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校長雑感ブログ

12月26日(月)布施弁天東海寺と富勢中学校

(今朝7時の布施弁天東海寺)

〇富勢中学区内の最も有名な場所として、布施弁天様をあげることには誰も異論はないと思います。正式名称は、「紅龍山布施弁天東海寺」で、千二百年の歴史がある由緒正しい寺院です。

〇学区としてははずれにありますが、本校からはちょうど北東の位置にあり、よく「京都の町の中心(御所)から比叡山延暦寺は北東方向にあり、昔から『鬼門』として京都を守っている」という話を聞いていましたので、私としては勝手に布施弁天が本校を守ってくれていると思っています。

〇先週で2学期も終了しましたので、今朝の出勤前にお礼もかねて参拝してきました。冬の寒さと年末ということもあり、静かで厳粛な空気が流れていました。すでに楼門にはお正月の準備として、門松や五色幕などが飾られていました。早朝にもかかわらず、何人かの方がご参拝していました。

〇布施弁天と隣のあけぼの山は以前から柏市のシンボルでしたから、幼い時からよく行っていました。ただあけぼの山農業公園は平成7年に開園されましたので、当時はまだなく、利根川の土手と畑が一面に広がっているだけでした。

〇小学生以前は弁当をもち家族5人で柏駅から布施弁天行のバスに乗り、ピクニックのようなことをしていました。今はありませんが当時は、柏市のレンタサイクルがあり、大人の自転車を借りて土手の上をフラフラと走ったのを覚えています。小学生になると今度は自分の自転車で友達と「ミニツーリング」気分で訪れて楽しみました。中学生の時は、柏駅近くの柏中学校から歩いて、それこそ富勢中の前を通り、あけぼの山までの遠足がありました。また高校は茨城県取手市にありましたが、毎年寒中長距離走の折り返し地点があけぼの山でした。寒風の中を往復10㎞以上を走っていました。今では懐かしい思い出です。

〇今は我孫子市民ですが、平成元年から11年間、布施新町に住んでいましたので、当時はまだ幼かった長男や次男を連れ、歩いてよく散歩していました。出来たばかりのあけぼの山農業公園のアスレチックスでもよく遊ばせてもらいました。これまでの人生でいろいろと思い出が多い場所です。

〇迎える令和5年のお正月の初詣で、また布施弁天東海寺に伺いたいと思っています。

須藤昌英

 

12月23日(金)第2学期終業式&いじめ防止授業

〇2学期のスタートの9月1日は、最高気温32°Cで、半袖でも暑さを感じましたが、今日の予想最高気温は7°Cで、通勤時にはダウンのアウターを着て寒さをしのぎました。この気温差が示すように、それだけの月日が流れたことになります。

〇2学期の授業日数は、77日間でした。いつも思いますが、先ほどのように、夏のおわりの残暑厳しさと冬のはじめの寒さの季節の違いもありますが、加えてこの時期はまた年末が近づいていることもあり、2学期終業式は独特の雰囲気があります。

〇1学期の終わりにも書きましたが、この2学期も特に、生徒たちが「自ら主体性をもつ」ようにしてほしいと願いながら教育活動をしてきましたが、まずは私も含めて大人である教職員がこの間、「自立から自律」へと意識を変えていくことができたかを今振り返っています。

〇12月に教職員に行ったアンケート結果をみると、「生徒とともに学び続けようとしたか」の項目に、大半の職員が「Yes」と回答していました。このことに関し、私もそばで職員の勤務状況を観察している者として、「実際の状況と数字は一致している」と感じています。もちろん学業を教えるのは我々の仕事ですが、「教える」ことは同時に「生徒から教わる」ことでもあり、この2方向の関係で学校の教育活動は成り立っています。

〇今日の終業式は、2学期の表彰式に続き、生徒会主催の「いじめ防止授業-いじめといじり-」を行います。これは先月に柏市教育委員会主催の「いじめ防止サミットKashiwa」に参加した原会長と新倉副会長が、そこで学んだ内容をさらに本校の生徒アンケートの結果も含めてアレンジしたものです。昨日、校長室からリハーサルを行いましたが、全校生徒が話し合いをしやすいような工夫が満載されていました。今からとても楽しみです。

須藤昌英

(昨日は冬至のゆず湯でした)

 

〇原さんと新倉さんには、使う動画(3分)だけは決めておき、あとの授業の流れはすべてお任せしました。先日の保護者会で話した授業における「起承転結(問題提起・自分で考える・話し合う・まとめる)」と「言語活動(聞く・話す・読む・書く)」がすべて網羅されており、職員室にいた職員もその内容のすばらしさを讃嘆していました。

〇おかげで終業式の「校長の話」は、その授業の感想だけを言わせてもらいました。保護者や地域の方々にもぜひご覧になっていただきたかったと後から思いました。2学期もありがとうございました。

12月22日(木)年末の大掃除

〇日本では年末に大掃除を行い、「心機一転して新年を迎える」という「しきたり」のようなものがあり、これに異を唱える人をあまり聞いたことがありません。確かに普段は見逃している(見えないふりも含む)場所もきれいにしますと、新しい発見があったり何より気分が明るくなったりします。本校でも今日の3時間目、全校生徒で大掃除を行います。

〇「仕来り(しきたり)」を辞書で調べますと、「昔からの習慣、ならわし、慣例」とあり、用法としては「~を守る」「~に縛られる」とあります。人として「~を守る」と「~に縛られる」では180度違う姿勢になります。

〇「~守る」は、正しいと信じていることを今まで通りにやることですが、さらに自主・自律的に自らやろうとする意志のもと、「どうせやるなら楽しく」なるように、創意工夫をしていくまでになると、たとえ誰かに「もうそんなことやめたほうがいいよ」と言われたとしても、全く意に介せず、続けていくことができると思います。

〇その一方で「~に縛られる」の方は、自分の気持ちに関係なく仕方なくやることになり、創造性・想像性は生まれません。むしろやる意義や意味、それをやることによる効果などを考えていないので、具体的に「こうしよう」などとは思わず、とにかく「はやく終わればいい」しかないと思います。

〇サッカーワールドカップでは、日本人サポーターが客席のゴミ拾いを自主的にしたり、選手ロッカーが最後きれいに片づけられたりした写真がアップされ、世界から賞賛されていることが話題になりましたが、使用させてもらった場所に感謝していることを行動に示したとも言えます。ただ一部には、「清掃をする人の仕事を奪っている」との見方や、もっと厳しい意見は「単なる売名行為?にすぎない」まであるようです。私などもさすがにそれには頭の中で疑問符がいっぱいになりましたが、しかし日本人的見方を超えた世界レベルではそういうこともあることは知っておくべきでしょう。

〇学校の清掃も多くの国では、雇われた清掃人が仕事として行っており、生徒自身が清掃をするのは稀だそうです。先ほどのワールドカップの話でも、我々は学校で清掃活動をしてきたので、違和感はありませんが、成長過程でボランティアベースの清掃を経験してこなかったならば、理解できなくても当然なのかもしれません。しかしその日本型教育が注目され、アフリカでは生徒による清掃を取り入れた国もあるそうです。さて、「今日の大掃除をどんな気持ちでやっていますか?」「大掃除って必要だと思いますか?」などと、見かけた何人かの生徒に尋ねてみようかなと思います。

須藤昌英

 (日本代表のロッカールームが綺麗すぎると話題。「全チームの模範」とFIFA関係者も話す)

 〇部屋の窓は開けっぱなし、しかも水道の水は冷たい状況でも、自分たちの分担をキレイにしようと、黙々と身体を動かす生徒たち。この経験により少なくとも、意図的にゴミを落としたり汚れている場所をさらに汚したりすることのない大人に成長してくれると信じています。

 

12月21日(水)給食最終日

〇今日は2学期最後の給食となります。先日、生徒アンケートの中で、「あなたはこれからも黙食を続けたほうが良いと思いますか」と尋ねたところ、以下のように、①そう思う31%、②大体そう思う28%、③あまりそう思わない21%、④思わない15%、⑤わからない5%という結果になりました。

 

〇「わからない」の5%を除くと、「継続した方が良い」が59%、「継続は必要ない」が36%ですので、生徒の中では、まだ続けた方が良いと思う人が思わない人の約1.6倍であり、3学期もしばらくは継続していくことにしたいと思います。ただ、今回のアンケートはそれぞれの理由までは集計できていませんので、例えば「●●という条件が守られれば、黙食を解除したい」とか「2つから1つを選ぶので、仕方なく黙食を続けるにした」などの生徒もいるのではないかと思います。

〇この3年間のコロナ禍で、生徒たちもいろいろな経験をし、「自分は~したらよい」と思うと考えてきたと思います。ただ当然のことながら、同じような経験をしても人によって考えは異なります。つまり一見すると意見が対立し、白か黒の2つに一つしかないように見えます。しかしこの時こそ、「広くて深い思考」が必要で、そのためまずお互いに目的が一致していることを確認し、次に対話する姿勢(相手の真意を理解しようとする)を持ち続けることしかありません。

〇給食に関して言えば、「感染しやすいといわれる会食を可能な限り安全にしかも楽しく食べる」ことが目指す目的となり、「そのためにはどうしたらよいか?」という大人でも難しい課題に、本校の生徒は真正面から取り組む力をすでにもっています。その対話(学び)の場を設定してあげるのが学校の役割です。今日で2学期の給食は終わりますが、引き続き3学期も生徒たちと一緒に考えつづけていきます。

須藤昌英

*今日の給食は「クリスマスメニュー」として、給食室手作りの「チョコマフィン」がありました。バターをたっぷりと使い、かわいいイラストのカップで焼いて、雪のような砂糖をかけてあります。ご馳走さまでした。

 

12月20日(火)恩返しと恩送り

〇民話の「鶴の恩返し」やそれを題材にした木下順二の「夕鶴」は多くの人が知っている話ですが、人間に助けてもらった鶴が機を織って恩を返すお話です。「のぞかないで」と言われたのに部屋をのぞいてしまい、最後は鶴が空へ帰ってしまう結末となっています。私は幼いころからこの話を聞くたびにこの結末があまり好きではなく、雪空に鶴が飛び去っていく淋しい情景を思い浮かべていました。

〇「恩返し」という言葉は、お世話になった人に直接何かをしてあげることですが、50歳になった頃に、「恩送り」という言葉を初めて知り、その後段々と年齢があがるにつれてその意味を深く考えるようになりました。これまでの人生の中で、多くの人にお世話をしていただきましたが、実際にその方々すべてに「恩返し」をすることは難しいのではないでしょうか?両親や兄弟はまだしも、友達や恩師、同僚や住んでいる地域の方々・・・、私もその方々すべてと今でもつながっていたりきちんと感謝を伝えたりできていないことがほとんどです。

〇であるならば、「恩返し」ではなく「恩送り」をしていくしかないと思ったのです。例えば私であれば、小・中・高・大学と16年間で多くの授業や諸活動の中で、多くの先生や友達から様々なことを教わりました。その後教員となり、今度は多くの児童生徒や同僚に対して、自分としてできるだけのことをしてきたつもりです。しかしそれはまた別の見方をすると、それまでしてもらったことに感謝しつつ、直接その方々に恩は返すことはできませんでしたが、その分あらたに出会った方々に「恩を送っている」とも考えられるようになりました。

〇世の中のほとんどがお互いの「恩送り」で成り立っているなかで、逆に「恩返し」をできることは稀なことなので、私の中では次の図のようなイメージになります。まもなく今年も終わります。今年中にいただいた恩はできるだけ今年中に返していくようにしたいものです。

須藤昌英

12月19日(月)忘れられない質問

〇今から30年以上前、まだ若い頃に担任をしていたクラスの生徒の一人から、その具体的な場面は忘れましたが、突然「先生、『生きる意味』って何ですかね?」と質問されたことがありました。唐突な質問であり、私もまだ20代でしたので経験も浅く、ただその場の勢いで、「そんなこと考えている時間は自分にはなかったなあ」とだけ答えた記憶があります。しかし本当は当時はまだ、そんな直球的な質問を大人として正面から受け止めて、自分の言葉で答える自信がなかったというのが本心でした。以来、その他の生徒にも「もし同じ質問をされたらどう答えようか?」が私の長年の課題意識になってきました。

〇そういう私が2年前くらいに読んだ本に、「人は生きることの意味はあるのか」に関して、考えさせられるエピソードがありました。ある哲学者の実体験です。要約して紹介します。

