校長雑感ブログ

校長雑感ブログ

5月1日(水)対話活動の大切さ(学びはわからないことから始まる)

〇昨日と今日、明日は、連休の間ということもあり、朝登校する生徒の表情も様々です。「明後日からまた休みだから、今週はこの3日間だけ頑張ればいい」と思っている生徒、「この3日間も休みなら、もっとゆっくりできるのに・・」と思っている生徒。言葉にはしませんが、だいたいそんなところではないでしょうか。

〇先月から行っている教職員との面接の中で、生徒の授業中の様子を聞き取っています。特に気になるのが、答えがわかっていても発言を避けたり自分の考えを表現することが苦手だったりする生徒がどのクラスにもいることです。生徒の心理面からすると、自分の考えに自信がないことで、発表や質問をしたがらない傾向がありますので、授業の中で意図的に、2人組のペア学習・それ以上の複数人のグループ学習などの小集団交流を取り入れることで、生徒が自分の考えを表現しやすくしたり他者の考えを取り入れたりすることを行っています。

〇指導者側からすると、生徒にペアやグループでの学習による深め合いのよさを実感させることが一番難しく、もしそれが理解できれば、生徒は自ら進んで対話活動をすると思います。学習指導要領が唄う「主体的・対話的で深い学び」を実現するためには、自分の考えを表現し、考えを深め合うことが欠かせません。

〇特別支援学校の主任教諭である川上康則氏は、その著書「教室マルトリートメント」の中で、ペアでの活動等のメリットを次の5つで示しています。

①インプットしたことをアウトプットして記憶に残す

②理解レベルや活動の進捗状況をそろえる

③他の人のフィルターを通して学ぶ

④集中を続けるために、いったんガス抜きする

⑤考えを整理させたり、発表に自信をもたせる

〇教職員には授業を進める中で、次のようなことを意識してほしいとお願いしています。

・意見の交流をためらいなくできるクラスの雰囲気(生徒同士の人間関係を含む)を構築しつつ、各自の発言を共有し、「分からない」や「間違い」から学びが始まることや意見や質問し合うことが深め合うことにつながることを理解させていく。

・生徒自身の気付きや考えから、授業を構成する視点をもち、冒頭の学習問題を工夫して提示し、既習事項との違いに気付かせ、生徒自身に今日のめあてを設定させる。聞く、読む、書く、話すなどの言語環境を整備し、自分の考えをもたせ、自分なりの納得解(まとめ)へと導く。

〇私達教職員の間では、昔から「授業は生もの」といわれ、その時間のゴールは設定しますが、生徒の反応によってどっちに転ぶかわからない面もあります。それが面白いところでもあります。

須藤昌英

4月30日(火)教職員と面接を行っています

〇本校には私を含めて46名の職員がいて、それぞれの役割や仕事を担うことにより、生徒の健やかな成長・学びに資するように努めています。職員とは職員室などで毎日、予定の確認や連絡事項などの会話をしていますが、なかなか座ってじっくりと意見交換をすることは4月に入ってこれまで出来ていません。そこで先週から、私と職員一人ひとりと年度当初の面接を行っています。

〇生徒にも個性があるように、職員にも一人ひとりいろいろな持ち味が違います。しかし生徒と一緒に学び成長したいという気持ちから共通していることも多いです。例えば明るく誠実さをもって、生徒の考えや意見をしっかりと受け止めようとする「人間性」、また教育公務員として自覚と情熱をもち、生徒の興味関心や発言を引き出すための工夫をする「資質・情熱」、そしてさらに教員としての識見を一定以上に備え、授業のねらいを明確にして、生徒の発達段階と場に応じた指導をする「指導力」などです。

〇ただしこれらはすべて最初から身に付けているわけではなく、私も過去にそうでしたが、日々目の前の生徒と接している中で、嬉しいことやうまくいかずに悩んだことなどを自ら内省し、それを次にいかしていこうとする努力によって、段々と自然に仕込まれていくものです。 

〇校長にとって、職員との面接の機会は貴重な時間です。まずは次のような学校経営の理念を理解してもらうことを目的にしています。

①   生徒の学びを引き出すファシリテーターの教職員

基礎・基本となる知識・技能の定着を図り、それを応用する力、活用する力を育む学習指導を行い、「確かな学力」を身につけさせる。

②   生徒の生活に寄り添うアドバイザーの教職員

生徒一人ひとりの個性や能力を生かした集団づくりに努め、個と集団の成長を促す生活指導を推進し、豊かな心と健やかな体を育む。

③   教職員組織の一員(調整・連携)

校務に関する業務内容と意義を理解し、計画的に取り組み、情報と課題を共有し、的確に業務を遂行する。

〇そしてそれ以上に、職員が先ほどのような自分の良さを気づいていない場合にはそれを伝えつつ、可能な限り本音の部分を傾聴していくようにします。職員の個性やもっている力を把握し、さらに伸ばしてもらい生き生きと働いてもらうことが、必ず最後はそれが生徒への教育にも還元されていくと思います。

〇学校を企業に例えると、「主力商品は授業」でありますので、授業を担当する職員から、「単元のねらいや生徒に身につけさせたい資質能力」、「生徒が困難と感じる点やその克服のための指導上の工夫」などを聞き、私がその授業を来月からホームページで紹介していくための日程を調整しています。

 須藤昌英

【正門わきのハナミズキ】

4月26日(金)部活動結成式

〇昨日の放課後、1年生も正式に部活動入部し、結成式を行いました。

男子バスケ 女子バスケ 女子バレー 男子テニス 女子テニス バドミントン サッカー 卓球 野球 剣道 吹奏楽 美術

〇そもそも学校の部活動は、スポーツや音楽などに興味・関心のある同好の生徒が参加し、教師等の指導の下、学校教育の一環として行われ、我が国のスポーツ振興を大きく支えてきました。また体力や技能の向上を図る目的以外にも、異年齢との交流の中で、生徒同士や生徒と教師等との好ましい人間関係の構築を図ったり、学習意欲の向上や自己肯定感、責任感、連帯感の涵養に資するなど、生徒の多様な学びの場、そして活躍の場として、教育的意義を有したりしています。

〇しかしながら、今日においては、社会・経済の変化等により、教育等に関わる課題が複雑化・多様化し、学校や教師だけでは解決することができない課題が増えています。とりわけ、少子化が進展する中、部活動においては、従前と同様の運営体制では維持は難しくなってきており、学校や地域によっては存続の危機にあります。

〇将来においても、全国の生徒が生涯にわたって豊かにスポーツや音楽などを楽しむ資質・能力を育む基盤として、部活動を持続可能なものとするためには、各自のニーズに応じたスポーツ・音楽などを行うことができるように、抜本的な改革に取り組む必要があります。

〇柏市では、昨年9月より土・日曜日の活動をNPO法人から派遣された指導者(コーチ)指導する方法を、他市に先駆けて行っています。その成果等は、KSCA(柏スポーツ文化推進協会)のホームページ等をご覧ください。本校といたしましても、今後は陸上競技や吹奏楽についても市の方針を受け、教育委員会と連携し、地域移行に向けて準備していきます。

須藤昌英

4月25日(木)各教科で身に付けたい見方・考え方について

〇今週から正規日課の授業が始まり、各教科とも教科書を使った授業が始まっています。ただ教科書を使うと聞くと、教科書の内容を最初から最後までを生徒に「教え込む」というイメージをもつ人も多いと思います。しかしそれは生徒を受動的な存在として見ていることになります。

〇本来生徒は、能動的学習者です。生徒(というよりも人間)は、人間は皆、生まれながらに「考える」や「学ぶ」ということから逃げられない生き物です。そして「学び」は決して完結することはありません。常に何かを知ろうとし、分かろうとし、できるようになろうとしています。

〇ですから、各教科では、教える内容を通して、身に付けさせたい見方や考え力を設定して、授業を行っています。5教科について、私見も入っていますが、その一部を紹介します。

〇国語は新学期は各学年とも、ぞれぞれ「詩」の学習から入っています。1年は、金子みすゞ、2年は吉野弘、3年は谷川俊太郎などの著名な作品ばかりです。詩を読み慣れることで、国語に必要不可欠な力が養われます。その力は、「映像化力」と呼ばれ、目の前に詩の情景をイメージしていく力です。詩を難しいと感じる人が多いのは、少しの言葉で表された世界を、十分につかみとれないのが一つの原因で、生徒たちは暗唱することを繰り返したり、自分なりのイメージづくりをしたりして、作者が何に感動してその詩をつくったかを想像しています。

〇数学では全学年が、「数と式」の領域から始めています。これは「数」と「式」が、「図形」や「関数」などの数学全体の下支えをしているからです。算数や数学では学年が進むほど「新しい数」を定義し、その世界をひろげていきます(例えば、小数、分数、正負の数、平方根など)。数学に苦手意識をもっている生徒はどの学年にも一定数いますが、原因の一つが、「数学の独特の世界に違和感がある」からです。でもその違和感は当然とも言えますので、私はその昔生徒には、「数学という国へ旅行したつもりで、その数学の文化や風習に徐々に慣れ、楽しむくらいに思っていればいいよ」と話していました。

〇英語科の目標は、「簡単な情報や考えなどを理解したり表現したり伝えあったりするコミュニケーションを図る資質・能力を育成すること」です。コミュニケーション能力で最も大切なことは、相手への伝達だけでなく、相手からの情報をいかに上手に受け取るかという観点も持っていなければなりません。世間では、高機能でコンパクトな翻訳機があり、困ることはない時代になっていますが、一つ言えるのは、コミュニケーションのツールとして、英語は日本語よりもある面は適していると思います。

