日誌

校長室より(令和2年度)

クラスに居場所がないと悩んでいる君へ(再掲)


日本を代表するボーカリストの甲本ヒロトさんを知っていますか。THE BLUE HEARTSとして、「リンダリンダ」や「TRAIN-TRAIN」などのヒット曲はあまりにも有名ですね。現在もザ・クロマニヨンズとして活動を続けています。お父さんやお母さんの世代の方が知っているかな?その甲本ヒロトさんの言葉です。ぜひ読んでください。

「学校に居場所がないと悩んでいる子に言ってあげられることはありますか?」という質問に対して、


「居場所あるよ。席あるじゃん。そこに黙って座ってりゃいいんだよ。友達なんていなくて当たり前なんだから。友達じゃねぇよ、クラスメイトなんて。たまたま同じ年に生まれた近所の奴が同じ部屋に集められただけじゃん。」
 
「趣味も違うのに友達になれるわけないじゃん。山手線に乗ってて、『はい、この車両全員仲よく友達ね』って言われても、『いや、偶然今一緒に乗ってるだけなんですけど』って。友達じゃねぇよ。」
 
「ただ、友達じゃないけどさ、喧嘩せず自分が降りる駅まで平和に乗ってられなきゃダメじゃない?その訓練じゃないか、学校は。友達でもない仲よしでもない好きでもない連中と喧嘩しないで平穏に暮らす練習をするのが学校じゃないか。だからいいよ、友達なんかいなくても。」

無理に仲良くする必要なんてないんです。でもみんなが気持ちよく暮らしていけるように、お互いを認め合う練習をするのが学級であり、学校なんですね。みんながこの電車を降りるのは卒業の時かな。それまで平和に乗っていてほしいし、もし苦しければいつでも相談に来てほしい。
 
Smile Diversity Update Challenge

FACTFULNESS

読み応えありました。まさに目からウロコでした。イメージや思い込み・勘違いを乗り越え、データに基づいて正しく世界を見ていくことの重要性を再確認しました。

ファクトフルネスの大まかなルール
・分断本能を抑えるには・・・大半の人がどこにいるか探そう
・ネガティブ本能を抑えるには・・・悪いニュースほど広まりやすいと覚えておこう
・直線本能を抑えるには・・・直線もいつかは曲がることを知ろう
・恐怖本能を抑えるには・・・リスクを計算しよう
・過大視本能を抑えるには・・・数字を比較しよう
・パターン本能を抑えるには・・・分類を疑おう
・宿命本能を抑えるには・・・ゆっくりとした変化でも変化していることを心にとめよう
・単純本能を抑えるには・・・一つの知識がすべてに応用できないことを覚えておこう
・犯人捜し本能を抑えるには・・・誰かを責めても問題は解決しないと肝に銘じよう
・焦り本能を抑えるには・・・小さな一歩を重ねよう

修学旅行アンケート

3年生の保護者を対象に修学旅行の実施についてのアンケートを実施しました。115件の回答をいただきました。ありがとうございます。様々なご意見があり、こうすれば正しいという答えはなかなか見つからないと思いますが、実施の可否に関わらず、子どもたちとしっかり対話をしていきたいと思います。最終的な判断は教育委員会が7月初旬までに行う予定です。

修学旅行に関するアンケート.pdf

リモートで3年生にお話ししました。

今年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止のために体育館で大勢が集まる集会を持つことができません。基本的には集会はZoomを活用したリモートで行います。今日は3年生に向けてお話をする機会をいただきましたので「自律(Self-control)について考える」というテーマで20分ほどお話をしました。「三日坊主は脳科学的には正しい」「継続するための工夫や仕掛けが必要」「忘れる自分を自覚するメタ認知の必要性」「手帳は自分をコントロールするための重要な仕掛け」「ルーティーンで無意識に行動を落とし込むこと」などが話の概要ですが、リモートとは言えよく聞いて反応してくれました。最後には学年委員長の岡田君からお礼の言葉までいただきました。こちらこそありがとう。今年の3年生は総合体育大会やコンクールの中止、体育祭などの行事も中止、修学旅行も未定という状況です。でも決して自分たちは運が悪いというようなネガティブな考えは持ってほしくない。こんな状況だからこそ「できること」「やるべきこと」「やりたいこと」を考えて実現していこう。いつでも校長室に話に来てください。









