日誌

校長室より(令和2年度)

令和2年度末 保護者会挨拶

みなさんこんにちは。校長の藤崎でございます。本日はお忙しい中、保護者会にご参加いただきありがとうございます。また、オンラインでご参加されている皆様におかれましては、通信環境の関係で、不都合が出てしまうことがあるかもしれません。あらかじめお詫び申し上げます。

今年度も、中原中学校の教育活動に、ご理解ご協力をいただきありがとうございました。先週無事に卒業式を終え、157名の卒業生に卒業証書を渡すことができました。今年度はコロナ禍ということで様々な行事が中止、延期、規模の縮小と対応が余儀なくされておりましたが、そのような中でも、何ができるかと模索しながら様々なチャレンジをしてまいりました。その際に、PTAの役員さんをはじめ多くの保護者の皆様に多大なるご支援、ご理解をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

卒業式に先立って行われた三年生を送る会では、1,2年生がすばらしい取り組みを見せてくれました。3年生のために作成してくれた動画は中学生とは思えないクオリティの高さでした。そこに、オンラインの取り組みだけではなく、映像に合わせて3年生の廊下でハンドベルを演奏したり、グランドから合唱や呼びかけを行ったりと、対面で3年生に伝える工夫が加えられたことが、まさに今年度の取り組みを象徴していると感じました。多くの3年生から、感動と感謝の言葉が伝えられました。

そんな1,2年生の取り組みに対して、3年生からは、卒業式の予行練習の日に、1,2年生に対する感謝の気持ちを、同じようにグランドから合唱と呼びかけで伝えられました。

緊急事態宣言下での合唱の取り組みには賛否両論寄せられておりましたので、マスク着用と、ソーシャルディスタンスを意識してグランドでの実施といたしました。合わせて、卒業式中の合唱は中止にしたのですが、保護者に対しての感謝の気持ちを伝えたいと、グランドに保護者を招いて合唱と呼びかけを行いました。心のこもった素晴らしい合唱でした。

コロナ禍の令和2年度は、多くのチャンスを失う年度であったのと同時に、新しいチャンスに気づかせてくれた年度でもありました。次年度は生徒一人に1台のデバイスが与えられるGIGAスクール構想が実施されます。学校の通信環境も大幅に改善される予定です。子どもたちの成長のチャンスととらえ、前向きに取り組んでまいります。

1年間本当にありがとうございました。来年度も中原中学校の教育活動に、ご理解、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

第35回卒業式 校長式辞

令和2年度  第三十五回卒業証書授与式  『 校 長 式 辞 』
                   
柔らかな日差しに,正門の桜のつぼみも膨らみ,春の訪れを感じられる季節になりました。
このよき日に,柏市立中原中学校,第三十五回卒業証書授与式を行えますことに心より感謝申し上げます。またこのような状況の中,卒業式の実施に向けてご尽力いただいたすべての方々に,合わせてお礼申し上げます。    

さて,157名の卒業生の皆さん,ご卒業おめでとうございます。
今,みなさんが手にしている「卒業証書」は,中学校の全教育課程を修了したのと同時に,九年間の義務教育を修了したことの「証」であり,今後,自らの意志でそれぞれの人生を歩んでいくことの始まりを示すものです。この大きな節目を迎え,皆さんの胸には様々な思いがこみ上げているのではないでしょうか。
 
新型コロナウイルスが世界中を覆い尽くした結果,東京オリンピックの延期に象徴されるように,さまざまな行事が中止,延期,規模の縮小など,その対策を余儀なくされて,久しい時間が経過しました。皆さんにとっても中学校生活最後の年に,修学旅行や体育祭といった楽しみにしていた行事を中止にせざるを得ませんでした。しかし,コロナだからとあきらめるのではなく,何ができるかを考え,実行していこうと,皆さんは様々なことにチャレンジしてくれました。

