創立79年目 学び成長し続ける富勢中
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校長雑感ブログ
12月3日(火)合格祈願マンホールカード
〇先日の広報かしわの掲示板に「合格祈願のマンホールカードをプレゼント」と題し、「丸いから『落ちない』、表面の凹凸で『滑らない』というマンホールの特徴にあやかり、マンホールカードで受験生や資格試験などを控える方を応援します」とありました。一人1枚先着500名とあったので、早速朝の9時にかしわインフォメーションセンターに行き、もらってきました。
〇全国には様々な合格祈願グッズがあります。神社のお守りや絵馬、お寺の達磨や破魔矢などは定番でしょう。語呂合わせで五角形の物が「五角形(合格)」を連想させるので、五角形の鉛筆やはし、私も大学受験の際に使っていましたが五角形のマグカップなどがあります。昨年の卒業生の時には、広島県の「宮島の合格しゃもじ」を校長室に飾っていましたが、今でもあります。
〇静岡県の大井川鐵道には「合格駅」があります。受験生にとって縁起の良いこの駅は、1927年に大井川鐵道が初めて部分開業した日に営業を開始した歴史ある駅ですが、元の駅名は確か「五和(ごか)駅」でした。私も昔3年生担任だった際に、現地に行き何だか忘れましたが何かのグッズを購入した記憶があります。
〇調べるとこの願掛け(お守り)の起源は縄文時代にさかのぼるようで、当時の人々が魔除けとして勾玉を身につけていたのが始まりだそうです。その後日本に仏教が伝播し寺で呪符が配られるようになり、さらに平安時代後期の懸守(かけまもり)には、仏像が彫られた木製の円柱が納められていたようです。いつの時代にも人間は、祈りと共に生きていたということでしょう。
〇今回はマンホールですが、世の中では珍しいマンホールを撮影して歩く人がいたり、「マンホール女子」という言葉もあったりします。各地ではマンホールにスポットを当てたイベント等も開催されており、予想外といっては失礼ですが、マンホールがひそかなブームとなっています。
〇東京の湯島天神は学問の神様で有名ですが、「合格守」というお守りはないそうで、そもそも普段からの勉学の成果が合格に結びつくものであるという考え方から、「学業成就」「学業守」となっているのだそうです。私もこれが本当ではないかと思います。合格祈願・学業成就は本人の努力が一番肝要で、それを精神的にサポートしてくれるのがお守りであり、たとえ受験の結果がどうであれその努力した経験こそ次にいきてくるのだと思います。
〇今年の修学旅行でも何クラスかは、学問の神様と言われる菅原道真を祀る京都の北野天満宮に団体参拝し、祈祷を受けてお札を授かりましたが、これも確か「学業成就」と書いてあったと思います。今は高校や大学の受験の際に祈願する人がほとんどでしたが、昔はもっと幅広く職人ならばその技能を、武士ならばその武芸の上達を願っていたのでしょう。
〇昨日の午後は本校の進路検討委員会を開き、現時点での3年生全員の進路希望先を確認しました。以前にも書きましたが、進路指導は窓口である担任が生徒や保護者とやりとりをし、その経過はすべてこの委員会に報告されます。この委員会の委員長は校長ですので、先月まで行ってきた生徒との校長面接の中で本人が述べていたこと(やりたいことや将来の夢)を思い出しながら参加しました。
〇きっとこの「柏市版マンホールカード」が、学び成長し続ける本校の3年生たちの奮闘を後押ししてくれると思います。
須藤昌英
12月2日(月)生徒の人権「子どもの権利」
〇12月に入り朝晩の冷え込みは冬を思わせますが、まだ日中の暖かさにはホッとします。先日のシグフィーでお知らせした「セクシュアルハラスメント等及び体罰に関する実態調査(学校生活アンケート)の実施について」は、12月が全国人権週間であることも踏まえ、毎年実施しているものです。