〇社会科は、「地理」「歴史」「公民」の分野があり、前の2つは1~2学年に、並行して学び進めます。地理は世の中で起こっている現象について様々な角度から体系的に学習し、歴史は今ある政治体制や文化を正しく理解するために、まずは過去にさかのぼって背景を知る学習し、公民は「法律」「政治」「経済」などの現代社会のしくみや在り方について学びます。分野は違いますが、これらに共通するのは、「すべて人の生活や営みから派生している」のであり、最後は自分の生活にどのように活用していくかだと思います。

〇理科を学ぶ過程は、仮説や予想を立て、自分の問いを追求し、それをみんなに説明したいために、実験・観察をすることがあります。この力は生徒が大人になって社会に出てからもよく使われるもので、成功しても失敗してもその原因を考え、そこからまた新しいアイデア(仮説)を立てていく・・この繰り返しが大切です。ただし、実験・観察などには多くの器具を使用しますので。安全性の確保が欠かせません。年間を通して理科室での授業は、理科支援員さんのバックアップを受けて、安全面に最大の配慮をしていきます。

〇来月からどのような授業が実際に行われているかを紹介していきます。

須藤昌英

 

4月24日(水)「不思議」への憧れ

〇今、校庭には咲き終わったタンポポの綿毛が一面に広がっています。私は幼い頃からこの綿毛を飛ばすのが大好きでした。何十もの綿毛を集め、一気に吹き飛ばしてよく遊んでいました。当時もそれがタンポポであることだけは知っていましたが、なぜそのような形になっているのかは知らないというか興味はありませんでした。ただ遊び道具の一つでした。

〇ご存じの通り、咲いたタンポポの花がしぼむと、綿毛ができます。花が咲いて種が作られるのと並行して、綿毛も徐々にできあがります。綿毛になったあとは時期がくると風で飛ばされるようになります。勢いよく遠くへと飛ばされて、広範囲へ定着します。たんぽぽの綿毛はとても不思議な存在ですが、これは種を遠くに飛ばすためにできたものです。

〇先日校庭で昔のように綿毛を飛ばしていると、生徒達から「校長先生何をしているのですか?」と声をかけられました。「見ての通り綿毛を飛ばしているんだよ。一緒にやるかい?」と答えると、彼らは笑いながら「遠慮しておきます。」と言いながら立ち去っていきました。もちろん彼らも幼い頃は「綿毛飛ばし」をやった経験もあるでしょうし、綿毛が子孫を残すために飛ぶことも知っているでしょう。

〇その時思ったことは、大人になってその仕組みや理屈がわかっても、やはり綿毛があのような形で風に飛ばされるのを待っていることが、今でもとても「不思議」だということでした。むしろ大人になってからの方が一層、知識としてではなく、けなげに自分のいのちを全うしようとしているタンポポの姿に、学べるような気がします。

〇同様に何でも幼い頃からに不思議と思ったことを大人になってからも大切(憧れる)にするようにした方が、人生の深みが増すのではないでしょうか?新しい視点で同じものを見ると、まったく違うように見えるという経験も、生徒たちはこれから味わってほしいものです。

〇生徒たちに「綿毛飛ばし」を遠慮されてしまったので、孫娘と一緒に楽しんでいます。

須藤昌英

4月23日(火)正規日課開始と朝の10分間読書活動

〇昨日より正規日課、つまり時間割通りの授業となりました。生徒たちは、6時間目の終了時刻(午後3時25分)まで、自分の学びを深めようと取り組んでいます。

〇特に1年生は、50分授業6コマを受けることには不慣れで、しばらくは大変かもしれません。まだ中学生の体力はないので、睡眠時間の確保や栄養補給などに気を配ってあげてください。

〇朝の10分間、生徒は静かに自分で選んだ本と向き合い読書を行っています。これは2つのソウゾウ力(想像力・創造力)を養っています。想像力(イマジネーション)により、実際に見聞していないことについて考えを巡らすことで、創造力(クリエーション)につながり、独自の方法で新しい何かを創り出せる大人になっていきます。

〇日本人はかつて世界有数の「本を読む国民」でした。しかし昨今、若者を中心に「読書離れ」が広がってきています。確かに電子メディアの発達によって、世界の情報伝達の流れは、大きく変容しようとしています。しかし、その使い手が人間であるかぎり、人間性を育てるのに、「本」が重要な役割を果たすことはかわりありません。暮らしのスタイルに、人生設計のなかに、新しい感覚で「本とのつきあい方」を考えていく絶好の機会です。

 須藤昌英

 

4月22日(月)柏市標準制服(ブレザータイプ)のモニター募集

〇令和7年4月から、柏市では市としての標準制服を全校で導入します。これに先駆け、令和6年6月頃から、プレ標準制服を着用する生徒モニターを募集します。モニターに選ばれた生徒には、無料でプレ標準制服を配付します。着用後、「制服の見直し」に関する生徒アンケートに回答してもらいます。また着用後(卒業時)は制服リユース(柏市制服バンクへの登録等)に協力をしてもらいます。以上の内容で本人と保護者の同意が得られた上でモニターを希望する場合は、柏市の回答フォームから応募してください。

〇尚、現在はもちろん、来年度からもこれまでの「詰襟学ラン(Aタイプ)」と「セーラー服(Bタイプ)」は制服として認めていきますので、あくまでの第三の選択肢として、柏市の標準制服(Cタイプ)を考えてください。またこれからブレザー用のネクタイとリボンを業者と話し合いながら決めていきます。生徒の意見も反映できるように工夫していく予定です。

須藤昌英

 

4月19日(金)新入生歓迎会(生徒会行事)

〇新入生に富勢中の諸活動を紹介し、富勢中の一員としての生活を知った上で、来週から正規日課として本格的にスタートできるように、2学年と3学年生徒が準備をしてくれました。

①   はじめのことば

②   委員会紹介

③   部活動紹介

④   記念品贈呈

⑤   歓迎の言葉

⑥   お礼の言葉

⑦   校歌斉唱

⑧   校長先生の話

⑨   終わりのことば

〇校長の話では、「人間は体験してそれをその後に活用できる経験にしていくことが一番大切です」「憧れの先輩を一人もって、その人をこれから超えられるように努力するとよいです」などと話しました。あたたかい雰囲気の会でした。

須藤昌英

4月18日(木)個人写真撮影&学年レク

〇生徒全員の肩から上の写真(制服着用)を撮影しました。1年生は初めての経験で、少し緊張していました。カメラマンさんからも「固くならないでいいですよ」と声をかけられていました。

〇各学年で、クラスの親睦を深めたり団結を高めたりする目的で、レクレーションを行いました。全員リレーやドッジボール、綱引き、台風の目、クイズ、障害物競走など体や頭を使った種目で、楽しんでいました。

須藤昌英

【1学年】

【2学年】

【3学年】

4月17日(水)睡眠の大切さ

〇始業式から12日、入学式から一週間が経ちました。生徒は環境や人間関係の変化など、最初の緊張感からくる疲労が出やすくなってくる頃です。

〇東京大と理化学研究所の調査で、小中高生の半数以上で睡眠時間が不足している実態が明らかになったニュースがありました。塾や習い事による多忙化や夜間のスマートフォン使用などが背景にあるとみられます。特に成長期の睡眠不足は心身の発達に悪影響を与え、生活リズムが乱れます。東大と理研の研究チームは2022年9月から、小中高生計約5万人を対象に睡眠の実態を調査していたようです。

〇3月に公表された中間結果によると、平均睡眠時間は小学6年生7・90時間、中学3年生7・09時間、高校3年生6・45時間で、当たり前ですが学年があがるごとに睡眠時間は減っています。私の印象では中3の7時間は予想よりも長いと感じました。もちろん平均値ですので、バラつきはあるでしょうが、平均よりも短い人と長い人の二極化になっているとしたら、その方が問題です。

〇厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド」は、中高生は8~10時間の睡眠時間を推奨していますが、研究チームの調査では、全体の半数以上が推奨時間を満たしていなかったようです。小児睡眠障害を扱う病院では、患者数が近年増加傾向にあるようで、専門医師によると、睡眠障害の子どもには〈1〉部活動や塾、習い事でスケジュールが過密〈2〉スマホやパソコンなど電子機器使用が多い――といった傾向がみられるそうです。

〇関西の堺市では以前から、適切な睡眠のあり方を教える「眠育」に取り組んでいるのは知っていました。児童生徒に睡眠時間を記録させたり、授業で睡眠の意義を教えたりしています。不登校対策から始まったもので、生活リズムが乱れていると思われる児童生徒には個別に面談もしているようです。本校でも参考にしています。

〇日本睡眠学会理事長の内村直尚氏は「学校で居眠りが続く子どもがいれば家庭と情報共有するなど、子どもの睡眠が足りているかを把握してほしい」と呼びかけています。もしお子様で気になる状況がありましたら、明後日の保護者会で担任や養護教諭などにご相談ください。

 須藤昌英

4月16日(火)水分補給の大切さ

〇昨日は4月にもかかわらず、新潟では気温が30度を超える真夏日になりました。今後は熱中症にかかる危険性がありますので、注意しなければなりません。実際に昨日は午前中から体調の悪い生徒がおり、原因は様々ですが、その一つに水分不足があるような気がします。

〇人間の体の約60%は水分でつくられています。例えば、体重が60Kgある人なら36Kgが水分です。それだけ水分は体を維持することに必要で、足りなくなると生命に関わることもあります。体から5%水分を失うと脱水症状や熱中症症状が現れ、10%失うと筋肉のけいれんや循環不全が起こります。さらに、20%失うと死に至る可能性があります。

〇また最近は、「暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)」を判断の目安にしています。単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。