クラウドファンディングで資金を募り,部活動の総決算の映像を制作したレインボープロジェクト。フェイスシールド越しに精一杯の思いを伝えた合唱コンクール。そして皆さんの思いを受け継いだ後輩たちが,3年生のためにと企画した全校体育大会。コロナ禍であったからこそ経験できたことも多かったと思います。とは言え,やはり失ったもののほうが大きかったかもしれません。校長として皆さんにお詫びしなければならないと感じています。ごめんなさい。

有識者からは,来たるべき時代を「ウイズコロナ」と定め,この現実を,むしろチャンスに切り替えることが必要だと,さまざまな提言がなされています。しかし,それは簡単なことではないでしょう。なぜなら,誰も正解を知らないからです。

平成の終わりに入学し,コロナ元年とも言うべき「令和」に卒業される皆さんは,これからのウイズコロナの時代をどう過ごし,どんな社会を生きていくのでしょうか。そして遠い将来,コロナ禍で過ごした中原中での学生生活を,どのように振り返るのでしょうか。

私は中原中に着任以来,ことあるごとに,変化の激しい社会を生き抜くために必要なこととして,「スマイル・ダイバーシティ・アップデート・チャレンジ」という四つのキーワードを伝えてきました。

これからも社会は大きく,変化するでしょう。もっと大きな災害や危機が待っているかもしれません。でも,確かなことが一つだけあります。「未来はあなたたちが作る」ということです。「未来はあなたたちの手の中にある」のです。より良い未来を作るために,笑顔を忘れず,多様性を認め,謙虚に学び続け,勇気をもって新しいことに挑戦してください。

最後に皆さんに詩の一説を送ります。アメリカのバイデン新大統領の就任式で22歳の詩人アマンダ・ゴーマンさんが朗読したものです。
 
私たちは違いを克服する 
未来を第一に考えるには 
互いの違いを脇にやらねばならないと知っているから

そして夜が明けたら 
熱く燃える私たちは 
恐れずに暗闇から足を踏み出す

新しい夜明けは 
私たちに解き放たれて花開く

光はつねにそこにある 
それを見る勇気さえあれば 
光となる勇気さえあれば

卒業生のみなさん,あなたたちこそが未来であり,光なのです。勇気をもって未来へ羽ばたいてください。

結びになりましたが,保護者の皆様にご挨拶申し上げます。
お子様のご卒業,誠におめでとうございます。心よりお慶びを申し上げます。また,三年間,本校の教育活動にご理解,ご協力をいただき,心より感謝申し上げます。

教職員一同,お子様の成長と今後のご活躍を心から願っています。
新しい人生の旅立ちに当たり,卒業生の今後の健やかな成長を祈って「式辞」といたします。
            
               令和三年三月十二日
                    柏市立中原中学校 校長  藤 崎 英 明

コロナ禍での3年生を送る会

 中原中の皆さんこんにちは。今年度はコロナ禍ということで、様々な行事が中止、延期、規模の縮小と、その対応を余儀なくされてきました。そんな中ですが、今日、こうして3年生を送る会を実施することができとてもうれしく思っています。私はこれまで様々な学校で、3年生を送る会を見てきましたが、その中でも、今年の中原中学校の3年生を送る会は、一番素晴らしかったと思っています。最も比較して点数をつけるようなものではないのですが、なぜそう感じたかというと、1年生、2年生の思いが強く表れていたからです。コロナだから対面での行事ができないとあきらめるのではなく、どうすればできるのか、どんなことができるのか、様々な工夫が見られました。心は見えません。でも心遣いは見えます。それは人に対する積極的な行為だからです。招待状、装飾、映像、そしてハンドベル、呼びかけ、合唱、すべてにその心遣いが見えました。これらを作り上げるために、どれだけの時間をかけて、思いを込めて準備をしてきたのか。きっと3年生に届いたと思います。1,2年生の皆さん、そして生徒会本部役員の皆さん。本当にありがとうございました。