「その学者にはその道を志すきっかけになった100年前くらいの故人の大哲学者がいたそうです。とにかく若いころから憧れており、『将来どんな学者になりたいか?』と人から尋ねられれば、必ずその方の名前を答えていたそうです。ある日京都で学会があり、その晩にホテル近くの行きつけの小さなバーでいつものように一人で飲んでいました。すると後からその店に感じのよい紳士が来て隣に座り、お互いにボツボツ話を交わすうちに、相手が医大の先生であることがわかってきました。そしてその学者が『自分は哲学者です』と自己紹介すると、その紳士が『それは奇縁ですね。私の祖父も哲学者でした』と言います。学者は『そうですか、お名前を聞いていいですか?』と言ったその相手の答えに、その学者は思わず自席から立ち上ってしばらく直立不動となり、その紳士に深く頭を下げ、握手を求めた」という話です。

〇その学者は、「人は時として、存在するだけで他者に恩恵を与えることがある。その紳士も私を元気づけようとわざわざ京都まで来たわけではない。何気なく店に入ってきて、たまたま私の隣に座っただけ。ただ私の方は、尊敬する方のお孫さんに思いもかけずお会いでき、至極の喜びを感じた。そのお孫さんの紳士を通して、尊敬する方を身近に感じることができた」さらに「人はいつも、生きる意味を求めてあれこれ悩むが、『自分が存在するだけで、誰かを助けている』と思えるなら、それは素敵な生きる意味ではないか。」と結んでいました。

〇私はこれを読んだ時、他人事ながら感動し、「人生において目には見えない縁があるのかもしれない」「人の強い思いは会いたい人を引き付けるのではないか」と思いました。30年前に戻ることができたなら、あの生徒にも話をわけてあげたいです。

須藤昌英

12月16日(金)思考のアウトプット「書くこと」

〇一昨日の保護者会の中で、学校の授業では、学びを広げて深めるために、4つの言語活動(聞く、話す、読む、書く)を大切にしていることをお話ししました。そのうち「書く」ことが一番負担が大きく、前の3つ(聞く、話す、読む)を十分に行っていないと、「自分の考えを書く」や「今日の感想を書く」などは出来ない、つまり生徒にとっても一番ハードルが高いことを説明しました。

〇「書く」ことでいうと、生徒たちは毎日、その日の予定やあったことを記録するノートをつけています。1・3年生は「タイムくん」、2年生は「忘れないぞう」というかわいい名前のノートです。担任はそれを読んで、コメントなどを書いたり心配なときは直接声をかけています。やはりこれも「継続は力なり」で、書き慣れている生徒は苦も無く自分の思いをスラスラ書けています。それに比例するように、授業ノートなども効率よくまとめているようです。

〇私も毎日2種類の記録をつけています。一つは仕事に関することで「執務記録」です。その日に学校内であった報告事項や今後の方向性などを記録しています。これは見開き2ページで1週間分ですので、前の記録を見るときには、さかのぼる必要があります。特に最近は自分の記憶力に自信がなくなってきているので、1カ月前の記録を見ると「そういえば、こんなことがあった」と思い出せるので、定期的に確認しています。

〇もう一つは、私的な「日記」で、こちらは市販の「十年日記」を使用しています。例えば10年分の「12月16日」が1ページに縦に並んでいますので、書く時にはページをめくらなくても、昨年や一昨年の同じ日に何があったかを見ることができて便利です。またそれによって、「次は~をしておいた方がいいかな」などを考えるきっかけになります。ただ書くスペースは小さいので、あったことや感じたことを3行程度にまとめて書いています。

〇生徒が「書く」活動をするのは、上述のような記録を残すためよりも、頭の中にある自分の考えをアウトプットすることで、それを整理したり他の知識とのつながりを考えたりすることが目的です。ただノートをきれいに書くことが目的ではありませんので、最終的には自分だけがわかるような字体でかまわないのですが、書いたものを提出する場合には、読む人が見やすく書くのも大切でしょう。実際に私も「執務記録」や「日記」は字体を整えることはせず、殴り書きがほとんどです。

〇今度お子様のノートを見たときには、そのような視点で話をしてみてください。

須藤昌英

 

12月15日(木)2学期保護者会

〇昨日、2学期の保護者会を行いました。1学期末の7月には実施しなかったので、4月の当初保護者会から8カ月ぶりとなります。全体会で私からこの8カ月間の本校における学びの説明とその後教務主任から保護者アンケートの結果報告を行い、その後各クラスの懇談会となりました。

〇保護者会資料中の冒頭のあいさつでも書きましたが、今の世の中では、目の前にいない、表情が見えない相手がどんな気持ちでいるのかと思いをめぐらす力こそが必要であると感じます。普段はLINEやHPなどでのこちらからの一方的な情報発信が多いですが、年に数回でも顔を見ながらお互いに話をすることが大切であると思います。お越しいただき、ありがとうございました。

〇私がお話しさせていただいたスライドを掲載します。

須藤昌英

12月14日(水)「聴く読書」は新しくて古い

〇小学校では以前より、「読み聞かせ」という活動を行っています。私も今から15年前頃、3年間だけ小学校に勤務したことがありますので、図書室や教室に地域や保護者のボランティアの方に来ていただき、児童の前で絵本などを読んでもらった経験があります。私は読んでもらっている際中、その本を見るよりもそれを聴いている児童の顔を見ている方が面白くて、「ああ、この子はこういう表情もするのか」とか「おお、この子は完全に物語の世界に入っているな」などと観察していました。その子たちも今は立派な社会人となっている年齢です。

〇文部科学省の調査によると、小学校入学以前に家庭で読み聞かせをしてもらっていた子どもは読んでもらわなかった子どもよりも「学校の授業を楽しんでいる」という子の割合が多いことが明らかになっています。さらに小学校・中学校の学習状況においては読み聞かせをしてもらっていた子どもの国語や算数、数学の平均正答率が高いという結果も発表されています。

〇本校では「読み聞かせ」は行っていませんが、今度機会があったら中学校でもやってみてもいいかなと思いました。自分で本を読める年齢ですが、たまには耳からの読書もイメージをふくらます力になるかもしれません。「読み聞かせ」の効果として、聴きながら自分の想像力をフル稼働させ、それから波及して言語力や文章理解力、話を最後まで聞く力といったさまざまな能力が培われると考えられるでしょう。

〇そこで今、大人でも家事や子育てをしながらや、勤務の合間でも文庫本に触れようと名作や長編を耳で聴く機会をつくり、多数の文庫本の作品を“オーディオブック”を利用している人が増えているようです。耳で聴く人気作品は、新作にとどまらず 名作や長編があるそうです。私も経験がありますが、ロシア文学はやたら長く、例えばドストエフスキー著作の『罪と罰』(岩波文庫)音声の朗読収録時間は上下で30時間以上(ただし、朗読の音声は、最速で4倍速まで好みの速度で再生ができる)らしいです。

〇また、人生で一度は読でんみようと決心ししたものの、紙媒体では“読破”するのを断念した本を、再度耳で聴いてみようと挑戦するニーズが高いそうで、これは「学びなおし」「学び続ける」などの生涯学習につながると思います。冒頭の小学校の例もあり、共感できる部分も多いです。そしてYouTubeと比べると映像がありませんので、逆に観る必要がなく、片手間でも聴けるのが良いのかもしれません。

〇私も若いころの一時期は、ラジオを聴く方が、テレビを観るよるりも楽しかったことがあったことを思い出しました。今度私も自宅のタブレットで、“オーディオブック”を試してみようと思いました。

須藤昌英

12月13日(火)新着本展示会・味見読書

〇全クラスの国語の時間を使って、図書委員会の司会進行により、新着本を並べての「味見読書(いろいろな新着本を手に取る)」を行っています。最初に図書委員から説明があり、1テーブル5分ずつ6テーブルを班ごとにローテーションします。一つの本をじっくりと読むのではなく、料理を味見するように、気になる本をチェックしていく活動です。

〇生徒の感想の一部から抜粋します。

・味見読書はすごく楽しみにしていて、今日も読めてうれししいです。自分から手にとらない本でも、味見読書だと読むことができるので、より本が好きになりました。

・まだ読んだことのない本など、たくさんの本を読んで、どの本もとても読みやすくて、ワクワクして面白かったで

す。

・久しぶりに自分が本当に読んでみたいという本を見つけられたのが良かったです。味見読書なので、短い時間でしたが、新しい発見がありました。

・こんど本屋で本を選ぶとき、いつも見ないジャンルの棚もみてみようと思いました。

・受験もあり朝読書以外に本を読めませんでしたが、この機会を通し読むことができてよかったです。

・有名な本はだいたい知っていますが、あまり聞いたことのない本もとても面白そうで、読んでみようかなと思いました。

・毎回恒例の味見読書ですが、今年も新しい本を読むことができ、とても良い時間でした。

・新着本の中で、何冊も読みたい本があった。

・自分で今まで読んできた本とは違うジャンルも読みたくなりました。同じジャンルに限らず、もっと色々読もうと思いました。

・本それぞれに良い点があったり面白さがあったり、読んでいて苦ではなかったです。

・気になるような表紙とか挿絵を選ぶことが多いですが、本の出版社にとっても大事な視点かなと思いました。

・自分はあまり図書室に来たことがなかったけれど、本を読みたい気持ちはあったので、冬休み前に本を借りたいです。

・普段から読むような本とそうでない本まで、色々な本を手に取る機会になりました。すごく楽しかったです。

〇先日前もってお知らせした「柏市こどもの学び応援事業『図書カード』の配付」を周知する柏市からの文書を、紙媒体で配付しました。味見読書で見つけた本を、新年になって購入してみることもよいのではないでしょうか?

須藤昌英

12月12日(月)師走の日曜日に思ったこと

〇昨日、あるソロアーティストのライブが東京ドームであり、事前にチケットを購入しておいたので、行ってきました。土曜日と日曜日の二日間で、十一万人強の人を集めてのコンサートですので、開場から演奏開始まで、二時間半をかけて密にならないようにし、基本的な感染対策も色々と施されていました。もちろん演奏中もマスクは外さず、繰り返し「大声での声援は控え、拍手をお願いします」のアナウンスが流れていました。                  

〇この三年間はコロナの影響で、音楽をはじめとしたエンターテイメントの業界は、壊滅的な打撃を受けています。私はこのアーティストなども、「自分が歌いたい」と言う気持ちよりも、これ以上イベントの自粛を続けると、関わっている会社や実際に働いている人達が困窮してしまうと考えているのではないかと想像しています。実際にコロナ前と比べて感染対策もあり、やたら多くのスタッフがあちこちに配置されていました。                  

〇あの中国もこれまでの「ゼロコロナ政策を見直し」とのニュースが伝えられていますが、その発端は、各地で行った市民レベルのデモのようです。かの中国共産党もこれ以上の抗議運動の拡散を恐れたとの専門家の見解です。感染拡大を防ぐことと、経済を回すことはこれまでは真逆のロジックで語られてきましたが、新たな段階に入ったとも言えます。        

〇全28曲のうち、「平和の街」という曲がありました。その曲の歌詞から私が受け止めたメッセージは、「現実の生活はもがくことは色々あるけど、一人一人はかけがえのない存在、ともに平和の街で生きよう」でした。世界では紛争によって命の危険や厳しい寒さで凍えている人も多いことや、この平和な日本でも医療関係者などはこの年末年始をいかに乗り越えるか頭を悩ませています。

〇12月の東京ドームで、あと3週間、本校生徒が何事もなく新年を迎えられるように考えていました。

須藤昌英

(東京ドーム入口の入場チェック体制の様子)

12月9日(金)「いいね!」の功罪

〇この「校長雑感ブログ」にも「いいね」の機能がついています。私としては「なくてもいいかな?」と思いつつ、4月からホームページのフォーマットを初期設定からそのままにしています。ただ実際に「いいね」があると、全く気にしないというわけにはいかないのが人情です。私たちは誰しも、「誰かに認められたい、受け入れられたい」と思う気持ちを生まれつき持っていますので、その心理が働くのだと思います。

