ブログ

2020年12月の記事一覧

“夢”の実現に向けて

 延期になっていた高学年児童対象の創立記念・芸術鑑賞会を昨日、実施しました。内容は富勢小出身のソプラノ歌手、横山和美さんによるオペラ演奏会です。横山さんは今から20年前、ちょうど創立100周年を迎えた頃の学校に在籍して、様々なイベントに参加したことを覚えていました。校長室にある航空写真への参加や玄関前のモニュメント設置時のことなど、当時の様子を伺うことができました。また思わぬ再会も。そのモニュメントの制作者は、前回紹介した玄関設置の冬のイルミネーションの設置者である図工専科・鈴木教諭ですが、横山さんが在籍当時にも富勢小に勤務していて、図工の授業を受けたとのこと。また昨日の演奏会でピアノ伴奏をしていただいたのは横山さんのお母様でしたが、子供たちへのピアノ指導もされていて、たくさんの子供たちもお世話になっています。そんな深い縁で結ばれた中での昨日のオペラ演奏会、50分、9曲の演奏でしたが、横山さんの美しい声量とわかりやすい説明、そして何よりも富勢小の先輩!ということもあって、子供たちはしっかりと聴き入っていて感心しました。
 「ただ歌うだけでなく、演じながら歌うのがオペラ。1ステージ終えると2~3㎏、体重が減ることも」そんな説明で始まった演奏会。「ロミオとジュリエット」「エーデルワイス」「蝶々夫人」など、フランス語やイタリア語のオペラの曲でしたが、子供たちにとって身近な曲もありました。それに加えて「竹とんぼ」「赤とんぼ」の日本の歌も、美しい日本語で歌われて心に染みいったようです。音楽専科・淺野教諭によると、この日の演奏会のために6年生には授業で取り上げたとのこと。曲を紹介したり、普段歌っている曲をオペラ風に歌ってみたり…。これも演奏会に臨む子供たちの興味関心を高めたはずです。横山さんが「授業で教わった?」との問いかけに、「習いました!」そんな子供たちとのやりとりもありました。決して身体が大きいわけでもない横山さん、「何であんなに大きな声、それも美しい声がでるんだろう?」「身体を動かしながらも、変わらない歌声。それもいつも表情豊かに。なんでできるんだろう?」子供たちの思いが伝わってきます。お礼の言葉を伝えた6年生も、「美しい歌声」を強調し、ただただ「良かった」と、貴重な時間を過ごせた嬉しさを伝えていました。
 120周年行事で取り組んだことの中に記念誌作成がありますが、この中で子供たちが記したのは“夢”。音楽一家の中で育った横山さんの夢は「オペラ歌手」だったとのこと。昨日の演奏会の中でも子供たちに直接、伝えていました。「夢を実現するってステキだよ!」そんなメッセージが昨日の演奏会には込められていた気がします。今から30年後、富勢小は創立150周年を迎えます。その時の記念誌には「30年前には新型コロナウイルス感染症が流行ったが、富勢小の子供たちは5、6年生中心に工夫をしながら活動して、毎日を元気に過ごした。“夢の実現”に向けたオペラ演奏会も実施」と記載されるかもしれません。その頃の子供たちは40歳代、きっと夢を実現して、横山さんみたいに活躍している人も多いことでしょう。そんなことを思いながら演奏会に参加し、聴き入る子供たちの様子を見ることができた、とても貴重な時間でした。
 昨日の演奏会やすでに実施した1~4年生のイベント実施にあたってはPTAの本部役員さんを通じて PTA組織の大きな援助をいただきました。本当にありがとうございました!