 そして3年生のみなさん、今何を感じているでしょうか。明日はいよいよ公立高校の発表です。先日お伝えした通り、結果は出てしまった時点で過去ですから、どんな結果でも胸を張って中原中に戻ってきてください。そして、次はあなたたち3年生が後輩たちの思いにこたえる番です。残り少ない中原中学校での生活で、1,2年生に何を伝えられるか、しっかりと考えてください。残念ながら、卒業式には1,2年生は参加できませんが、卒業式の様子はオンラインで配信する予定です。最高の卒業式を見せてください。

行為の意味 宮澤章二

ーーーあなたの〈こころ〉はどんな形ですか
と 人に聞かれても答えようがない
自分にも他人にも〈こころ〉は見えない
けれど ほんとうに見えないのであろうか。
確かに〈こころ〉はだれにも見えない
けれど〈こころづかい〉は見えるのだ
それは 人に対する積極的な行為だから
同じように胸の中の思いは見えない
けれど〈思いやり〉はだれにでも見える
それも人に対する積極的な行為なのだから
あたたかい心が あたたかい行為になり
やさしい思いが やさしい行為になるとき
心も思いも初めて美しく生きる
ーーーそれは 人が人として生きることだ

行為の意味 青春前期の君たちに 宮澤章二著 ごま書房新社

「私たちが登る丘」

アメリカのバイデン新大統領の就任式で、22歳の詩人アマンダ・ゴーマンが朗読した「私たちが登る丘」という詩です。


夜が明けると、私たちは自問する

この果てなき暗闇の、どこに光を見出せようか?