〇そもそも教職員によるセクシュアルハラスメント(性暴力を含む)を防止するには、正しい人権意識が不可欠です。1989年に国連総会において採択された「子どもの権利条約(18歳未満の人)」は、子どもが守られる対象であるだけでなく、権利をもつ主体であることを明確にしました。子どもが大人と同じように、ひとりの人間としてもつ様々な権利を認めるとともに、成長の過程にあって保護や配慮が必要な子どもならではの権利も定めています。
〇具体的には、「生きる権利」「成長する権利」「暴力から守られる権利」「教育を受ける権利」「遊ぶ権利」「参加する権利」など、世界のどこで生まれても子どもたちがもっている様々な権利が定められました。この条約が採択されてから、世界中で多くの子どもたちの状況の改善につながってきており、日本も例外ではありません。1989年はちょうど平成元年ですので、私が教員としてスタートして3年目にあたり、学校現場でもその話題が多くなってきたことを思い出します。
〇すべての教職員は日頃から生徒に対し、1対1で閉鎖的な状況で指導や対応をしない、不必要な身体接触はしない、管理職の許可のないメッセージ等の送信はしないことを認識しています。問題行動が発覚しても必ず複数の教員で、事実や原因の聞き取り等を決めつけや押し付けをしないで時間をかけても丁寧に行っています。確かに昭和の時代までは、該当生徒の言い分を十分に聞かずに状況を判断し、その後も「今回のことを自分で保護者に伝えるように」のような指導がありました。
〇しかし現在は、たとえ時間がかかっても生徒本人が自分のしてしまったことと正面から向き合い(多くはこれに時間を要します)、その時の心境や周囲との人間関係、その後の気持ちの変化などを浮き彫りにし、それを管理職も含めた職員の中で共有し、その詳細を保護者に伝えています。単純に比べることはできませんが、昭和の時代の指導よりも数倍の時間をかけています。これも「子どもの人権」を第一にした意識の変化です。
〇学校教育法第11条は、「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、監督庁の定めるところにより、学生、生徒及び児童に懲戒を加えることができる。 但し、体罰を加えることはできない」と規定されています。この懲戒とは、生徒に問題行動等があった場合に、これを正すために指導や助言、時には一定の行動制限を加えることをいいます。要約すれば、体罰(生徒の身体に対する侵害)は論外であり、前述のような生徒の人権を尊重した指導をしなければならないということです。
〇また生徒に肉体的苦痛を与えるようなもの(指導中に生徒がトイレに行きたいと訴えても認めない、課題などを忘れた生徒に対して自席ではなく教室の後方で授業を受けさせるなど)も体罰の範疇になります。一方で懲戒権の範囲内と判断されると考えられる指導として、放課後等に残して話を聞く(指導する)、未提出の学習課題を課す、立ち歩きの多い生徒を叱って席につかせる等は認められています。いずれもそのことを通して生徒本人に振り返りの時間をつくったり、クラスなどへの影響を考慮したりしたものです。
〇冒頭の実態調査においては、生徒の記述があった場合には事実確認をしたり、調査結果を教育委員会への報告をしたりしていきます。お子様に回答内容を確認していただき、もし相談等があれば担任や職員に連絡をしてください。
須藤昌英
11月29日(金)第2回授業参観
〇昨日はとても暖かく、穏やかな一日でした。午前中は多くの保護者の方々にご来校いただき、生徒たちの学びの姿をみてもらいました。私もいつもように各教室を回っていましたが、生徒たちは授業参観だからといって「よそゆき」な素振りもなく、普段通りの学びの姿でした。
〇富勢中学校区小中学校4校の共通教育目標は、「自ら学び 心豊かに たくましく生きる富勢の子の育成」です。またこの夏季休業中に富勢中学校区小中学校4校の教職員と各校PTA役員、学校運営協議会委員、富勢中代表生徒で行ったワークショップ(熟議)を受けて、「本学区での義務教育9年間の学びを通して、富勢中を卒業する時に身につけさせたい力や目指す児童・生徒像」をまとめました。
