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国語の調査結果
□結果の概要について
・1年生では全国平均をやや上回っています。観点別では「国語への関心・意欲・態度」「書く能力」「読む能力」「言語についての知識・理解・技能」でやや上回っています。
・2年生では全国平均をやや上回っています。観点別では「国語への関心・意欲・態度」「書く能力」「言語についての知識・理解・技能」でやや上回っています。
・3年生では全国平均とほぼ同程度です。観点別では「話す・聞く能力」「読む能力」でやや下回っています。
□指導改善のポイントについて
・現在の各学年の漢字練習,家庭学習による既習漢字の復習は,引き続き行います。
・辞書の活用を習慣化させることに力を入れ,一つひとつの言葉にこだわりを持って考えること,文の構造を文節/単語単位で理解することを意識させる指導を行います。
・「読む能力」を向上させるために朝読書に力を入れ,活字を読む習慣を身につけさせます。
・「書く能力」を向上させるために普段の授業の中で,条件をつけた短作文を書く指導を定期的に行います。
社会の調査結果
□結果の概要について
・1年生では全国平均とほぼ同程度です。観点別でも,全ての観点において全国とほぼ同程度です。
・2年生では全国平均とほぼ同程度です。観点別では「社会的事象への関心・意欲・態度」「社会的な思考・判断・表現」でやや上回っています。
・3年生では全国平均よりやや下回っています。観点別でも,全ての観点においてやや下回っています。
□指導改善のポイントについて
・ 社会的事象について生徒自らが調べて,考えさせていく授業に努めます。そのためには生徒が興味を持つ資料を準備し,提示する場面やタイミングを工夫します。さらに活用するにあたっての留意点も併せて指導し,さらに発展させて,身につけた知識と資料から課題を解決する技能を身につけさせたいと思います。社会科を単なる暗記教科と考えている生徒が多く,学習方法もワークの語句暗記のみという生徒が多く見受けられます。定期テストでも記述式問題の正答率が低く,表現力に乏しい生徒もいるのが現状です。学習方法の指導も重点事項であると思われます。また学年が上がるにつれ,授業の中で既習事項が出てくることが多くなるので,その機会をとらえて復習と確認のための時間もとっていきます。
数学の調査結果
□結果の概要について
・1年生では全国平均とほぼ同程度です。「数量関係」の領域と「記述形式」の問題において,全国平均を上回っています。
・2年生では多くの単元で全国平均を上回っています。特に,「数学への関心・意欲・態度」と「数学的な見方・考え方」の観点において,大きく全国平均を上回りました。「記述形式」の問題では,全国平均よりも9ポイント高い結果でした。
・3年生では全国平均とほぼ同程度です。「数学的な技能」の観点において,全国平均を上回り,「短答形式」の問題の正答率も高い結果となりました。
□指導改善のポイントについて
・振り返り学習に時間に引き続き力を入れ,学習した内容が定着したか確認します。
・図形領域では具体物を使い,操作活動を多く取り入れ,内容が実感できるようにします。
・授業の中に生徒たちが考える時間を積極的に取り入れます。
・単に答えを出すだけでなく,「何故そうなるのか」「どうしてそう考えたのか」を自分の言葉で説明することに力を入れていきます。
・小グループでの教え合いを通して,わからないところがなくなるようにしていきます。
・ICT機器等を活用して,生徒が問題把握しやすいよう努めていきます。
理科の調査結果
□結果の概要について
・1年生では全国平均とほぼ同程度です。観点別では「自然事象についての知識・理解」でやや上回り,「科学的な思考・表現」でやや下回っています。
・2年生では全国平均よりやや上回っています。観点別では「自然事象への関心・意欲・態度」「科学的な思考・表現」で大きく上回り,「観察・実験の技能」「自然事象についての知識・理解」でやや上回っています。
