校長ブログ

学校の挑戦

3学期に入ってから、学校では、「まずはやってみよう!」の精神で、様々な取組を行っています。

一つ目は、全学年で自由進度学習を行うというものです。

「自由進度学習」とは、児童が学習計画を立てて学習を進める方法であり、自分のペースで自分に合ったやり方で学びを進めていくことができます。よく、「一人で学習を進めていると、分からないことがあってもそのままになってしまって、学習が遅れてしまうのではないか」、「遊んでしまうのではないか」、「孤立した学びになるのでは?」といった心配も聞くのですが、そういった不安は根底に「子どもは教えないと学べない」という考え方があるように思います。しかし、元々子どもは有能な学び手です。遊びながら、生活しながら、色々なことを覚え、できるようになってきたのではないかと思います。私達は、そのような子どもたちの力を信じ、学校教育目標である「自ら学ぶ子」を育てていこうというのが今回の試みです。

実は、5年生は、年間を通して、単元内自由進度学習に取り組んでいました。この度、それをまとめた担任の実践論文が柏市で表彰を受け、私達にとっても大きな自信になりました。

「令和の日本型学校教育」は、全ての子どもたちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びの実現を目指しています。これまでの一斉授業は「教える」ことが中心でしたが、これからは子どもが主体となって「学ぶ」ことを目指していこうというものです。一斉授業がなくなるわけではありませんが、子どもが主体となる学びはどんどん進めていきたいと考えています。

二つ目の取組は、異年齢での学びです。1月に1週間、3学年ずつの縦割りで算数の学習を行いました。本校の強みは、小規模校で縦割り活動が盛んなところです。異年齢の関わりは、自然なこととして子どもたちにも浸透しています。それを学習にも取り入れてみようというのが二つ目の試みです。

算数の学習は、自由進度学習で行いました。学年も違う、学習の進度も違うという環境の中で、子どもたちは自分の学びに集中しながら、時には異年齢で教え合ったり、友達と学び合ったりする姿が見られました。それぞれのペースを見守り、個性を尊重する雰囲気は、あたたかく穏やかでした。小規模校の不安としては、人間関係の固定化が挙げられます。異年齢の学習は、それを解決する一つになるのではないかと思われました。また、同時に担任の交換授業も行いました。教科担当制への挑戦です。

これも、児童と先生との関係を固定化させない工夫です。いつもとは違う先生の授業は、新鮮さがあるようで、目を輝かせて、前のめりで学習する様子が印象的でした。

三つ目は、交流給食です。異年齢で学習したときのグループで、給食を食べてみようというのが三つ目の挑戦になります。異年齢での給食は、学習の時とは違って、お互いにおしゃべりする姿が多く見られました。リラックスしている雰囲気も増し、高学年では、輪になって顔を見合わせながら食べる様子が見られました。給食は楽しくが基本であると思います。最近は、家族みんなで食事をするという家庭も少なくなってきているのではないでしょうか。誰かと一緒に食べる、みんなと一緒に楽しく食べるという時間を学校の中では体験させてあげたいと思っています。また、先生方にもゆっくりと給食を食べてほしいと思っています。教師の多くは早食いの傾向があると思います。それは、給食指導中は、味わって食べる暇がないからです。それを変えるためにはどうしたらいいのか、食缶を少なくして、配膳を少なくして準備はできないか、2クラス合同で給食が食べられないか等、色々と考え、とりあえずやってみようで試してみました。

こうした様々な挑戦ができるのは、本校職員のお陰です。本当に素敵な先生方です。校長として有り難い限りです。

学校の挑戦はこれからも続きます。それは、子どもたちだけでなく、先生方や、保護者の方々、地域の方々、みんなの幸せのためです。そして未来の社会を幸せにするためです。

どうかあたたかく見守って頂き、応援していただければと思います。