研究主題・教育計画
研究主題


伝え合う力を高め,自分の思いや考えを深める子どもの育成
〜国語科における言語活動の充実を通して〜


  

現職教育計画

1.国語科の理論研究をもとに、生きる力を育むための体験的な活動や問題解決的な活動等の充実を図る。
2.各種実技研修の計画的な実施を図る。学校教育相談(夏季休業中)、図画工作実技研修会、コンピュータ実技研修会等を行う。
3.自己研修の充実を図る。校内研修とは異なり、各教師のもつ課題意識・専門性などを生かして取り組む。
平成30年度  研究計画


1 研究主題

伝え合う力を高め,自分の思いや考えを深める子どもの育成
〜国語科における言語活動の充実を通して〜

 

  

 


2 主題設定の理由

(1)学校教育目標から

 本校では,「夢に向かって歩み続ける,心豊かな児童の育成」を教育目標として掲げ,目指す子ども像を次のように掲げている。

○ かしこい子
○ やさしい子
○ たくましい子

 本主題「伝え合う力を高める」ことは,学びを広げ,深めることにつながるとともに,他者との伝え合いを通して,心の豊かさを育むことにもつながり,目指す児童像の「かしこい子,やさしい子」にせまる一助になると考える。

 


(2)学習指導要領から

 新学習指導要領がH29年3月に示された。総則には,児童に生きる力を育むことを目指し,「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を通して,「①知識及び技能が習得されるようにすること」「②思考力,判断力,表現力等の育成」「③学びに向かう力,人間性等の涵養」を,個性を生かし多様な人々との協働により育むとしている。これらを支える学習の基盤として「言語活動の充実」はこれまで以上に重視されるものである。また,「主体的・対話的で深い学び」は,授業改善のポイントであり,ここにも,「言語活動の育成を図るため,各学校において必要な言語活動を整えるとともに,国語科を要としつつ各教科の特質に応じて,児童の言語活動を充実すること」とある。
 「伝え合う力を高める」ことは,自分で考え,友達に伝え,友達から受け止めるという,まさに「主体的で対話的な学び」を目指している。さらに自分で考え直すことを通して,「学びを深める」ことにもつながる。
 そこで本校では,子どもの生きる力を育むために,国語科における言語活動の充実を通して,主体的・対話的で深い学びの実現を目標とし,本研究主題「伝え合う力を高め,自分の思いや考えを深める子どもの育成〜国語科における言語活動の充実を通して〜」を設定した。これは,これからの社会を生きる子どもたちに求められる資質・能力の育成に向け,貢献できるであろう。

 


(3)児童の実態とこれまでの研究経過から

 本校では平成23年度より3年間,「伝え合う力を育む国語科学習」を主題とし,研究を重ねてきた。場の設定や発問に工夫を凝らし,学習の中で効果的に伝え合う場面を取り入れることで,工夫して伝えようとする児童の姿が見られた。しかし,児童へのアンケート結果や教師側の反省から多くの課題が残ったため,26年度からも「伝え合う力」を引き続きのテーマとし,私たち教師がどのように指導を工夫し,児童の力を伸ばしていくかに焦点を当て,取り組んできた。その結果,26年度の成果として,グループでよく自分の考えを伝え合うようになったことが挙げられたため,27年度からは今まで培ってきた国語科を基盤とし,算数科に焦点を当て取り組むこととした。
 27年度・28年度の研究主題は「伝え合う力を高めるための指導法の工夫〜算数科の学習を通して〜」である。その結果,算数科の授業のみならず,他教科においてもペアトークやグループトークを取り入れ,隣やグループでの話し合いが活発になってきた等の成果が挙げられた。しかし,基盤としていた国語科の力が低下しているのではないかという課題も残った。これらの成果と課題を踏まえ,また学習指導要領改訂にも示されている「国語科を要とする」という点も踏まえ,昨年度は国語科に焦点を当て,取り組むこととした。
 昨年度の研究主題は「伝え合う力を高め,自分の思いや考えを深める子どもの育成〜国語科における言語活動の充実を通して〜」である。単元構成や全体読みの仕方などを工夫し,一つずつ読み取っていった授業とは違う進め方で研究を行い,国語科の力を養うための基盤づくりを行った。また,「話す力レベルアップ表」を活用したり,伝え合う場の設定を工夫したりすることで,友達の意見を最後まで聞いたり,理由をつけて話したりと,少しずつ表現力の向上が見られる等の成果が挙げられた。しかしその一方で,
 〇友達の考えを自分の考えに生かすという点では,まだ改善の余地がある。
 〇伝え合いが苦手な児童に対する手だてや,自信を待たせるための手だてが不十分であった。
 〇国語科の力の育成はまだ不十分である。という課題が挙げられた。
 以上のことを踏まえ,昨年度に引き続き,子どもたちの国語科の力を養うとともに,伝え合う力を高める研究に取り組むこととした。