・3年生では全国平均とほぼ同程度です。観点別では「観察・実験の技能」でやや上回っています。
□指導改善のポイントについて
・観察や実験から分かる科学現象について,知識を定着させることに加え,仮説や理由を考えたり,自分の言葉で説明したりして,表現力を養います。
・グループでの話し合いや教えあいを通して,協力して全員が理解すると共に,様々な角度から物事を捉える力が身につくようにしていきます。
・引き続き,授業内に復習を取り入れ,学習した内容を確実に定着できるようにしていきます。
英語の調査結果
□結果の概要について
・2年生では全国平均とほぼ同程度です。観点別では「外国語表現の能力」「言語や文化についての知識・理解」でやや上回っています。
・3年生では全国平均とほぼ同程度です。観点別では「言語や文化についての知識・理解」でやや上回っていますが,「学国語理解の能力」でやや下回っています。
□指導改善のポイントについて
・家庭学習などを通して,既習の語彙や文法を何度も繰り返し復習します。
・自分自身のことだけでなく,身の回りのことについても説明できるよう,多様な作文を扱います。
・ALTの出勤日に,授業において対話活動を増やし,話す力・聞く力を強化します。
生活・学習意識の調査結果より
□調査結果の概要について
・ 4つのC【Concept(見通す力)・Challenge(挑戦する力)・Communication(関わりあう力)・Control(自立する力)】に基づき,生活や学習,人間関係に関する質問に「よくあてはまる」「あてはまる」「あてはまらない」「まったくあてはまらない」の4択で答えてもらいました。そのうちここでは,各学年の回答を通して,現状と解決方法について述べていきます。
* 西原中の現状 *
◇ 「4つのC」の観点から ◇
・Concept(見通す力)を問う項目について
〔意欲〕「将来の夢を持っていますか」という質問に,7割以上の生徒があてはまると回答しています。「夢や目標に向けて計画的に取り組めている」という生徒も7割以上で,物事を計画立てて行動できると自覚している生徒が多いようです。しかし,「計画がうまくいかなかった時に,計画を見直している」と回答する生徒は6割程度に減っています。
〔習慣〕8割以上の生徒が,「わからない問題があったときに,人に聞いたり,本やPCを使って調べたりすることができる」と答えています。しかし,「課題に対して予想を立てて勉強したり,まとめや振り返りをしたりする」と答えた生徒は6割程度です。
・Challenge(挑戦する力)を問う項目について
〔意欲〕「学習して新しいことを知ったり身につけたりすることがうれしい」と回答した生徒が約90%で,「友達から認めてもらってうれしかったことがある」と回答した生徒が約95%いました。新しい知識や技能を習得することを楽しみにしている生徒が多いと言えます。挑戦していくことへの意欲を持ってがんばりたいという生徒が多いです。
〔習慣〕ノートの取り方に自分なりの工夫をし,学んだことを生かそうとしている生徒が約85%います。しかしながら「テストで間違えた問題は,後でやり直していますか」という質問には約40%の生徒がしていないと回答しています。上記のように意欲はあるのですが,行動がなかなか伴わない生徒も多くいます。
・Communication(関わりあう力)を問う項目について
〔意欲〕90%以上の生徒が「人の気持ちをわかる人間になりたい」と回答していますが,「地域のボランティア活動に参加しようと思う」生徒は4割程しかいません。身近な人とのコミュニケーションを大事にしようとする傾向は見られますが,自分の身近でない人に対しては消極的であるように感じます。
〔習慣〕「先生や友達の話をよく聞いている」生徒は約90%ですが,「家の人と学校の出来事をよくする」と回答する生徒は70%程になります。性差もありますが,家で学校の話をあまりしなくなる年頃です。家庭でも学校の様子を聞く習慣をつけさせたいです。
・Control(自立する力)を問う項目について
