校長室より

まだまだこれからなのです(校長室より)

一年生の教室です。


全く別の場所で生まれて、それぞれの環境の中で育ち、別々の幼稚園や保育園に通った子どもたちが、ある年齢になったタイミングで小学校に入学します。

生活経験もばらばら、知識もバラバラ、同じクラスに集まって1学期がスタートして、6月。

自分のことに一生懸命になれる子もいれば、周りが気になって仕方のない子もいます。先生の話を聞ける子もいれば、手いたずらをしていて一歩出遅れる子もいます。学習環境で言えば、学習用具がそろっている子もいれば、忘れてきている子もいます。筆箱の中身が整頓されている子もいれば、この時期にすでに鉛筆が1本しか入ってなかったり先が丸い物ばかりの子もいます。

人間関係で言えば、相手に言葉で思いを伝えられる子もいれば、うまく話せなくて友達に手を出してしまう子もいます。素直に謝れる子もいれば、意地を張ってしまう子もいます。

それでも、同じ教室で生活していくためには、考え方はそろわなくても、行動がそろわないことには先に進めません。

「ほめてほしい」というよりは、「見てほしい」というのが子どもたちの思いです。学校では大人数を相手にしているのでなかなか1人1人十分に満たしてあげられない部分も多いのは申し訳ありません。もちろん子どもを見るのは学校だけではありません。家庭だからこそできることもあるのだとすれば、たっぷり見てあげてほしいと思います。1年生にはなりましたが、まだまだ手を離すには早すぎます。

小学校6年間、中学校3年間、合わせて9年間の義務教育。この期間は、基本的なことをたくさん学んでほしい期間です。良いこともそうでないことも、とことん経験した上で血肉にしていってほしいわけです。若いときの苦労は買ってでもしろ、っていう言葉もあります。(若いというより幼いが正解な年齢だけれども。)できないことばかりでもよいのです。できなくてもあきらめずに少しずつできるようになっていけば良いのです。

思いつくままに書いてしまいましたが、やはり思うのは、この1日1日が確実に子どもたちを土南部小学校の1年生にしていくということです。願いを持ってかけた言葉なら、それがうまく響かなくても、むだということにはならないと信じています。関わることはあきらめずに、今日も明日も先生方の働きかけは続きます。

保護者のみなさん、学校のことで心配なことがあるときは遠慮なくお知らせください。