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3月17日(火)英語のシャワーとPriceless(価値がつけられないほどの経験)

〇昨日は1、2学年の合計5クラスにおいて、柏市の外国語指導助手(ALT)6名が来校し、「柏市中学校国際交流会」として、グループに分かれてのEnglish conversationを行いました。これは、「生徒が日ごろの授業で培った英語を積極的に使用する機会の充実」を目的にしています。

〇柏市では、小中学校に外国語指導助手(ALT)を配置し、ネイティブ(母語話者)講師による英語教育や国際交流を推進しています。通常は1校に1人ですが、昨日のようなイベント時にはALTがチームを組んで複数人で訪問し、より密度の高い交流を行う取り組みも実施されています。

〇生徒たちは自分の五感をフルに使って、「英語のシャワー」を浴び続けました。このことは、AIにはない「身体性を通した学び」です。「英語のシャワー」は、大量の英語を聞いたり話したりすることで、英語特有の音・リズム・イントネーションに親しみ、リスニング力向上や英語への抵抗感をなくす効果が期待できます。

〇特に子どもや初心者には効果的であり、英語特有のRやLの聞き分け、リズムやイントネーションに慣れ、英語に対する耳の抵抗感がなくなる、つまり「英語耳」の育成が期待されます。また大量のインプットにより、自然なフレーズや言い回しが頭に定着し、英語環境に触れることで、外国人と話す際や、英語を話すことへの恐怖心が薄らぎます。

〇以前にも書きましたが、人間の能力及び身体的な成長のピークは、まさに中学生時期です。人生で頭脳が一番純真・鋭敏に働くのは、十歳前後から十三、十四歳くらいまで、想像力、創造力、連想力、記憶力は、十一、十二歳が最も旺盛、さらに視力や聴力も同じく人生で一番能力が高いのは、九歳から十歳頃です。その後は緩やかに後退していくと言われていますので、「英語のシャワー」は今が最適です。

〇よく子どもが「穴のあくほど何かをよく見ている」とか、「大人にはまったく何も聞こえない方向を向いて何かを探している」ことがありますが、彼らの能力はものすごいものがあるのでしょう。

〇今回のALTは、アメリカ、カナダ、シンガポール、フィリピンなどの多様な国籍をもち、みなさん日本が大好きで、日本のことをよく調べて、楽しそうに働いている先生ばかりです。生徒たちもそれを肌で感じ取り、自己開示しながら活発に英語で会話したり事前に用意した質問をしたりしていました。

〇私も過去にお世話になったALT(外国語指導助手)と話をする中でこちらよりもむしろ彼らの方が日本に詳しく、あちらから例えば「日本の武道の特徴は何ですか?」などの質問をされても答えられず、恥ずかしい思いをした記憶があります。彼らが、日本文化や生活に対して好意的な感情を持っていることを実感していました。

〇彼らが来日したきっかけは、伝統文化(武道、茶道、着物など)やポップカルチャーに興味を持ち、それを体験・学習するためだった場合が多いようです。また日本で地域コミュニティに溶け込み、充実した生活を送ることで、日本での生活が「夢のよう」だと感じているALTもいます。

〇中学校における外国人ALT(外国語指導助手)の授業は、ネイティブスピーカーとの生きた英語での対話を通じて、生徒の「聞く・話す」能力(コミュニケーション能力)を高めることが目的です。また、外国の文化や習慣、考え方を実体験として学び、国際理解を深めることも重視されています。なお、柏市は千葉県内でも在留外国人数が多い市町村の一つであり、国際化が進むエリアです。

 

〇昨日の立花幸司千葉大准教授の指摘中に、「収入や社会的地位などの経済的な側面だけで肯定感を得ようとしてはダメです。」という言葉が強く印象に残っています。もちろん社会人としてはある程度の収入は必要ですが、より多くの収入だけを求めるのは、決して人生を豊かにしないと思います。

〇昔あるカード会社のコマーシャルに「プライスレスな経験を!」というキャッチフレーズがあり、その時に初めて「PRICELESS(プライスレス)」という言葉を知ったのを覚えています。そのコマーシャルはいくつかのシリーズがあり、しばらく放送されていました。

〇その一つが確か、「子連れの夫婦がみやげを買って実家に向かい『父に気に入りの地酒、七千円。母にカシミヤのショール、二万円』とナレーションが流れます。孫を笑顔で迎える父と母の映像とともに『いちばんのみやげ、プライスレス』と続き、最後に「お金で買えない価値がある。買えるものは○○カードで」だったと思います。

〇「プライスレス」は「プライス(価値)」と「レス(否定の意)」が組み合わさって出来た言葉のため、意味を本来の意味とは真逆の「価値がない」「貴重ではない」という直接的な連想から間違った解釈で使ってしまうことがあるので少し注意が必要です。

〇「プライスレス」は値段が付けられない、つまりお金では買えない、値段がつけられないほど貴重でかけがえのないものという意味です。形あるものではなく、思い出や体験、愛情や笑顔、優しさや温かさ、忘れられない言葉など、値段がつけられないもの全てはプライスレスというわけです。

〇価値観は人それぞれ異なりますので、「命」や「健康」、「愛情」や「きずな」など、どれも「大切なもの」です。「プライスレス」とは誰かが決めるものではなく、“自分にとってのプライスレス”があります。他人にとっては価値のないものでも、自分には「プライスレス」ということもあるでしょう

〇家族や友人たちと過ごす時間や貴重な体験、そこにある笑顔や温かさ、かけがえのない愛情、人生を変えるような出来事や転機となった言葉…いずれもその価値には値段がつけられないので「プライスレス」です。

〇冒頭の国際交流会もまさしく生徒たちにとっては、「PRICELESS」な時間です。今後もこういう機会をできるだけ増やしつつ、学校教育活動全体が生徒にとって「価値がつけられないほどの貴重な経験」になるようにしたいです。

須藤昌英