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校長雑感ブログ

11月19日(火)ネットの偏りとディープフェイク(騙し技)

〇先日の兵庫県知事選挙で、議会から不信任決議を受け失職した前知事が再選されたニュースがありました。選挙戦の終盤にSNS上での前知事への支持の呼びかけに応じた人たちが急速に増えて投票したことが勝因の一つと言われています。

〇私たちは毎日インターネットで公開されている情報を得ることが容易となり、ありとあらゆる分野のさまざまな内容の情報が「洪水」のようにあふれています。それは現代病ともいえる「ゆっくりと集中できない心理状態」を生み出し、いつも情報に追いかけられている感覚もあります。

〇前述の選挙に関しても、一昔前ならば他の県の知事選などはほとんど関心も情報もなく終わっていました。しかし失職する前からの報道や選挙中の前知事の街頭演説の動画が拡散し、別に詳しく知りたいとは思わなくても知り得る状況です。またそうしたことからSNSに慣れている若年層の関心を招き、支持を集めたようです。もちろん投票率が上がるのは好ましいことですが、SNSの情報の中には、真偽の判断が難しいものも含まれていたと、選挙戦後にあらためて指摘されています。

〇ネットの情報が、既存の大手メディアである新聞やテレビによる情報よりも影響が大きくなる時代です。それは新聞やテレビは基本的に「公平性」を重視しますので、いろいろな視点から報道しますが、一方でSNSは一度閲覧すると同じような情報が自動的にアップされ、読者はどうしても偏った情報になりやすい面も忘れてはなりません。そういう状況は「フィルターバブル(多様な情報がブロックされて一つの情報に偏る)」と呼ぶそうです。

〇またSNSが手軽で便利なツールとなったことで、「自分に注目してほしい(承認欲求)」と思う大人や子どもが増えています。これが強すぎると承認欲求モンスターとなり、過激な写真や動画、嘘情報を何の疑いもなく投稿してしまうことまで発展する可能性があります。

〇これまでの偽画像や偽情報は、関係ない画像の無断使用、画像の一部を切り抜く、事実と異なる内容をあたかも真実のように書くという程度がほとんどでしたが、最近はAIによる画像の生成や「ディープフェィク(深いウソ)」が増えているそうです。

〇具体的には複数の異なる動画や画像、音声を人工的に合成して作られるもので、例えば顔を入れ替える、音声に合わせて写真や動画の口を動かすなどです。これらが簡単に出来るのと出来たものは本物との見分けが難しいと聞くので、どうしたものか?と感じます。悪意をもって別な人との顔と合成し、事実と異なる言葉を喋らすことも可能で、それが流行するとなると、個人の人権だけでなく国家レベルの問題にもなりかねません。

〇実際にその現地に行き、ある現象を観察・実験・体験、さらには資料収集等をすることを「フィールドワーク」と言います。本やインターネットで見たり知ったりした知識は、実際と異なる場合も多々あり、自分の目や耳、その他の感覚をフル稼働して体験したことこそ正しいことに近づけます。学校ではSNSの有効性は認めつつ、最後は自分の目で確かめる力を生徒たちに身に付けさせていきます。

〇冒頭の知事選でも若い世代は、「新聞やテレビは信用できない」「多くのネットの情報を比較して選ぶ」という感覚が強いそうです。現在兵庫県芦屋市に在住している中学校時代の野球部の旧友が、来月柏に里帰りするので当時の数人の仲間と忘年会をしようと約束しました。その際には、兵庫県民は実際にどのような感想をもったり反応したりしていることを聴いたみたいと思います。これも一つのフィールドワークだといえるでしょう。

須藤昌英

11月18日(月)「人生、遅すぎることはない」

〇9月から始めた3年生との校長面接が先週一通り終わりました。一人ひとりの話を聞いて、先日のゲームの話とも共通していますが、自分が主役となり、「主体性」をもってやりたいことに挑戦していくために、志望した上級学校で学ぶということは、とても大切であり応援していきたいと感じています。