〔意欲〕「人の役に立つ人間になりたい」と回答する生徒は95%を超えています。「学校生活で打ち込めるものがある」生徒も80%を超え,自立した生活に意欲を持って取り組めています。しかし,「自分には良いところがあると思う」という質問に,あてはまらないと回答した生徒が4割程度いて,自己肯定感が低さを読み取れます。
〔習慣〕自立した生活をするための習慣として,「学校のルールを守ることができている」と回答する生徒が95%いました。「宿題や課題をきちんとやっている」「朝は自分で起きている」という質問にあてはまらないと回答した生徒は40%程度いました。規範意識は高い生徒が多いのですが,家庭学習や規則正しい生活習慣が身についていない生徒も見られます。
◇ 1学年 ◇
〇宿題や課題をきちんと取り組んでいる …[とても]あてはまる(98%)
〇クラスに話ができる友だちがいる …[とても]あてはまる(98.1%)
〇話し合いをするとき相手の考えをしっかり聞きたいと思う …[とても]あてはまる(90.8%)
●平日授業以外での勉強量が1時間以下 …あてはまる(52%)
●話し合いをするとき,自分の意見を積極的に発言しようと思う …[とても]あてはまる(54%)
●家の人と学校のできごとについて話をしている …とてもあてはまる(46.7%)
< 総 括 >
・学校の授業以外での1日の勉強時間が少ないが,宿題をやっている生徒は多いため,家庭学習では宿題しかしていないことがうかがえます。1年生の段階で家庭学習の時間を確保する生活リズムを確立することが喫緊の課題です。
・普段クラス内で話ができる仲間関係はできていますが,公の話し合いや発表になると消極的な面が見受けられます。話し合いをするときに相手の考えをしっかり聞きたいという気持ちは十分に持っているので,自分の意見を伝える力を身につけ自信を持てるような指導を重ねていく必要があります。また,家庭での会話が多くないようなので,家族の対話を増やし,自分の考えをまとめて言えるように意識させることが大切です。
◇ 2学年 ◇
○クラスに話ができる友だちはいるか …(とても)あてはまる(96.8%)
○友だちから認められてうれしかったことはあるか …(とても)あてはまる(96.2%)
○人の役に立つ人間になりたいか …(とても)あてはまる(95.6%)
○話し合いの時,相手の考えをしっかりと聞きたいと思うか …(とても)あてはまる(94.3%)
●学校の授業以外に1日にどのくらい勉強をするか …(ほとんどしないを含む)1時間以内(42.7%)
●物事が計画的に進まない時,計画の見直しをしているか …(全く)あてはまらない(45.9%)
●物事に取り組んだ時,まとめやふり返りをしているか …(全く)あてはまらない(40.1%)
< 総 括 >
日ごろから,温かい仲間関係の中で居心地のよい生活を送っている生徒が多い傾向がうかがえます。集団の中の自分の役割を見つめ,人の役に立てることを探そうとすることができ,また,相手の考えを聞き尊重しようとする姿勢が見られます。仲間と共に,仲間の為に自分を成長させることが集団を成長させ,集団が成長することでまた個人の力も高まっていくと思います。一方で,学習面においては,成長,改善への努力に後ろ向きの生徒が多い傾向が見られます。事前の計画はとても真剣に行う一方,済んでしまったことへの関心は低く,振り返り練り直すことが不得意のようです。また,定期テストや進学など,近々のことへの目標意識はある程度持っていても,その更に先にある将来への展望(夢や目標)が,市内平均と比べて低いことも気になるところです。
◇ 3学年 ◇
○クラスに話ができる友がいる …[とても]あてはまる(97.8%)
○人の気持ちがわかる人間になりたい …[とても]あてはまる(96.7%)
○話し合いの時に相手の考えをしっかり聞きたい …[とても]あてはまる(94%)
○普段の生活の中で相手の立場を考えて行動している …[とても]あてはまる(91.3%)
●物事が計画的に進まない時,計画を見直す …[全く]あてはまらない(44.2%)