〇ただその「いいね」という機能について、功罪(または長所と短所)があるとも感じます。昨日もとりあげましたが、生徒たちも様々なSNSを使った情報発信をする中で、一喜一憂しているとも聞いています。功(長所)の面からは、まずに、「人との共感性の見える化」が挙げられます。自分の意見や価値観に共感してくれた人数がわかれば、確かに悪い気はしません。しかも、その相手が目の前にいなくてもいつでも「いいね」がもらえ、満足感などを得ることができるのが「いいね」だとも言えます。

〇また前述しましたが、「承認欲求の充足」が挙げられます。特に中学生など思春期の若者は、自分の意見や価値観に自信がなかったり他人との比較を重要視することが多かったりします。そこで、「いいね」は自分の考えを肯定してくれ、社会から認められているという感覚を与えてくれます。さらに、「所属感の獲得」が挙げられます。「いいね」は不特定多数の他人からの賞賛の声や同意の証として機能します。この「いいね」をもらえる機会が増えると、それだけ社会集団の一員として帰属意識が芽生えます。要するに、自分にとっての居場所が確保できたと受け止めやすい状況が作れるのです 。

〇一方で、今度はSNSの「いいね」が現代の人間心理に与えた罪(短所)については、段々と「もっと認めてほしい」などの依存性(中毒性)が出てくることだと思います。これは心理学では「強化」と呼ばれています。厄介なのは、もっともらえるよう発信の回数が増えたり、内容も「受け」を狙うようになりやすかったりします。つまり、心の中が「いいね」に支配されてしまい、「いいね」がないと不安になったり焦ったりします。さらにSNSを確認する回数や時間が増えると、画面を注視したり、姿勢が崩れたりして心身への影響が免れません。時には心身の不調を訴え、精神衛生上良くない方向に影響が出ることもあります。  

〇また「喪失感や空虚感を抱きやすい」面もあり、現実の賞賛や承認より抽象度が高く、統一性があるため実感が湧きにくいという特徴があります。最初が「いいね」が貰えて喜んでいたのに、次第にその嬉しさや楽しさが減り、虚しさや悲しさを感じやすくなります。これは「いいね」を追い求めた反動・リスクとしてのネガティブな感情の生起で、注意が必要です。

〇この記事をかきながら、「大人の私も同じようなところは少なからずあるなあ~」と感じました。

須藤昌英

12月8日(木)「情報・ネットモラル授業」出前授業

〇昨日も書きましたが、学校内でのいじめではなく、ネットワーク上でのいじめは、なかなか我々職員も把握しづらい面があります。またコロナ禍という時代背景もあり、ここ2~3年は、SNSなどを使ったいじめが増加しています。対面ではなく、仮想空間で相手の気持ちを考えることなく、傷つく投稿をしてしまうことが想像されます。

〇昨日の4時間目、柏市少年補導センターから小島指導主事をお招きし、校長室から「情報・ネットモラル授業」出前授業を行ってもらいました。実施の主な目的としては、SNSを通じたトラブルや犯罪行為が急増化する冬休み(年末)に入る前に、情報モラルについて考える機会としSNSの危険性を知り、適切な使用方法を身につけることです。

〇大きな内容は次の3つでした。「なぜ今我々にはICTが必要なのか、SNSの間違った使用は命の危険までつながる、ICTは人に対して優しく使うことが大切」。日本は世界的にみると、ICTを学習・仕事よりも日頃のコミュニケーション(ネット上のゲームも含む)に重きを置いています。だからこそ「きちんとしたモラル」を身に着けていないと、様々なトラブルが起きるということになります。

〇実例として「インフルエンサー(世間に対してSNSを発信して大きな影響を与える人)」をフォロー(好きなユーザーの発信を継続して読むために登録すること)しただけでも、そのインフルエンサーが悪いことを考えた場合(個人情報を盗まれる、お金や写真を要求されるなど)、そのトラブルの中に巻き込まれたことも紹介されていました。

〇またオンラインゲームやインターネットを通して友達になった人に会いに行き、誘拐や薬物を打たれるなどまで発展するなど最悪の場合もあります。そのような場合は、相手は架空の人物になりすまし、最初は優しくあなたに寄り添うように対応してくれ、それを信じて安心感を抱いた瞬間に、相手の態度が急変し、脅迫されるようになることが多いです。

〇よく使うLineなどのメッセージアプリも、文字だけではお互いの本当の気持ちは伝わりにくく、誤字などでむしろ誤解につながることも認識しておくべきことや、すぐに返事がこなくても相手には相手の都合があること、つまり自分の基準を相手に押し付けないことも「マナー・モラル」の一つだと思います。

〇感心したのはこの授業を行う前に、生徒に行った事前アンケートの中で、次のような意見があったことです。

「ネットと現実は急速につながってきたのに、一部のメディアでは『ネットの世界と現実の世界は別物』のような間違った情報が流し、結果として、実際にその境目がわからなくなった人たちを、さらし者にするようなことも行われている。このようなことを自分はいけないと思う」

「人類の生活が快適になるためにSNSは発達してきたのに、インターネットに執着した結果の『SNS疲れ』などは、本末転倒な気がする」

「子どもも大人もマナーを守り、犯罪やトラブルに巻き込まれない環境をつくることが大切だと思う」

〇さすが中学生だと思いました。この年末年始が楽しく過ごせるように、職員一同願っています。

須藤昌英

12月7日(水)「2学期いじめの状況調査」より

〇先日、全校生徒を対象とした「いじめ」を把握するためのアンケートを行いました。通常、学校がいじめを認知するのは、「本人からの相談、他の生徒からの情報、職員による観察、保護者や地域の方々からの情報」となっていますが、定期的にアンケートによる状況把握を行っています。そもそも「いじめとは、日常的なトラブルでも、本人が『いじめられた』『不快な思いがした』などと感じるものをすべて」と定義されており、生徒も職員もそれを意識しています。

〇集計した2学期の認知件数は6件で、その内訳は「冷やかしやからかいを受けた」「仲間外れにされた」「傘を隠された」「インターネットで嫌がらせをされた」となっており、最初の「冷やかしやからかい」が一番多く3件で、あとはそれぞれ1件ずつでした。それぞれの案件で、職員が本人及び関係生徒から事情を聴きとり、謝罪や今後についての話し合いを行いました。

〇1学期の認知件数は18件でしたが、例年1学期は進学、進級などで新しいクラスになったり、各学年とも旅行的行事があったりと、まだ人間関係が不安定な面があり、多くなる傾向にあります。ただ1学期と2学期の認知件数を比べると、「冷やかしやからかい」が11件から3件、「仲間外れ」が2件から1件、「軽くぶつかられた」が3件から0件、「物を隠された」が2件から1件、「嫌なことを強要された」が1件から0件とそれぞれ減少しています。

〇柏市では、「いじめが解消した」とする条件の1つが、「発生から3カ月以上当該生徒の関係の中で継続したいじめはない」となっていますので、先ほどの2学期6件の場合も、これから3カ月間は経過観察を行います。謝罪などをもって安易に「解消」としないことは、やはり人の心の中までは見えませんので、仕方ない部分もあります。

〇ひと昔前のように、二人で喧嘩しても「喧嘩両成敗」とはいかず、お互いがそれぞれ嫌な思いを抱くと、それはすべて「いじめ」とカウント(2件)しなければならず、簡単にその場で相手に謝って終わりとできないところが、正直難しいです。ただ大人も含めて生きていく上で一番の悩みは「人間関係」ですので、「こうすればいじめはなくなる」のような究極の方法はなく、丁寧に対応していくしかありません。

須藤昌英

12月6日(火)サッカー日本代表監督のメモ

〇昨晩のサッカーワールドカップは、私はさすがに起きている自信がなかったので、朝のニュースで結果を知りました。ご覧になっていた方々は、さぞ悔しい思いをされたことでしょう。ただ、強豪のドイツ、スペインを破ってリーグ1位で決勝トーナメントに進み、前回準優勝のクロアチアに延長及びPK戦での負けですので、見事だったと思います。また怪我から復帰した本校卒業生の酒井選手も、ドイツ戦以来の途中出場ができたようで、何よりも良かったと感じました。次の4年後の大会のときは、今の生徒たちが全員それぞれ、高校生、大学生、社会人となっているはずですので、先のようですがアッという間にくる気がします。

〇ここまでの試合を観ていて、私が一番気になったのが、森保代表監督が試合中に仕切りにメモを取っている様子が映されたシーンです。私の想像では、その場で気づいたことを忘れないためと、試合を冷静に俯瞰的に分析しようとしてあえて行っているのかと思っていました。

〇インターネットでも、視聴者からの質問として「何をメモしているのか?」というものが多く寄せられたと書いてありました。すると森保監督は「前半が重要」と語り、その内容は選手のプレー内容を記録しているとのこと。例えば「◇◇がシュートを打った、サイドからの攻撃。サイドからやられた〇〇がやられた」という、プレーの流れを書いていると明かしたようです。またその理由について森保監督は「コーチとハーフタイムの時にロッカーに入る前に話をする」とし、「ポイントを言ってもらい、メモと一致していることは、チームに伝えた方が良いので選手に伝える」と語ったといいます。つまり、自身が試合を見ていて気になったポイントをメモし、コーチ陣と気になるポイントが重なったらこれは問題点だと考えて修正するということなのです。

〇それぐらいなら覚えていられると一瞬思う人もいると思いますが、実際の試合では監督といえども興奮度があがり、次に何が起こるか分からず、全て気になったところを覚えていられる保証はないのではないでしょうか?見ていると監督は常に声を出して指示し、すぐに修正しなければいけないポイントは別として、後半に向けての作戦にはメモは欠かせないのだろうと素人ながらに想像しました。

〇森保監督は私よりも5歳年下ですが、その表情や言動、たたずまいなどは、これから新しい時代のリーダーなのだろうと思います。あえて威厳を示さず、選手たちを信頼し、自分の言葉で自分の思いを率直に語るなど、私などもお手本にしたい部分が多いです。

〇メモをとることに関しては、授業中などにも有効なことを、人生の中で一番記憶力が抜群である中学生にもわかってもらいたい気がします。メモをとることの大切さはいくつかありますが、まず情報が整理されるメリットがあげられます。確かに書くことは時間はかかりますが、人間は見ただけや聞いただけの情報を忘れるもので、基本的に生命の危険にかかわる情報以外は忘れるようにできています。そこで文字にすれば、情報の可視化ができ、複数の情報がある場合はそれらの整理も可能となります。

〇私もそうですが、日々の生活の中で感じる「こうしたらいいかも・・」という思いつきは、できるだけメモするようにしています。そのときは「これは今までにない発想かも・・」と喜んでいても、メモを忘れしばらくたつとすぐに思い出せずに後悔することがあります。その他ちょっとした違和感やひっかかる点こそ、新しいアイデアの源になる可能性が高いと思います。

〇サッカーの内容よりも、監督のメモの方が気になるのは、私がサッカー素人であることが要因ですが、そのようにその専門以外の人が抱く疑問などは、尋ねてみると意外なことが多いかもしれません。ですので一応「教育のプロ」として働いていますので、教育の専門以外の方の声を聴くことも大切にしています。それにしても今日は、「寝不足」な生徒や職員も多いことでしょう。

須藤昌英

 

 

12月5日(月)柏市議会(第4回定例会)が開会中

〇中学3年生が社会科(公民)で,「三権分立」を学習していますが、国及び我々にもっと身近な都道府県や市町村などの地方公共団体は、大きく2つの組織から成り立っています。一つは「議決機関(地方議会:条例の制定や予算の決定などを行う)」、もう一つは「執行機関(市長と市役所:予算に基づきそれぞれ担任する事務を行う)」です。簡単に言うと、「前者は後者のやっていることをチェックする機能を果たす」ということです。

〇柏市には36名の市議会議員が市民からの負託を受けており、柏市議会定例会は年4回(3月、6月、9月、12月)開催しています。そして現在第4回定例会が開会中(一般質問:12月1日~8日)です。その様子は直接市役所7階の議場に行かなくても、インターネットでも視聴することができます。市役所の各部へは、事前に質問する議員から質問事項として通告され、それに対して各担当が答弁書を作成します。

〇私も教育委員会事務局に勤務している時は、いろいろな答弁書を作成していました。前述のように、市議会は市役所業務のチェックをするのが役割ですので、答弁書には誠実に、各業務の進捗状況や今後の方向性を盛り込みます。国会での答弁も同様ですが、質問が多い際には、期限日の夜中までかかって作成しています。