子どもたちに伝えたいこと


 新型コロナウイルス感染防止のため、多くの学校が長期休校となる中、不安を抱える子供たちに、解剖学者の養老孟司氏(82才)が、送ったメッセージが心に刺さりましたので紹介します。


 学校にも行けず、友達にも会えず、ひとりで部屋に閉じこもって寂しい思いをしているかもしれない。だけど、あなたを取り巻く世界は友達や学校だけだろうか。世界は見方によって、「対人の世界」と「対物の世界」に大きく分かれています。「ひとりで寂しい」というのは、「対人の世界」の話のことです。たとえば「将来の夢はユーチューバー」という子が増えているといいます。否定はしませんが、これは子供たちがいかに「対人の世界」だけで生きているかの表れだと思う。人からどう見られるか、人とどうつきあうか。こういう関心だけで世界が成り立っているのはもったいない。
 ぼくは小さい頃から、虫が好きでした。「対物の世界」です。きっと君たちの中にも、きのこに興味があったり魚釣りが好きだったり、花の名前を覚えるのが得意だったり、そういう子たちもたくさんいるんじゃないかと思う。

 実は今回のコロナ禍で、困っているのはみな、「対人の世界」の住人です。レストランにゲームセンター、カラオケに居酒屋。こうした“対人”サービスが苦境に陥っています。くらべて、「対物の世界」、農家さんや漁師さんの生活はそれほど大きく変わっていないように思えます。

 ぼく自身も、毎日、朝から虫を見て「対物の世界」に生きています。すごく平和ですよ。野山に虫を捕りに行っても誰にも会いません。田舎の山の中なので、出歩いていても、自粛自警団に叱責されることもありません。

 つまり、コロナに影響を受けない世界がある、ということも、君たちには知ってほしい。世界は1つだけではないのです。

 このところ、世界中でグローバリズムの必要性が盛んに唱えられてきました。日本もその中にあります。でも今回のコロナのパンデミックは、グローバル化による人の移動も原因です。これまで推奨されてきたグローバリズムは縮小し、代わりにナショナリズムが台頭するかもしれない。いずれにせよ、この後の世界をどうするのか、考えなければなりません。しかし一口に「考える」といっても難しい。実際、教え子の大学生を見ていても、過剰なサービスや過干渉な親に慣れているせいか、自分で考えて動ける力を持っている人は少ない。「考える」とは成熟することです。自分で考えられない大人を、成熟したとはいいません。考える力を磨く簡単な方法は、外に出ることです。

 コロナだから外に出たらだめだって? そんなことはありません。それこそ、どうやったら安全か。三密じゃない場所はどこか。帽子は、水筒は、着替えは…と想定して準備すればいい。それが「考える」ということです。「なぜ外に出てはいけないのか」と問い直すことも、「考える」ことかもしれません。

 考えながら外に出れば、まず体が反応するはずです。そもそも、ぼくらは「意識」を信頼しすぎているんです。自分の意識が体を動かしている、と思っているかもしれませんが、そんなことはありません。人間の場合、意識は本来、外の世界に対応するためにあるものです。

 自分の体は自然の一部なんですね。たとえば朝起きる。自分の意識が目覚めさせていますか? そうではなく、体が起きるから意識が戻るのです。眠るのもそう。意識して眠ることはできません。私たちは体という自然に従って生きているにすぎない。

 言い方を変えれば、人間は、自分の体すら意識でコントロールできない、ということです。それなのに、すべてをコントロールできると自惚れているから、地球温暖化や公害問題も起きてくる。今回のコロナは、人間には自然をコントロールすることはできない、という教訓でもある。思い通りにいかないことがあったとき、人間は「努力・辛抱・根性」の方法を学びます。

 もし私たちがそのことを学ばなかったら、コロナはただの災害になってしまう。おかしな言い回しだが、ぼくは「コロナがあってよかったね」と思えるような社会になることを望んでいます。


※女性セブン2020年6月4日号

【プロフィール】
解剖学者 養老孟司/神奈川生まれ。社会現象や人間の心理を脳科学や解剖学の知識を交えながら解説。1989年『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。2003年に発表した『バカの壁』は419万部の大ベストセラーとなり新語・流行語大賞も受賞した。