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2020年9月の記事一覧

「ゆるい学校」!?

 7日の新聞に、「『ゆるい学校』への転換を」(千葉日報 千葉大学教授 藤川大祐 氏)という記事があり、興味を持って読みました。「“ゆるい”って、何でも許しちゃうってこと?」そんなふうに見出しから受け取ったからかもしれません。
 コロナで学校生活全般が見直される中で、私たちは目の前の児童生徒と向き合いながら、学校生活の再構築を進めなければならない。学校現場に身を置く教育研究者の立場で、私たちが目指すべき新たな学校像を一言で言うなら、それは「ゆるい学校」である。
 という藤川先生の考えが述べられており、「ゆるい」という言葉の意味についても、「きっちりと固定されていないのに、つながっている。必要に迫られているわけではいないのに、欲している。細かいことは決まっていないのに、全体としては成り立っている状態」という説明が書かれていました。「ゆるい学校」では、多様な子供たちが誰も排除されず、適切にケアされる。遅刻をした子、落ち着かない子、居眠りをする子がいても頭ごなしに叱られず、「大丈夫か?」と心配される…とも書かれていました。
 「なるほどな」とは読み終えての私の感想です。「何でも許してしまう」という「えっ?」と思うことではなく、子供に寄り添うとか、感染症による子供への影響とか、今まで続いてきた学校の“当たり前”を見直すこととか、「ゆるい学校」という言葉の中に、最近考えていることが全て含まれているように思いました。また子供に向き合うことを職業とする教員に、「今こそ、何ができるか」が問われている気もしました。宿題、掃除はやるべきもの、忘れ物はなくすもの、そして学校は行くもの、…今までは「それが当たり前」で子供たちに接してきました。それが「なぜ宿題をやるのか」「面倒な掃除はなぜ、やらないといけないのか」「学校には行きたくない。なぜ行かないといけないのか」という子供たちに向き合い、説明して理解につなげなくてはいけないのです。“やらされてきた”子供たちが、“やる”子供たちに変化する時なのかもしれません。それには時間と我慢が必要ですし、子供たちに関わる家庭と学校の連携は今まで以上に必要です。家庭は学校での集団生活とは違い、「家庭のルール」であったり、「やるべきもの」として位置づけられていることは多いでしょう。でも必要なことは「やる意味」を子供たちにしっかりと理解させることです。理解して取り組むときの力は大きいはずです。
 「ゆるい学校」については職員とも共有していきたいと思います。記事には「『ゆるい学校』では、学ぶことが強制されない。このため、楽しさによって動機づけがなされるしかない」とも書かれていました。まさにこれこそが私たちの工夫です。長期の休校を経験した子供たちには、動機づけにつながる様々な工夫が必要です。その点はしっかりと確認したいと思います。