〇今回の定例会でも、多くの議員が、教育に関する質問をしています。その一部が、「学校での感染症対策、特別な支援を要する児童生徒、不登校児童生徒支援、タブレット端末活用、部活動地域移行、小中一貫教育、リカレント教育、コミュニティースクール、子どものネット依存、子どもの運動能力、いじめ対策、交通安全対策、アレルギー反応、学校給食、給付制奨学金、教員不足と働き方改革、ヤングケアラー、市立柏高校、公立夜間中学」など多様です。

〇現在行っている本校の体育館改修工事などもすべて、昨年度までの市議会で予算案の承認を受けています。またその建設費は、もともと市民の税金があてられています。生徒たちにもその仕組みを教えていくことは大切であり、終業式に私から話をしようと思います。

須藤昌英

 

12月2日(金)柏市学力・学習状況調査(第1・2学年)

〇柏市学力・学習状況調査は昨年度までは全学年を対象とし、年度初めの4月に行っていましたが、今年度からこの時期に1・2年生のみ行う(3学年はアンケートのみ)ことに変更となりました。この調査の目的は、「義務教育期間を通しての各児童・生徒の経年変化や傾向を見取ることにより、教育指導の充実や学習状況改善を図ること」で、大きく分けると、学力状況調査 4 教 科 ( 国 語 , 数 学 , 英 語 , 理 科 )と生活・学習意識調査(アンケート)になります。

〇柏市は「第2次柏市教育振興画」の中で4つの力(コンセプト、チャレンジ、コミュニケーション、コントロール)を4Cと銘打ち、バランスのとれた児童生徒の育成を目指しています。本校の昨年度の「児童生徒の生活・学習に関する意識況調査」の結果から、4Cについては次の分析がありました。

・コンセプト(見通す力)については、分からないことは、そのままにせず、人に聞いたり、自分で調べたりすることができる生徒が多い。その反面、計画的に取り組むことは、若干弱い。

・チャレンジ(挑戦する力)については、物事に取り組むときに、あきらめずに粘り強く取り組み事ができる生徒が多い反面、失敗を恐れずに挑戦する意欲は、若干弱い。

・コミュニケーション(関わり合う力)については、地域の行事やボランティアに参加する生徒は、少なくなってきている。しかし、他人の話をしっかり聞く姿勢を持っている生徒が多い。自分の考えを説明することが、若干苦手な生徒が多い。今後の課題といえる。

・コントロール(自律する力)については、どの学年も学習に意欲を持って取り組む生徒が多い。学校の決まりやクラスで決めたことを守っている。

〇これを受けて、今年4月からここまで8カ月間、授業改善を図ってきました。14日の保護者会で詳細は説明いたしますが、ただ知識を授ける授業ではなく、問題解決型授業への転換を職員と一緒に目指した結果が、この調査でどのように評価されるかをまた分析し、来年の糧にしたいと思います。

須藤昌英

12月1日(木)給食の時間の「黙食」について

〇今週に入り、文部科学省は給食の時の過ごし方について、「適切な対策を行えば会話は可能」とする通知を都道府県の教育委員会などに出しました。具体的には、「座席配置の工夫や適切な換気の確保などの措置を講じた上で、給食の時間において、児童生徒などの間で会話を行うことも可能」などとして、地域の実情に応じた取り組みを検討するように求めています。

〇ある報道によると、文科省へのインタビューとして、「これまでも文科省の感染対策マニュアルでは、給食時に飛沫を飛ばさないよう『机を向かい合わせにしない』『大声での会話を控える』といった対策を示しているが、全く会話をしない『黙食』という言葉は使っていない」との記事があり、違和感を覚えました。学校現場では常に最悪の事態を避けることを優先してきたからです。また「飛沫を飛ばさないように上手に話しながら食べなさいなど」を子どもたちに指導するのは困難です。目的はわかっても、ではどうするかの手段も一緒に提示してあげなければいけないからです。

〇今も給食の時間になると生徒たちが一斉に前を向き、配膳を終えると黙って給食を食べています。そして20分ほどで食べ終わると再びマスクをつけて食器を片づけています。2年半黙食を徹底してきたので、生徒の中には話しながら食べることに抵抗を感じる子もいると思います。ここにきて感染者も再び増えている状況なので、まずは教育委員会の方針も含めて校内で検討していきます。

〇学校でのコロナ対策をめぐっては、「継続した対策が必要だ」という意見もある一方で、「黙食やマスクなどが生徒たちのストレスやコミュニケーション不足の一因になっている」という声もあります。私としましては、保護者へのアンケートが終わったので、今月中に生徒への学校評価アンケートを行う予定でいますので、その中で、「あなたは今後も給食時の黙食を続けていくべきだと思いますか?」の質問項目を入れ、生徒の意識を把握していきたいと思います。

〇コロナについては、これまでわからないとことが多く、生徒たちを守るために、専門家などの意見を参考にした行政機関の方針に疑いを持たずにとにかく従うことを優先してきました。それはそれで仕方がない面もあったと思います。ところがその中で一番感じたことがあるのは、生徒たち自身であり、彼らに「自分たちが学校生活の主役であるという当事者意識」をもってもらうことが、彼らのこれからの時代を生き抜く力の育成になると感じています。もちろん生徒アンケートの結果のみをもって判断はしません。方針が決まりましたらお知らせします。

須藤昌英

(昨日の黙食の様子)

11月30日(水)リフレーミング

〇2号館2階の心の相談室前の掲示板に、「リフレーミング」に関する啓発ポスターが貼られています。ちょうど階段の踊り場からも正面ですので、私も通りかかるたびに目にとまります。

〇リフレーミングという言葉は、「認識のフレーム(frame)を改める(re)」ことを意味します。リフレーミングとは、物事を別の角度から解釈し直すことで、簡単に言えば、「一つの視点ではなく、いろいろな角度からの見方をすることにより、嫌なことや苦手なことをポジティブ変換する思考テクニック」です。

〇よく使われる例えとして、目の前に水の半分入ったコップがあったとして、これを「なんだ半分しかない」と思うか、それとも「まだ半分もある」と思うか。水の量という事実を変えることはできなくても、その事実をどう解釈するかで、感じ方は大きく変わります。これはだれもが日常生活で経験すみだと思います。

〇リフレーミングには、いくつかの効果が期待できます。モチベーションアップや自分に自信がつく、ものごとへの苦手意識が弱まったり人間関係が良くなったりすることが心理学の面から報告されています。3年生の校長面接では何人かの生徒に、「確かに苦手なことに取り組むのは気がひけますが、『何でも初めから完璧にできる人はいない!』『自分の可能性をのばす絶好のチャンスかも!』ととらえると、『まずはやってみよう!』となりますね。」とアドバイスしました。

〇リフレーミングは主に2種類あり、一つは「今の自分の状況・事実」をリフレーミングしてみること。例えば、私も先日コロナ陽性で7日間の自宅療養をしましたが、最初は「あれもやっていない、これも遅れてしまう」ばかり思っていましたが、「休んでいる間、自分自身や仕事についてゆっくり考えられる」と気持ちが変わると「自宅でできることをやろう」と思えました。

〇また「自分の性格や行動の傾向」をリフレーミングすることも多いです。例えば、いつもいろいろなことに心配性な人も、「想像力があり慎重にものごとをすすめることができる」と切り換えると、また違ってきます。ただこれは、なかなか自分では気が付きにくく、他人からのアドバイスが大きなポイントをしめると思います。

〇昨日冒頭のポスターを見つめている生徒がいました。あえて声をかけませんでしたが、今度見かけたら「何か参考になることがありますか?」と尋ねてみようと思います。

須藤昌英

11月29日(火)2学期学校教育診断アンケートについて

〇先日ご依頼した「2学期の学校教育活動に関する保護者アンケート」は、生徒にとってよりよい教育環境作り・わかりやすい授業を目指すための参考資料とするためにお願いしています(アンケートは、QRコードからお答えいただくか、文書裏面にご記入いただき、封筒に入れて担任にお渡しください。)。回答期間を昨日の「11月28日(月)まで」としておりましたが、まだ未回答の方は、本日と明日(今月中)にお願いしたいと思います。

〇アンケート10項目のうち、次の4項目は富勢小、富勢東小、富勢西小と共通項目になっています。同じ学区にある学校として、教育内容は異なりますが、目指す方向性は同じにしたいと日頃から4校の校長では話し合っています。

・生徒は、進んで学習したり、本を読んだり、調べたりしながら自ら学ぼうとしていましたか。

・生徒は、自分や周囲の人を思いやる行動や言葉がけをしていましたか。

・生徒は、進んで体を動かしたり、規則正しい生活をしたりして、心身ともに健康に過ごせましたか。

・学校・家庭・地域は連携して学校運営を行っていたと思いますか。

〇学校はこのアンケート結果を受け、来年の1~3月にかけて、新年度の教育計画を立案していきます。私としましては、今年度の成果と考えられる面はその要因となる部分に新たなアイデアを注入し、課題となった面は地域や保護者、教職員の思いや願いはどこにあるかを分析しながら、「ゼロベース」で再検討していくつもりです。

須藤昌英

11月28日(月)「いじめ防止サミットKashiwa」

〇26日(土)に、柏市沼南庁舎において、柏市内の中学校21校の代表生徒が2名ずつ集まり、「いじめ防止サミットKashiwa」が開かれました。テーマは「いじりといじめの境目は?」で、柏市の田牧教育長の挨拶に続き、株式会社スタンドバイ代表取締役の谷山さんがファシリテーターとなって、参加者がグループで話し合う形式の学習でした。

〇本校からは、生徒会長の原 心渚さん(2年2組)と副会長の新倉 未菜(2年1組)さんが、富勢中を代表して参加しました。二人とも積極的に自分の意見を発表したり、他の中学校の生徒の話を真剣に聞いたりしていました。

〇最初にアニメによる問題提起がありました。そのシナリオは、「仲良し男子3人組の中で、一番気の優しいジュンが他の二人(アキラとカンタ)から『芸能人のモノ真似をやってよ』と言われた。ジュンは、気乗りしないものの二人に気兼ねして、いろいろな場でそのモノ真似をした。するとその他の友人からも『似てる!』とけっこう反応があったので、ジュンは心の半分ではまんざらでもなかったが、そのうち『いつまでこれをやらなければならないのだろう?』と疑問をもつ」という内容です。

〇これを題材に、ジュンにモノ真似をやらせた二人の気持ちやジュンの気持ちの変化について話し合いました。当日の意見の一部には、「アキラとカンタは最初は軽い気持ちでやっていたが、友達ならば途中からジュンが嫌がっているのをわかっていたはず」「ジュンはやりたくはないけど、断ったら仲間たちが楽しんでいるその場の空気をこわすから、今さら嫌だと言えないのだろう」などがありました。

〇大人の私でも考えさせられるテーマでした。普段からお互いに仲が良いからといって、どこまでこちらが相手にしてほしいことを強要できるのか?相手にどのタイミングで「あなたの本当の気持ちはどう?」と尋ねるべきなのか?仲の良かった人間関係が、ちょっとしたことで悪化していくのは、大人の社会でも気をつけていかなければなりません。

〇よい機会をもらったので、この教材を使って、12月23日の終業式に、オンライン形式で生徒会が中心となって、全校生徒に「いじめ」について考える時間を設定しようと計画しています。

須藤昌英

11月25日(金)2学期期末テスト(1・2学年)

〇昨日と今日は、1・2学年は定期テスト、3学年は実力テストを行っています。今日は特に給食もなしで下校となり、午後は家庭で過ごしますので、安全などに気を付けるように、声をかけてください。時より近隣の方から「中学生の自転車の乗り方が悪い」などの電話や情報をいただきますが、ほとんどが放課後に自宅から出かけた場合のことですので、学校でも指導をしますが、ご家庭でもよろしくお願いいたします。

〇先日、「2つの記憶」について書きましたが、私も有効だと感じている「経験記憶」にも弱点があり、それは放っておくとしだいに単なる「知識記憶」に置き換えられてしまうこと(体験がそぎ落とされていつかは知識記憶になってしまう)です。

〇そこでそれを補うためには、ときどきその知識を人に説明し、新たな経験記憶として鍛え直す必要があります。一説によると生物の進化の過程では、視覚よりも聴覚をより発達させてきたという事実があるようですので、一般に耳を使った学習は、目を使った学習よりも効率が良いと言われています。つまり、人に説明するときに「声を出す」というのは、脳にとっても刺激がありそれによって記憶が強化されるのです。