私たちが抱える喪失

渡らなければならない海

私たちは窮地に果敢に立ち向かい

平穏が平和とは限らず

当然だと思われていた規範や考えが

正義とは限らないことを学んだ

それでも夜明けは

いつの間にか私たちのものだ

私たちはなんとか乗り切る

私たちは切り抜け、見届けてきた

壊れているのではなく、未完成の国を

私たちはこの国とこの時代の継承者だ

奴隷の子孫で母子家庭に育った

やせっぽちの黒人の少女が

大統領になる夢を持てる

そして気づけば

大統領のために詩を朗読している

もちろん私たちは、洗練からはほど遠く

清らかでもない

だからといって

完璧な団結を目指しているわけではない

私たちが目指すのは、目的を持った団結

人間のあらゆる文化、肌の色、性格、状況を重視する国を

作り上げるために

だから私たちは上を向いて

私たちの間に立ちはだかるものではなく

目の前にあるものを見据える

私たちは違いを克服する

未来を第一に考えるには

互いの違いを脇にやらねばならないと知っているから

私たちは武器を捨て

互いに手を差し伸べる

誰も傷つけず、全員の調和を求める

世界にこれだけは真実だと言わしめよう

私たちは悲しんだけれど、成長したと

傷付いたけれど、望みを持ったと

くたびれても、努力したと

そして私たちは永遠に結ばれ、勝利を手に入れると

それは私たちが二度と敗北しないからではなく

二度と分断の種をまかないから

聖書にはこう書かれている

人はそれぞれ自分のぶどうの木の下

いちじくの木の下に座り

脅かすものは何もないと

この時代に合った生き方をするならば

勝利は刃ではなく

私たちが架けてきた橋にある

それこそが、私たちが登る丘の先にある

明るい約束の地

登る勇気さえあれば

アメリカ人であることは

ただの継承された誇りではない

過去に足を踏み入れ

いかに修復するかということ

この国を分け合うよりも

粉々にしようとする勢力があった

民主主義を遅らせるためなら

国自体を破壊しかねない勢力

その試みは危うく完遂されるところだった

しかし民主主義が足止めされても

完全に敗北することはあり得ない

この真実

私たちが信じるこの信念

未来を見据える私たちを

歴史は見ている

現在は、私たちが初め恐れていた

贖罪の時代

こんな恐ろしい時代を受け継ぐ

心の準備はできていなかった

しかし、やがて私たちは

新しい章の書き手となる力を見つけた

自分たちに希望と笑顔を与える力を

「この惨事をどう克服できるというのか」というかつての疑問

今なら「惨事が私たちに勝てるわけがない」と答えられる

過去に後戻りするのではなく

未来に向かって進む

傷ついても完全で

寛大でも大胆で

激しくも自由な国

私たちは振り向かない

脅しにも屈しない

なぜなら行動を起こさず惰性に陥れば

次世代に受け継がれることを知っているから

私たちの過ちは、彼らの重荷となる

しかし1つだけ確かなことがある

慈悲と力を合わせ

力と正義を合わせれば

愛が私たちの遺産となり

子どもたちが生まれながらに持つ権利を変えられる

だから与えられた国よりも

良い国を残そう

私の高鳴る胸が呼吸をするたび

私たちはこの傷ついた国をすばらしいものに変える

西の黄金の丘から立ち上がる

祖先が革命を実現させた

風が吹き荒れる北東の地から立ち上がる

湖に囲まれた中西部の町から立ち上がる

太陽の照りつける南部から立ち上がる

再建し、和解し、回復する

私たちの国のあらゆる場所で

多様で美しい人々が立ち上がる

打ちのめされても美しい人々が

そして夜が明けたら

熱く燃える私たちは

恐れずに暗闇から足を踏み出す

新しい夜明けは

私たちに解き放たれて花開く

光はつねにそこにある

それを見る勇気さえあれば

光となる勇気さえあれば

 

アマンダ・ゴーマン

「ポストコロナ期を生きる君たちへ」

とても良い本です。図書室にあります。ぜひ読んでみてください。



 今回のコロナパンデミックによって、僕たちの世界はその「外装」を剥ぎ落されて、そのなんともみすぼらしい骨組みが露呈しました。
 グローバル資本主義というものは人・モノ・資本・情報が国民国家の国境線を自由に超えて超高速で行き来するというシステムのことです。でも感染拡大のせいで、電磁パルス以外の形状のものは簡単に国境を超えることができなくなりました。ブレグジット(イギリスのEU離脱)と「アメリカ=メキシコ国境の壁」に続いて、今度のパンデミックで、国境線といういずれ賞味期限が切れると思われていた政治幻想は強固な現実として再構築されました。
 グローバル資本主義は「金さえ出せば何でも買える」という信仰箇条の上に基礎づけられていましたが、実は「マスク」一つさえ買えないことがあるということもわかりました。「必要なものは・必要なときに・必要なだけ・金を出して買う」という「ジャスト・イン・タイム・システム」による在庫ゼロをスマートな経営の理想にしていた国はどこも医療器具・医薬品の戦略的備蓄の不足に苦しみました。「商品」として仮象しているモノのうちには「ほんとうに要るもの」と「ほんとうは要らないもの」があるということも、今回の教訓の一つでした。自動車やコンピュータは「あると便利」ですけれども、「ないと死ぬ」というものではありません。でも医療資源や食料やエネルギーは「ないと死ぬ」。そういう物資を他の商品と同列に扱うことはできません。でも、資本主義はその平明な事実を隠蔽してきた。「ほんとうに要るもの」を人々が市場で調達することを控えて自給し始めても「ほんとうは要らないもの」を手に入れるために命を削ることを止めても、資本主義は立ち行かなくなるからです。
 医療は商品だという信憑も崩れました。医療は金を出して買うものである、金がない者は医療を受けることができない。病気で苦しんでも自己責任だというのが新自由主義の時代の「常識」でした。でも一般の疾病はそれで済んでも、感染症相手にはその「常識」が通用しません。アメリカには2750万人の無保険者がいます。彼らは発症しても適切な治療が受けられないまま重症化します。放置しておけば、彼らを感染源にウイルスは蔓延し続ける。感染症は「全住民が等しく良質な医療を受けられる社会」でなければ抑制できない疾病です。そしてアメリカはこれまでそういう社会ではなかった。
 ウイルス一つによって、わずか数か月の間に、ほんの昨日までのこの世界の「常識」だと思われていたことのいくつかが無効を宣告されました。それがどのような歴史的な意味を持つことになるのか、人々はまだそのことを主題的には考え始めてはいません。日々の生活に追われて、そんな根源的なことを考える暇がありませんから。
 でも、中高生たちはこの「歴史的転換点」以後の世界を、これから長く生きなければなりません。彼らに「生き延びるために」有益な知見や情報を伝えることは年長者の義務だと僕は思います。