〇ただ時々「自分自身に自信をなくしているのでは・・」と感じる生徒がいます。面接時間は一人10分間ですので、その原因を詳しく聞いたり、アドバイスをしたりすることはなかなか難しいのですが、そんなときいつも私の頭の中をよぎるのが「人生、遅すぎることはない」という言葉です。

〇この言葉は、野球漫画で有名な水島新司(1939年~2022年)作「あぶさん:84巻第3話」の題名です。この「あぶさん」もプロ野球を題材にした超大作の漫画で、41年間で全107巻、今から12年前の平成24年に幕を下ろしました。

〇私も全て読破したわけではなく、たまに見かけると読んだくらいですが、プロ野球選手の主人公が野球だけでなく、身近な人達との人情的なやりとりがクローズアップされた作品で、読むと深くその物語に入り込んでしまいます。

〇この「人生、遅すぎることはない」との出会いもひょんなことからです。まだ私が三十歳代後半で仕事で何かの壁にぶつかって悩んでいた時、たまたま家族と行っていた入浴施設のソファー横の本棚にあったコミック雑誌をパラパラとめくっていました。するとその中に、主人公が成績不振にあえぎながらもある人の言葉からまた立ち上がろうとする物語が目にとまり、その場で何度か読み返したのを今でもはっきりと覚えています。

〇帰り際には、「やってもみないことをくよくよ悩んでも仕方ない、とりあえずやってみて、もしうまくいかなかったら、またそこで考えよう」と思え、明るい気持ちで自宅に着きました。私はそれまでは「漫画やアニメは・・」と勝手に遠ざけていましたが、それをきっかけに、メッセージ性やストーリーが優れているものがけっこうあることを再発見し、注目するようになりました。

〇前振りが長くなりましたが、話をもとに戻します。冒頭の生徒達には、次のような言葉がけをしてあげたいと思っています。

今まで何度かやろうとしたけれど出来なかったこと、今の自分では到底出来そうもないとあきらめてきたことなどは、誰にでも1つや2つはあります。しかしそれらは多くの場合、『本気』で取り組もうとする前に、尻込みしてしまったことがほとんどではありませんか?「あの人だからあんなことが出来るんだ」とか「自分には到底そんな能力はない」と思い込んでいませんか?生きているかぎり、何でも「手遅れ」ということはありません。周りからは簡単そうにやっているようにみえることでも、その人は他人が見ていないところで必ず努力しています。その表面だけの姿で判断せず、まずは自分の出来ることから始めてみること。そしてそれを工夫しながら続けてみること。そのきっかけが一番重要であり、まさに今、新たなチャレンジをする勇気をもってほしい。

〇「人生、遅すぎることはない」、これは本校のテーマである「学び成長し続ける富勢中」ともリンクしています。

須藤昌英

 

11月17日(日)避難所開設運営訓練

〇昨日の午後は、富勢地区として初めて本校体育館を避難所とした開設・運営訓練を行いました。富勢地区(小学校3校、中学校1校、高等学校1校)は、布施近隣センター長が災害本部長となり、柏市職員25名が割り当てられています。そこへ各地区の防災担当者の方が加わり、受付、駐車場設定、パーテンション設営、臨時トイレ設置、ペット受け入れなどの役割分担で行ないました。

〇振り返ってのワークショップは、私がファシリテーターとなり、

①   実施する意義や成果点

②   実施した課題・改善点

③   次回へのアイデア

について話し合いました。今回は本校で行ないましたが、次は各校でも実施したいとの意見が出ました。

〇市役所職員、ふるさと協議会会長、富学協会長、本校職員、本校生徒6名で宿泊体験しました。夕食後、体育館の大スクリーンで「すずめの戸締り」という映画を鑑賞しました。日本各地の廃墟を舞台に、ミミズという大地震を起こす怪物を止めるために、主人公のすずめが旅をしながら成長していくストーリーでした。

〇日本では大昔から大地が揺れるのは、ナマズなどが暴れるということが信じられてきましたが、今は科学的日本列島は「地震の巣」であることが判明しています。少しでも避難所が地域の方々の安心できる場所になってほしいと願っています。

〇中学生は来週の期末試験に向けて、体育館で勉強もしました。たださほど寒くなく助かりましたが、広い体育館で寝るのは、慣れないと難しいと感じました。

須藤昌英

 