〇中学生も前半は、知識記憶(丸暗記)に頼っても良いと思いますが、後半は経験記憶(理論的)を積みあげるために自分なりの勉強方法を確立していく変える必要があるのではないでしょうか。

須藤昌英

11月24日(木)「子どもの学び応援事業」(柏市)について

〇まずは昨晩の「FIFAワールドカップカタール2022」の日本対ドイツ戦は、幸い深夜ではなかったので、私もすべて観戦しました。後半の見事な逆転勝利で、本校卒業生の酒井宏樹選手もディフェンダーとして活躍していました。ゴールを決めた選手が注目されるのは仕方ありませんが、彼のチームへの貢献度は、サッカー素人の私でもわかりますので、誰もが認めるところでしょう。次回の試合も期待しましょう。

〇本題に移りますが、先日の市内小中学校校長会議において、市内の小・中学生全員に、「本の贈り物」として、自宅学習等で使用できる図書カード(5,000円)が、来年1月中旬以降に配付される予定との情報提供がありました。

〇目的は、「新型コロナウィルスの影響等による物価高騰等で、家計への圧迫がある中で、子どもたちが豊かな教養を育むことが継続できるように支援する」であり、本事業の案内チラシを12月中旬までに学校を通して、各家庭へ配付(事前の申請は不要)するそうです。

〇五千円の使い方を各家庭でも生徒と話し合っていただきたいと思います。普段は手軽に買えない高価な本(大型の図鑑、各専門雑誌、シリーズ本など)を事前に調べ、自分の興味・関心をさらに広げたり深めたりできることが理想だと感じます。

〇もちろん、家庭学習で使用できる学習参考書なども有効だと思いますが、少なくとも無計画に書店で目に付いた本を手に取っていたら、いつのまにか五千円になったなどは避けたいものです。書店でじっくりと本を探すのも、よい学びの経験になります。

須藤昌英

 

11月22日(火)「富学協」会議

〇19日(土)の15時より、「第10回柏市立富勢中学校区学校運営協議会全体会議(富学協)」をオンラインで行いました。中心の議題は、8月に協議会委員の方々と4校の教職員が行ったグループワーク「熟議」の結果報告と今後「4校合同の挨拶運動」を行っていくという提案があり、了承されました。

〇またその際、「富学協(ふがくきょう)」のロゴマークが入った「のぼり旗」をつくることになり、その8案が示され、子どもたちの意見も取り入れながら、ロゴを決定していくことになりました。デザイン案は、地域にお住いのデザイナーの方にお願いしましたところ、「富学協」ですから、富士山の入ったデザインもあり、洗練されたものばかりです。何に決まるか楽しみです。

須藤昌英

11月21日(月)花鉢配付ボランティア活動

〇19日の土曜日、富勢地域ふるさと協議会及び各町会・自治会の皆さまとボランティアの生徒が一緒に、これまで育ててきたビオラの花鉢をお手紙と一緒にお宅に伺って、配付してきました。

〇受け取っていただいたご高齢の方々からは、3年ぶりに中学生が届けてくれたことに、感謝の言葉がありました。中には、「孫が富勢中にお世話になっています。」との話から、そのお孫さんが届けた生徒と同じクラスだったことが偶然わかり、びっくりしていました。同じ地域に住んでいるからこその「こぼれ話」です。

〇11月としては暖かく小春日和で、参加した生徒たちも「最初は緊張しましたが、あたたかく迎えていただき、良い経験ができました」と感想を言っていました。これからこの地域を支えてくれる生徒たちに、地域への愛着心が芽生えてくれると、このボランティア活動の目的にも沿ったことになります。

須藤昌英

11月18日(金)記憶の種類と学習

〇昨日のブログで、「学習の基本はまずは覚えることから」と書きましたが、人間の「記憶」とは大きく分けると、「自由に思いだせる記憶(経験記憶)」と「自由に思い出せない記憶(知識記憶)」があります。いわゆる「ド忘れ」は、ほとんどが人の名前などの知識記憶で、スムーズに思い出すには、何かのきっかけが必要です。私なども最近人の名前が覚えにくくなったので、初対面の相手の苗字が、だれか他の有名人と同じならば、心の中で、その人の顔とその有名人の苗字をセットで繰り返し覚えようとしています。すると後になって有名人の苗字がきっかけとなり、その人の苗字を思い出しやすくなります。これは単なる人名という「知識記憶」を、有名人(一種の過去からしっているという「経験記憶」)の力をかりて記憶を強化していると言えます。

〇そこでそれを応用として、テスト範囲の内容も知識記憶ではなく、経験記憶にすればよいと考えられます。単純な知識記憶も個人的な情報や周辺の環境に関連付けて覚えると忘れにくくなります。例えば、脳にとっては負担が少なく、効率の良い暗記法として、昔から「語呂合わせ」があります。その際、言葉の音声のリズムやノリだけでなく、意味していることをきちんと「想像」することが大切だと私の経験からも感じます。

〇有名なのが、理科の「周期表にある20番目までの元素記号」があります。それは、次のように並んでいます。

H(水素)He(ヘリウム)Li(リチウム)Be(ベリリウム)B(ホウ素)」、C(炭素)N(窒素)O(酸素)F(フッ素)Ne(ネオン)Na(ナトリウム)Mg(マグネシウム)Al(アルミニウム)Si(ケイ素)P(リン)」、S(硫黄)Cl(塩素)Ar(アルゴン)K(カリウム)Ca(カルシウム)

これをいろいろな「語呂合わせ」があるようですが、私などは、「水兵リーベ僕の舟 7曲がりシップス クラークか」とつぶやきながら覚えました。語呂に合わせて、「海軍」や昔のテレビドラマ「太陽にほえろ」、「クラーク博士」などの画像イメージを頭で再現していました。

〇ただ一番大切なのは、なんでも面白がって覚えることです。元素記号などもその重要性も考えず、ただ語呂合わせで覚えても、あまり定着することはありません。授業中に、「ここって不思議だけど、何となく面白い」という感情があって、それを足掛かりにして、家庭学習などで覚えていくことが理想だと思います。

須藤昌英

 

11月17日(木)期末テスト1週間前(1・2学年)

〇来週の24日(木)と25日(金)は、1及び2学年の期末テストが行われます。すべての学習の基本は、「まず覚えられる範囲で基礎的な事項を覚えつつ、次に理解できた事項を確実にいつでも使える知識にする」ことです。脳の海馬については前にも書きましたが、テスト準備の期間中もしっかりと睡眠を確保し、海馬の活躍に期待するのが鉄則です。

〇昔から「一夜漬け」つまり直前に詰め込むやり方の是非が議論されてきましたが、「一夜漬け」のようなものを「集中学習」と呼ぶに対し、逆に毎日コツコツ勉強することを「分散学習」といいます。ただし「分散」とは注意力が散漫で集中していないという意味ではなく、時間を区切って少しずつ行うことです。また学習とは、「ものごとの関連性を習得すること」でもあり、今まで独立していた事実が頭の中でつながることです。簡単な例では、「GO」と「行く」のように、英語と日本語の意味の結び付けを行うことがあげられます。このつながりを強固にするには、繰り返し「学び続ける」しかありません。

〇「上手に覚える」ような成功を導き出すためには、それだけ多くの失敗が必要で、記憶とは「失敗」と「繰り返し」で形成・強化されます。何度も失敗すると、それでやる気がなくなっていきそうになりますが、その解決策の一つが、「得意な面を活かして学習する」ことです。苦手な教科は誰にでもあるもので、その苦手分野でクヨクヨせず、逆に得意を素直に活かすと、全体として成績が上昇することが知られており、教育心理学では「特恵効果」といいます。

〇これはテスト当日にもあてはまります。、テストを受けている際中も、自分の得意な問題から手を付け、そこから自信がつくと、やる気や集中力が高まります。よく食事で、「美味しいものを最後に食べる」「美味しいものは最初に食べる」のような話がありますが、学習については圧倒的に後者が有利で、「得意なものは最初にとりかかる」です。

須藤昌英

11月16日(水)初めての感染で思ったこと

〇実は先週の火曜日の夜に自宅で発熱し、その晩にコロナの陽性が発覚、次の日から昨日までの7日間自宅で療養していました。今朝から勤務に復帰しました。この間この「校長雑感ブログ」も自宅から更新していました。

〇家族の中で最初に、87歳の母が喉の痛みを訴え、咳をし始めたので、家の中で生活する動線をわけるなどの警戒をしていました。ところがその母はその後発熱はせず、回復に向かいました。それと代わるように、私と妻が喉に違和感を覚え、咳が始まったのちその晩のうちに発熱しました。夜は発熱外来は受け付けしてもらえず、薬局で抗原検査キッドを購入して、すぐに「陽性」が判明しました。コロナそのものに対する薬は手に入りませんので、喉、咳、鼻水への処方箋を服用しつつ、幸い食欲はありましたので、お粥を中心に食事はとれました。

〇健康な時には気づきにくいですが、生きる上でいかに「呼吸」が大切かということがこの療養で身にしみました。高熱や咳が出ているときも、無意識に呼吸はしていますが、そういうときこそ少し呼吸に意識を向けて、まずはゆっくりと身体中の息を吐き出しますと、その反動で新しい空気が自然と入ってきます。呼吸が深くなると精神的な不安も少し和らぎます。

〇よく病院の診察時などでも、まずは「吸って」、次に「吐いて」の順で医師から指示されますが、本当は順番が逆で、しっかりと「吐く」と、自然と「吸える」のか?と思いました。咳止めなどの処方箋も確かに有効ですが、局所的ではなく、身体全体をケアし、本来もっている「自然治癒力」を最大限に引き出すには、呼吸を整えることが一番簡単にできることだ!と感じました。

〇そしてこれは人間関係も同じで、まずは自分から相手に何かを「Give(与える)」ことから、それによって相手から何かを「Get(得る)」させてもらうような関係が理想かもしれません。なぜ呼吸から円滑な人間関係へと考えたのかは自分でも不思議ですが、身体がつらいと普段とは違う思考過程になるようです。

〇最後に心配なのは、私のような年齢の高い者ではなく、若者は重症化リスクは高くないものの、「軽症」で済んでも後遺症が続く方が増えていると聞くことです。後遺症は嗅覚・味覚障害や強い倦怠感が多く、中には発熱や呼吸困難など日常生活に支障をきたしているという相談事例も増えているようです。私の経験からも、「もしかして自らが感染者かもしれない・・」という意識を持って、他人に感染させないように行動することの大切さを再認識しました。

須藤昌英

 

11月15日(火)「人生、遅すぎることはない」というメッセージ

○3年生と校長面接をしている中で、時々「自分自身に自信をなくしているのでは・・」と感じる生徒がいます。面接時間は一人10分間ですので、その原因を詳しく聞いたり、アドバイスをしたりすることはなかなか難しいのですが、そんなときいつも私の頭の中をよぎるのが「人生、遅すぎることはない」という言葉です。

○この言葉は、野球漫画で有名な水島新司(1939年~、現在83歳)作「あぶさん:84巻第3話」の題名です。この「あぶさん」もプロ野球を題材にした超大作の漫画で、41年間で全107巻、今から10年前の平成24年に幕を下ろしました。私も全て読破したわけではなく、たまに見かけると読んだくらいですが、プロ野球選手の主人公が野球だけでなく、身近な人達との人情的なやりとりがクローズアップされた作品で、読むと深くその物語に入り込んでしまいます。

○この「人生、遅すぎることはない」との出会いも、まだ私が三十歳代後半だったと思います。具体的には覚えていませんが、仕事で何かの壁にぶつかって悩んでいた時、たまたま家族と行っていたスーパー銭湯のソファーの横の本棚にあったコミック雑誌をパラパラとめくっていました。するとその中に、主人公が成績不振にあえぎながらもある人の言葉からまた立ち上がろうとする物語が目にとまり、その場で何度か読み返したのを今でもはっきりと覚えています。

○読み終えるとすぐに、「やってもみないことをくよくよ悩んでも仕方ない、とりあえずやってみて、もしうまくいかなかったら、またそこで考えよう」と思え、明るい気持ちで帰路につきました。私はそれまでは「漫画やアニメなんて・・」と勝手に遠ざけていましたが、それをきっかけに、メッセージ性やストーリーが優れているものがけっこうあることを再発見し、注目するようになりました。

