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2023年7月の記事一覧
悩み多き年ごろ
3年間の集大成である夏の総体が近づいている3年生ですが、同時に
進路についても今まで以上に向き合う必要のある夏が近づいてます。
担任と面談をする生徒達の話を聞くと、夢を叶えるための免許を取得
できる大学まで進学するビジョンを持っていたり、安くはない諸経費
を払って塾の夏季講習を受けるかどうか、家庭の事まで考慮して夏の
勉強方法を考えていたりと、各々がしっかりと受験と向き合っている
様子が伝わってきました。
部活動に燃える生徒にとっては部活に専念したい時期かとは思いますが、
生徒達は自分の将来のため、高校のリサーチや実力テストの自己採点
など、テストの点数を延ばす以外のことも力を入れています。
スポーツ医学も学べる技術科
ミニトマトの栽培というと、小学校2年生というイメージがありますが
中学校2年生も技術科の授業でミニトマトを栽培しています。育てている
場所は生徒達の自宅であるため、細かく観察している姿を保護者の方々も
目の当たりにし、生徒達の成長を実感しているかもしれません。
観察日記には「大きな鉢に植え替えたら大きくなった」「日光に当てたら
元気になった」などなど、生徒達が試行錯誤してミニトマトを栽培している
様子がうかがえるとともに「母親に世話をお願いした」「兄にいたずら
をされた」などの家族との関わりも分かる面白いものになっています。
トマトの縦の成長を抑え、横に大きくして収穫量を多くする技術「摘芯」
を「関東中学生陸上競技選抜合宿」のコーチを務める技術科の教員が解説
する時には、子どもが過度な筋力トレーニングをすると身長が伸びづらく
なるメカニズムも交えて説明していました。(筋肉の修復にエネルギーが
取られ、骨の成長に十分なエネルギーが行き渡らないという説があるそう
です)
生徒達のマメな観察記録によって、色々な気付きや面白さに溢れた楽しそう
な授業となっています。
生きてる
答えは1つだけですが、そこに至るまでの過程や考え方は何通り
かある数学。1年生では、6本の棒で構成された図形が100個
連続で並んでいる時の計算式を考えていました。
過程や考え方が何通りかあれば、生徒達の考えのまとめ方にも
いくつか方法があります。考えをまとめたタブレットには、文字
による解説だったり図による解説だったりと生徒達の個性が溢れて
おり、同じ計算式で答えを求めた生徒でも、同じように解説をした
タブレットのデータは無いのではないでしょうか?
生徒達により違った発表をするため、クラスによってまったく違う
展開が繰り広げられる、生きた授業となっていたのではないでしょうか?
風流
菜の花学級では短冊に願い事を書いて黒板に張り付けており、季節に
あった活動をしています。学級の人数じたいは少ない菜の花ですが、
1人で何枚も短冊を書いくことで、とても見栄えのする賑やかな笹
となっていました。願い事といえど、いくつも上げるとなると意外
と考える必要もあるため、自分や周囲の物事をしっかりと見つめる
ことが出来た証拠のようにも思います。
また、願い事は自分達だけでなく教室に訪れた職員にまで書かせて
くれるという優しさを見せてくれます。後から来た職員が図々しくも
笹のセンターの一番上という、一番良さそうな位置に短冊を貼っても
笑って許してくれる、懐の深い菜の花学級でした。
心のこもった壮行会
本日行われた部活動壮行会では、全校生徒による応援がありましたが、練習は
本番前に実施した3回のみでした。まさに「ぶっつけ本番」という表現が正しい
ように感じる応援でしたが、体育祭でも活躍した2年生の応援団が3年生すら
引っ張るほどの堂々としたリーダーシップを発揮して見事に成功を収めていました。
練習すら全力で声を出していたため、体育館の外で待機していた選手達には
丸聞こえだったかと思いますが、練習すら全力を出す応援団の心意気は、ある
意味本番の声援よりもグッとくるものがあるようにも思います。
生徒会としての進行役と吹奏楽部としての入退場のBGM演奏の二足の草鞋を履く
生徒は、体育館前面で閉会の言葉を言ったとたん、体育館後方までダッシュして
演奏の準備をします。学校代表の選手達のため、多くの生徒が奮闘する素晴らしい
壮行会でした。
(選手達の決意表明は「保護者用ページ」の各部活動のページをご覧ください。)
関西の未来を憂う2年生
言葉のイントネーションから関西出身であることが一瞬で解る2学年
の社会科担当教員から「大阪が今後発展するかどうか?」という学習
問題を出される2年生。衰退しますとは言いづらい雰囲気に感じますが、
生徒達は交通や自然といった条件から大阪の強みや問題点を想像して
忌憚のない意見を発表しています。意見の中には2年後の大阪万博の
影響を考慮しているものもあり、生徒達が時事的な話題もしっかりと
勉強していることが伝わってきます。
大阪についての学習が終わると次は京都についての勉強となりますが
黒板に書かれた学習問題は「京都の伝統を守り続けるべきか?」という
もの。修学旅行の定番であり外国人旅行客も多く訪れる京都は、守って
当然という、ある種の崇拝のようなものが日本人にはあると思います。
しかし、観光地としてにぎわう一方、現地で暮らす人には不便なことも
あるということが学習を進める中で解ってきます。すると、少数ながらも
京都の建造物に手を付けるべきではないかという意見も上がってきました。
色々な立場から物事を見て、当たり前を疑える2年生ならば、日本の未来
を変えてくれるのではないかと思わせてくれる授業でした。
迷える学習委員
3年生の廊下には「修学旅行新聞」が貼られています。修学旅行終了後は
体育祭・中間テストと行事が続き、なかなか集中して新聞づくりに取り組む
時間が少なかったようにも思えますが、完成した作品はそんなことを微塵も
感じさせない傑作ばかりです。
完成した新聞が揃うと、学習委員会の生徒達による厳正なる審査の元に様々
な賞が贈られる「新聞コンテスト」が開催されます。学年トップクラスの
作品は甲乙つけがたいようで、学習委員会が集まる審査室では「どっちも
同じ(くらい上手)に見える」という声が聞こえてきました。それでも
審査員としての役割を果たすべく1枚1枚の新聞を丁寧に読み込み、時に
相談しながら仕事を進めていました。
学習委員会の心を掴み見事に受賞を果たした新聞には特製の勲章が付け
られていますが、確かにどの新聞も惚れ惚れしてしまうほどの美しさを
放っています。
ありがとう小魚
理科の授業で生物の体の仕組みについて勉強する1年生は、煮干し
を解剖して骨・筋肉・臓器などが体のどこにあるかを調べていました。
大きさは異なるものの、給食にもよく出てくる「小魚」は生徒達にも
馴染みのあるものかと思いますが、食べるのではなく解剖するとなると
話は変わってきます。小さい体の中から、該当すると思われる臓器を
摘出してプリントに貼るのですが、全ての臓器を見極めることには
苦戦しているようにも見えました。しかし、よく目を凝らして解剖を
進め、課題である9つの部位を摘出する器用な生徒もいました。普段
は一口で食べてしまう小魚ですが、こうした実験を見ていると、自分達と
同じ生き物なのだと実感が湧き、小魚への感謝の念がこみ上げてきます。
解剖をしない教室での授業でも生徒達は見事な集中力を発揮し、生物の
体の構造についてのプリントに合格スタンプをもらおうと、プリントの
解答欄が埋まった瞬間に挙手をしていました。