校長雑感ブログ

2022年10月の記事一覧

10月30日(日)田嶋勉氏「還暦記念演奏会」

 

〇本校の11月1日の合唱コンクールで審査員をお願いしているお一人の田嶋勉先生が、昨日柏市民文化会館大ホールで「還暦を祝う演奏会」を開いたので、花束を持って聴きに行かせてもらいました。田嶋先生は、この3月まで市内の小学校の校長をされていましたが退職後、以前からの作曲家としての仕事を本格化させて活躍されている方です。

〇田嶋先生とは今から30年以上前、市内の同じ中学校で勤務して以来、仲良くさせてもらっています。当時はお互いに20代の若手教員でしたので、放課後などに夜遅くまで「今の生徒達に何をしてあげたらばよいか」など、お互いの教育論を語り合ったことを今懐かしく思い出します。

〇田嶋先生は教員として活躍される傍らで、若い頃から作曲・編曲を手がけられ、全国吹奏楽コンクールの課題曲や市内の中学校の校歌などを何曲も作曲しています。以前に市立柏高校で吹奏楽部も指導していたので、現在はその当時の教え子が何人もプロの演奏家になっており、その人たちが発起人となり、仲間のプロの音楽家仲間に声をかけ、今回の「還暦記念演奏会」が企画されました。ステージいっぱいに、普段は別々のソロ活動をしている演奏家たちがズラッと並んだ光景は圧巻でした。

〇また驚いたのが、1部と2部の合計3時間近い演奏時間の全てが、田嶋先生が作曲・編曲をした曲であったことです。これまで600曲以上の曲を手がけていますので、それでもほんの一部です。また全ての曲について演奏前に、司会者が田嶋先生にその曲への想いやエピソードをインタビューしてくれたので、音楽に疎い私でも聴いていてまったく飽きることはありませんでした。

〇そして最後の曲が、この8月にピアノ協奏曲として田嶋先生が新曲としてかき上げた曲でした。ステージ中央に田嶋先生が弾くピアノがあり、その後ろに陣取るオーケストラとの素晴らしいハーモニーは感動を呼び、会場は割れんばかりの拍手がしばらくは止みませんでした。

〇またもう一つ私が感心したのは、演奏した23曲(8月の新曲を含む)をたった2日間のリハーサルで仕上げたということです。指揮者と50人近い演奏家は、普段はまったく別々の活動をしているにもかかわらず、短い時間でそれぞれのパートをマスターしつつ、指揮者の曲想に合わせながら、見事に演奏しきったことは、「さすがプロ」と思わざるを得ませんでした。

〇週末の秋空が気持ちの良い午後、心が洗われる時間でした。その田嶋先生に審査員をお願いした合唱コンクールが明後日に迫っています。生徒達には、明日までの練習をいかし、スポットライトを浴びながら臆せず楽しんで歌ってもらいたいです。

須藤昌英

 

 

10月28日(金)新聞を読むことで身につく力

〇昨日は読書について書きましたが、ある調査で「新聞をまったく読まない」という中学3年生が約79%いるという結果があります。一方で各種SNSやYouTubeなどで、自分が関心のある情報だけ、ある意味際限ないほど多量の情報を多くの子どもたちは簡単に得て暮らしています。

〇スマホやタブレットなどで、知りたいことをすぐに調べられることはよく考えてみると、今の学校教育が目指す「主体的、対話的で深い学び」の中の「主体的」に関しては即していると思います。ところが「対話的で深い学び」については、自分の関心があること以外には興味をもたず、みんなで一つのテーマについて考えて協働していく場面では、それについてはあまり興味がないので消極的になってしまうという心配もあります。難しい問題です。

〇新聞は各面の見出しをサッと見渡すだけでも、社会で起こっていることが大まかにつかめるという利点があります。読めば読むほど、世の中や人間は複雑で簡単には理解できないことに気づきます。しかしそのモヤモヤした気持ちが重要ではないでしょうか?新聞を読むという一見非効率に見える時間も、少しずつ自分の引き出しを増やし、じっくりと深く考えてみる機会になるととらえると、前述のまったく新聞を読まないことのもったいなさを感じます。

〇現在の中学校学習指導要領でも、「新聞を活用した学習」が明記され、国語の授業の一部では、新聞の記事を使った教材も使用しています。本校では全国紙(朝日新聞)と地方紙(千葉日報)の朝刊に加え、中高生新聞(読売新聞&小学館)を定期購読しています。全国紙と中高生新聞は、図書室でいつでも生徒は閲覧できます。

〇特に中高生新聞は、週に一度の発行ではありますが、今の社会問題を写真や図を入れたり、難しい用語をできるだけ使わずに説明したりと、大人の私が読んでも「なるほど」を思うときがあります。今朝の中高生新聞の第1~3面は、「習氏 現代の『皇帝』」と銘打ち、異例の3期目となった中国共産党のトップである習近平氏について、その生い立ちや中国共産党の組織について詳しい記事がびっしり掲載されています。これを読むと、「我々大人でもわかっているつもりのことが多いなあ」とつくづく感じます。

〇本と新聞のそれぞれの良さをいかして、生徒の情操や課題解決力を伸ばしていくのが、学校の役割だと認識しています。

須藤昌英

(10月28日の読売中高生新聞のデジタル面より)

