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2020年10月の記事一覧

つまらない話

 昨日の給食メニューの1つは「お月見だんご」。カップの中に白玉粉で作られたお団子が2つ入っていました。「そうか、今日は中秋の名月だ」そんな思いになりながら食べました。昨日は19時頃の帰宅でしたが、ヒンヤリとした空気の中、お月見をしながら駐車場から自宅まで歩きました。ご家庭ではいかがでしたか?月は話題になりましたか? 昨夜よりも今朝の月のほうが真ん丸でくっきりとのこと、朝起きてさっそく外に出て、今日はお月見からスタートしました。今晩は「E.T.」の映画が放送されるようですが、満月を背景に、カゴにE.T.を乗せた自転車の光景が目に浮かびました(随分昔のこと、子供たちは知っているでしょうか?)。
 10月になりました。今、「はんこ」をなくすことが話題になっていますが、教職員が出勤すると出勤簿に押印することはずっと続いています。その出勤簿はA4サイズ1枚、両面の表になっていますが、4~9月までが片面、10~3月までがもう一方の面になっています。昨日からは新しい面になり、押印しました。何だかんだで始まった今年度ですが、前期が終了し、いよいよ後期の始まりです。
 私の自宅がある地域で、息子と娘が通った中学校の生徒が、相次いで自ら命を絶つという、とても悲しい事件がありました。それも同じ踏切でのことで、9月の中旬と最終日、登校する前と登校後です。今日の夕方から、学校では保護者会が開催されるとのこと。生徒や保護者、教職員の悲しみや動揺、不安を思うといたたまれない気持ちになります。詳細は全くわからないし、憶測で物を言うつもりはありません。ただ日々学校で、同じ子供たちと向き合っている我々です。そのような行為に至った子供たちの心境については考えなければいけないと思っています。突発的にというより、その時までの時間経過の中で、思い通りにいかなかないことがあり、悲観したり、不安になった故の行為だと考えられます。特に今年はいつものような年ではありません。自宅や学校で、子供たちは様々なことを考えたはずです。そう思いながら登校する子供たちを見守り、何か気になることがあれば、学年や全体で共有していくことが大事、ということは昨日、職員には伝えました。私が教師駆け出しの頃、「子供とする、つまらない話が大事だよ」と、先輩から言われたことがあります。髪の毛を切ったとか、どんな番組を見たとか、はまっているゲームは何とか、“つまらない”とは何気ない話という意味です。学校だとつい、できた、できない、やった、やらない、という話が優先されます。その優先順位を我々から崩していくっていうことでしょう。これはきっと家庭でも必要ではないでしょうか? 今朝、遅れてきた高学年児童と一緒に学校に向かいながら、「『E.T.』って知ってる?」と訪ねると「知ってるよ」との返答。「えっ?」とびっくりしながら話が盛り上がりました。その子は遅れたことの気分をやや回復しながら教室に向かっただろうと、その表情から感じました。
 叱られることや失敗することを嫌がる子供がいます。そんな様子を見ていると、叱らないで済ましたり、失敗させないようにしたり、…周囲の気遣いが必要になります。でも、叱られない、失敗しないことはこの先、様々な場面で起こりうること。環境を整えることには限りがあるはずで、乗り越えられるように働きかけていくことが必要だと考えます。強引にではなく、寄り添いながらです。そのためには何気ない、“つまらない話”が必要なのではないでしょうか。そういう意味では、お月見の話から、今夜の「E.T.」鑑賞は良いかもしれませんね。