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3月4日(水)お赤飯と努力努力(ゆめゆめ)
〇昨日は、千葉県公立高等学校入学者選抜の結果発表がありました。入試には各高等学校ごとの募集定員がありますので、うれしい結果と残念な結果の生徒が出るのは致し方ありません。ただ言えることは、それぞれ「精一杯取り組み、努力した」という経験は今後、必ず本人にとってプラスにはたらきます。
〇文部科学省は現在、少子化や高校授業料の無償化に伴う「公立離れ」などの社会状況の変化を受け、公立高校入試への「併願制」導入や選抜方法の多角化について本格的な検討を進めています。特に千葉県を含む多くの自治体が、採用している「1校しか受験できない単願制」を見直し、複数の公立高校への出願を可能にする検討が始まっています。
〇これらの改革は、2027年度末に予定されている次期学習指導要領の改訂に向けた動きとも連動していて、今後数年で各地の入試制度が大きく変わる可能性があるそうです。ただ私としては、「改革のスピードが遅い。日本の総人口の減少が本格的に始まったのは、2009年からであり、その前からも少子化になることは言われていたのだから、もうそれから20年近くも経過しているのに・・」という本音があります。
〇とりあえずはこの時点で、来年と再来年の入試の大きな変更点は通知されていませんので、2年生や1年生は今の3年生が取り組んできた入試を参考にしてください。もちろん今後新しい情報が入りましたら、すぐにお知らせします。
〇3年生は今日が最後の給食です。高等学校などには給食が無いのが一般的ですので、多くの生徒は人生最後の給食になる可能性もあります。数人の3年生には、「給食を食べたかったら、将来は小中学校の教員になってください」と話しかけました。
メニューは、「赤飯、鶏肉のから揚げ、磯香和え、かぶのすり流し汁、アセロラゼリー、牛乳」です。
〇お赤飯がお祝いの席に出る理由は諸説ありますが、古来より赤色には「邪気を祓う(魔除け)」や「災いを避ける」という呪力があると信じられていたためです。神様への供物として赤米を炊く風習から、江戸時代以降は小豆で色づけた赤飯が定着し、縁起を担ぐ料理(厄除け・幸福・お祝い)として親しまれるようになりました。
〇特に赤い色には悪いことを避ける力があるとされ、お祝いの席での災いを防ぐ意味が込められています。またもともと高級品であった米を赤く染めて神様に捧げる風習があり、その「おさがり」を食べることで神聖な力を得ると考えられていました。
〇そしてお祝い事の節目に縁起を担ぎ(福を呼ぶ)、悪いことを避けて幸運を呼び込むための健康・長寿を願う料理とされています。現代でも入学、結婚、お食い初めなどの人生の節目に、災いを避けて幸福を願う日本の大切な食文化です。
〇この時期になると思い出す言葉があります。「努力努力(努努)」と書いて「ゆめゆめ」と読みます。何となくきれいな読み仮名です。数年前にこのことを初めて知った時から、強く印象に残っている漢字です。「夢夢」ではなく、「努力努力」つまり「努(つと)めよ」が強調されています。
〇私も古い言い回しとして、「ゆめゆめ おこたるること なかれ(決して怠ってはいけない)」などは知っていました。後ろに禁止の言葉をつなげて、「決して~するな」の意味で使われていることもあります。しかし「努力努力」という字をあてるとは思っていませんでした。
〇「努力」とは「目の前のことを心を込めて行う」ことですが、この言葉から私の受ける印象は、どちらかというと親や先生から「努力しなさい」と言われてきたこともあり、とても窮屈で強制されるイメージです。教育論でよくテーマとなる「厳しくするか甘やかすか」の中では、大人が子どもを外的にコントロールするイメージに近いです。
〇同様の意味で私などは「精進」という言葉の方が「自ら(内的コントロール)」のイメージがもてるので前から好んで使ってきました。「精」の字は、「こころ。たましい。気力」の意味がありますので、「1つの事柄に精神を集中する」という「努力」と似た意味と捉えています。
〇こちらは仏教に由来している語ですが、日本語には仏教から影響を受けた言葉が多く、例えば「挨拶」「玄関」「経営」など普段から生活の中でよく使用されているものは、すべて仏典からきています。
〇まさに学校は生徒たちが「努力(精進)するための場」であり、失敗をしてもその原因を明らかにしながら、次の成長へつなげていくところですので、生徒にはチャレンジする気持ちをもってもらいたいと常々思っています。
〇「努力」の言葉から、アメリカの発明家(蓄音機や白熱電球など)の「トーマス・エジソン」を連想します。幼い頃に伝記を読みましたが、彼は大変な努力家で、新聞を売りながら自分でコツコツと貯金し、自分の実験室を作ったそうです。そのエジソンが「努力」について、「天才は1パーセントのひらめきと99パーセントの努力である」という言葉を残しています。
〇また相対性理論でノーベル賞を受賞した理論物理学者の「アルベルト・アインシュタイン」にも多くの格言がありますが、その中に「天才とは努力する凡才のことである」というものがあります。天才のように思われがちなアインシュタインですが、実際は努力によって多くのアイデアや真理を見出した人でした。
〇平安時代初期の僧だった空海(真言宗の開祖:別名弘法大師)は、当時の日本におけるケタはずれの天才であり、書の達人、土木技術のエキスパートなどの複数の実績があります。
〇空海についての本を読むと、彼が若い頃に遣唐使として中国に渡り密教について学び、帰国する際に中国人の師匠から、「早く日本に帰って密教を伝えなさい・・・努力努力(ゆめ ゆめ)つとめよ」と言われたそうです。その後日本中で活躍されたことは有名であり、市内にある布施弁天東海寺にもその伝説があります。
〇今の生徒には前のように「努力しなさい」というよりも「自分の好きなことを究めなさい」と言った方がよいと最近は感じるようになりました。また「決してするな!」のように禁止の文脈で使われるよりも、好きなことに努める方が前向きです。好きなことはやっていれば楽しいし、楽しいから夢中になれるし、好きだからそれに熱中できて「努力」が継続できると思うからです。それが本来の「ゆめゆめ」の真意だと感じています。
〇「立つ鳥 跡を 濁さず」ということわざがあります。3年生は来週の卒業式に向けての練習や奉仕活動に取り組んでいます。ここまで努力を重ねてきて、4月からの新天地での飛躍に向け、今は飛び立つ羽を羽づくろい(プリ―ニング)している最中です。
須藤昌英
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