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令和2年度 校長室より

いよいよ明日は卒業式

 曇り空の間から陽射しも差し込む、本当に春本番を思わせうような陽気になりました。「ここからなかなか桜は咲かない…」そんな話を昨日、したばかりです。自分が桜の木だったら開花してしまうでしょうね。そんなポカポカ陽気の中、5年生と職員で明日の式の準備をしました。
 今日の給食は児童全員で食べる最後の給食、メニューは「お赤飯」「お祝いすまし汁」、それに「さんまの竜田揚げ・ごま和え・リンゴ」でした。卒業式前日と言うこともあり、学校にはお祝いムードが漂いました。
 昨年は休校中と言うこともあり、職員だけの準備でしたが、今年は5年生という強い味方がいます。感染防止に努めながら、5年生の子供たちに精一杯、頑張ってもらいました。
 5年生の皆さん、ありがとう!!
 明日の式には参加できませんが、5年生がしっかりと準備したことは卒業生には伝わるでしょう。1年前、準備もできず、式にも参加できなかった卒業生は、その悔しさを味わいました。だからこそ、5年生の思いはきっとわかるはずです。このようなバトンタッチは昨年に引き続いてですが、4月からは6年生として富勢小を引っ張っていってもらわなくてはなりません。気持ちだけは「よし!」という思いでいてほしいと思います。
 明日の天候は晴れ、気温は16~18℃の卒業式日和の中、卒業式・後半を行います。内容は2クラスずつの証書授与と卒業生による「巣立ちの詩」。この中では校庭で練習し、録画した動画も流します。保護者の皆様と共に、在校生の思いをしっかりと受け止めながら、卒業生の旅立ちを後押ししていきたいと思います!

卒業式・前半

 一昨日の雨風、雷は凄かったですね。久しぶりに朝から夕方まで一度も外に出ずに、家の中で過ごしました。県内でも市川市辺りでは冠水による被害が映像によって映し出されていましたが、皆様の周りではいかがだったでしょうか?学校では正門右側の土砂が門扉のレールに流れ込み、格納できなかったり、校庭フェンス沿いの桜の枝が折れたりといった被害がありました。昨日の風も強かったですね。陽射しはポカポカとしていて、気持ちよかったので歩きに出かけたのですが、土手沿いに行ってみると吹き飛ばされそうになり、立ち止まることもしばしばでした。
 このような休日だったのですが、ついに東京の桜が咲きました。例年よりは12日も早いのですが、昨年もこの日に開花したとのことです。では富勢小の桜は?…ということで、今朝、校庭にある桜を見上げました。つぼみが膨らみ、全体が丸く、緑色になっていて、咲きには桃色が見えています。咲きそうですが、まだ一輪も咲いてはいません。例年、この時期には注目しているのでここからの変化は何となくわかります。こういう状態からは数日かかるので、富勢小の桜の開花は今週末ぐらいではないでしょうか?今日もポカポカ陽気が続いています。ちょっと早まるかもしれませんね。感染症の不安はまだまだ続いているのですが、桜の開花や暖かな陽気など、季節は確実にやってくるのでホッとします。
 この時期になると、見られる光景がもう一つ。それは4月に入学する新入生の登校練習です。今朝、その第1陣に会うことができました。2人の男児がお母さんと一緒に登校、正門で折り返して帰って行きました。「挨拶しなさい」とお母さんに促されながら、恥ずかしそうに挨拶、「4月の入学式で待ってるね」と声かけすると、「はい!」と返ってきました。今週、来週、そして4月になり、入学式が行われる9日の前日まで、登校練習は続くんでしょう。これも春ならではです。
 いよいよ卒業式まで残すところ2日となりました。今年の卒業式は前後半の2部構成と考えています。前半は今日、証書授与の通し練習と私による最後の授業、そして後半は17日、保護者の皆様が見守る中での卒業証書授与と卒業生による「巣立ちの詩」です。私による最後の授業は本来なら式当日に実施してきた祝辞に代わるものです。子供たちは「総合的学習の時間」の中で、キャリア教育「夢への一歩」という学習に取り組んできました。授業を通して様々な職業に触れ、考えてきました。夢を実現する方法を考えたり、憧れる職業に就きたいと考えたり、自分が働く姿を思い描いたり、…。中には「○○が得意なだけでは務まらない」「どの職業も専門性が必要。簡単ではないが、諦めない」という考えを持つ子供もいるとか。そこに私の教員生活を紹介し、「小学校の卒業は、皆さんが夢の実現に向けて踏み出すことです。皆さんの将来への道のりは、いろいろなことがあるはず。苦しいこと、辛いこと、思い通りにいかないことはたくさんあります。でも、夢と希望を持って歩み続けることで必ず、“情熱を傾けられる職業”に出会えるはずです」と、授業をまとめました。
 明後日の17日は天候も良さそうですね。卒業式・後半は皆様と共に、子供たちの成長をしっかりと感じたいと思います。