●物事に取り組んだ時,まとめや振り返りをしている …[全く]あてはまらない(32.8%)
●地域の行事,ボランティアに参加しようと思う …[全く]あてはまらない(44.3%)
< 総 括 >
普段の生活から相手の立場を考えて行動している生徒が多く,人の気持ちが分かるようになりたい,人の役に立ちたいという気持ちがうかがえます。そういった傾向からクラスの人間関係も良好であるようです。一方で計画がうまくいかない時に見直しをしていない傾向があるようです。まとめや振り返りをしている数値も市内の他の中学校に比べると低くなっています。物事に取り組んだ時に自分の行動や活動を振り返り,反省をして次に活かせるようになってほしいと思います。また,地域の行事やボランティア活動への関心が低いことも気になります。普段からの挨拶やゴミ拾いなどからはじめて,地域の一員であるという自覚と社会に貢献しようという気持ちを持てるように促していきます。
□生活・学習状況をより良くするポイントについて
*生活面
・ まずは,「規則正しいリズムをつくること」です。どの学年も,全体の3割前後が日によって就寝(睡眠)時間が安定してとれていません。もちろん,塾や習い事があり,宿題もある…という事情がある人もいるかと思います。ただ,そういう状況は,計画性を養う絶好の場面ではないでしょうか。「完璧な計画」ではなく,「この日は塾があるから,早めに用事を済ませておこう」「ここは時間が取れそうだから,普段できない復習をしよう」「来週までに○○を終えておけば,遊びに行く時間がとれる」など,前もってできる準備はしておくべきです。そうすれば,いざという時にも余裕をもって行動ができるでしょう。逆に行き当たりばったりになってしまうと,負担が増え,疲労やイライラの原因になってしまいます。適度な睡眠をとり,朝食でエネルギーを蓄えれば,一日を元気に過ごせます。できる準備を始めましょう。
・ また,たくさんの人(家族・友人・クラスメイト・先生・地域の方々…)と話をすることも大切です。まずは「自分から」挨拶をして,ちょっとした話をしてみるだけでもよいです。お手伝いをしながら,お家の人と話すのもよいでしょう。そして,できる限り「笑顔」を交えて「楽しい話」をしてみましょう。もちろん,悩みがあれば相談することも大切です。ここにも「メリハリ」が必要です。人に気持ちを伝えるためには,絵文字や文面よりも「言葉」と「行動」です。そこに含まれる「音」「強弱」「雰囲気」こそ,人の心を感じとれるものです。同時に,人の声を「聞く」ことも大きな勉強です。人間関係の構築を大切に考えている子どもたちだからこそ,ぜひ実践してみてください。そのための助言・激励を保護者の皆様にお願い致します。
*学習面
・ わからないことを積極的に聞いて解決する,自分で調べて理解する,コンピュータの操作ができる…このように,子どもたちは課題の解決に向けて努力をしています。この努力が一層活かされるように,以下の点に気をつけていくとよいかと思います。見るポイントを広くしてみよう。最初は時間がかかるかもしれませんが,じっくり課題と向き合ってみると,課題解決につながります。
①類似問題に学習した公式や以前にならった事項を当てはめてみよう
応用問題は,基本公式+αが必要になることが多いので,今までの学習内容も組み合わせてみると,そこから「解への道」が開けることもあります。
②こまめに復習したり,やり直したりしてみよう
一度解いた問題でも,1・2週間後にやってみると理解が深まります。また,自分で改めてまとめることで,「ああ,こういうことだったのか」と気が付くこともあります。
③積極的に本(活字)を読もう
多くの作者の作品に触れるといろいろな考え方を目にします。読みながら,共感・反感・改善・疑問等,様々な思いを巡らせ,感情が豊かになります。
多感な時期の子どもたちからは様々な反応・言動が見られ,時には不安定な状態にもなります。そんな中で,やはり支えとなるのは,ご家族の皆様であるかと思います。子どもたちの心が穏やかかつ健やかに,日々の生活を送っていけるよう,たくさんの話をし,向き合っていただければと思います。