 「ポストコロナ期を生きる君たちへ」 内田樹 編 晶文社 より

正しい道

何が幸せかわからないです。
本当に、どんな辛いことでも、
それが正しい道を
進む中での出来事なら
峠の上りも下りも
みんな本当のしあわせに近づく
一歩ずつなのですから。


宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」より

「しあわせ」という価値観は大きく変化しているのかもしれません。コロナ禍にあって様々な制限の中で、ますますその価値が揺らいでいるように感じます。そもそも価値観を共有すること自体が難しい時代ともいえます。それでも本来人間が失ってはいけない普遍の真理があるはずです。真理とは哲学の言葉で、だれにとっても正しいこと。「正しい道」とはその「真理」のことだと思います。「正しい道」を進んでいきましょう。

泥の中に咲く「ハス」のように

泥の中に咲く「ハス」のように

扱う仕事がいかに卑しくとも、足がいかなる泥中を踏むとも、思想が高潔であれば、行う業務も尊くなり、足元の泥中よりハスの花が咲くにいたる。尊卑貴賎は仕事をする者の心に属することで、正しく清い心を持ち、心に欲を持たず、虚心に世を渡れば、必ず同じ志の人が現れ、あるいは隠れたままで我々を援助してくれる。しいて同じ志の者を求めなくとも自ずから友ができて、世渡りの道を全うするのである。

「世渡りの道」 新渡戸稲造 著 より

仕事をしていて思うことは、一人ではできないことも、仲間がいれば乗り越えていけるということ。いろいろと大変なことも周りに支えられてここまで来ることができたと実感している。本当の仲間を見つけるため答えが、この文章の中にある。

チャイムの鳴らない11日間

1,2年生へのメッセージ
 
 2学期が終わります。今年は休校期間があったため,冬休みも少し短くなってしまいました。時間がたつのは早いもので,令和2年度も休日をのぞくと,卒業式まで45日、修了式までは53日となりました。

 今年はコロナに翻弄された1年でした。休校からはじまり、旅行行事の中止、体育祭も中止、総合体育大会も中止、マスクや消毒は欠かせないものとなり、いまだかつてない学校生活を送らざるを得ない1年でした。それでも「できることに取り組もう」と様々なことに挑戦しました。授業動画の配信やオンラインでの朝の会、学習会などに取り組めたことは今後に生きてくるはずです。また10月終わりに実施された文化祭もオンラインで実施し,フェイスシールド越しではありましたが、どのクラスも素晴らしい歌声を披露し,各学級の「思い」を伝えてくれました。特に3年生は制限された練習にもかかわらず、例年に負けない素晴らしい歌声を聞かせてくれました。卒業式には何とか全校で歌いたいものです。
 
 11月に生徒会が企画してくれた全校体育大会はとても素晴らしい取り組みでした。企画・運営を生徒中心に行ったことは大変意義のあることだと思います。これからの学校行事は,これまで以上に生徒が主体となって実施していくようにするべきです。自分たちで課題を見つけ,解決・修正しながらプロジェクトを進めていくという経験を沢山してください。そして行事だけでなく,当事者意識をもって毎日の生活を見直してほしいのです。文化祭の最後に行われた生徒会引継式では3年生から1,2年生に伝統の襷が渡されました。2年生が中心となり,1年生がそれを支え,次年度に向けた準備を進めてください。