〇昨日の正午の時点では、「21~25(積極的に水分補給)」でした。ご家庭でも気温にあわせた服装やマスクの着脱、水筒の持参について、再度確認してください。のどの渇きはすでに「脱水」が始まっている証拠ですので、喉が渇く前に細目の水分補給をさせるようにします。

 須藤昌英

4月15日(月)暑さの予感と魔よけの鯉のぼり

〇先週末から今朝も気温が上昇し、日向では暑いくらいです。昨年の猛暑を思い出し、今年も暑さ対策を始めなければいけないと感じています。ただ空は青く、来月まで「五月晴れ」が見られそうです。

〇昨日、自宅の倉庫を整理したいたら、室内用の鯉のぼりが出てきました。もう何年も出していないので、校長室に飾ってみました。現在、29歳と26歳の長男、次男のために購入したのですが、大きくなると興味も示さなくなるので、どうしても仕舞いっぱなしになっていました。

〇鯉のぼりについて少ししらべると、中国の神話や伝説に登場する「龍」が関係しているそうです。中国では、黄河の上流にあるとされる龍門という滝を鯉が登ると竜になるという「登龍門伝説」があり、日本でも立身出世の象徴となっていました。

〇さらに、鯉はとても生命力があり、大きく丈夫で、きれいな川以外でも生きていくことができるために、子供に強くたくましく育ってほしいという願いを込めて揚げられています。

〇一番上の「吹流し」は、もともとは鯉のぼりとは別々のものでしたが、明治時代になり、鯉のぼりと吹流しは一緒に揚げられるようになったそうで、中国の「陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)からきており、木・火・土・金・水の五行を表しています。

〇鯉のぼりの竿の先に付いている「矢車」は、古来から邪悪なものを射るということから魔除けの意味があります。本校の生徒たちが、すくすくと成長しますように・・という願いを込めて五月五日まで揚げます。

 須藤昌英

4月12日(金)自転車通学の安全といのちの安全

〇昨日の放課後、自転車通学許可者への説明を行いました。この春休みにも部活動のため自転車で登校中の生徒が、富勢運動場入口で車と衝突する事故がありました。自転車が車の下へ入りましたが、生徒は打撲だけで済み、今は元気に登校しています。

〇朝の富勢小まえの歩道は、小学生と中学生の自転車が反対方向ですれ違いますので、本校生徒は自転車を降りて押しています。もし自転車と歩行者で事故があれば、過失割合は100%自転車になりますので、保険の加入も万が一に備えて必要になってきます。

〇私は午後に市内の校長会議があるので不在にしますが、今年度初の避難訓練を行います。地震の脅威は常に頭においておかねばなりません。始業式でも私の方から2・3年生には、「今この瞬間に地震が起きたら、どう行動するか?を常に考えておきましょう。日本は地震大国です。まずは自分のいのちは自分で守るという心構えをもってください」と話しました。

〇生活上の安全は人に与えられるものではなく、自分で安全性を少しでも高める意識と工夫が必要です。

須藤昌英

【昨年の避難訓練から】

 

 

4月11日(木)3学年がそろいました

〇1年生は、朝の会から新しいクラスで、少し緊張した様子でしたが、自己紹介したり教科書に記名したり、学年集会を行ったりしました。

〇2・3年生は、学級の掲示物作成や体育館で発育測定(視力検査・聴力検査・身長・体重)を行いました。

〇1年生は、初めての中学校の給食でした。まずは給食当番が白衣を着るところから勝手の違いに苦労していました。さらに配膳や「いただきます」の挨拶もクラスごとに少しずつ違っています。当番以外は読書をして待ちます。

〇メニューは「牛乳、ポークカレーライス、わかめサラダ、手作りグレープゼリー、大豆小魚」でした。ご飯をどのくらいよそうかなども手探り状態で、手べ始めるまでにけっこうな時間がかかりました。明日からは少しずつペースアップしていくことでしょう。

須藤昌英

 

 

4月9日(火)花散らしの雨と入学式準備

〇発達した雨雲が関東へ近づいており、登校時には傘が役に立たないほどの南からの強風が吹いていました。生徒の多くは傘はあるにもかかわらず、傘を開くと飛ばされそうなので閉じたままで歩いていました。また何人かは傘の骨組みが壊れてしまい、かわいそうでした。

〇大雨のピークは、関東は昼前後となりそうとのことで、下校時には生徒に注意を促します。その後天気は西から回復しますが、夜は北よりの風が強まり、気温が低下するそうです。服装の調節が大変です。

〇せっかく満開の桜の花も風で散らされて「もったいない」と思ってしまいます。でも明日の入学式は、青空の下でまだその奇麗な姿を残してくれることでしょう。

〇午後は明日の入学式準備を行います。

須藤昌英

4月8日(月)学年集会と給食開始

〇2・3年生はそれぞれ学年で集会を行い、学年担当の先生からの自己紹介を聞いたり、学習や生活の約束、今後の予定などの確認を行ったりしました。

〇学級活動では、学級目標や委員会・係決めの話し合いを行いました。4月は自然と気持ちが前向きになりますので、新しい役割などにチャレンジするには最適です。

〇給食は、アフターコロナで班の隊形で会食することに戻りました。ただ大声で話したり食事マナーを守らない生徒は皆無で、豚キムチ丼を美味しそうに食べていました。

須藤昌英

 

4月5日(金)令和6年度着任式・第1学期始業式

〇令和6年度は雨のスタートとなりました。ただ桜の花は満開に近くなってきており、いろいろな鳥もよってきて賑やかです。

〇今年度から着任された教職員に着任式で、自己紹介をしてもらいました。ある職員は、「きちんとした姿勢で話を聞いてくれたので、嬉しかったしびっくりしました」と後で話してくれました。

〇始業式では、「進級おめでとう」「入学式もよろしくお願いします」「修学旅行や林間学校もすぐなのでしっかり準備を」などと話しました。

〇新3年生はクラス替えはなく、すぐに1号館2階へ引っ越しました。新2年生は体育館で新クラスの発表後、4号館へ引っ越しました。

〇学級開きで行う自己紹介などは、来週の学級活動で行います。

 須藤昌英

4月4日(木)始業式の前日に思うこと

〇生徒のいない校舎内は静かで、教室の机や椅子も主役(生徒たち)が来ることを待っているかのように感じます。今日も全職員で明日の始業式に向けて、最終準備を行います。

〇話は変わりますが、昨年まで年度終わりの3月31日に満60歳を迎える教員は、その日をもって定年退職となっていました。しかし今年から公務員の定年延長が開始され、私の年齢は満61歳まで、私の一年下の職員は満62歳と徐々に延長され、数年後には65歳で定年退職となります。

〇これが決まったのは3年前ですが、教員となってから長い間60歳で退職と思ってきた私の年代などは、「60歳の4月1日は朝からゆっくりと自宅で過ごせるな・・」と想像していました。しかし実際にはこの4月1日も朝の6時半には出勤し、校長室で会議資料を作成していました。今は残りの1年を何とか健康を保って乗り切りたいとだけ思っています。

〇たまに「校長先生はなぜそんなにはやく出勤しているのですか?」と尋ねられることがあります。理由の一つは、朝の部活動に参加する生徒は、7時に登校します。すると距離が遠い生徒は6時半には自宅を出ています。万が一登校中で交通事故や不審者等に遭遇した場合には、すぐに連絡がとれるようにするためです。

〇逆に明日の午後からは部活動も再開されますが、完全下校の30分後までは、生徒たちが無事に帰宅したかを心配する毎日が戻ってきます。昨日も台湾では大地震、九州でも部活動中に落雷で高校生が意識不明になるなど、いのちに関するニュースを見て、他人事ではないと思います。

〇これから明日の始業式で、生徒たちに何を話そうか・・、ゆっくりと考えます。

須藤昌英

 

4月3日(水)主役の交代と多様性

〇校内のソメイヨシノはまだ咲き始めたばかりで、今週末くらいに満開になるかもしれません。そのソメイヨシノが終わると、少し遅咲きの八重桜の花が次に咲き始めます。ソメイヨシノから八重桜への主役交代は毎年見事な風景です。

〇調べますと、「八重桜」という呼称は、一つのサクラの品種ではなく、八重咲きに花を付けるサクラの総称だそうです。ソメイヨシノに代表される一般的な桜の花弁は5枚で、この咲き方を「一重咲」と呼称するのに対し、桜の場合は6枚以上の花弁を付けるものを「八重咲の八重桜」として区分しています。

〇サクラも複数の品種が交配してできた変種や観賞用に開発された改良品種を合わせると600種類を超えるといわれています。日本に分布している桜のうち80%以上がソメイヨシノだそうですが、実は他にも個性溢れる品種が多く存在しています。花弁の数も影響してか、本校の八重桜はピンクも濃く、花全体がモコモコしています。

〇サクラと同じく生徒もすべての面で、多様性に富んでいます。人にはサクラと同じくそれぞれの良さがあり、比べることは無意味です。ソメイヨシノにはソメイヨシノの良さ、八重桜には八重桜の良さがあり、そうだからこそそれぞれの特性が際立って、観る我々は楽しいのでしょう。

〇明後日の5日の天気予報は、「曇り時々雨」ですが、2週間ぶりに登校してくる本校の主役の生徒たちのために、2つのサクラも懸命に咲く準備をしています。

須藤昌英

4月2日(火)始業式に向けての会議や準備

〇通称「富士見坂」に続く正門前の通りは、白い桜の花が満開ですが、いまだにソメイヨシノは数輪しか咲いていません。5日の始業式はもちろん、10日の入学式まで何とか残ってほしいと願っています。

