校長ブログ

「義理人情!?」その1(校長ブログ)

 「読書の秋」・・・みなさん,読書してますか?

今回は,私が最近読んだ本の話をさせていただきます。

  その物語は,東京下町の商店街に引っ越して居酒屋を経営する夫婦と,

幼かった娘二人。その4人家族と商店街の人々との関わり合いが綴られています。

所々に,日本酒の銘柄や特徴,どんな料理が合うかが事細かく紹介してあるので

読者は,きっと酒や料理を趣味とされる方対象かと思います。

 読みはじめると,いつもと違う魅力がありました。

登場人物すべての人が「義理人情」の塊なのです。

年齢も仕事も人間関係もばらばらですが,誰もが「~のために」の言動が

書き描かれています。

親子兄弟ならまだしも,同じ商店街に引っ越してきたというだけで,

店主の娘をまるで「我が子」のように接しているのです。

時には「たとえ自分が嫌われることになっても,当人のためだ」と

厳しい言葉を浴びせたりする事などには驚かされます。

さらに,そんな思いやりの心を,娘自身は真摯に受け,感謝する事も忘れていません。

 この本に主人公はいません。場面ごとに中心人物が変わり,

店主と客,姉と妹,夫と妻,嫁と姑,そして親と子・・・など,

いろいろな人間関係での義理人情が鮮明に描かれています。

 

 現在は,近所の住人すら知らないという事も珍しくない世の中ですが,

たしかにこの「義理人情」は,日本人には欠かす事のできない特徴でした。

私は,この本にある,昔ながらの「ショッピングプラザ下町」に

住んでみたいと感じました。

 それで,ふと思った事があります。

それは,この商店街が本校の学区に似ているなという事です。

保護者はもちろん,地域の方々やいろいろな団体が関わってくれ,

本校児童を見守ってくれています。

おそらくお年寄りの中には,すでに孫も子も通っていない方も

相当いるのではないでしょうか。

それでも,雨風が強い日も下校見守りをしてくださったり,

朝の交通安全指導をしてくださったりしています。

そのような「義理人情」の厚い方々に見守られているから,

本校の子どもたちは思いやりがあり,また優しくしてくれた事を

素直に喜ぶ心が培われているのだと思います。

「いい学校だなあ」とあらためて感じました。

 ここまで話して,また「あれ?」と思った事がありました。

が,長くなったので続きは次回にします。

 

*写真は本校学校図書館の様子です