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10月7日(火)初の女性内閣総理大臣の誕生か?(ジェンダーフリー)

〇先週末に自由民主党の総裁選挙があり、初めての女性総裁が誕生したニュースが大きく報道されました。高市早苗氏は今月中旬に召集される臨時国会で、日本史上初の女性内閣総理大臣(首相)になる公算が高いようです。

〇このような大きな変化があるとき、私たちはこれまでの経緯を振り返ったり、これから先の動向を考えたり論じたりすることが多いと思います。また「初めての~」という言葉にやたらとこだわる傾向もあります。

〇確かに今回は、その人物の人柄等よりも「初の女性首相」という性別が注目されることは仕方ないと思います。しかし私はむしろ自民党総裁の多くが親等からの世襲制に従い、政治家の子や孫がなっているのに対し、高市氏は親が政治家ではない自民党総裁として、菅義偉元首相以来となります。人物に視点をあてるならば、こちらの方がもっと大きな意義があると思います。

〇高市氏は大学卒業後、未来のリーダー育成を目的とした「松下政経塾」に入塾し、政治の道を志しました。1993年の衆院選に無所属で出馬し初当選し、それ以後内閣や党の要職を歴任しています。

〇海外ではアメリカの有力紙ワシントン・ポストが、高市氏の総裁選出について、「男性優位の日本の政界で初の女性リーダーとなり、“ガラスの天井”を破った」と紹介したようです。

〇男性優位と言えば以前から国際的に、日本社会は「ジェンダーギャップ(男女の性別の違いにより生じる格差)指数」が国際的に低いことが知られています。「ジェンダーギャップ指数」とは、その値が1に近いほど男女間格差は小さく、0に近いほど大きくなります。

〇2025年現在、日本は148か国中118位で、特に政治・経済分野の格差が大きく、先進国の中で最低レベルに位置しています。昔から政治や経済分野での男女格差が顕著であると広く認識されてきましたが、この指数によってその差が歴然であることがわかります。

〇日本では長い間、男性は「弱い者を守る」「経済力がある」、女性は「気遣いができる」「家庭的」といった役割を求められ、この性別に基づく固定観念が差別や偏見の経験につながっているとも指摘されています。

〇具体的には男性はお金を稼ぐ役割が根強く、その分家事・育児負担は主に女性が担うことが多く、家事や育児における男女間での認識に大きな隔たりがあることも、男性優位性を裏付けています。

〇しかし一方で、若い世代ではそれらの平等意識が高まる傾向が見られるそうで、今後はさらに認識のギャップを埋めるための意識改革が求められています。

〇私が幼少の頃は、街中を走っている車の運転手はほぼ男性で、たまに女性を見かけると、珍しいので振り向いて見ている人が多かったのを記憶しています。しかし今では性別の差はなく、私も通勤時にはむしろ女性ドライバーとすれ違うことの方が多いくらいです。

〇私は決して政治のことに口出しをしたいのではなく、日本もはやく欧米並みに、世の中に女性のリーダーが当たり前のようにあちこちに存在し、性別の差に関係ない平等な社会になることを期待しているだけです。

〇最近は「男らしさ」や「女らしさ」という言葉もあまり使いません。以前は親や教師から、「男は男らしく、女は女らしくしなさい」という言葉がけが多くありましたが、家庭は別にしても少なくとも学校現場で今、その言葉を使っている場面は見たことがありません。

〇「男らしく」や「女らしく」という以前に、生物的に男性には男性の特徴、女性には女性の特徴があることは言うまでもありません。

〇一例では、男女の身体構造の相違として、一般的に男性は女性よりも骨格が太く、筋肉量も多い反面、女性は体脂肪率が高い傾向にあります。また新陳代謝面では、運動時に女性は主に脂肪をエネルギー源とする一方、男性は炭水化物をより多く利用する傾向があります。

〇私はこれらの特徴を正しく認識していれば、あえて「男は男らしく、女は女らしくしなさい」という指導は不必要ではないか?と考えています。重要なのは、男性と女性がお互いに相手の特徴や得意な面を認め合い、協働していくことだと思います

〇3月までの3年間勤務した富勢中では、毎年変わる3人の生徒会長はすべて女子生徒でした。私も最初は少し驚きましたが、リーダーシップがあり、聡明な生徒ばかりでしたので、すぐにその違和感はなくなりました。

〇高市氏が内閣総理大臣に就任すれば、閣僚のメンバーにも今まで以上に女性が多く登用されることでしょう。大きな変化の際は、その違いだけに注目するのではなく、より本質的な変化を見つめていくことが重要だと思います。

 須藤昌英