卒業式に向けて

 「広島県で桜の開花宣言!」という新聞記事を見ました。例年よりも早いとのこと。気がつけば3月も半ばとなり、いよいよ春本番に向けた準備が始まります。桜の木の下で蕾の様子を見ることが、これからは増えるでしょうね。「いつ咲くのかな」そんなカウントダウンが始まります。そしてもう一つは卒業式までのカウントダウンです。3月も2週目が終わり、来週はいよいよ卒業式の週に入ります。卒業式まで残り「2」となりました。
 県立柏高校→富勢中学校→富勢小学校→とみせ幼稚園と、今までならこの時期、4回の卒業・卒園式が続き、来賓として3回、送り出す側として1回、それぞれの生徒、児童、園児が巣立つ姿を見ての感激を味わってきました。が、昨年からはありません。昨日は富勢中学校の卒業式が行われ、在校生は参加できなかったものの、保護者と教職員に見守られながら無事に実施できたとのことです。県立柏高校も同じ日だったとのこと。やはり感染防止策の中、工夫をしながらも巣立つ喜びは十分に味わえたのではないでしょうか。
 17日は富勢小6年生の卒業式です。今朝は雨音の中、目覚めました。夕方にかけては“春の嵐”とのこと。「17日は大丈夫?」と心配になりますが、週間予報を見ると晴れマークもあり、気温も15℃前後なのでホッとしています。緊急事態宣言が延長されたことにより、式の中で「歌いたい!」という子供たちの思いは叶えられませんでした。でも今年はこんな場面で、何度も鍛えられています。「何とかしよう!」ということで、事前に録画し、当日はその様子を映像で流します。そのために子供たちは今週から練習を開始しましたが、いつものような「音楽室で、教室で、体育館で」という練習はできません。練習場所は体育館通路であり、校庭であり、屋上であり…。さすがに屋上は、風もあり、「高い!」という恐怖感もあり、「練習場所には不適当」となりました。そして人数も、全員が集まってはできないので、クラス毎に練習を続けました。そして昨日は録画撮り。子供ルーム横の校庭に2クラス毎に集合、2曲録画をすること2回、それを編集して当日は式の中で披露します。その式も前半と後半の構成と考えており、前半は15日の証書授与の通し練習と私の話、後半は17日、保護者の皆様の前での卒業証書授与と考えています。今年の式も、私たち教職員の誰もが経験したことのない式になりました。「当たり前」と思わず、その場の状況に寄り添っての対応となるので、より一層、心が込められると思います。
 大事なことは体調です、卒業生も、参加される保護者の皆様も、そして教職員も、今日から式までの5日間、調子が悪ければ休養、無理をしない、勇気を持って休む、などの判断が求められます。みんなの努力が集まっての17日です。よろしくお願いします!


 

3月11日

 東日本大震災が発生した3月11日。朝から穏やかな陽射しが降りそそぎ、春を感じさせる陽気となりました。今朝の明るい陽射しからは、10年前の今日、大きな地震が発生したこととは結びつかない感じがします。今朝の新聞のあちこちには震災の関連記事が満載で、テレビも「あれから10年」を1番に伝えていました。今日は朝から「しっかりと受け止めなければ…」そんな感じで過ごしたように思います。
 学校では国旗を半旗にし、8時25分に全校児童と職員で、1分間の黙祷を捧げました。以下は子供たちに伝えた話です。
 「今から10年前、6年生は2歳、5年生は1歳、1年生から4年生はまだ、生まれていない人もたくさんいました。10年前の今日、午後2時46分、東北地方の宮城県沖を震源とする大きな地震がありました。大勢の人が亡くなり、大勢の人がけがをし、そして未だに行方不明となっている人が2500名以上もいます。亡くなられた方々に、「安らかに眠ってください。私たちは『命の大切さ』を感じながら頑張って生きていきます!」の気持ちを込めてお祈りをしたいと思います。
 (1分間の黙祷)
 10年前の大きな地震による災害を「東日本大震災」といいます。きっとお家の方に、いろいろと話を聞いている人もいるでしょう。この地震のことについては各クラスの先生から聞いてください。この日、大きな津波によって、一瞬のうちに波にのまれ、苦しいとも言えずに命を落とした小学生もたくさんいました。今年、皆さんは感染症によって苦しい思いを味わっています。それでも我慢し、病気と闘いながら、頑張って生きています。今日は「命の大切さ」を改めて考え、「自分の、その命は自分で守る」ことの大切さを考える日にしましょう」