 みなさんにとって2学期は充実した時間だったでしょうか。成長することができたでしょうか。これまで経験してきたことを自分自身の成長の糧にしてください。11日間の少し短い冬休みが始まります。2学期の終了と令和2年の終りを期に,この1年間をしっかりと振り返って,来るべき2021に向けての準備をしましょう。充実した冬休みになることを祈っています。
3学期の始業式で元気な姿を見せてください。良いお年を。

3年生へのメッセージ

 2学期が終わります。卒業式まで実質2ヶ月を切りました。休みを除けば45日で君たちは義務教育を終えます。義務教育とは,日本国憲法の26条に「すべて国民は,法律の定めるところにより,その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育はこれを無償とする。」とあるように,君たちの保護者に課せられた義務を表わします。義務教育までは保護者や教師といった大人の保護を受けながら,嫌でも学校で勉強しなければならないわけです。では義務教育を終えるということはどういうことでしょうか。別に無理に進学する必要はなく,学校に行きたくなければ社会に出て働くことだって可能だということです。もちろん未成年である君たちにはさまざまな規制は残っています。しかし義務教育を修了するということは,「一人の社会人としての資質を身につけることが出来た」ということになるわけです。どうでしょう。一人の社会人としての資質は身についたでしょうか。君たちの大部分は自分で進学する道を選びました。もしかしたら,そんな難しいことを考えもせず,親の言うままに,あるいは周りにあわせて当たり前のように進学していく人がほとんどかもしれません。でも考えてください。これから少しずつではあるけれど君たちにも責任が要求されるということを…。
 冬休みは進路決定に向けた正念場です。プレッシャーもあるでしょう。どうしたってイライラするし,投げ出したくなることもあるはずです。でも,大丈夫。何とかなります。大切なのは客観的に自分を見つめる目を持つことです(メタ認知)。自分の行動を考えて,それが本当に正しいことか,そのときにすべきことかを考えてください。一時の誘惑に負けて,自分自身や大切な人たちを傷つけることがないようにしてください。
コロナに翻弄されながらも,やれるべきことにしっかりと取り組んでくれた3年生。特に文化祭ではどのクラスの歌声もすばらしく,各学級の「思い」が伝わりました。当日の歌声はもちろん,それまでの取り組みは評価に値するものだと思います。毎日の積み重ねを大切にして,卒業の歌につなげてください。
 3学期に入ると,進路決定者が続々と出てきます。進路が決定していない仲間が不安に思うことなく,最後の一人が進路を決定するまで,みんなで学びあう雰囲気を維持してください。この学年の仲間,先生方と一緒に生活できるのもあと45日です。みんなと共有できる残りの時間を大切にしながら,誇りを持って卒業していくために一日一日を大切にしてください。
 充実した冬休みになることを祈っています。良いお年を。

