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19秒41

 このタイムは白血病から復帰をめざす水泳の池江璃花子選手が406日ぶりにプールに入り、ビート板を使ってバタ足による25mのタイムです。「あの頃は15秒。このタイム、しっかりと記録しておいてくださいね」という池江選手の表情はとっても嬉しそうでした。昨夜のドキュメンタリー番組(NHK)でのシーン。きっとご覧になった方も多いかもしれませんね。オリンピックをめざし、加速をしていた頃に比べ、体重は10㎏も減り、腕も足もアスリートの面影はありません(目だけは今までと変わらなかったかな…)。病院での闘病生活も紹介され、カメラが回っていることでできる限り表情の明るさを保ってはいるものの、それでもその辛さが伝わってきます。1年以上にわたる治療を思い、その辛さを思うと、大変さばかりが想像できます。トレーニングを開始できるまでにはなったものの、小学生の頃にはできていた家の“特設うんてい”も全くできません。それでも少しずつ、少しずつ、…そしてプールに入ることを許可されてのシーンでした。「気持ちいい!」という表情は、新記録を出したときの表情とは違う嬉しさが伝わってくるようでした。
 当たり前のことはいつか突然、当たり前でなくなる。当たり前のことが当たり前にできる喜び。病気を経験した今、自分が泳ぐことで闘病生活を送っている人の励みになる。意識する人が広がった。…印象的な言葉がたくさんありました。6月に学校が再開されたら「やったあ、学校に行けるぞ!みんなに会えるぞ!勉強できるぞ!」と子供たちは感じ、できる喜びを感じながら意欲的に取り組む子供たち…そんなことを考えてしまいました。
 昨日で3日間の対面日が終わりました。元気な子供たちに会えてホッとしたことは嬉しいことですが、課題をなかなかやらない、嫌いな漢字には取り組まない、ゲーム三昧、…そんな声も聞きました。当たり前のことができなかった休校中に生まれた課題もあるようです。意欲については昨日もお伝えしましたが、子供たちの「嫌なことはやらない」姿勢についてはしっかりと向き合っていきたいと思います。
 「辛いことを経験した」ことは子供たちも池江璃花子選手も同じです。きっとこの経験は次の行動に何かしらの影響を与えるはず…それが良い方に向かうように家庭と連携していきたいですね。「元のようには戻れない」と池江選手も言っていましたが、これは決して悲観的な意味ではありません。トップアスリートへの道は平坦ではないでしょうが、乗り越えるための工夫は今までと違うはずです。このことを子供たちにも当てはめていきたいと思いました。昨日の番組がこの時期に放送って、きっと何か意味があると感じました。
 保護者の皆様、昨日までの対面日へのご理解とご協力、ありがとうございました。明日からは「学校再開への準備期間」です。どうぞよろしくお願いします。