〇校内では教員が分担し、始業式に向けて会議や準備を行っています。特に本校は校舎配置が複雑ですので、新しく着任した職員はなかなか覚えられず、行きたい教室へも行けずに迷子になることもあります。

〇教員には、授業担当や学級担任などの役割に加え、学校全体を運営する係り分担(校務分掌と呼んでいます)を割り当てています。このことは「学校全体を支えている」という意識を醸成し、一つの組織として仕事をしていくことにつながります。下記のような部ごとの会議を行い、全体会議への提案資料を作成します。

・教務部(年間計画、月計画、週計画、学校行事、教科経営、日課表など)

・研究部(校内授業研修計画、各年代に必要な研修の推進など)

・生徒指導部(生徒の生活のきまり、一日の生活の流れ、生徒へ寄り添った支援など)

・管理部(施設管理、環境美化、備品管理など)

・庶務部(教科書管理、学籍管理、各種会計、各種証明など)

〇生徒を迎えるにあたり、教員は下駄箱やロッカー、机・椅子のシールを貼ったり、教室や廊下などの環境を整えたりしています。生徒のいない教室は、ガラ~ンとしていて、窓から差し込む光が床を照らしています。「はやく生徒が登校してこないかな」と待ち遠しく思っている教員も多いです。

須藤昌英

4月1日(月)新年度がスタートしました

〇本日から新しい職員9名を迎え、令和6年度の「チーム富勢」をスタートしました。まず校長室で一人ひとりに千葉県教育委員会からの辞令を交付しました。校長にとって、職員はただの「人材」ではなく、大切な「人財」です。職員の力や個性を最大限に引き出すことが、生徒の学びを支援することにつながります。

〇次に職員室で自己紹介をした後、早速最初の職員会議を行い、今年度の目指す方向性を確認しました。会議の方法は授業と同じく、提案者からの提案後、質問や意見交換をして理解を広げたり深めたりしています。「学び成長し続ける富勢中」に向かうには、まず職員の学ぶ力の育成が欠かせないと思っています。

〇昼食は<ミニ歓迎会>として、被服室において注文していたお弁当をみんなで食べて、歓談しました。新しい職員には前の学校と富勢中の違いとか、自分の趣味や特技なども話してもらいました。こういう機会を通して、新しくきた職員の不安も徐々に解消し、はやく富勢中に慣れてもらいたいと思います。

〇本年度も校長からみた富勢中の様子を、発信していきます。「ブログ」という用語は、「Web log」(ホームページの履歴の意味)から派生した言葉ですが、「毎日の様子を書くという意識」をもって学校内にいますと、「これは保護者や地域の方々にお知らせした方がよいだろう」などの気づきがよくあります。「雑感」の名の通り、雑多な感想もあり、まとまりのない文章となりますが、ご容赦ください。

〇外からみるとわからないいわゆる学校内の裏事情なども、伝えられる範囲で書いていきます。「こんなことをホームページに書いてあるけど、実際にはどうなの?」等、お子様との会話のきっかけにしてください。職員と協働し、生徒が登校する5日(金)までに、すべての準備を整えていきます。

須藤昌英

 

3月22日(金)令和五年度修了式&辞校式

〇昨日の9時過ぎの地震には、正直びっくりしました。授業中でしたが、生徒たちは落ち着いて第一次避難(机の下に身を隠す)を行い、器物等の被害もありませんでした。震源地は茨城県南部、震源の深さは50km、地震の規模はM5.3と推定されています。でも今後もしばらくは余震などに注意していかねばなりません。

〇本日の修了式では、先日の卒業式で卒業生に送った言葉を引用しました。

「皆さんは、自転車に初めて乗れた日のことを覚えていますか?おそらく最初から上手に乗れた人はいないと思います。何度も転んで時には手足を擦りむいて痛い思いをしながらも、「乗れるようになりたい」という強い意思がその困難を乗り越える原動力になったのではなかったですか?諦めずに練習するうちに、コツをつかみやがて一人で乗れるようになったと思います。今からの話は、自転車の話を頭の片隅におきながら聞いてください。

私達が何気なく毎日を過ごしていることの約四十%が「習慣」によって成り立っているといわれます。もし、習慣を身に付けていないとどうなってしまうのか。例えば朝の洗顔で「今日は右側と左側の歯のどちらから磨こうか?」などと一回一回考えていますか。毎日の繰り返しであれば、いちいち考えなくても昨日までと同じことをすると思います。そのように、特に考えなくても自動的に行動を起こすことが「習慣」です。人間は「習慣」によって生かされている、まさに「習慣の動物」と言えます。

新たに習慣を身に付けようとするには、何度も繰り返すことが必要ですが、行動や考え方が習慣化することで、脳内での情報伝達はより円滑になります。それでは人間が新しい習慣を身に付けるには、どのくらいの時間が必要なのでしょうか?それを調べた研究があります。それは平均すると約六十六日、つまり約2か月ちょっとであることがわかりました。

習慣化の第一ステップは、新しいことを身に付けるのに、反発が大きい期間をいかに乗り越えるかです。新しいことを始めると、脳ではこれまでとは異なる情報処理が進みます。脳には限られた資源を有効活用するために「エコ」を心掛けるような性質が元々備わっており、これまでの情報処理の仕方を変えて新しいことをすることを拒みやすいようになっています。ただ自ら進んで新しいことを身に付けようとする場合には、やる気に満ちているので、その勢いを利用してそれを乗り越えることができます。

目標設定も大切です。習慣化においては、「こんなことを目標にしていいのか?」と思うくらいの小さな一歩から始めることが秘訣です。その小さな一歩を踏み出したとき、脳内では「報酬系」と呼ばれる神経ネットワークの働きが高まり、ドーパミンという物質が増えます。すると楽しくワクワクするので、良い成果を得られます。すなわち自分がなりたい姿を明確に想像してワクワクし、それに近づくために何をしたらよいかを思いついたときには、ドーパミンが脳内を巡ってやる気も高まっているので、習慣化の導入期には理想的な状態と言えます。

そしてやる気が高まっている時には、「その気」も高めておきます。やる気とその気は、クルマに例えると両輪にあたります。片方だけが回り続けても空回りになります。その気とは、「セルフ・エフィカシー(自己効力感)」のことで、自分自身をどうとらえるかについての物差しにあたります。目の前にやりたいことのハードルがあったりすると、そのハードルを自分が越えられるという自信を持てたときに、それは高まります。

ただ新しいことを続けようとしたとき、やる気もその気もないという日が必ずきます。特に習慣化において、導入期の次に訪れる「定着期」は、不安定な期間です。その時に備えて、うまく続けるための仕組みが重要になります。例えば、ジョギングを習慣させたい場合には、玄関に専用のシューズを置いておくことや、スポーツウエアを見えるところに吊るしておくのも効果的です。自分がどういうときにあきらめがちなのかを知っておき、先回りして自分の背中を押したり、続かなくなりそうな時には、そうさせない工夫を散りばめたりしておけば、「始めやすくて止めにくい」仕組みは作れます。

このように各段階で工夫をしつつ、新しい習慣が身に付くまでの期間を過ごせたらならば、きっと新しい自分に出会えていることでしょう。つまり新しい習慣を始めることは、新しい自分を発見する旅の始まりであり、私たちの脳や心、そして生活そのものを豊かにするカギとなります。習慣化による変化は、自分の人生そのものの変化でもあります。4月からも新しい習慣を始める勇気を持ち、その過程を楽しんでください。」

〇修了書を各学年代表2名の生徒に授与しました。そこには「本校〇学年の課程を修了したことを証します」とあります。1年生の代表生徒には「入学してあっという間に1年がたち成長しましたね」と、2年生の代表生徒には、「4月からいよいよ最上級生ですね、頑張って」と声をかけました。

〇その後令和5年度末で転退職する教職員10名の辞校式を行いました。まだ新聞発表がありませんので、異動先の学校はつたえられませんでしたが、それぞれの先生方からお別れの言葉をもらいました。中には泣いている生徒もいました。

〇異動先の学校は来週の新聞発表まではお伝え出来ませんので、よろしくお願いします。

〇「校長雑感ブログ」も、今年度は本日で終了します。あらかじめ「雑感(雑多な感想)」とことわって始めましたが、その日の思いや気づいたこと、自分のこれまでの経験を一方的に連ねるようなまとまりのない文章になってしまいました。お詫びいたします。それでもお読み頂きましたことを感謝いたします。ありがとうございました。新年度もよろしくお願いいたします。

須藤昌英

3月21日(木)遺伝子オンと場の力をいかす

〇2月は暖かい日が多く、サクラの開花も今年ははやいか?と予想していましたが、最近の開花予想日は段々と遅れて、現時点では東京は24日となっています。今朝も冷たい風が吹いています。

〇火曜日の学年末保護者会では2つの話(2人の学者の著書)をさせてもらいました。共通しているのは、体験や経験を通して、子どもの成長は促されるということです。

〇一人目は、筑波大名誉教授の故村上和雄氏の「遺伝子ONで生きる こころの持ち方であなたのDNAは変わる」です。引用した箇所です。

・私たちの遺伝子は三十八億年、一度も途切れることなく続いてきたからこそ、私たちが今ここにいるということ

・立派な目標がなくても、小さな目標をもったほうがいい。目標をもつことで、目標達成の遺伝子がONになる

・人との出会いも遺伝子オンの欠かせない要因であり、どんな出会いであっても「この出会いが自分にすごい結果を呼ぶかもしれない」と期待していい

・人が笑うと脳細胞に新鮮な血液が送られ、脳卒中を予防する効果があったり、記憶や感情をつかさどる脳深部の働きを刺激することができる

・他を利する生き方も遺伝子をオンにする。他を利する生き方をしていると、ネガティブ・ストレス(欲・競争・出世・ 憎む・恨む・陥れる等)から無縁でいられるので、健康にもよいしいつも元気いっぱいでいられる

