校長室より

青いジャージの人たち(校長室より)

いくつかの教室に青いジャージの人がいます。さて、誰でしょう。

職場体験にやって来た南部中学校の2年生5人です。

全員、私がこの学校で最初に出会った2年前の6年生だった子たちです。

2年経過して、小学生に交じった姿を見ると、体、雰囲気、一人一人大きな成長を感じます。

今回、教室で先生や子どもたちをそばで見ていても、何をすべきか考えてもうかんでくることはないし、言われたことしかできないと思います。時間の経過が長く感じられたのではないかと思っていたのですが、帰り際に声をかけたところ、「あっと言う間でした」とキラキラした笑顔を見せてくれた子もいました。2日間がんばってくださいね。

 

職場体験、私も柏二中の2年生の時に経験しました。45年前です。ずいぶん昔からの取り組みです。私は、当時松葉町にあった工場で2日間体験をさせていただきました。体験が終わった後は「□□に行ったら、お土産は○○だった」「いいなあ」とか集まった男子でそんなことを話題にしていたように記憶しています。お土産の話に花が咲くとは、それだけ、仕事をするということに対してはまだまだ自分事として捉えられなかったのだと思います。きちんと捉えていた友達もいたとは思います。

 「仕事というのは社会に空いた穴である」とは解剖学者の養老孟司氏が著書「バカの壁」のなかで述べられた言葉です。「穴は誰かが埋めなければおちおち歩けないので、気づいたら埋めていかなければならない。この穴は俺の穴じゃないとか、俺に合ってないとか、そういうことではない」というようなことが書いてあったと記憶しています。

 

小学生にとって、小学校で仕事と言えば、「清掃」があります。掃除はきちんとできないのに、外での仕事体験は面白そうだからやる、では仕事に対する意識としてずれてると私は思っています。そんなわけで、小学校では、汚いところをきれいにする清掃のような、「目の前にある穴をまずは埋める」ことができる子を育てる、それをキャリア教育のスタートとして考えています。

 

教員のなり手不足、が話題になることがある中ですが、先日、東葛飾教育事務所長のお話を伺う機会がありました。子どもにとって「最も身近に感じられる仕事が教師」「毎日がキャリア教育」「働く人のロールモデル」というような言葉が出てきました。

 

今日来た中学生も、たった2日間ではありますが、子どもたちと関わりながら、先生方の日常に改めて触れながら、そして中学校での日常的な仕事をする中で、仕事に対する思いを少しずつ育てていってほしいと思います。そして、縁があって、ぜひ教職への道を選んでもらえたら、なんて思います。14歳ですから早ければ10年たたないうちにそんなことが起こるかもしれないと思うとわくわくします。