11月16日(土)花鉢配付ボランティア活動&避難所開設体験

〇本日、富勢地域ふるさと協議会及び各町会・自治会の皆さまとボランティア生徒70名が一緒に、これまで育ててきたビオラの花鉢をお手紙と一緒にご高齢の方のお宅に伺って、配付してきました。

〇受け取っていただいたご高齢の方々からは、中学生が届けてくれたことに、感謝の言葉がありました。中には、「孫が富勢中にお世話になっています。」と話がありました。同じ地域に住んでいるからこその「こぼれ話」です。

〇生徒は大人になるにつれて徐々に人間関係を広げていきますが、彼らにとって親や教師は「縦の関係」、兄弟姉妹や雄人は「横の関係」なのに対し、地域の方等は「斜めの関係」だとよく言われます。「縦でも横でもない斜め」であることで、気軽にしかもあたたかく見守ってくれる存在であることが、彼らの心理状態を安定させます。

〇さらに「有難う」「頑張ってね」と声をかけてもらうことで、「自分も役にたっている」「良いことをすると気持ちいいな」と、自分の存在を見つめなおしたり自己の有用感を高めたりできます。

〇11月としては暖かく小春日和で、参加した生徒たちも「最初は緊張しましたが、あたたかく迎えていただき、良い経験ができました」と感想を言っていました。これからこの地域を支えてくれる生徒たちに、地域への愛着心が芽生えてくれると、このボランティア活動の目的にも沿ったことになります。

 

須藤昌英

11月15日(金)秋の収穫

〇一昨日は、柏市制施行70周年を記念して、市内小中学校及び公立保育園にて柏市産の食材を使用した特別給食でした。メンチカツやかぶのすり流し汁、ヒジキと彩野菜の和え物は、どれも美味しく、まだまだ柏市は農業が盛んだということを実感しました。

〇昨日は、校内の畑で栽培しているカブとサツマイモの収穫をあすなろ学級の1年生が行いました。特に9月に畑を耕し、種をまいてもう収穫できるのですから、かぶの成長はすごいものです。

〇かぶは、一般的には肥大した根の部分を食用としますが、葉にも栄養素が多く含まれています。また、春の七草の「すずな」はかぶのことです。かぶの原産地は、アフガニスタンあたりか地中海沿岸の南ヨーロッパを加えた地域とされています。ヨーロッパでは紀元前から栽培され、日本には弥生時代に大陸から伝わったと言われています。初めて知りました。

〇サツマイモの原産地は中央アメリカで,15世紀末頃スペイン・ポルトガルに伝わり,さらに東南アジア,中国,琉球へと伝わったと推定されています。 日本への伝来ルートの主流は沖縄(琉球)からと考えられているそうです。サツマは薩摩(鹿児島県地方)のことですので、こちらは何となく知っていた気がします。

〇昨晩は獲れたてのかぶ(白い実と緑の葉)の味噌汁を自宅で食べました。意外なことに実よりも葉のほうがシャキシャキして美味しかったです。

〇また本校の中庭には、ゆずの木があります。こちらは果実ですので、木から上手に用務員さんが収穫してくれました。ゆずは独特の香りと、果皮の黄色が鮮やかです。数個いただきましたが、それだけで帰りの車内は良い香りにつつまれました。この特徴を生かして、昔からお吸い物などに広く利用されています。

〇ゆずの故郷は、中国の揚子江上流が原産といわれています。日本には唐の時代に北京地方から朝鮮半島を経て渡来したようで、日本にも古くから山口・徳島県に野生のゆずがあります。奈良時代にはすでに、薬用や食酢としての利用を目的として、栽培されていたことが記録に残っています。

〇特筆すべき点は、ゆずは種子をまいてから結実するまで、長期間を要するため、俗に「桃栗3年、柿8年、柚は9年で成りかかり、梨の大馬鹿18年」といわれています。9年間は人間でいえば丁度小中学校合わせての義務教育期間と同じですので、3年生で希望者する生徒には受験勉強の励み(香りを楽しんで気分転換)になるように、特別に分けてあげようかと思いました。

須藤昌英