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2024年7月の記事一覧
7月10日(水)いじめアンケート
〇毎学期ごとに行う全校生徒対象の「いじめアンケート」を先日実施し、現在その対応中です。アンケートの冒頭には、「学校生活を送っていく上で、困っていることや、相談したいことがあったら、教えてください。」とし、いじめだけでなく、その他の相談事項も記入できるようになっています。
〇アンケートを行う際には、一斉に行い秘密を厳守することはもちろん、記入時間もしっかりと確保し、誰かが書いていることを周囲の人が勘ぐって、終わった後に変な噂が流れないようにすることまで配慮しています。
〇1学期は8件のいじめに関する相談がアンケートでありました。その内容は、「冷やかしやからかい、悪口や嫌なことを言われる」が多く、すべて当事者に事情を聞き、事実確認や必要に応じて当該生徒への指導、保護者への連絡を行なっています。
〇過去にはその他に、「仲間はずれ、集団による無視をされる」「ぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたりする」「金品をたかられたり、壊されたりする」「嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする」「パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる」などがありましたが、いずれもいじめの解消に同じ手順で対応しています。
〇平成 25 年6月に「いじめ防止対策推進法」が成立し、同年 9 月から施行されました。この法の目指すところは、第1条に以下のように示されています。
「いじめが、いじめを受けた児童生徒等の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであることに鑑み、児童生徒等の尊厳を保持するため、(中略)いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進することを目的とする。」
〇いじめは、相手の人間性とその尊厳を踏みにじる「人権侵害行為」であることを改めて共通認識し、生徒がこれから生きていく上で、人権を社会の基軸理念に据えて、社会の成熟を目指していくように促すことが重要です。
〇法第2条には「この法律において『いじめ』とは、児童生徒等に対して、当該児童生徒等が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒等と一定の人的関係にある他の児童生徒等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒等が心身の苦痛を感じているものをいう。」と規定されています。
〇つまり、相手に対して故意で意地悪をしたのか故意ではなかったかに関係なく、その行為によって相手が「嫌な気持ち」になったと感じたならば、すべて「いじめ」として扱います。時々「そんなつもりではなかった」と話す生徒がいますが、たとえそうであったとしても、法でそう決まっている限り、学校では事実を確認して、その状態が継続しないように対応していきます。
〇またこのアンケートでは、自分ではなく周囲の友達がいじめ被害にあっている、またはいじめに関与しているなどの第三者的な情報が書かれていることもあります。教職員がすべてのいじめを感知できるわけではないので、この場合にも前述のように事実確認から始めていきます。
〇またいじめの案件については、学級担任や学年職員だけにとどまらず、全職員でその後の見守りや声掛けをしています。大人の世界でもいじめは存在しますが、これから社会に出ていく中学生には、正しい人権意識と自分ならどう行動するかの当事者意識を育ててあげたいと思います。
須藤昌英
【柏市教育委員会「いじめ問題対応の手引き」より】