校長雑感ブログ

4月25日(金)仮説を立ててそれを実証していく力(理科の学習)

〇理科に関しては、先日の「中学生のころの学習は一つのきっかけ」の中で、私が中学生で理科の授業で「四季がどうして生まれるか」を習ったことについて書きました。実はそれは第2分野(生命や地球に関する自然の事物・現物を対象)になります。もう一つの第1分野(物質やエネルギーに関する自然の事物・現物)で、こちらは第2分野よりも生徒の好き嫌いが分かれるようです。

〇理科のある先生に、「どのような気持ちで授業に臨んでいますか」と尋ねたところ、「自然の不思議さとか、面白さとか、そういうものを伝えたい。こういうことを知識として持っていたら、豊かな生活になるということを伝えたい。また社会に出て、いろいろな人生を送っていく中で、未知の課題が出てきたときに、観察・実験を通して得てきた課題を解決していく能力というのは、そこできっと発揮されるのではないだろうかという期待も持ちながら、授業をしている。」と答えてくれました。

〇私も理科の学ぶ過程の中に、仮説や予想を立て、自分の問いを追求し、それをみんなに説明したいために、実験・観察をするというところが大切ではないかと思っています。この力は社会に出てからもよく使われるもので、成功しても失敗してもその原因を考え、そこからまた新しいアイデア(仮説)を立てていく・・この繰り返しは、どんな職業でも本質的に同じではないかと思います。

〇いずれにせよ、実験や観察などには安全性の確保が欠かせません。そのため柏市では年間を通して理科室での授業は、理科教育支援員さんのバックアップ(実験の準備、教材の提供など)を受けて、特に安全面に最大の配慮をしています。

〇昔は植物や動物などを調べる際には、図書室などの大図鑑を広げていましたが、近年のICT技術の発達で、タブレットで検索すれば最新の情報を写真付きで閲覧することができます。しかしやはり実物を手で触ったり顕微鏡で観たりすることは、それ以上に自分の五感をフル稼働させていきますので、欠かすことはできません。

〇最近の傾向として、大学の理科系学部への進学希望者が減っており、科学技術分野の研究開発の担い手不足や科学技術教育の質の低下といった科学への多岐にわたる悪影響を及ぼす可能性があります。本校生徒でも「科学好き」が増えることを期待しています。

須藤昌英