製作とは、身の回りの生活を快適にしたり、便利にしたり、さらに資源や環境に配慮したりするなど、自分や家族、地域の人々の生活を豊かにする物を製作することです。布を用いた製作は、生活に役立つばかりではなく、家族や地域の人々との関わりを深めたり、生活文化への関心を高めたり、持続可能な社会の構築について考えたりすることにつながり、生活を豊かにするための営みに係るものです。

〇また製作を通して、自分自身が豊かな気持ちになることに気付くことができるようにするとともに、衣服等の再利用など布を無駄なく使うことが、資源や環境への配慮につながることを理解し、製作を工夫することができるようにします。

〇さらに用具の安全な取扱いについては、ミシンの使用前の点検、使用後の手入れとしまい方、簡単な調整方法について理解し、適切にできるようにします。またミシンの操作については、姿勢や動作が作業の正確さや能率に関係すること、作業環境の整備が安全に影響することなどにも触れるようにしています。

〇一方でアイロンの取扱いについては、日常着の手入れとの関連を図り、布に応じた使い方ができるようにするとともに、火傷等に留意し、使用中、使用後の安全指導の徹底を図るようにしています。

〇私なども日頃から、自分の着るワイシャツやズボンなどをアイロンやズボンプレッサーなどを使って整えることをしていますが、彼らも社会人になった際には、この経験が役にたつことでしょう。

 須藤昌英

 

6月10日(月)3学年理科「作用・反作用」

〇理科は自然の事物・現象を学習の対象とする教科です。「自然の事物・現象に関わり」は、生徒が主体的に身近な問題を見いだすために不可欠であり、学習意欲を喚起する点からも大切なことです。「理科の見方・考え方を働かせる」のうち、「見方・考え方」は学びの本質的な意義の中核をなすものであり、理科の学習においては、この「見方・考え方」を働かせながら,知識及び技能を習得したり、思考・判断・表現したりしていくものであると同時に、学習を通じて、「理科の見方・考え方」が豊かで確かなものとなっていくと考えられます。

〇また今日の授業のように、「見通しをもって観察・実験を行うこと」は、観察・実験を行う際、生徒に観察・実験を何のために行うか、観察・実験ではどのような結果が予想されるかを考えられることなどであり、観察・実験を進める上で大切です。さらに広く理科の学習全般においても、生徒が見通しをもって学習を進め、学習の結果、何が獲得され、何が分かるようになったかをはっきりさせ、一連の学習を自分のものとすることができるようにすることが重要です。

〇毎回生徒の立場で授業を受けていますが、生徒がよく反応する内容や意外にそうでもない場面を観察すると大変面白く、あっという間に50分が過ぎていきます。理科は特に生活経験と結びつけて考えることができるので、新しい発見やこれまでと違った見方を私自身が実感しています。

須藤昌英