・今の親や教育はチャレンジさせないから子供たちが生きる喜びや確固たる自信が持てなくなっている

〇二人目は、元福島大教授の飯田史彦氏の「場の力をいかす 優れた『残存・実存思念』は大きな価値を含む」です。引用した箇所です。

・奈良・京都には多くの神社・仏閣があり、そこには過去に蓄積された濃厚な「残存思念」があり、清らかな気持ちになったり、その逆で何となく心がざわつくこともある

・ディズニーランドや遊園地にいけば、楽しい「残存思念」を身体全体で浴びるので、入口に入った瞬間に不思議と楽しい気持ちになる

・学校や図書館にいけば、そこには学ぼうとしてきた人たちによる「残存思念」により、自然と心が落ち着き学びに向かう気持ちになる

・対する「実存思念」は、今を生きている人の生の思いであり、「良い学校をつくりたい」「子どもの学校を応援したい」という教師や保護者の思いが個人を超えてつながり、生徒の脳に届いて、生徒の潜在意識に働きかけていく。結果として、生徒に安心感や勇気を与え、「何かに挑戦してみよう」と前向きになる。

〇とにかく生徒たちは「可能性の塊(かたまり)」です。きっかけや自分の思いによって、いかようにも自分を変化・成長させることができます。そのためには、自分に対するマイナスの感情や意識を持たせないようにすることが肝要であり、その基盤が先日に書いた「朝起き、運動、食事、睡眠」の4つの好ましい習慣です。

〇明日の修了式で、生徒達には話したいと思います。

須藤昌英

3月19日(火)生活習慣と給食最終日

〇昨年度の全国体力・運動能力、運動習慣調査の結果が発表になりました。対象は小学校5年生と中学校2年生(現3年生)で、一週間の総運動時間(体育の授業を除く)が「0分」の児童生徒が、記録の残る2016年度以降で最も多くなったそうです。

〇県の教育委員会によると、同時間が0分の割合は、中2女子が7年前の16%から22%、中2男子が5%から10%に増加しており、その要因について、ゲームなど室内で過ごす時間が増えていることに加え、新型コロナで生活習慣が変わったなどと分析しています。

〇本来子ども(中学生も含む)は遊びや運動の中で体を動かし、体の使い方、運動習慣を身につけます。そもそも「運動が嫌い」なのではなく、できないから嫌いになるのです。そして嫌いになると、やらなくなり、さらに筋力や体力が低下するといった悪循環に陥ります。

〇また運動不足による体力低下が招く身近な悩みとして、今、肩こりや慢性腰痛に悩む小中学生は少なくありません。これも基礎筋力、体力の低下が大きな原因です。さらに体力がなくては、長時間、座っていることもできません。それにより集中力が低下し、学習意欲、態度、そして、学力の伸び悩みにまで影を落とします。

〇運動時間の減少により体力全体の低下が懸念されることから、ますます体育の時間や部活動で運動の楽しさを伝えていかなければなりません。

〇今日は本年度最後の給食です。メニューは「スパゲティートマトソース、もやしと春雨のサラダ、手作りカレーパン、ブラッドオレンジ、牛乳」です。昨日も急遽イチゴがメニューに加わりましたが、美味しかったです。新年度は4月8日(月)が給食のスタートになりますので、約3週間は給食はありません。

〇先日の卒業式では、「良い習慣づくり」をメインに卒業生に話をしましたが、成長期の生徒を支えるのは、「朝起き、運動、食事、睡眠」です。この4つの好ましい習慣が身につくと、将来思い存分自分の好きな分野で活躍できる身体が備わります。

〇来週からの春休みもご家庭で話し合ってみてください。

須藤昌英

 

3月18日(月)寒暖差と花粉の飛散

〇週末は5月並みの気温で、外を歩いていても半袖で十分なくらいでしたが、今朝からまた北風が吹き、寒さが逆戻りしています。この寒暖差で体調が崩れやすくなっています。気をつけてください。

〇またこの時期は、浮かない表情の生徒をよく見かけます。その大きな原因は、花粉症だと感じます。コロナ禍のマスク常用で最近はあまり目立たなくなったこともありますが、飛散時期には花粉対象のマスクをしたりメガネでガードしていたりする生徒を以前はもっといた気がします。外に出て体を動かすのがおっくうになったり、室内にいても学習や諸活動に集中できなかったりすることが、本人が一番つらいだろうと思います。

〇スギ花粉飛散のピークは、東京では3月上旬から下旬で、特に今年は平年並みか高めに推移する見込みのところが多いそうです。スギ花粉のピークが終わる頃になると、次のヒノキ花粉のピークが始まるところが多くなります。東京では4月上旬から下旬にかけてヒノキ花粉の飛散のピークを迎えるでしょう。私の住む我孫子もまだ杉林が点在しており、車のボンネットに花粉が積もって黄色く見えるほどです。家族などはそれを見るだけで「ゾッとする」と言っています。

〇せっかくの春の陽気も楽しむどころか、暖かい日ほど花粉症の人にとっては、むずむず、くしゅくしゅ、じゅるじゅる、涙ぽろぽろという状況であった方も多いようです。少し調べましたら、簡単な花粉症対策として、外出から戻ったら顔を洗う方法があるそうです。目の周りや鼻の周りには花粉がついていて、それを洗い流すと吸入する花粉の量が減るのでけっこう楽になるそうです。

〇私は幸いまだ花粉症ではありませんが、顔を洗うとすっきりと頭がさえるので、一日に何度か水で洗うことがありますが、先日、つらそうな顔をしている男子生徒に教えてあげました。ただ女子生徒はなかなかそういうわけにはいかないと思いますが・・・。

須藤昌英

3月15日(金)反省はするが後悔はしない

〇今日は小学校の卒業式です。朝の正門前を富勢小の6年生と保護者が通りかかりましたので、「おめでとうございます。4月からお待ちしています」と声をかけさせてもらいました。良い天気に恵まれて良かったです。

〇昨日の「失敗から学ぶ」でも書きましたが、大人も子どもも成功や失敗という経験から、それを次にいかにいかそうとすることが大切です。その意味でも「反省はするが後悔はしない」も生徒たちには語り続けていきたいと思います。

〇反省を通り越して、必要以上に後悔してしまうことがあります。反省は理性的に成功や失敗の原因や過程を振り返りますが、後悔には、「もっと~しておけばよかった」とか「何であんなことになったのだろう」など、そのほとんどが感情の部分であり、多少は仕方ありませんが、そこに留まっても先に進めないという欠点があります。

〇未来に向けて考えたり行動したりしようとする意欲が後悔によって削がれてしまう経験が私にも多くあります。大いに反省する一方で、自分を責めすぎて元気を失うような後悔はやはり避けた方が良いと感じます。

〇今できることに全力を尽くしていれば、もし失敗しても「あの時はあれで精一杯で仕方なかったのだ」と考えられます。むしろ失敗しながらもそこから多くを学んでいる自分を大いに誉めるくらいで丁度良いのではないでしょうか。昔から日本人の自己肯定感の低さが指摘されていますが、そのあたりに原因があるような気がします。

〇失敗すると「次もまた同じ失敗したらどうしよう」という不安が出てきます。しかし、この失敗から自分がまた成長できると思えば、その不安を上回るくらいにワクワクできるようになります。誰にも自分の人生では確実な将来というものはわかりませんが、だからこそ将来に理想な姿になっている自分を想像し、心配や不安よりも希望に焦点をあてれば、ワクワク・ドキドキしながら、今を楽しみことができることを生徒たちには伝えていきます。

須藤昌英

3月14日(木)失敗から学ぶ

〇昨日、民間企業初の実用衛星を搭載した商用ロケットの打ち上げは失敗したというニュースが流れました。映像を見ると、煙とともに飛び散る破片とその後落下した部品が燃え上がっており、人命が失われなかったのが幸いだと思いました。

〇記者会見した社長は、「原因については調査中。この結果を前向きに捉えて次の挑戦に臨みたい」「我々としては失敗という言葉は使いません。新しい挑戦だととらえている」などと述べていました。

〇ギリシャ神話に登場する時間の神から命名した「カイロス」は、内閣衛星情報センターの「短期打上型小型衛星」を搭載し、成功すれば国内初の民間企業による衛星打ち上げになる予定だったそうですが、専門家によると「世界的にも初号機から成功する例はほとんどない」そうです。

〇私は確かに民間企業ですので、この失敗が株価の急落や利益のマイナスなどの影響は避けられないと思いますが、社長の言葉やそれを評価している人の意見に賛成です。一年前の卒業式の私の式辞で話した内容を引用します。

「皆さんは、自分で失敗した時にどんな心境になることが多いでしょうか?人生は思い通りにいくときといかないときの両方があります。よく目にするのは、失敗の原因を考える中で、「やっぱり自分はダメなんだ」と自分を責める人がいます。もし失敗した友達から相談された場合には、「大丈夫だよ」と冷静に受け止めアドバイスができる人でも、それが自分のことになると難しいようです。北海道にある植松電機の社長さんは、本業の他にロケット開発を手掛けている人で、全国を回って、若い人に「夢の大切さ」を説いています。植松社長は、「失敗はただのデータに過ぎません。失敗は今の状況を変えることが必要だと教えてくれるサインだ」「失敗は未来への階段に導いてくれる」「失敗しないと成長できない」「本当の責任は失敗を再発しないこと」と明言しています。そしてもし失敗したときには、周囲の人に「私は『只今、成長中』と開けっぴろげに宣言した方がよい」と言っています。 ゲームの例と同じように逆説的に言えば、失敗したくなかったら、何もしない、今できる範囲で言われたことだけやればいいですが、それではあまりにももったいない。人間は経験を避けようとすると、問題を解決する能力が落ちることも知られています。」

