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校長室 令和5年度

自分と、大切な人と、社会を守る法的思考 ~いじめ問題から考える~

 19日(金)15:40から、標記の保護者対象講演会を行いました。

 講師は、宮本国際法律事務所の真下麻里子弁護士に務めていただきました。

 真下先生は、教員免許をお持ちの弁護士という稀有な存在で、「ストップいじめナビ」というNPO法人で理事を務めていらっしゃるなど、教育問題に精通された弁護士です。以前真下先生のお話を伺った際に、「平時から、3つの団子(子ども・保護者・教職員)に串を通しておくこと(三者が共通の認識を持つこと)が肝要」という言葉をお聞きし、感銘を受け、そのことを実現させる方法の1つとして、今回真下先生にご講演をお願いしました。

 今回は「いじめ」の問題(架空事例)を切り口に、

  ・いじめの発生原因は「ストレス」であること

  ・法律の目的は「すべての個人を尊重すること」

  ・だからこそ、いじめを防止するためには「自分」も「相手」もどちらも尊重することが大切であること

  ・いじめをやってはいけない理由は「個人の尊厳を傷つけるから」

  ・いじめ問題で重要なのは「早期発見」と「重大化防止」

  ・だからこそ、子どもたちがいじめに「気づいて」「動ける」(教員に情報をあげられる)ようにすることが重要

  ・いじめ問題に関しては、「ムカつくという気持ち」はOK(内心の自由)。問題なのは「手段の選択」

  ・自分の内心を尊重するために、気持ちを伝える手段として、主語を私にして「~してほしい」と伝えることが

   重要

  ・学校は手段の選択を「練習」する場。練習する場なので失敗することもある。お互いに失敗し合いながら成長

   していく

  ・みんなを尊重する環境を整えるために大事なのは、「相手を傷つけない手段を学ぶこと」と「小さなNOを

   出せるようにすること」

  ・「みんなで子どもを育てていく」という意識がとても大切

等についてお話をいただきました。

 今回はこの時期になってしまいましたが、このような講演会を年度当初にさせていただくことが重要ではないかと思いました。例えば、4月の教育課程説明会の日に実施するなど、検討していきたいと思います。

 

 以下に、講演会の様子を紹介します。

 冒頭、弁護士バッヂの話をされ、個人番号が振られていることなどを紹介してくださり、実際に手に取って見させていただきました。