令和4年度 校長室より

3人組(校長室より)

担任をしている時に子どもたちに色々な話をした中に「3人組には注意が必要」という話があります。
もしこの地球に、人がたった一人しかいなかったら…。


けんかはないし、怒られることもないし、自由だし、好きに生きていけるかもね。でも、話し相手もいないしさみしいかも。

では、そこにもう一人現れたとする。

色々話せるし、一緒に遊べる、楽しいことが増えるかも。でも、時にはけんかをすることもある。そんな時は「もういやだ、遊ばない」と離れるかも知れない。

そうなると、何が起こるか。またそれぞれひとりぼっちになる。

いやな思いをしなくてすむ。けんかもしなくてすむ。

でも時間がたてば、また話したくなったり遊びたくなったりするかも知れない。そうやって、近づいていく。

そしてとりあえず安定する。

 

では、そこにもう一人現れたらどうなるか。

一人増えたことで、話はさらに盛り上がり、遊びの種類も増えて楽しくなるかも。もちろん、けんかも盛り上がるかもね。3人の意見があるわけだから。

「もういやだ、遊ばない」と離れる。

さて、その後どうなるか。

こうなることがある。

2対1。


2人いる方は安定する。一人はさみしいから、仲間がいると安心だもんね。それをわかっているのに、あっちにいる一人に気遣うことができない。それはそうだな、こっちは二人で安定しているから。ましてや子どもだし。

で、一人の方が歩み寄っていければ良いけど、歩み寄っていけない場合もある。二人の方から声をかけてくれるともかぎらない。だって安定しているんだから。ひとりぼっちの子は一人のまま…。

いつもそうなるとは限らないけれど「3人組には注意が必要」ということを知っておくことは大切なことだよ。ふとしたときに「あっ、今、俺3人組になってる」「あっ、私3人組になってる」と気づいて、「注意!」って思えたら、すっとその場を離れたり、もう一人引き込んだり、バランス取らなくちゃと気を回したり、自分でも危険が回避できるかも知れないよね。

というような話です。いやいや先生、私はなかよし3人組でいつも問題なく過ごしていますよ、という方もいらっしゃるかもしれませんが、長年子どもたちと過ごしていると、どうもこの「3人組には注意が必要」はあながち間違ってるとは言えないと実感しています。
念のためですが、3人組がいけないと言っているわけではありません。

子ども3人で上手にバランスをとることはなかなか難しいんだよ、ということを大人も子どもも知っておくことで、悲しいことを回避できる可能性や落ち着いて対応できるチャンスは生まれます。自分の身は自分で守るためにも、ぜひ、頭に止めておきたいことです。ちなみに、昨日、職員にもこの話は紙に書いて伝えました。

色々な経験をしながら、日々成長を続ける子どもたち。気になることがあるときは遠慮なくご相談ください。