〇私はまず大人(保護者や教員)が、生徒一人ひとりの成功や失敗を外から評価するのではなく、「その時何を感じた?」「次はどうしたらいいと思う?」「そのために何か手伝ってほしいことがある?」などと本人の内面にアプローチしていくべきだと思います。

〇次のロケットの打ち上げがいつになるのかはわかりませんが、見守っていきたいと思います。

 須藤昌英

 

3月13日(水)マルハラ

〇今では「ハラスメント(Harassment)」という言葉は、すっかり定着しています。意味は嫌がらせのように、「相手を不快にさせたり不利益を与えたりするなど、肉体的・精神的な苦痛を与え、人間としての尊厳を侵害する行為の総称」(ウィキペディアより)のことです。
〇具体的には「パワハラ(地位や人間関係などの優位性をもとに、精神的・身体的苦痛を与える)」「セクハラ(相手の意に反する性的言動で、働く上で不利益を被ったり、就業環境が妨げられること)」「モラハラ(モラルを根拠とする嫌がらせ)」など、他に何種類もあるそうです。
〇最近新しく「マルハラ」という言葉を知りました。主にLINEやチャットなどのSNSの文面において、句点(。)を使用することで、相手に威圧感を与えさせてしまうことを表す造語のようです。
〇私は最初は正直、何を指しているのか理解できませんでした。例えば「わかりました。」や「連絡ください。」という一見、何の変哲もない表現が若者たちにとっては淡々としすぎていて、怒っているように感じられるというのです。
〇若者たちにとっては「。」が怖く、新しいハラスメントになっていると聞いても、自分の感覚ではまだ実感できません。22歳の娘に聞いてみましたが、「人にもよるけど、友達の中には怒っているというか冷たいや冷めてるとマイナスイメージをもっている人も多い。マル(。)の代わりにビックリマーク(!)はよく使っている」と教えてくれました。
〇確かに若者の感覚は時代の最先端であり、決して否定するつもりはありませんが、ことさらにとりあげて『ハラスメント』というネガティブなニュアンスを持つラベルを貼るのは・・・?とも感じます。
〇逆に我々の年代になると、絵文字を使って送られてくる文に違和感を感じるほどですから、年代のギャップも否めません。時代は変化しつつも、美しく正しい日本語も残って欲しいと思います。

須藤昌英

3月12日(火)卒業式を振り返って2(PTA会長の祝辞)

〇卒業式では、神永幸博PTA会長にご祝辞をいただきました。その内容が素晴らしかったので、その一部を紹介させていただきます。

「(略)さて、この一年、ようやく皆さんの笑顔の機会も日々増えてきたことかと思います。しかしながら、この三年間は思春期を迎えた君たちにとって、大きなインパクトであったと思います。他人と協力して何かを成し遂げることが出来なかったり、人と接することが苦手だったりする人も少なくないのではないでしょうか。一人でいると、思考が内向きになり、何かと執着心が強くなりがちです。執着心は時には成功や富を掴み取る際に、大きな力を発揮します。しかし強すぎる執着心は、自己中心的になりがちで、周りの人に対して攻撃的になってしまいます。ではそんな時どうするか?カギは『許すこと』です。人は人間社会において、人を許さずには生きていけません。人は誰かを許し、誰かに許されて生きているのです。言い換えれば、『生きる』とは『許す』ことです。とは言え、私たちは人間ですから、時には憤り、どうしても許せなかったりすることもあります。こんな負の感情を抱いていては、幸せになれないと分かっていても、それを抑えられない時もあるかと思います。それでも今、私たちは生きています。つまり私たちは、無意識の内に誰かを許すことが出来ているということです。どうかそんな自分の優しさに気づいてください。そしてそれは、周りの人の優しさに気づくことにも繋がります。忘れそうになったら、何か一つ、意識的に誰かの何かを許してあげてみてください。意識して自分の何かを許してあげてみてください。心が少し楽になることもあるでしょう。そして意識して何かを許すことが出来た心は、前より少しだけ強くなっているはずです。自分が今生きているのは、誰かを許し、そして誰かに許されている証だということ、そして君たちは、無意識にでもそれが出来ているということを覚えていてもらえたら幸いです。(略)」

〇考えさせられつつ、心に染み入るお話でした。「生きることは許すこと」、生徒にとってもこの上ない餞(はなむけ)の言葉となったことでしょう。ありがとうございました。

須藤昌英

 

3月11日(月)卒業式を振り返って

〇先週金曜日の第77回卒業式は、朝に雪が舞うなどと寒の戻りがありましたが、保護者や地域の皆様にご来校いただき、滞りなく行うことができました。ありがとうございました。式が終わり天候も回復しましたので、校庭で楽しそうに写真を撮っている様子を見て、微笑ましく感じました。学校行事で最大かつ最重要な卒業式を終え、その日の夕方はホッとしましたが、もう一度週末に一人で振り返ってみると、いろいろな気持ちがわいてきました。

〇まずこの一年間を通して、卒業生が最上級生として一生懸命取り組んできた姿を間近で見てきましたし、全校のリーダーとして、在校生の手本となるように、様々な活動で努力し顕著な実績を残してきたことがとても印象に残っています。卒業生は、新型コロナウィルス感染症のパンデミック(世界的流行)による影響を受け、学校生活も大きな制約の中で行われることが多かったです。さらに誰もが経験したことがなかったとはいえ、コロナ感染防止に関することが手探りで様々に行われ、今思うと世の中全体が「混乱状態」であったと思います。

〇この状況は、成長段階にある卒業生の心理にも窮屈さや閉塞感などの影を落としたと想像しています。人生経験のある大人であれば、当時の状況を論理的に理解しようとすればできたかもしれませんが、思春期の生徒たちはそういうわけにはいかなかったと思います。「何を信じればいいのか、どれが本当のことなのか?」と逡巡したに違いありません。

〇卒業生が生まれた十五年前の二00八年・二00九年には、オバマ氏がアメリカ大統領になったり、アメリカが発端となった世界金融危機(リーマンショック)が日本にも大きな影響を及ぼしたりしました。その後も地球的規模で様々な問題が発生し、現在も世界のあちこちで対立や紛争が勃発し、地震や津波などの天変地異が絶え間なく起きています。グローバル化の進展や技術革新の加速によって、私たちは、社会、経済、環境など様々な分野において、前例のない変化に直面しています。

〇一昨年ロシアが隣国のウクライナへ侵攻したことも、遠い国の出来事ではなく、世界における日本の役割の見直しが求められたり、国内の物価が高騰したりするなど、私たちの生活に直接の影響があります。

〇しかしこのような状況だからこそ、卒業生は今まで「当たり前」であったすべてのことを一から見直したり、「これは何のためにやるのか」を意識するようになったりと、アフターコロナの時代で生きていくための資質や能力を身につけてほしいと思います。

〇卒業証書授与では、一人ひとりに「体に気をつけて」「活躍を期待します」「高校生活を楽しんで」などと声をかけ、手渡しできました。受け取る表情は様々でしたが、心中は晴れやかだったと思います。また校長式辞の中で、「人間は習慣性をもつ動物」ということをメインテーマとして、話をさせてもらいました。良い習慣を身に付けることが、これからの人生の礎になると思います。

〇今後の卒業生のさらなる成長を祈ります。

須藤昌英

3月7日(木)最後の給食と卒業式前日準備

〇昨日の午前中は卒業式の予行練習があり、3年生にとって中学校最後の給食でした。メニューは「唐揚げカレーライス、ひじきのマリネ、パイン、牛乳」でした。

【予行練習と最後の給食】

〇午後は在校生が明日の準備をします。今日は日差しが出て少し暖かいようですが、明日は雪が混じる雨の予報です。何とか奇跡的に天気が回復しますように。

須藤昌英

【昨年の準備の様子】

 

3月6日(水)卒業式予行練習とてるてる坊主

〇今日は朝から体育館で、卒業式の予行練習を行います。卒業生はもちろんですが、在校生も保護者席で見守ります。

〇ほぼ本番通りに行い、計時して記録をとります。特に4番目の卒業証書授与の場面がメインですので、各クラスごとにバランスがとれるようにします。

〇当日の式次第です。

1 開式の言葉

2 国家斉唱

3 校歌斉唱

4 卒業証書授与

5 校長式辞

6 祝辞(PTA会長)

7 記念品贈呈

8 送辞

9 答辞

10 卒業の歌(旅立ちの日に・・)

11 閉式の言葉

【最終チェックが終わった卒業証書】

〇心配なのは、当日の天気と気温です。今朝の気象庁の予報では、「降水確率70%、気温8度」です。気温は仕方がありませんが、何とか午前中だけでも雨や雪が降らないことを祈っています。

須藤昌英

3月5日(火)努力努力(ゆめゆめ)

〇昨日は、千葉県公立高等学校選抜試験の合格発表がありました。入試にはどうしても募集定員がありますので、嬉しい結果と残念な結果の生徒が出るのは仕方ありません。ただそれぞれ努力したという経験は、必ず本人にとってプラスにはたらきます。

〇この時期になると思い出す言葉があります。「努力努力」と書いて「ゆめゆめ」と読みます。何となくきれいな読み仮名です。古い言い回しとして、「ゆめゆめ怠ることなかれ(決して怠ってはいけない)」などと、後ろに禁止の言葉をつなげて、「決して~するな」の意味で使われていることもあります。ただ私も近年になってから、読みの「ゆめゆめ」を「努力努力」と書くことを初めて知った時から、強く印象に残っている漢字です。