2学期保護者会「令和2年を振り返って」

 本日はお忙しい中,保護者会にご参加いただきありがとうございます。2学期も本校の教育活動に,ご理解とご協力をいただきましたこと,心より感謝申し上げます。
さて,令和2年もあと10日あまりで終わろうとしています。今年の流行語大賞は「3密」と決まったそうです。他にもトップテンの中にアベノマスクやアマビエ,オンライン,GoToなど新型コロナウイルスに関係する言葉が多数選ばれています。まさにウィズコロナの令和2年だったのではないでしょうか。
 学校は,年度初めの休校から始まり,6月の入学式,分散登校,旅行行事の中止,体育祭の中止と,今までに経験したことのないイレギュラーな1年でした。この1年で校長の私自身が一番実感し,学んだことは,「とにかくできることに挑戦してみる」ということです。学校や行政機関は失敗を恐れるあまり,新しい取り組みに慎重になる傾向があります。これはある意味仕方のないことかもしれません。しかしウィズコロナの状況にあって,子どもたちの健康安全を優先し,かつ学びを止めないことを考えた時,「まず挑戦」しなければ先に進むことができませんでした。4月,5月の休校期間中には授業動画の配信やZoomを活用した学級会等にいち早く取り組みました。今では各行事をオンラインで実施しています。オンラインを学校で活用したことで,通信環境の悪さやデバイスの不具合など,今後改善しなければならないことが見えてきました。それを踏まえて,10月に実施した文化祭では,専門の映像業者さんの力をお借りすることにしました。PTAの支援があったからこそできたことです。
 3年生の「レインボープロジェクト」ではクラウドファンディングに挑戦しました。お金が関わることなので当然賛否があり,厳しいご意見もいただきました。でもやってみたことで学校の外と新しいかかわりが生まれ,それが経験になったことは大きな成果です。3年生の生徒会の生徒たちにとって,またかかわった職員にとっても,大変意味のある体験学習だったと思います。何よりこれまで生徒から感染者を出さずに,新しいことに挑戦できたことは,大きな成果だと思います。次年度のGIGAスクール実施に向けての準備も進めております。生徒一人ひとりが一台のデバイスを持った時,新しくどんなことができるのか試行錯誤していきたいと思います。
 シリコンバレーのスタートアップ企業では「Fail fast Fail often(フェイルファスト・フェイルオフン)」という言葉がよく使われるそうです。「早く失敗しなさい,何度も失敗しなさい」という意味です。失敗を改善して次につなげることが前提となりますが,失敗を恐れて一歩踏み出せなければチャンスに乗り遅れてしまうということなのでしょう。子どもたちに身に着けさせるべき本当に必要な力は,失敗を恐れずに,他と対話し協働しながら,新しいことに挑戦し,失敗したら,そこから学び改善していくことができる力なのではないでしょうか。失敗したり,批判されたりしても,あきらめずにやり遂げることができる。その前提になるのが当事者意識です。自分の問題としてとらえるからこそ挑戦しようと思えるのです。誰かにやってもらうことに慣れてしまえば,失敗を人のせいにして,いつも不満を言う人になってしまうでしょう。コロナ禍ではそんな大人の姿も浮き彫りになってしまっているのかもしれません。中原中学校では当事者意識をもって挑戦できる生徒を,これからも育てていきたいと思います。

 Smile Diversity  Update  Challenge

柏市立中原中学校 校長 藤崎 英明

「Fail fast! Fail often!」

 大体、僕の人生は、いわゆる見たり、聞いたり、試したりで、それを総合してこうあるべきだということで進んできた。もしわからないようなことがあって、そのために本を読むんだったら、そのヒマに人に聞くことにしている。 (中略) さっきもいった通り、人生は見たり、聞いたり、試したりの三つの知恵でまとまっているが、その中で一番大切なのは試したりであると僕は思う。ところが世の中の技術屋というもの、見たり、聞いたりが多くて、試したりがほとんどない。僕は見たり聞いたりするが、それ以上に試すことをやっている。その代わり失敗も多い。ありふれたことだけど、失敗と成功はうらはらになっている。みんな失敗をいとうもんだから、成功のチャンスも少ない。本田が伸びた伸びたって、最近みんなが不思議がるが、タネを明かせばこれ以外にない。


井深大 著 「わが友 本田宗一郎」(文春文庫)の本田氏の言葉より


※井深
 大は、日本の電子技術者および実業家。 盛田昭夫とともにソニーの創業者の一人。

※本田 宗一郎は、日本の実業家、技術者。輸送用機器メーカー本田技研工業の創業者。


シリコンバレーのスタートアップ企業では、
「Fail fast! Fail often!」という言葉がよく使われるそうです。「早く失敗しなさい、たくさん失敗しなさい」という意味です。失敗を恐れて挑戦しないとチャンスを失うということでしょう。学校は生徒たちにもっと失敗の経験を踏ませるべきなのだと思います。