○前振りが長くなりましたが、話をもとに戻します。冒頭の生徒達には、次のような言葉がけをしてあげたいと思っています。「今まで何度かやろうとしたけれど出来なかったこと、今の自分では到底出来そうもないとあきらめてきたことなどは、誰にでも1つや2つはあります。しかしそれらは多くの場合、『本気』で取り組もうとする前に、尻込みしてしまったことがほとんどではありませんか?「あの人だから出来るんだ」とか「自分にはそんな能力はない」と思い込んでいませんか?生きているかぎり、何でも「手遅れ」ということはありません。周りからは簡単そうにやっているようにみえることでも、その人は他人が見ていないところで必ず努力しています。その表面だけの姿で判断せず、まずは自分の出来ることから始めてみること。そしてそれを工夫しながら続けてみること。そのきっかけが一番重要であり、まさに今、新たなチャレンジをする勇気をもってほしい。」

須藤昌英

 

11月14日(月)「個性を鍛える」について

○3年生との校長面接では、生徒は制服を着て校長室に入室し、迎える私は必ず上着を着用しています。生徒とは着ている制服の話をする時間はほとんどありませんが、ふと思い出したことがありました。

○今から20年前くらいに学級担任をしていたころ、生徒達と当時の学校の制服について、何度か話し合いしたことがありました。生徒達は、「決められた制服や頭髪の基準、またそれらの身だしなみなどの約束があるのは窮屈な気がする」と言っていました。もちろん私が中学生の頃も同じでしたが、「中学校の時だけの決まりだし、みんな同じだから」と感じるくらいで、当時の生徒のように「自由がない、窮屈」とまでは思いませんでした。

○そこで当時、あるインタビュー記事で映画監督の大林宣彦さんが、「制服」について学生に語っている文を見つけ、学級通信に掲載しました。引用します。「確かに制服はみんな同じで変わらないかもしれないけれど、その人が読んだ本、聴いた音楽などによって、まずその人の目の輝きや語る言葉が変わってきます。そうするとその同じ制服を着ていても、『個性』が出てくるんです。制服はファッションではなく、【心のあらわれ】です。同じものを着て窮屈で嫌と感じるとすれば、君の言葉を磨きなさい。君の目の輝きを磨きなさい。そうすると君の着ている制服は、君だけに似合う『個性』になるよ、と言いたいですね」

○映画監督は一つのテーマをいかに表現するかをいつも考えてそれを仕事としており、その「表現のプロ」が言っているので、言葉に重みがありました。私は学級通信に、その解釈として「つまり表面ばかりに目を奪われて本質を磨くことを忘れてはいけないということを教えてくれていると思います」と添えました。もちろん生徒達はすぐに納得していたわけではありませんが、生徒達の疑問に寄り添うかたちで、教員として一緒に学んでいたことは忘れることはありません。

○また大林さんはこうも言っていました。「制服というのは対話の手段なんです。人間どうしは対話をすることでお互いを理解しようとします。対話とはお互いの違いを知る作業で、君と僕はこれだけ考え方が違うんだね。だからお互いに価値がある。これが共存共栄の意味だと知るわけです。違いを知るためには、一つの同じ土壌にいなければダメなんです。そのルールが制服だと思えば、制服を着せられたからみんな同じだと思うのではなく、同じ制服を着ているけれど、僕はこういう言葉を語るし、君はこういう言葉を語る、そうするとその制服が違って見えるということからも、個性を鍛えることができると思いますね」

○後半の言葉は、当時大人であった私も深くうなづくものでした。今の中学生は、制服についてどう思っているのか。何かの機会で、今度聞いてみたい気がしました。

須藤昌英

11月11日(金)3学年期末テスト

○今日と来週の月曜日は、3年生のみ2学期の期末テストを行います。今日は、国語、理科、英語の3教科、月曜日は社会と数学の2教科です。

○なぜ3学年だけはやく行うのかは2つの理由があります。一つ目は、高校入試の際に中学校が高等学校へ提出する「調査書(生徒の3年間の生活及び学習の記録)」を作成するために、3学年の学習評定を確定することが必要になります。1及び2学年の学習評定はすでに確定していますが、3学年は1学期及び2学期の学習の様子を総合的に勘案します。そしてまず、そのもとになる「保護者連絡票」を作成し、本人及び保護者に内容を確認してもらった上で、正式な「調査書」を年開けまでに作成します。

○もう一つの理由は、特に私立高校の場合、その学校独自の「推薦制度(第一志望または第二志望以下もある)」があり、その推薦制度の条件に志望した生徒の成績が見合っているかを、来月から中学校の教員が高等学校へ出向き、「入試相談」を行います。この際に、先ほどと同様に、1及び2学年の成績に加え、3学年の1学期及び2学期の評定が必要になってきます。もしこの「入試相談」で、高等学校側がその生徒が基準を満たしていることを認めれば、その生徒は願書などを出す時に、「○○推薦」を利用した出願が認められます。一番早い出願は、12月から「茨城県私立高等学校」となり、その後、「千葉県」「東京都」「埼玉県」と続きます。

○生徒の皆さんには、これまで努力した成果があらわれることを願っています。

須藤昌英

11月10日(木)「超・進化論」

○日曜日の夜9時からの「NHKスペシャル」は、政治・経済から文化、大きな事件・事故の検証分析など、多様なテーマを新しい視点から学べるので、毎週視聴しています。

○特に自然科学に関する内容は、一番興味深く、先週は「超・進化論」として、これまで見ることができなかった生き物たちの驚くべき世界を、映像化していました。植物がまるでおしゃべりするかのようにコミュニケーションをしている様子や、幼虫からまるで違う成虫の姿へと大変身するサナギの中の透視映像は、世界で初めて撮影されたものでした。

○この番組の主旨は、「生き物たちの営みの大半は、私たち人間には見えていない」ということと、「生き物たちは、人間とは違うやり方で世界をとらえている」ということでした。人間の目線から脱却して、「生き物たちが感じているもうひとつの世界に近づきたい」というアプローチでした。

○これまでの進化論の中心的な存在であったダーウィンは、その著書「種の起源」の中で、「唯一生き残ることができるのは、変化できる者である」と主張していますが、これからはすべての生き物は自分の種の保存だけを目的に争って生きているという解釈になります。

○しかし生き物たちは、厳しい生存競争を繰り広げる一方で、種を超えて複雑につながり合い、助け合って生きているというのです。「人間は最も進化した生き物だ」という思いこみをやめて、地球を支える「生物多様性の本当の姿」が今後明らかになってくるでしょう。

○具体例として2つが印象に残りました。まず植物の「感覚」とも言うべき、周りの環境を感知する能力として、虫が葉をかじる音に対して、植物が防御の反応を起こしているという事実です。植物は人間が持つ目や耳のような感覚器官を持っているわけではないため、私たちは彼らの能力を過小評価してしまいがちです。目も耳もなく、動くこともない彼らは、「ただ黙って立っているだけの、鈍感な存在」とも思ってしまいがちです。しかし最先端の研究者たちからすると、むしろ逆で、植物は動けないがゆえに、周囲のあらゆる環境の変化を、時に動物以上に敏感に感じ取って対応している可能性があるというのです。

○もう一つが、森の地下には、木と木をつなぐ巨大な菌のネットワークが存在しているという事実です。この目に見えない地下でのつながりは、遺伝子解析技術によって明らかになってきており。数十メートル離れた植物どうしが、同じ菌糸(細い糸状の菌)のネットワークでつながっているようです。加えて植物が光合成で得た養分が、その菌糸のネットワークを介して、他の植物へと送られているという研究結果が発表されていました。

○これまで暗い森の中で生きることが難しいはずの小さな幼木が、どうして成長できるのかや、広葉樹と針葉樹の共栄については、謎の部分が多かったのですが、大木の地下で育まれた菌糸のネットワークにつながり、そのネットワークを通して小さな木に栄養を送ったり、冬場に葉を落とす広葉樹に針葉樹が栄養を提供したりしていることがわかり、その謎が解明されつつあるようです。

○「食う・食われる」だけではない、このような植物の「支え合いの世界」のように、お互いに助け合って生きていることが「超・進化論」であるならば、我々人間も争うのではなく、一緒に生きていくことをもっと意識すべきだと視終わった後に感じました。

須藤昌英

11月9日(水)宇宙の神秘

 

○昨晩の皆既月食は、雲も少なく自宅からもよく見られました。通常は太陽の光を反射して明るく見える月ですが、地球の影に入るとその姿が当然見えなくなります。

○そのような知識をもって観察することも大切ですが、それ以上に宇宙の雄大さ、美しさ、神秘性を感じることができます。よく「天体ショー」などと言われますが、少し違和感を感じます。宇宙や自然は決して人間のために存在しているわけではなく、人間がその空間を「間借り」して生きていると思うからです。

○地球上の干潮や満潮などの潮のみちひきの現象は、もともと月の引力によるものです。中学生の頃、月も地球に引っ張られ、地球も月に引っ張られていると教わったとき、そのイメージをふくらますためによく月を眺めていたのを思い出しました。生徒など若い頃の探究心は大切にしてあげたいです。

須藤昌英

 

11月8日(火)秋の収穫(サツマイモほり)

〇秋の味覚の代表格の一つにサツマイモがあります。昨日の午後、富勢東小学校の児童が来校し、あすなろ学級の生徒と一緒に、「紅はるか」と「紅あずま」の芋ほりをしました。予想以上に大きな芋もあったので、小学生ではなかなか抜けずに、中学生が活躍しました。

〇芋ほりで大切なことは、いきなりスコップを土に差し込まないことです。スポッと引き抜くためにも、掘り起こす時は少し広い範囲で周りの土を手などで柔らかく崩しておきます。この時に土を触る感覚を子どもたちは楽しんでいました。

〇芋の他には、たくさんのツルが残りましたので、乾燥させてクリスマス用のリースを作ります。

須藤昌英

 

 

11月7日(月)柏市技術・家庭科作品展

〇一昨日と昨日、さわやかちば県民プラザにて、柏市技術・家庭科作品展が行われ、本校から16点の作品を出品しました。

〇県民プラザの隣は、県立柏の葉公園ですので、久しぶりに見学後に公園内を散策しました。県民プラザも柏の葉公園も、前任校の西原中の学区内にありありましたので、在任当時はよく行っていました。この時期は木々の紅葉も進み、バラ園では色々な種類のバラが、香りの高さを競っていました。

〇作品展では生徒たちの造形美、公園では自然美を感じることができました。今日は「立冬」です。冬の足跡が近づいています。

須藤昌英

 

11月4日(金)文化の日に「平和」について考える

〇昨日は朝から澄み渡る青空が広がり、暑くも寒くもない過ごしやすい一日でした。「このような気候が一年中続けば・・」などと思わず思ってしまいます。

〇ところがニュースでは、北朝鮮がミサイルをこれまで以上に危険な状態で発射し、日本、韓国、アメリカへの対抗意識をましているとの見方が強まっています。今年の2月からの継続しているウクライナとロシアの争いは、まだ遠い大陸の話と関心を寄せながらもそこまで緊迫感はありませんでした。しかし実際には連日、市街地にミサイルが着弾し、住居やインフラが破壊され、市民の悲痛な表情が報道されています。

〇この北朝鮮の動きや中国と台湾間でのキナ臭い関係は、日本の近海での話であり、その危機感が日本国政府が防衛費を増大させることにつながっている事実は、私たちの生活に直結してきます。政府与党内では、「北大西洋条約機構(NATO)諸国が国防費予算をGDPの 2%以上とすることを目指していることを念頭に、日本でも防衛費を5年以内にGDP比2%以上とすること」を求める声が強まっているようです。2022年度当初予算で防衛費はGDP比1%の5.4兆円でした。これを5年間でGDP比2%まで引き上げるには、単純計算で毎年約1兆円程度ずつ増額していくことが必要となるそうです。

〇私は2月からの8カ月間、「教員としてこの状況から中学生に何を伝えていけばよいか」をずっと考えています。夏ごろにある調査から、日本の若者の7割以上が、「日本の防衛力を強化することに賛成している」と知ったとき、正直「これでいいのか」と呆然としました。

