校長雑感ブログ

7月2日(水)生徒の成長と2つのスパイラル(螺旋階段)

〇先月に行った前期中間テスト後、何人かの生徒に今の心境を聞いてみると、「テスト勉強は自分では頑張ったけど、戻ってきた結果が思い通りでなかった」「普段から勉強が苦手なので、テストははっきり言って気がすすまないです」などの声がかえってきました。

〇それに対して私としては、「結果よりも頑張ったプロセスがきっと次にいきてくるよ」と毎回声をかけています。生徒の気持ちもよくわかるので、心中では「焦らなくて大丈夫だよ」と励ましています。

〇私自身の過去の生徒としての経験及びその後の教員としての経験の両方から、学びの努力とその成果がすぐに比例してあらわれることは非常にマレであり、大抵は努力したことがすぐに成果に結びつかないことが多いです。

〇ただ辛抱強く、人によって違いますが、数カ月程度努力を積み重ねていくと、ある日突然雲が晴れたかのように、望ましい結果が出始めることは、その経験した人からよく聞く話です。

〇このあきらめずに辛抱する力がないことで、必要な努力を避けたり、結果が出る前に「どうせ自分なんか・・」としり込みしたりと、学ぶことから距離をおき始める生徒を見たりすると、とても「もったいない」と感じます。

〇確かに学ぶことによって、知識や技能は身につきますが、それ以上にものの見方や思考力、表現力などが養われ、自分の可能性が広がっていくことが重要なポイントです。

〇先日も書きましたが、学んだことを確実に身に付けていくには、分からなかかったことや間違ったことを定期的に振り返り、その手当て(補充)を逃げずにやるかどうかで決まります。

〇生徒によっては、「なぜ間違ったのか?」と自分が納得するまできちんと考える生徒もいます。それを回避したままで、ただ表面的に「正解だけを丸覚えしよう」とするだけでは、意欲も継続できませんし、理解も深まりません。

〇生徒の成長を階段に例えると、私はまっすぐな階段ではなく、螺旋階段だと思っています。一般に螺旋階段は、中央の柱を中心にらせん状に回りながら昇降する構造になっており、横から見ると人が上がったり下がったリするのがわかります。しかし真上からは、まるで同一円上をクルクル回っているだけに見えます。

〇我々大人はどちらかというと、子どもを真上から見ることが多く、その為目前の生徒の成長している姿を実感しづらい気がします。あえてその視線を真上から横に変えると、通常の階段ほどではありませんが、確実に螺旋上に登っていることがわかりやすいと思います。

〇普段の授業の中で、どんなにささいなことでも、「おもしろい」「なるほど」などの興味を持ち、「やってみよう」「できるかも」と経験を積みかねていくこと(正のスパイラル:登りの螺旋階段)が得意な教科になるきっかけになります。

〇一方で逆の負のスパイアラル(下りの螺旋階段)に陥ると、なかなか抜け出すことが難しくなります。自信を失い、どんどん意欲をなくしていき、先ほどのように「どうせ私なんか・・」と表情が暗くなってしまいます。

〇しかし少しの成果でも、学習やその他のことに、真剣に取り組んだプロセスをまずは自分で自分を認め、また周囲からも認められることで、やる気の持続につながります。

〇学校でも職員がそれを意識して見守っていきますが、ご家庭でもお子様の成長面を確認していただき、来週からの三者面談で担任とお互いに情報共有していただきますようお願いいたします。

須藤昌英