校長室より

桜(校長室より)

木によって差はありますが、校庭の桜の花がかなり開いてきました。

 

桜の花を見ると、必ず思い出す話があります。

 

6年前にいた学校でお世話になった校長先生のその年の修了式でのお話です。

 

桜は、その木の一輪目に咲いた花は、その木の最後のつぼみが花開くまで、ずっと咲き続けている。二輪目も三輪目も同じように咲き続ける。だから「満開」という状態が起こる。先に咲いたから、先に散るのではなく、最後までみんなが咲くのを待っている。早い人、遅い人、いろんな人が学校にはいる。みんなも、そんな風に待っていられる、みんなでみんなの成長を喜べる人になってほしい、そんな願いもあって小学校などの学校に植えられているのかも知れない。

 

あらすじはそのようなお話でした。

 

今咲いている敷地内の数本ある桜の木も、その木ごとに最初の方に咲いた花たちは、その木の最後の花が咲くまで長い時間じっと待ち、最後の花が咲く瞬間を待っている。そしてその時が来たら「やったぜ、みんな」とはらはら散っていく。

 

そうだとしたら、今、最後の花を待っている花たちは雨にも風にも負けずにがんばって踏ん張って咲き続けているのだろうなと思うと、応援したい気持ちがわいてきます。

 

1年間、新しい学年、新しいクラス、新しいクラスメイト、新しい先生とともに生活を続けてきた子どもたち。大人なら理屈でわかることでも、子どもは子どもという生き物ですから、大人が思うように考えることができない、行動できないことがたくさんあります。小さいことから大きいことまで、本当にたくさんのトラブルを経験し、乗り越えながら成長していく、我々大人もそうやって子ども時代を過ごしてきたのです。忘れてしまっているのだけれど。

 

そういう意味で、子どもたちにとっての今は修行の期間。完成なんてまだまだまだまだ先のこと、そんな思いを持ちながら子どもたちを見てきました。

 

自分たちでどんどん正しく進んでくれたらどんなに大人(教職員も保護者の皆さん)も楽になるか、と思いたくなる気持ちはありますが、それは先の話です。しばらく手がかかる期間は続きます。子どもですから。

 

人との関わりの中で、少しずつ少しずつ大きくなっていくのです。関わりをやめることはできません。

 

今年度の学校生活も残すところあと2日です。でもまだまだ今の場所での成長を。そして、また4月を迎えます。