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2月18日(水)後期期末テスト(1・2学年)と「ガチ」と「マジ」

〇昨日の3年生の千葉県公立高等学校入学者選抜では、大きなトラブルの報告はありませんでした。今朝の廣幡八幡宮も厳かで、引き続き今日の無事も祈ってきました。その日程に合わせて、昨日から1・2年生は今年度最後の定期テストに臨んでいます。少し体調不良者も多いので、テスト終了後の放課後の諸活動は中止する予定です。

〇朝の登校時間にも参考書などを手に抱えている生徒も多く、「やるしかない」との意気込みが感じられます。中学生期は一生の中で一番、知識や技能を脳に蓄えたり身につけたりすることが出来きますので、物忘れが徐々に多くなった今の自分を考えるとうらやましい気がします。

〇自分自身を振り返っても、「人間は物事に対してなかなか本気になれないもの」と痛感しています。「本気になれない」のかそれとも「本気にならない」のかの違いはありますが、人間は状況によっては切羽詰まり、そのことが今まで想像もつかなった自分の本気を引き出さしてくれることがあります。

〇以前に「火事場の馬鹿力」について書きました。人間の身体は普段は持てる100%の力を出さないよう制御されており、ただその逆で緊急時にはいわゆる「火事場の馬鹿力」という普段の力の何倍もの力が出して、身の危機を回避しています。

〇テストが迫っていることは身の危険ではありませんが、生徒の心にプレッシャーを与えていることは間違いないです。本来の学ぶことの本質とは少しズレていますが、「テストがあるから本気で勉強する」という面も人間には確かにあります。今の言葉で言えば「ガチ」や「マジ」に近い感覚です。

〇「ガチ」とは、本気、真剣、本物、または「本当に(マジで)」を意味する若者言葉(スラング)です。もともとは相撲用語の「ガチンコ(真剣勝負)」が短縮された言葉で、手加減なしの真剣な状況や、嘘偽りない本物の状態を強調する際に使われます。

〇一方で「マジ」は、「真面目(まじめ)」の略で、「本当」「本気」「真剣」「嘘ではない」という意味を持つ俗語です。嘘偽りのない様子や、真剣に取り組む様子を指す際に、形容詞的に「マジな話」などと使われています。私もこれはよく言ってしまいます。

〇生徒と話していると、「今回のテストはガチです」「マジ勉強しています」など、主語もなければできるだけ簡潔に話そうとしているいのに気が付きます。「マジ」でも「ガチ」でも、生徒たちが真剣に取り組んでいる心境を短く表しているのであり、悪いことではありません。

〇若者が略語や感嘆表現のみという短い言葉を好んで使う背景には、彼らのコミュニケーションのスピード感、極端な感情の強調、そして仲間内での一体感を重視するといった要素が強く関係していると思います。

〇若者が本気になる場面は、テストなどで「自分の力」が試される時や今まで出来なかったことが一人で出来るようになった時、目標を達成した際に自分の成長を実感できた時、信頼できる仲間や大人に出会いそのことで認められたと感じられた時などがあると思います。

〇よく現代の若者は「失敗したくない」という心理から、打算的に確実な成功が見込める時や、自分の価値観に一致する時にしか自分の力を最大化しない傾向があると言われます。でもよく考えれば、私も含めた大人も過去には同じ経験をしているのではないでしょうか?決して若者だけの特徴とは言えないと思います。

〇もう一つの特徴として、「マジでヤバい!」が口癖の生徒も多いです。ただこの「マジでヤバい!」という心境は、聞いているとその文脈によって、二つの両極な使い方があります。本来の「危険・不都合」という意味での否定的な状態と、現代的な「驚き・感動」という意味での肯定的な状態です。これはその人がどちらの意味で使っているのかは、よく吟味しないとすぐにはわかりません。

〇否定的な「マジでヤバい!」は、心理的・状況的に追い詰められ、余裕がない状態で、時には強烈な焦り・パニックから、「終わった」「どうしよう」という逃げ場のない危機感を含んでいます。また強いストレスや不安から限界を感じたり、自分の想定を超えた悪い結果(あるいはミス)をしことで、困惑・絶望を抱いたりする心理を表します。

〇一方でその反対の肯定的な「マジでヤバい!」は、良い意味での衝撃を受け、心が感動し大きく揺さぶられている状態のことです。「凄すぎる」「言葉もない」という感情で、時には推し活に対するファンとしての興奮や熱狂の限界を突破した心境も入ります。中学生はどちらかというとこちらの意味で使っている場合が多いと感じます。

〇私も初耳でしたが、実は「マジ」は江戸時代の芝居小屋の楽屋でも芸人たちに使われていたそうで、こうした短縮や強調の言葉は時代を超えて形を変えながら使われ続けているようです。

〇現代の若者は、これらの短い言葉を駆使して、あいまいで複雑な感情を、むしろ「直感的に」伝えていると言えます。彼らの素直な感覚も大切にしてあげたいです。

〇今回の期末テストを受けた後の生徒たちの中では、さきほどのどちらの「マジでヤバい!」が多いのかもリサーチしてみたいです。

 須藤昌英