10月27日(木)読書週間が始まります「この一冊にありがとう」

〇今日から秋の読書週間が始まります。読書週間とは、公団社団法人「読書推進運動協議会」が推進するもので、毎年10月27日~11月9日の2週間が開催期間です。昔から「秋の夜長に読書」と言われ、確かに近頃は日没が早まり、夕方六時には真っ暗になっていますので、YouTube視聴も決して悪くはありませんが、本を手に取ってみることも楽しいものです。また特に11月3日(火)は文化の日で祝日ですので、読書を楽しむのにもピッタリであり、私も久しぶりに東京駅近くの大きな書店「丸善」に本を探しに出かけようかとも考えています。

〇毎年「読書週間」に合わせて標語が発表され、またポスターの募集が行われます。令和4年の標語は、「この一冊にありがとう」で、ポスターの大賞は上記のポスターです。本と向き合って心が和んでいる様子が表現されています。

〇「読書はどんな世代の人にも良い」とよく言われますが、その理由は人それぞれだと思います。私は生徒が「学び続ける」資質を身につけるという視点からですと、次の点を指摘できると考えています。

1 語彙や知識が増える

これは当然といえば当然ですが、普段触れる機会のない言葉や表現方法に触れる絶好のチャンスです。またこれからさまざまな表現や言い回しなどを覚える必要のある生徒たちには、ぜひとも読書を習慣にして欲しいと思います。さらに深い知識をもつ段階の生徒は、新しい知識を学ぶたびに、自身の「的確な判断力」や「幅広い創造力」にも磨きがかかっていくでしょう。人生は決断の連続です。正しい決断のためには、できるだけ判断材料は多いほうが、決断の精度が上がります。まさに読書はその判断材料を、脳へ蓄積している行為と言えます。

2 想像・創造力や共感力がアップ

次に著者や登場人物の考え方や知識に触れたり、文章には映像がない分、自分の「想像力」で内容を補う必要があったりすることで、結果としていろいろな力が養われます。読書している際中に、「これわかるなあ」「えーっ、どうしてそうなる」「たしかにそういう考え方もあるか」というように、自分とは違う人それぞれの価値観を知り、これまでで自分の考えを見直すことにつながります。生徒たちも社会人になれば、指示待ち人間ではいられません。与えられた情報や仕事をもとにして、どんどん新しい仕事を創り出していかなくてはならない状況に置かれます。日本ではどうしても「創造力」を高める教育が後回しにされてきた傾向にあり、読書により「想像・創造力」をアップさせることが有効だと思います。

〇本の読み方の一つは、自分の興味のある内容をとにかく掘り下げるように、幾つもの同じようなテーマの本を連続して読む方法があります。また一方でさまざま分野の本を読んでみることは、一見つながりのない分野どうしを結びつけて、新しいアイディアが生まれる可能性があります。要するにこれは必要ないと早々に決めつけずに、少しでも興味をもった分野は、片っ端から読書してみると、幅広い視野の形成にきっと役立つはずだと経験から感じます。今度機会をみつけて、お子様の本の読み方を少し尋ねてみてはいかかですか?

 須藤昌英

10月26日(水)ビオラの花鉢育成中

 

〇10月3日に富勢地域ふるさと協議会の皆さんと一緒に3年ボランティア生徒たちが移植したビオラが、秋の日差しを浴びて成長しています。正門わきのスペースは、歩道からもよく見えます。

〇毎朝登校したらすぐに、当番の3年生が愛情込めて水やりを行っているおかげで、紫の色が段々と濃くなってきています。来月の19日に、ご高齢の方のお宅にお届けする頃には、満開となっていることでしょう。

〇配付当日の11月19日(土)には、80名位の生徒数が必要なので、1・2年生に以下のようなボランティア募集をかけています。協力をお願いします。

須藤昌英

10月25日(火)県立柏高等学校の教諭2名が「他校種体験」

〇昨日、学区内にある千葉県立柏高等学校の若手教諭2名が、「他校種体験」として、朝から本校に学びに来ました。以前には本校の若手職員が富勢小学校へ同様の「他校種体験」をさせてもらいましたが、それぞれ高校や中学に入学する以前に、児童生徒がどんな学びをしているのかを、実際に見聞したり、発達段階の違いを肌感覚で感じ取ったりする経験はとても貴重で、教諭のキャリアアップにつながります。

〇理科の柴戸先生と書写・国語の牧島先生に話を伺うと、いろいろと高校と中学の違いが浮き彫りなります。まず中学生は朝からジャージなどに着替えて授業を受けていますが、高校では体育以外は制服が原則です。もちろん給食も高校はありませんので弁当持参です。また県立高校では一人一台のタブレット端末は貸与されておらず、必要に応じて自分のスマホなどを学習に活用していますので、2人の先生方は、「中学校はいいですね」と感心していました。

〇一人の先生はサッカー部顧問で、大勢いる部員の中で、新チームのキャプテン(高校2年生)は富勢中出身だそうです。もう一人の先生は書道部顧問ですが、大きな筆を使って字を書くパフォーマンスはせず、いろいろな書体の字を教室で丁寧に書いているそうです。

〇終わってから最後に一日の感想を尋ねると、やはり「生徒のタブレット端末や備え付けのプロジェクターなど、柏高校にはないのでうらやましいです」「柏高校も生徒には弁当を黙食をさせていますが、なかなか難しい状況です。しかし富勢中は徹底されていてびっくりしました」とありました。

〇来年4月からは本校3年生もお世話になるので、今後も連携していくことは大切です。

須藤昌英

(千葉県立柏高等学校ホームページより)