〇特に熟議の最後に、いろいろな身に付けさせたい力や目指す児童生徒像を実現する前提としての「児童生徒にとって一番大切なのは健康と体力であり、その上に社会性やコミュニケーション能力、チームワークを大切にする心、自立心等々が養われていくだろう」を仮説として、変化が激しく多様性が求められる時代を生き抜くために必要な力を次の4つに絞りました。
1 自分を大切にし、他者を尊重する力
自分の意見や感情を大切にしつつ、他の人の気持ちや考えも理解し尊重できる力。多様な社会の中で、お互いを尊重し合いながら成長するための基盤となる。
キーワード: 「まずは自分が大切、ならば皆も同じく大切にしよう!」
2 考えを伝え、協力する力
自分の考えや意見をしっかり表現し、他者と協働して物事を進める力。チームでの協力やコミュニケーションを大切にし、共に目標を達成できるようになる。
キーワード: 「親しくはない仲間の中でも、お互いに考えを伝え合おう!」
3 しなやかに挑戦し続ける力
困難に直面しても、失敗を恐れずに挑戦し、学び続ける力。未来に向かって、自分の道を切り開くために必要な自己肯定感や、柔軟な思考を身につける。
キーワード: 「失敗を失敗のままで終わりにせず、それを活かそう!」
4 社会で活かせる学びの力
基礎学力をもとに、実社会で必要な知識やスキルを使いこなす力。自分の興味を活かしながら、これからの社会で役立つ力を身につけていく。
キーワード: 「学んだことのエッセンスを、自分の将来のベースとしよう!」
〇昨日の授業もその視点からみると、学年や教科の違いはありますが、上記の4つのどれかを目標として展開されていることがわかります。例えば国語や社会で単元の内容を自分で調べてクラスで発表することは、「考えを伝え、協力する力(キーワード:親しくはない仲間の中でも、お互いに考えを伝え合おう!)」に合致し、数学や理科で紙の立体や前線の模型を作成することは、「しなやかに挑戦し続ける力(キーワード: 失敗を失敗のままで終わりにせず、それを活かそう!)」に沿った活動になります。
〇参観していただいた感想を全職員で分析し、今後も質の高い授業(生徒が主役となり、時間内に学んだ知識をいつでも使える知識に昇華していく)を目指してまいります。
須藤昌英
11月28日(木)昭和百年への思い
〇今年も残りほぼ1カ月で終わります。来年は令和7年ですが、平成で言えば37年、昭和で言えばちょうど100年にあたります。また「昭和の日(4月29日)」は、国民の休日に関する法律の一部改正で、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」ことを目的に制定されています。
〇確かに昭和時代には大きな戦争(太平洋戦争)もあり、その死者は310万人と言われています。私は昭和38年生まれですので、終戦から18年しかたっていませんでしたが、幼児期に東京オリンピックや大阪万博があり、今思うとそれらが復興の象徴だったのだと感じます。
〇昭和の終わりは1989年1月7日の昭和天皇崩御でした。私は教員になって2年目でしたので、連日報道された昭和天皇のご容態の変化のニュースを見た当時の生徒たちと教室で、「これから日本はどういう時代になるのか?」などと話していたことを思い出します。実際にしばらくは明るい街中の看板のネオンやテレビのバラエティ番組が止まり、自粛ムードが日本全体を包んでいました。
〇翌1月8日は「平成」という改元の発表がありました。当時の小渕官房長官が「平成」という文字を掲げて発表したので、小渕さんは「平成おじさん」と呼ばれていました。しかしみんな見慣れない「平成」という元号が果たして受け入れられるのか?と思っていました。実際にその年の卒業式は「昭和64年度」ではなく、「平成元年度」となり、出席した生徒や保護者、教職員も少し戸惑いがあったことを覚えています。
〇元号が変わるという初めての経験でしたので、何かすべてが新鮮なイメージでした。平成から令和への改元はまだ数年前であり、天皇陛下が亡くなられる前に譲位する「生前退位」でしたので、37年前の昭和から平成の時よりはその直後のコロナ禍の影響もあり、淡々としていました。