〇「努力」とは、目の前のことを心を込めて行うことですが、この言葉から私の受ける印象は、どちらかというと親や先生から「努力しなさい」と言われてきたこともあり、とても窮屈で強制されるイメージです。教育論でよくテーマとなる「厳しくするか甘やかすか」の中では、外的コントロール(ほかから押し付けられた)に近いような気がします。

〇同様の意味で私などは「精進」という言葉の方が「自ら(内的コントロール)」のイメージがもてるので好んで使います。「精」の字は、「こころ。たましい。気力」の意味がありますので、「1つの事柄に精神を集中する」という「努力」と似た意味と捉えています。

〇「努力」と聞くと、まずアメリカの発明家(蓄音機や白熱電球など)の「トーマス・エジソン」の言葉が有名です。幼い頃に伝記を読みましたが、彼は大変な努力家で、新聞を売りながら自分でコツコツと貯金し、自分の実験室を作ったそうです。そのエジソンが「努力」について、「天才は1パーセントのひらめきと99パーセントの努力である」という言葉を残しています。

〇また相対性理論でノーベル賞を受賞した理論物理学者の「アルベルト・アインシュタイン」にも多くの格言がありますが、その中に「天才とは努力する凡才のことである」というものがあります。天才のように思われがちなアインシュタインですが、実際は努力によって多くのアイデアや真理を見出した人でした。

〇平安時代初期の僧だった空海(真言宗の開祖:別名弘法大師)は、当時の日本におけるケタはずれの天才であり、書の達人、土木技術のエキスパートなどの複数の実績があります。空海が若い頃に遣唐使として中国に渡り密教について学び、帰国する際に中国人の師匠から、「早く日本に帰って密教を伝えなさい・・・努力努力(ゆめ ゆめ)つとめよ」と言われたそうです。その後日本中で活躍されたことは有名であり、学区にある布施弁天東海寺にもその伝説があります。

〇今の生徒には「努力しなさい」というよりも「自分の好きなことを究めなさい」と言った方がよいと感じるようになりました。好きなことはやっていれば楽しいし、楽しいから「夢中」になれるし、好きだからそれに熱中できて「努力」が継続できるからです。それが本来の「ゆめゆめ」の真意だと感じました。

須藤昌英

3月4日(月)3年生を送る会

〇先週の金曜日の午後、3年生を送る会がありました。卒業をお祝いする在校生とそれに感謝する卒業生の姿。生徒たちの素直さ、優しさを職員一同が感動していました。学校はやっぱり素晴らしい場所であり、そういう生徒たちにかかわれる我々職員は、幸せだと感じました。

〇今日は9時から、千葉県公立高等学校入試の合格発表があります。どうか全員の希望が叶うように、朝から職員全員で祈っています。

須藤昌英

 

3月1日(金)英語の交流授業と3年生を送る会のリハーサルと学年レク

〇昨日、富勢小6年生と本校1年生とをオンラインで結び、交流授業(英語)を行いました。小学生と中学生がグループになり、お互いの自己紹介や小学生が「小学校の思い出」を英語で話し、それを聞いて中学生が質問をしました。それぞれ立派な説明態度で、何よりも楽しそうでした。

〇小学生の主な感想としては、

「中学生と話すのは最初緊張しましたが、中学生は優しく話を聞いたり、質問に面白く答えたりしてくれたので、うれしかったです」

「ほとんど中学生と話をすることはありませんが、今日の授業を終えて、自分もはやく中学生になりたいと思いました。部活動は●●を希望しています」

〇中学生の感想の振り返りでは、

「小学生が英語で説明することにびっくりしました。私たちももっと英語を話せるようにならないといけないと思いました」

「小学生の言葉遣いも丁寧で、自分たちの日常生活でも気をつけていきたいと思いました」

〇1年前は同じような小学生だった彼らが、中学校生活を経験し、後輩のみなさんに話ができるところまで成長したのだと感じました。4月からは同じ学校で学ぶことになります。この交流を通して、「先輩になるという自覚」をもつことを期待します。

〇1・2年生は、今日の「3年生を送る会(3送会)」の学年発表のリハーサルを体育館や武道場で懸命に行っていました。私からみても出来栄えは上々で、歌声も感動しました。きっと心のこもったあたたかい会になることでしょう。

 

〇3年生は学年レクで、笑顔や歓声がいっぱいの時間を過ごしました。

須藤昌英

2月29日(木)うるう年(閏年)の今日をどう過ごすか

〇うるう年とは、1年が366日となる年のことだとは知っていると思います。またこの追加された今日は、2月29日(うるう日)と言います。4年に1度しかありません。4年前は、まさに新型コロナが蔓延するという影響で、亡くなった安倍元首相が緊急会見で、全国的に学校を臨時休業にすると宣言し、3月からどうするかをあたふたしながら考えている時期でした。

〇うるう年がある目的は、太陽暦(太陽の位置に基づく暦)と、日常生活で使用する暦(グレゴリオ暦)とのずれを修正することです。地球は、太陽の周りを約365.2422日で1周します。しかし通常のカレンダーは、1年を365日としています。このため、約0.2422日のずれが毎年発生します。このずれが積み重なると、4年後には約0.2422日×4 = 0.9688日のずれが発生し、太陽暦とグレゴリオ暦の日付がずれます。

〇もしうるう年がない場合、時刻のズレはもちろん、それにより食物を生産する農業や様々な経済活動、さらには文化や伝統などに問題が生じて、私達の暮らしに大きな影響が出てしまうことは容易に想像できます。あらためて太陽や地球の規則的な動きのおかげで、私達は安心して生きていられるのだと感じます。

 〇昔からよく言われますが、2月29日が誕生日の人の法的な年齢の計算です。日本では「年齢計算ニ関スル法律」という法律が施行されており、この法律に基づくと、2月29日生まれの人は毎年「2月28日24時」に1つ歳をとることになります。つまり、うるう年に生まれた人も、他の人々と同じように毎年年齢を重ねていくのですが、そのタイミングは2月28日の夜だそうです。

〇本校には、2月29日が誕生日である生徒はいませんが、今日という日をいつもより大切にするかいつも通りに過ごすかは、その人次第です。明日から3月になります。4年に一度の日に良いことがありますように・・・。

須藤昌英

 

2月28日(水)卒業式の練習(3学年)

〇先週から3学年は特別日課を組んでいます。その中で8日の卒業式練習を行っています。

〇私はこれまでも義務教育の最終年にあたる中学3年生には、保護者や先生などから言われたからその通りにするのではなく、いろいろな人の視点に立って(想像力)、自分はどうすべきかを考えること(創造力)を育んでもらいたいと願ってきました。練習を後ろからそっと見ていると、そういう力が一人ひとりに備わってきているなと感じました。

〇卒業式は学校行事で最も重要で、フォーマルな場面ですので、最初は礼法や作法の確認を行います。これもあくまでも基本を教えますが、あとは自分なりのその基本動作を応用し、堂々と参加してもらいたいです。ちなみに生徒に指導した主な点として、

1 座る姿勢(頭をむやみに動かさない)

男子:足を自然に開き、拳は軽く握って膝と股関節の間に置く。

女子:足を閉じ、手は重ねて膝と股関節の間に置く。

2 座る→立つの動作 (「卒業生、起立」の号令)

背筋を伸ばす(立つ準備)をして、スッと立つ。

3 立つ姿勢(手は体側に)

踵をつけて、つま先は拳1つ分程度開き、視線はまっすぐ遠く。

4 座礼と立礼(若者らしく)

腰を基準にして、1・2・3で45°程度曲げる。

5 歩き方(手は自然に振る)

「パタパタ」と音をたてるのはNG、まっすぐ遠くを見る。

〇「ずいぶんと細かい所まで教えるなあ」と感じるかもしれませんが、卒業式の当日はもちろん緊張するので、ある程度の動作は身体で覚えておいた方が、慌てないですみます。各所作の意味や社会人の常識みたいなものまで含めて説明し、だから「~しなさい」ではなく、教わったことを生徒自身が自分でかみ砕いて考えてもらいたいと思います。

〇一番の緊張は、卒業証書授与の場面です。初めてステージにあがると、ぎこちない動きでしたが、みんな一生懸命取り組んでいて、みていて清々しい気持ちになりました。来週の予行練習では、保護者席に在校生を座わらせて、本番の緊張感で最後の確認をしていきます。

須藤昌英

 

 

 

 

 

2月27日(火)3年生を送る会の準備とネタバレ?