〇私が教員になった昭和の終わり頃には、まだ先輩の先生方の中には、「教え子を戦場に送らない」ことを常に念頭におき、絶対非戦の考えを中心に、「民主主義の精神を生徒達に伝えたい」と強く願っている方がいました。しかしその後、平成の30年間と令和の4年間が過ぎ、そのような意識をもつ教員は私も含め皆無といってよいほどです。

〇もちろん歴史的・政治的なイデオロギーを生徒に教え込むというのではなく、もっと身近な日頃の生活の中で、他人を排除したり仲違いすることの延長が、大きな戦争につながるということを考えさせることは必要だと思います。少なくとも、「やられたらやり返す」「やられる前にやる」などのような短絡的な考えではなく、お互いが今の問題に向き合い、相手の話に耳を傾け、どうしていったらよいかの話し合いを継続していく姿勢をもってもらいたいのです。

〇昨日は「文化の日」でしたが、1948年 (昭和23年) に、「自由と平和を愛し、文化を進める日」として国が制定した国民の祝日です。この日は、1946年 (昭和21年) に日本国憲法が公布された日であり、日本国憲法が平和と文化を重視していることから、1948年 (昭和23年) に公布・施行された祝日法で「文化の日」と定められました。

〇「文化」は英語で表すと、「カルチャー:culture」ですが、それは「耕す」が語源であり、音楽、美術、書画、映像などの芸術により、人間の心を豊かにしてくれます。しかし、その前提は、「自由と平和を尊重する」世の中でなくてはなりません。自宅近くの手賀沼や北柏ふるさと公園を散歩しながら、そんなことを思いました。

須藤昌英

(手賀沼と青空に浮かぶうろこ雲)

11月3日(木)頑張れ!酒井選手(サッカーワールドカップ)

〇先日の1日に、今月中東のカタールで行われる「FIFAワールドカップカタール2022」の日本代表メンバーに、本校卒業生の酒井宏樹選手(現浦和レッズ所属)が選ばれました(3度目)。翌日の千葉日報には、本校のサッカー部と若いころ一緒のチームでプレーしていた郡司先生(保健体育)のインタビューが掲載されました。

〇酒井選手は1990年生まれの32歳、平成18年に富勢中を卒業しています。当時の卒業アルバムには、学ランを着て満面の笑顔の酒井選手が掲載されています。卒業後柏レイソルをはじめ、サイドバックとして、これまで数多くの日本や海外のチームで活躍しています。

〇11月20日が開幕ですので、富勢地域及び全校で応援していきましょう。

須藤昌英

 

11月2日(水)来年度の合唱コンクールについて

〇昨日の合唱コンクールは、柏市民文化会館大ホールで午前中にプログラムを詰め込み、保護者の方々には学年入れ替えで鑑賞していただきました。「お知らせ」には、感想を掲載しています。

〇来年度の合唱コンクールですが、現時点でまだ会場である柏市民文化会館大ホールの予約が確定していません。例年明日の「11月3日文化の日」の前後は、他の団体も使用することが多く、令和5年11月1日は、抽選になる可能性が高いです。

〇9月の体育祭後、約1か月半程度の練習期間が最低でも必要ですので、この時期に行うことが多いのですが、本校も今日から「三学年の三者面談」が始まりますので、11月中旬に合唱コンクールを設定することは、進路指導(進路事務)の日程に影響があるので、難しい状況です。

〇もし、来年度11月の初旬に柏市民文化会館大ホールの予約が取れない場合には、学校の体育館で開催するしかありません。抽選結果は今月中にわかりますが、何とか当選するように願っています。

須藤昌英

(昨日の朝、柏市民文化会館に集合した生徒たち)

11月1日(火)令和4年度合唱コンクール

〇本日の午前中に、3年ぶりの合唱コンクールが、柏市民文化会館大ホールで行われます。生徒たちは現地に9時までに集合します。途中経過を少しずつお知らせしていきます。

   【結果速報】                         1学年 優良賞1組 優秀賞3組                2学年 優良賞1組 優秀賞5組                3学年 優秀賞4組 全校最優秀賞1組

ご来場いただき、ありがとうございました。

須藤昌英

 

 

 

 

 

 

10月31日(月)高校生インターンシップ(職場体験実習)

〇先週の3日間、県立柏中央高校の1年生3名がキャリア教育の一環として、本校に実習に来ました。3人はまだ高校へ入学して7か月、また松戸市や流山市の中学校を卒業しており、しかも本校のことはよく知らないこともあり、少し緊張していました。感想を聞いたので掲載します。

【青山航成さん】

先日お世話になりました、この度はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。先生方のご指導を生徒としてではなく、教員の立場で見させていただいたことは、とても新鮮で、自分にとって、大変勉強になる3日間でした。実習前は、教師という仕事に対し、「辛い仕事」というイメージ持っていましたが、実習を通して、人に教える事の楽しさを感じました。また、先生方の生徒たちの事を第一に考え、常に自己を高めていくその姿勢を肌で感じとることが出来ました。この経験を活かして、将来、教育の世界を目指す事になった際、常に生徒に寄り添える先生になれる様、頑張っていきます。

【菊田妃七さん】

実習前は教師という職業について「ただただ大変」という想像しかありませんでした。しかし実際に体験をして、生徒の方から挨拶をしてもらったり、勉強を教えてわかったと言ってもらったりした事が本当に嬉しくて、まだ教師の"体験"ですが「大変なのは勿論だが楽しいと思える仕事」なのではないかと感じました。今後の高校生活ではこの経験を忘れず自分から挑戦、教師という職業にもっと関心をもっていきたいと思いました。インターンシップ期間中、多くの先生方に一方ならぬご丁寧なご指導をいただきました。本当にありがとうございました。

インターンシップ制度はいろいろな職場で行われていますが、やはり「百聞は一見に如かず」で、現場で感じることが大切だと思います。若者のポテンシャルの無限だと思います。

須藤昌英

10月30日(日)田嶋勉氏「還暦記念演奏会」

 

〇本校の11月1日の合唱コンクールで審査員をお願いしているお一人の田嶋勉先生が、昨日柏市民文化会館大ホールで「還暦を祝う演奏会」を開いたので、花束を持って聴きに行かせてもらいました。田嶋先生は、この3月まで市内の小学校の校長をされていましたが退職後、以前からの作曲家としての仕事を本格化させて活躍されている方です。

〇田嶋先生とは今から30年以上前、市内の同じ中学校で勤務して以来、仲良くさせてもらっています。当時はお互いに20代の若手教員でしたので、放課後などに夜遅くまで「今の生徒達に何をしてあげたらばよいか」など、お互いの教育論を語り合ったことを今懐かしく思い出します。

〇田嶋先生は教員として活躍される傍らで、若い頃から作曲・編曲を手がけられ、全国吹奏楽コンクールの課題曲や市内の中学校の校歌などを何曲も作曲しています。以前に市立柏高校で吹奏楽部も指導していたので、現在はその当時の教え子が何人もプロの演奏家になっており、その人たちが発起人となり、仲間のプロの音楽家仲間に声をかけ、今回の「還暦記念演奏会」が企画されました。ステージいっぱいに、普段は別々のソロ活動をしている演奏家たちがズラッと並んだ光景は圧巻でした。

〇また驚いたのが、1部と2部の合計3時間近い演奏時間の全てが、田嶋先生が作曲・編曲をした曲であったことです。これまで600曲以上の曲を手がけていますので、それでもほんの一部です。また全ての曲について演奏前に、司会者が田嶋先生にその曲への想いやエピソードをインタビューしてくれたので、音楽に疎い私でも聴いていてまったく飽きることはありませんでした。

〇そして最後の曲が、この8月にピアノ協奏曲として田嶋先生が新曲としてかき上げた曲でした。ステージ中央に田嶋先生が弾くピアノがあり、その後ろに陣取るオーケストラとの素晴らしいハーモニーは感動を呼び、会場は割れんばかりの拍手がしばらくは止みませんでした。

〇またもう一つ私が感心したのは、演奏した23曲(8月の新曲を含む)をたった2日間のリハーサルで仕上げたということです。指揮者と50人近い演奏家は、普段はまったく別々の活動をしているにもかかわらず、短い時間でそれぞれのパートをマスターしつつ、指揮者の曲想に合わせながら、見事に演奏しきったことは、「さすがプロ」と思わざるを得ませんでした。

〇週末の秋空が気持ちの良い午後、心が洗われる時間でした。その田嶋先生に審査員をお願いした合唱コンクールが明後日に迫っています。生徒達には、明日までの練習をいかし、スポットライトを浴びながら臆せず楽しんで歌ってもらいたいです。

須藤昌英

 

 

10月28日(金)新聞を読むことで身につく力

〇昨日は読書について書きましたが、ある調査で「新聞をまったく読まない」という中学3年生が約79%いるという結果があります。一方で各種SNSやYouTubeなどで、自分が関心のある情報だけ、ある意味際限ないほど多量の情報を多くの子どもたちは簡単に得て暮らしています。

〇スマホやタブレットなどで、知りたいことをすぐに調べられることはよく考えてみると、今の学校教育が目指す「主体的、対話的で深い学び」の中の「主体的」に関しては即していると思います。ところが「対話的で深い学び」については、自分の関心があること以外には興味をもたず、みんなで一つのテーマについて考えて協働していく場面では、それについてはあまり興味がないので消極的になってしまうという心配もあります。難しい問題です。

〇新聞は各面の見出しをサッと見渡すだけでも、社会で起こっていることが大まかにつかめるという利点があります。読めば読むほど、世の中や人間は複雑で簡単には理解できないことに気づきます。しかしそのモヤモヤした気持ちが重要ではないでしょうか?新聞を読むという一見非効率に見える時間も、少しずつ自分の引き出しを増やし、じっくりと深く考えてみる機会になるととらえると、前述のまったく新聞を読まないことのもったいなさを感じます。

〇現在の中学校学習指導要領でも、「新聞を活用した学習」が明記され、国語の授業の一部では、新聞の記事を使った教材も使用しています。本校では全国紙(朝日新聞)と地方紙(千葉日報)の朝刊に加え、中高生新聞(読売新聞&小学館)を定期購読しています。全国紙と中高生新聞は、図書室でいつでも生徒は閲覧できます。

〇特に中高生新聞は、週に一度の発行ではありますが、今の社会問題を写真や図を入れたり、難しい用語をできるだけ使わずに説明したりと、大人の私が読んでも「なるほど」を思うときがあります。今朝の中高生新聞の第1~3面は、「習氏 現代の『皇帝』」と銘打ち、異例の3期目となった中国共産党のトップである習近平氏について、その生い立ちや中国共産党の組織について詳しい記事がびっしり掲載されています。これを読むと、「我々大人でもわかっているつもりのことが多いなあ」とつくづく感じます。

〇本と新聞のそれぞれの良さをいかして、生徒の情操や課題解決力を伸ばしていくのが、学校の役割だと認識しています。

須藤昌英

(10月28日の読売中高生新聞のデジタル面より)

10月27日(木)読書週間が始まります「この一冊にありがとう」

〇今日から秋の読書週間が始まります。読書週間とは、公団社団法人「読書推進運動協議会」が推進するもので、毎年10月27日~11月9日の2週間が開催期間です。昔から「秋の夜長に読書」と言われ、確かに近頃は日没が早まり、夕方六時には真っ暗になっていますので、YouTube視聴も決して悪くはありませんが、本を手に取ってみることも楽しいものです。また特に11月3日(火)は文化の日で祝日ですので、読書を楽しむのにもピッタリであり、私も久しぶりに東京駅近くの大きな書店「丸善」に本を探しに出かけようかとも考えています。

〇毎年「読書週間」に合わせて標語が発表され、またポスターの募集が行われます。令和4年の標語は、「この一冊にありがとう」で、ポスターの大賞は上記のポスターです。本と向き合って心が和んでいる様子が表現されています。

〇「読書はどんな世代の人にも良い」とよく言われますが、その理由は人それぞれだと思います。私は生徒が「学び続ける」資質を身につけるという視点からですと、次の点を指摘できると考えています。

1 語彙や知識が増える

これは当然といえば当然ですが、普段触れる機会のない言葉や表現方法に触れる絶好のチャンスです。またこれからさまざまな表現や言い回しなどを覚える必要のある生徒たちには、ぜひとも読書を習慣にして欲しいと思います。さらに深い知識をもつ段階の生徒は、新しい知識を学ぶたびに、自身の「的確な判断力」や「幅広い創造力」にも磨きがかかっていくでしょう。人生は決断の連続です。正しい決断のためには、できるだけ判断材料は多いほうが、決断の精度が上がります。まさに読書はその判断材料を、脳へ蓄積している行為と言えます。

2 想像・創造力や共感力がアップ

次に著者や登場人物の考え方や知識に触れたり、文章には映像がない分、自分の「想像力」で内容を補う必要があったりすることで、結果としていろいろな力が養われます。読書している際中に、「これわかるなあ」「えーっ、どうしてそうなる」「たしかにそういう考え方もあるか」というように、自分とは違う人それぞれの価値観を知り、これまでで自分の考えを見直すことにつながります。生徒たちも社会人になれば、指示待ち人間ではいられません。与えられた情報や仕事をもとにして、どんどん新しい仕事を創り出していかなくてはならない状況に置かれます。日本ではどうしても「創造力」を高める教育が後回しにされてきた傾向にあり、読書により「想像・創造力」をアップさせることが有効だと思います。

〇本の読み方の一つは、自分の興味のある内容をとにかく掘り下げるように、幾つもの同じようなテーマの本を連続して読む方法があります。また一方でさまざま分野の本を読んでみることは、一見つながりのない分野どうしを結びつけて、新しいアイディアが生まれる可能性があります。要するにこれは必要ないと早々に決めつけずに、少しでも興味をもった分野は、片っ端から読書してみると、幅広い視野の形成にきっと役立つはずだと経験から感じます。今度機会をみつけて、お子様の本の読み方を少し尋ねてみてはいかかですか?