〇詳細はわかりませんが、西暦200年になるときに言われた「2000年問題(コンピュータシステムの誤作動が起こる可能性が懸念された)」と同様の心配が「昭和100年問題」と言われているそうです。24年前の当時も学校では色々なデータをコンピュータで一括管理する体制に移行していたので、成績等が消失してしまうのではないか?とあれこれ心配していました。今回も大きな混乱がないことを願います。
〇12年前に亡くなった父が、1925年生まれなので来年で生誕100年になることを家族では前から意識していました。今は「人生100年」と言われるようになったので、これからますます百歳の方々が増えることでしょう。また今の天皇陛下と私はほぼ同年代なので、「次の改元まで生きていられるか?」なども考えるようになりました。
〇生徒たちは平成に生まれ令和で成人し、これからの時代を自分の好きなことに精一杯取り組んでもらいたいと思っています。そのためには昭和時代のむごい戦争や平成時代の社会衰退から学び、令和を持続可能で誰もが希望を胸に生ける時代にみんなでしていかねば・・と思います。
須藤昌英
【平成の元号を発表する当時の小渕官房長官】
11月27日(水)災害(防災)用井戸掘削工事
〇本校にはこれまで災害用井戸はありませんでした。そのことは先日に本校体育館で実施した富勢地区の避難所開設訓練でも課題として挙げられていました。そこで昨日から災害用井戸の掘削工事が始まりました。正門を入ってすぐ左のスペースに業務用の掘削機が入り、地下約70mまで掘るそうです。
〇災害用井戸は地震や台風などの災害時に、水道が断水した場合に不足する水を確保する手段の一つであり、井戸の設置目的や管理状況等により、消防用水、飲料水、生活用水などに用いることを想定しています。害時には多くの生活用水が必要ですが、本校の井戸は飲めませんので、非常用トイレなどに活用します。
〇では防災井戸とはいったい何をもってして防災井戸と呼べるのかというと、昔から一般家庭で使用されている井戸の唯一の弱点ともいえるのが、「電動ポンプ」を使っていることであり、電力の供給が止まってしまえば、水を汲み上げることができません。外から見てもはいつもと変わらない状態でも、停電によって井戸が使えなくなってしまうのです。
〇そこで防災井戸に欠かせないのが「手押しポンプ」です。今はその手押しポンプ自体の性能も向上しているので、高齢者や子どもでも簡単に水を汲み上げることができます。私は自宅近くで借りている畑で野菜を栽培していますが、その近くに昔ながらの手押しポンプの井戸があります。夏は何回もくみ上げるので重労働ですが、スポーツジムのトレーニングだと思うと楽しくなります。3歳の孫娘はこの井戸が大好きで、まだ上手く汲み上げられませんが、私が手伝おうとすると、「手出しするな」と怒ります。彼女にとっては家庭の水道との違いが面白いらしくいつまでもやっています。
〇大切なのは防災井戸として安定的な水量を確保するため、豊富な水量があると想定される場所であることです。掘削業者によると、本校は少し台地になっていますが、その下は多くの水脈があり、その心配はないそうです。私たちは通常、トイレやお風呂、洗濯などの生活用水として人当たり1日186リットル以上使っていると言われています。手押しポンプは1時間あたり最大で2,640Lの性能があるようで、実際の災害時には通常のように水は使えませんので、中学生などが交代で井戸の稼働をすれば、避難所や地域住民が使用しても大丈夫です。
〇過去の大規模な災害の発生によりライフラインが寸断され、深刻な水不足に陥った地域も少なくありませんでした。特に生活用水が不足し、トイレに行くのを我慢するために水を飲まない人が多くいて、それが脱水症状からエコノミー症候群や心筋梗塞などにもつながりますので、水の確保は命に直結する重大な課題です。
〇完成までに約二週間かかります。正門付近には交通整理員が立っていますが、工事車両が出入りしますので、登下校時の生徒の安全を最優先します。また明日の授業参観も正門ではなく、体育館脇の東門をご利用ください。
須藤昌英