 放送室で話をしましたが、子供たちがしっかりと受け止めて聞いている様子が感じられました。その後、いつものように校舎内を歩いていると、2年生男児が「先生、しっかりと聞いたよ」という声かけ。とっても嬉しく思いました。
 被災し、大勢の児童と職員が亡くなった、宮城県の大川小学校を訪れたことがあります。その時の光景は今なお忘れることができません。被災した校舎を取り囲む今は静かな環境、そして近くを流れる北上川、校庭から校舎や周囲の風景を眺めているだけで、何かひしひしと感じられるものがありました。 今日は「命の大切さ」と「自分の命は自分で守る」について考える日にしていきましょう。
 卒業まで4日となる今日、6年生は校舎内の窓ガラス清掃を中心に、奉仕作業を実施してくれました。校長室の窓ガラスも一人の男児が、かなりの時間をかけてきれいにしてくれました。「ありがとう!ガラスがないみたい。全然違う!」と声かけすると、嬉しそうです。高いところには手が届かないため、一緒にやりました。校舎1階の窓ガラスがピカピカです。6年生の皆さん、本当にありがとう!! 3月11日の今日が終わり、明日は「卒業式まで、残り3日」となります。

10年を迎える「3.11」

 10年前の3月11日、皆様はどこで何をしていたのでしょうか?
 「時間がたつにつれ、震災の危機感が薄くなっていく…」と言われていますが、10年を迎える今年は、ここ数日、震災を取り上げた番組が多く、目にして関心を持つことが多くなっています。 
 3人のお子さんを亡くしたご夫婦は、自宅があった場所に木製の遊具を造りました。「3人が見ていてくれる」「ちゃんと悲しんでいいんだ」「区切りをつける必要はない。前を向いていく」…そんな言葉が印象に残りました。おばあちゃんの手を握って避難している途中で津波にのまれ、離ればなれに。自分だけが生き残ったことに罪悪感を感じていた女性は、我が子の誕生を機会に、前を向こうと考え始めた。…その方々の心境を思うと、いたたまれない思いになります。前を向くことはできず、苦しんでいる方も数多くいらっしゃるはずです。
 6年生の児童は当時2歳、多くの子供たちはこの世に誕生していません。あの当時の記憶が全くない児童ばかりになった学校ではありますが、地震をはじめとする自然災害、登下校中の事故等、身の回りにある危機感を伝えていかなければいけません。「10年目の3.11…『命の大切さを考える日』に」という資料を作りました。東日本大震災の被害状況から「突然の地震、大津波による被害で多くの犠牲者」「小学校の児童と先生70数名が避難の途中で犠牲になった例も」「『命は大切!』…感染症で苦しんでいる今であるけれど、生きていることを喜びたい!」そんな内容を取り上げ、「『自分の命は自分で守る』…普段からの意識が大事」を子供たちには伝えていきたいと考えています。
 『釜石の奇跡』(NHKスペシャル取材班制作)を読みました。防災教育によって多くの命を救うことができた釜石市の取り組みを紹介している内容です。巻末には「被災地の取材を通じて、子供はそこにいるだけで希望なのだと感じることが多かった。子供がいれば、大人は生きる目的を見いだせる。これから長い時間がかかる復興にも、『この子たちのために』と気力を振り絞ることができる。だからこそ強く主張したい。災害で子供の命を消してはならないと。想定外の大災害の中でも、生き抜くことができると、釜石の子供たちは教えてくれた。だが、その力を育むのは、私たち大人の責任だ」とあり、重く受け止めました。
 2日の新聞(千葉日報)には『あれから私は』という特集記事で、あの日のディズニーリゾートでの対応を取り上げた内容でしたが、とても印象に残りました。来園者の頭を守るため売り物のぬいぐるみをt配ったり、シャンデリアの妖精を演じてゲストを誘導したり、普段は決して見せないバックヤード(舞台裏)を利用して避難を実施したり、…「こんなことがあったんだ」と興味深く読みました。中でも「お客様にとって良いと思うことは、大いにやろう」と、その当時に発した言葉が10年たっても変わることのないTDR従業員の基本理念であり、「マニュアルの徹底よりも『考えて行動できるキャスト』を育てていきたい」とは話していることです。まさに富勢小の子供たちに着けてほしい力の№1「自分で考え、自分で行動できる力」です。釜石市の子供たちも、防災教育によってこんな力を身につけていったと思います。
 10年目を迎えた「3.11」。感じたことはたくさんありましたが、ここから学ぶべきことは、これからもまだまだあるはずです。経験しないですむなら、経験したくないことはたくさんあります。でも経験をしたならば、それをそのままで終わらせずに、何か次につながること、役に立つことを生みだしていく…その大切さを改めて感じています。大人の責任として、子供たちにはしっかりと伝えていきましょう。