 須藤昌英

10月26日(水)ビオラの花鉢育成中

 

〇10月3日に富勢地域ふるさと協議会の皆さんと一緒に3年ボランティア生徒たちが移植したビオラが、秋の日差しを浴びて成長しています。正門わきのスペースは、歩道からもよく見えます。

〇毎朝登校したらすぐに、当番の3年生が愛情込めて水やりを行っているおかげで、紫の色が段々と濃くなってきています。来月の19日に、ご高齢の方のお宅にお届けする頃には、満開となっていることでしょう。

〇配付当日の11月19日(土)には、80名位の生徒数が必要なので、1・2年生に以下のようなボランティア募集をかけています。協力をお願いします。

須藤昌英

10月25日(火)県立柏高等学校の教諭2名が「他校種体験」

〇昨日、学区内にある千葉県立柏高等学校の若手教諭2名が、「他校種体験」として、朝から本校に学びに来ました。以前には本校の若手職員が富勢小学校へ同様の「他校種体験」をさせてもらいましたが、それぞれ高校や中学に入学する以前に、児童生徒がどんな学びをしているのかを、実際に見聞したり、発達段階の違いを肌感覚で感じ取ったりする経験はとても貴重で、教諭のキャリアアップにつながります。

〇理科の柴戸先生と書写・国語の牧島先生に話を伺うと、いろいろと高校と中学の違いが浮き彫りなります。まず中学生は朝からジャージなどに着替えて授業を受けていますが、高校では体育以外は制服が原則です。もちろん給食も高校はありませんので弁当持参です。また県立高校では一人一台のタブレット端末は貸与されておらず、必要に応じて自分のスマホなどを学習に活用していますので、2人の先生方は、「中学校はいいですね」と感心していました。

〇一人の先生はサッカー部顧問で、大勢いる部員の中で、新チームのキャプテン(高校2年生)は富勢中出身だそうです。もう一人の先生は書道部顧問ですが、大きな筆を使って字を書くパフォーマンスはせず、いろいろな書体の字を教室で丁寧に書いているそうです。

〇終わってから最後に一日の感想を尋ねると、やはり「生徒のタブレット端末や備え付けのプロジェクターなど、柏高校にはないのでうらやましいです」「柏高校も生徒には弁当を黙食をさせていますが、なかなか難しい状況です。しかし富勢中は徹底されていてびっくりしました」とありました。

〇来年4月からは本校3年生もお世話になるので、今後も連携していくことは大切です。

須藤昌英

(千葉県立柏高等学校ホームページより)

 

10月24日(月)第53回柏市小中学校音楽発表会

〇先週は3年ぶりに柏市民文化会館で、柏市内小中学校63校が集い、4日間かけて発表会を行いました。富勢中学校は最終の21日のラストに発表するという「大トリ」を務めました。

〇私は閉会式で、柏市校長会を代表してあいさつをさせてもらいました。「皆さん、演奏ありがとうごさいました。終えてみて今の気持ちはいかかでしょうか?事前に係りの方からは、皆さんの演奏を聴いての感想をお願いしますと言われましたが、さきほどまで演奏を聴いているうちに、以前にある人類の歴史に関する本に書いてあったことをふと思い出していました。それは、人間は古来から普段の生活の中で、「言葉と音楽を発達させてきた」という内容でした。まず「言葉」は自分の意思を伝えることにものすごい威力を発揮しますが、一方で音楽は人間の感情(楽しさ、悲しさ、怒りなど)を伝えるまたは互いに共有することに長けています。つまり人間にとっては、その両方大切だということです。私は正確に楽譜は読めません。この楽譜も正しく伝えるということでは、一種の「言葉」にあたりますね。しかし楽譜が読めなくても、その楽譜を楽器で演奏してくれれば、今日の皆さんの演奏のように、人の感情は動かすことができます。演奏した皆さん自身も何らかの感動があるのではないでしょうか?そしてこの柏市民文化会館は柏市の財産ですので、これからも機会があればこのステージで発表してください。実際富勢中は、11月1日にこの会館をお借りして、「全校合唱コンクール」を実施します。今全校生徒500人以上で練習しています。最後にこの4日間、児童生徒のためにご尽力をいただいた柏市教育委員会指導課並びに柏市小中学校音楽主任会の皆様に御礼を申し上げます。ありがとうございました。」

〇そしていよいよ来週の11月1日は、本校の3年ぶりの「全校合唱コンクール」が待っています。

須藤昌英

10月21日(金)合唱活動がピークを迎えています

〇3年ぶりに実施する11月1日の合唱コンクール(柏市民文化会館大ホール)に向けて、毎日各クラスとも練習に余念がありません。帰りの会を延長し、パート練習や部分的に合わせての合唱に取り組んでいます。1・2年生は混成3部ですが、3年生だけは混成4部(バス・テノール・アルト・ソプラノ)なので、レベルが少し上がっており、大変ですがよく頑張っています。

〇合唱については、私も昔児童・生徒だった時代にいろいろな思い出がありますが、私のように多くの生徒が正確に楽譜が読めない又はその音がなんの音がわからなくても、楽しむことができるところがよいところだと思います。もちろん練習の際には、手持ちの楽譜に注意点などをいろいろと書き込みをしたりしており、自分としては何となく読めている程度で十分であり、まずはみんなで声を合わせるなどの気持ちの高揚感に触れることで十分だと思っています。

〇また音楽(合唱)の力の一つとして、「聴いている人の感情に訴えかける」があります。音楽を聴いていると、楽しいや悲しいなどの喜怒哀楽が出てきたり、普段あまり考えないことも考えさせられることがあったりします。同じクラスのメンバーとして歌うことで、聴いている人たちへ何かを訴えかけることができますが、それはつまり、あらためて自分と向き合える場面でもあるのではないでしょうか?

〇運動でいえば先日の駅伝は、何も道具を使わずに自分の身体能力だけで挑む競技ですが、同じく音楽の中でも合唱は、自分の声だけを一つの楽器として響かせ、クラスの仲間とハーモニーを奏でることでは、共通点があると思います。当日生徒たちは、柏市民文化会館のステージでスポットライトを浴びて歌いますが、きっと中学校時代の良い経験として残るのではないかと期待しています。

須藤昌英

10月20日(木)柏市PTA連絡協議会研修会での学び

〇今朝はこの秋一番の冷え込みで、初めて正門前の「富士見坂」から黒いシルエットの富士山が見えていました。空気が乾燥してくる季節が近づいています。

〇先日、アミュゼ柏で行われた柏市PTA連絡協議会主催の研修会に、本校PTA会長の神長さん、副会長の下村さんと私の3人で参加してきました。講師は「思春期子育てアドバイザー」の道山ケイさんでした。道山さんは元中学校教諭で、その後自分の体験から、思春期子育て法(愛情バロメーター理論・仲良し貯金理論)を確立し、年間300組の親子を主に親子関係の改善に向けてサポートしていらっしゃる方で、著書も数冊あります。以下に2時間の講演会の要約を書きます。

・子どもの9割は、「自分の親は自分を理解してくれていない」と感じている一方で、親は「自分は子どもに十分に愛情をかけている」と思っており、この意識のズレが様々な問題行動の背景にある

・子どもは失敗からしか学べないので、親は子どもが失敗したときだけ助ける、しかし「人に迷惑をかける、人を傷つける、法律を破る」ような場合は、その場で躊躇なく叱るべきであること

・思春期の子どもは自分の感情を完全にコントロールできないので、親は遠くから見守りつつ、いつでも助けられるような距離感をもつこと

・子どもは物を与えられてもあまり感謝しないが、「子どもの好きな料理をつくってあげる」など、あえて時間や手間のかかることには感謝の心がわく

・親子関係が良好になる方程式は、「子どもが望むことをして、子どもが望まないことはし過ぎない」ことに尽きる

〇私が一番参考になったのは、「母性と父性の違い」のところです。配付された冊子から引用させてもらいます。

・母性とは無条件の愛情(保護)で、子どもが何か要求をしてきたときに「いいよ」と言って要求を叶えてあげること。それに対し、父性とは条件付けの愛情(干渉)で、子どもが何か要求してきたときに、「〇〇をやったらいいよ」とか「それは〇〇だからダメ」とか条件をつけて対応すること。

・子育てにおいて母性と父性は両方重要。母性が欠けると子どもは親のことを信頼できなくなる。父性がないと子どもは善悪がつけられない人間になる。親は子どもに対して、この2つのバランスよく与えていく必要がある。子育てが上手くいかないときは、どちからがかけていることが多い。

〇私もこれまで28歳(長男)、25歳(二男)、21歳(長女)の子育てをしてきましたが、これを聞いて、もう過去に戻ってやり直すことはできないので、「今からでもできることはないか?」と考えるきっかけをもらいました。

須藤昌英

 

 

10月18日(火)ワクチン接種に思うこと

〇厚生労働省のホームページに、「新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンは、同時に接種することはできますか?」という問いに対し、「新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンとの同時接種は可能です。ただし、インフルエンザワクチン以外のワクチンは、新型コロナワクチンと同時に接種できません。互いに片方のワクチンを受けてから2週間後に接種できます。」との回答がありました。

〇コロナに対する4回目のワクチン接種に関し、接種券が配付され、私も自宅近くの医院へ予約を入れている状況です。来年に還暦を迎えますので、以前よりも用心深くなっています。ただ確か2年前の冬の直前の時期には、「新型コロナに対し、インフルエンザはほとんど広がる可能性はないので、インフルエンザ予防接種は不要」のような意見が主流であった記憶があります。

〇次の第8波といわれる際は、「新型コロナとインフルエンザが同時に流行する可能性が極めて高い」との報道があります。つまり過去2年間にはなかったインフルエンザの流行が懸念されます。その要因はいろいろあるようですが、実際に日本とは季節が逆で、インフルエンザの流行の時期が半年ずれる南半球・オーストラリアでは2022年、コロナが拡大する前と同じ程度のインフルエンザの流行が2年ぶりに起きたようです。

〇特に受験生はとても悩ましい時期になります。コロナ禍前であれば多くの受験生がインフルエンザ予防接種だけを受けていましたが、今年はどうすべきかと判断が難しいことでしょう。もちろんコロナ禍前よりは、感染対策(マスク、手洗い・消毒など)は習慣化されてはいますが、「万が一のことを考えると接種しておいた方が・・」と考えるのが普通なのかもしれません。

〇3年生との校長面接でも何人かには、「インフルエンザ予防接種は考えていますか?」と尋ねていますが、まだはっきりと答えられない生徒ばかりです。ご家庭でも接種した場合としない場合の違いなどの情報をもとに、本人と話し合っていただきたいと思います。中学生ですから、自分の行動を決める際の根拠を明らかにしておくことも、これからの時代を生きる資質・能力として大切だと思います。

須藤昌英