〇1・2年生は、金曜日に予定している「3年生を送る会(3送会)」の学年発表のリハーサルを体育館や武道場で懸命に行っています。きっと心のこもったあたたかい会になることでしょう。

〇昔は「3年生を送る会」のことを「予餞会(よせんかい)」と言っていました。「予餞」とは「あらかじめ送る会」という意味で、何に対してあらかじめかというと、「卒業証書授与式」のことです。

〇細かいことを言えば、卒業式は学校主催行事であり、すべて校長の責任のもとに執り行います。しかし3年生を送る会は生徒会主催行事であり、企画から準備、本番まで生徒会が主体となって実施します。

〇卒業生にとっては、3年生を送る会で後輩の1・2年生とお別れをし、卒業式では保護者の方々にここまで育ててくれたことに感謝の心をもって参加する意義があります。

(1学年の練習風景)

(2学年の練習風景)

〇ところで最近は若者にとって、「ネタバレ」は当たり前になっているようです。例えば観ていない映画のストーリーをあらかじめ知ってから観に行ったり、友人同士のプレゼントのやりとりもあらかじめ何を贈るかを相手に知らせてから渡したりするそうです。

〇これはスマホなどの情報機器が発達し、ネット上の品物やお店の評価をみてから購入したり食べにいったりする延長で、要するに「失敗したくない」「時間の効率化(タイムパフォーマンス)」という心境がそうさせていると専門家は指摘しています。

〇確かになんでもあらかじめある程度の情報があった方が良いと思いますが、プレゼントの中味まで教えるのはどうか?相手の喜んでくれる顔を想像しながら品物を選ぶことにも楽しさがあると思うのですが・・・。

〇ということで、3年生を送る会で各学年が行う発表内容を紹介したいところですが、私は古い昭和の人間なので、送る会の当日に卒業生が喜んでくれることを期待して、「ネタバレ」はしないでおきます。

須藤昌英

2月26日(月)子どもの可能性を最大限に引き出す方法

〇グロースマインドセット(成長志向)という概念が、最近注目されています。もともとは企業などで人材を育成していくことを目的としていますが、中学生もまったく同じで、人間の成長を促進する思考パターンのことを指しており、自分の成長可能性を信じていれば、難しい問題や課題に積極的に取り組んでいけるという考え方です。

〇グロースマインドセットを提唱したキャロル・ドゥエック氏は、社会心理学、発達心理学を専門とするスタンフォード大学の心理学教授です。マインドセットとは、経験・教育・先入観から形成される、心理状態や思考パターンのことを言います。例えば、思い込みや価値観・信念がこれに該当します。思い込みのことを「パラダイム」とも言い、新たな情報や経験によって自身の思い込みに気づき、思い込みが変化することを「パラダイムシフト」と言います。

〇中味はそんなに新しいことではありませんが、成長を促す側の大人(保護者や教職員など)がわかっていても常に継続してできないのが現実でしょう。

1.褒め言葉を使って自尊心を高める。

2.失敗をポジティブに捉えるよう促す。

3.継続的な努力が必要であることを理解させる。

4. 努力が成功につながることを示すため、適切なフィードバックを提供する。

〇教員となって37年間(小学校3年、中学校34年)、実に多くのそして多彩な児童生徒との出会いがありました。「教えることは教わること」と気づき始めたのは、教員生活をスタートして数年が経過したころでした。「今の教え方で本当にいいのだろうか?」と壁にぶつかった時、目の前の児童生徒が「学ぼうとする姿」をつぶさに観察しました。すると自分の一方的な思いでは何も伝わらないことや、その生徒の姿が新たな手法を私に教えてくれていることを実感しました。

〇コロナ禍前、教え子(私のクラスの学級委員でしかも担当していた野球部の副キャプテンだった生徒)の結婚式に、招待されました。式の始まる前の控え室で彼が、突然私に、「先生、自分で『これで大丈夫、これでいいんだ』と思えるようになったのはつい最近なんです。中学校の時は自分を否定ばかりして、今思うと『苦しかったな』くらいしか覚えていません」と話しました。さらに「今の中学生は僕らのころよりももっと繊細だから、先生も大変ですね」と励ましてくれました。

〇それを聞いて私は意外な気持ちがしばらくぬけませんでした。彼はクラスや部活動においてリーダー的な発言や行動が多く、それしか私の記憶に残っていませんでしたので、本当は心の中では思春期で大変だったのだと初めて知りました。私はおそらく当時、彼の力を最大限にのばしてやりたいという気持ちから彼を叱咤激励だけしていて、彼の「ありのままの姿を認めてあげる」ことがなかったのかもしれないと反省しました。

〇人間は日々、後悔と不安に苛まれています。後悔は「あのときこうすればよかった」と過去に、不安は「このさきどうなるのだろう」と未来に自分の意識があります。英語の Present には「現在」と「贈り物」という二つの意味があるそうです。今生きていることが最高のプレゼントでもあり、そのときに自然と「(ぼくは、わたしは)これで大丈夫、これでいいんだ」という自己を認める気持ちが出てくるのでしょう。そんなことを今でも生徒たちから教わっています。

須藤昌英

2月22日(木)国民の祝日について

〇先週は建国記念の日と日曜日が重なり月曜日が振替休日、今週は金曜日が天皇誕生日で、2週続けて祝日があり授業日が週4日ずつとなります。

〇現在の国民の祝日は、78年前の憲法施行に伴い、国民の中からその生活に光明をもたらし、潤いを与えるような真の意味での国民的祝日を望む声が高まり、2年後の昭和23年、国会で制定されました。したがって憲法の精神に則り、平和日本、文化日本の建設の意義にあうものであることが重要です。

〇現在は以下の16日と定められています。

【1月】元日(1日) 成人の日(第2日曜)

【2月】建国記念の日(11日) 天皇誕生日(23日)

【3月】春分の日(21日前後)

【4月】昭和の日(29日)

【5月】憲法記念日(3日) みどりの日(4日) こどもの日(5日)

【7月】海の日(第3月曜)

【8月】山の日(11日)

【9月】敬老の日(第3月曜) 秋分の日(21日前後)

【10月】スポーツの日(第2月曜)

【11月】文化の日(3日) 勤労感謝の日(23日)

〇個人的には海と山があるならば、「空の日」や「川の日」などもほしいところです。また国ではありませんが、今年の6月15日の千葉県民の日は残念ながら土曜日と重なっていますが、振替休日はありません。

〇祝日には、祝日にちなんだ各地の行事・イベント等に足を運ぶ方々や、旅行などを計画する方々も多いことでしょう。令和6年(2024年)は、三つの祝日が続く5月3日から5月5日は、振替休日と合わせれば4連休。そのほか土日を合わせて3連休となる祝日が11回あります。

〇世界では戦争や紛争が終結せず、国内でも大きな災害の爪痕があり未だ癒えません。祝日はもちろん各自の楽しみ方で過ごしてよいと思いますが、心のどこかでそれらのことも忘れずにいたいものです。

須藤昌英

 

2月21日(水)自転車の事故と乗り方について

〇先週の休日、本校生徒が通塾で自転車に乗っていた際、車線を逆走してきた大人と衝突しました。相手の大人は「大丈夫?」の一言はあったものの、その後中学生の身体や自転車の様子をきちんと確認せずにその場を立ち去ったという事故がありました。

〇自転車も「車両」ですので、事故の場合は必ず警察に通報し、双方で事故処理をしなければなりません。つまり車と同様に、交通ルールを破れば処罰の対象になります。事故や違反を犯したとき、知らなかったでは済まされません。

〇今回は保護者の判断で、相手は不在のまま現場で事故状況の調書を作成してもらいました。現場には警察が目撃者に情報を提供する旨を掲示した看板が立てられました。

〇この事故で幸いにも中学生に大きなケガはなかったものの、通院して身体の状況を確認しました。また自転車の前輪はもう乗れないくらい変形していたそうです。相手の大人の判断はどう考えても非常識ですし、自転車どうしの事故であれば、過失割合はどこをどうやって走っていたかで決まります。今回は相手の大人が逆走ですので、過失割合は相手が大きくなるはずです。

〇今回の事故とは別ですが、自転車で歩道を走行する場合に、歩道はあくまでも歩行者優先ですので、徐行しスピードに気をつけて走らなければなりません。もし歩道上の歩行者と自転車の事故であれば、歩行者の過失は0になります。相手が怪我等をすれば、その補償をしなければなりません。最近の自転車保険は、相手への賠償だけでなく、自分のケガの補償もしてくれるものがあります。

〇特に中学生には、私用で自転車を使用する際に、イヤホン・ヘッドホンをつけて音楽を聴いたり、夕方以降に無灯火で走行したりすることは、とても危険なので注意してもらわなければなりません。また努力義務となっているヘルメットの着用も、街中では少しずつ増えてきていますが、まだまだ全体の数パーセントしかありません。

〇よく思い出せば私も若い頃は広い道路で全力で自転車を走らせていた記憶があります。若いですから、今振り返るとある意味それでストレスを解消していた面もあったのかもしれません。ですがたまたま事故に遭わなかっただけで、もし自動車などと衝突していたら命を落としていた可能性もあります。

〇18歳になれば自動車免許も所得できますので、3年生は3年後には運転している可能性もあります。もう一度ご家庭でも、交通ルールや標識の意味の確認をしてください。

須藤昌英

2月20日(火)学年末テスト(1・2学年)

〇今日と明日、3年生の千葉県公立高校入学者選抜に合わせて、1・2年生は今年度最後の定期テストを受けています。朝の登校時間にも参考書などを手に抱えている生徒や友人と問題を出し合っている人も多く、私からは「転ばないように気をつけて歩きましょう」と声をかけました。一生の中で一番、知識や技能を脳に蓄えたり身につけたりすることの出来る時期ですので、頑張ってもらいたいです。

〇以前にも書きましたが、そもそも勉強は「復習」に主眼をおくべきで、覚えられる範囲をストレスなく覚えること、これが記憶の性質に適した学習方法です。比でいうと、『予習:学習:復習=0.5:1:4』が理想的だそうです。脳の海馬という部位に入ってきた情報が溜まっている期間は、情報の種類によって異なりますが、短いと1か月程度です。海馬は情報を1か月かけて整理整頓し、『何が本当に必要な情報なのか』を選定しています。もし入ってきた情報を際限なく記憶していくと、脳のキャパシティーはいっぱいになり、パンクしてしまうということでしょう。

〇心理学者ビネーは、「脳はインプット(入力)よりもアウトプット(出力)を重要視している」と指摘しており、復習の中で手で書いたり口で話したりすること(アウトプット)で、海馬に「この情報はこれほど使用する機会が多いのか、ならば覚えねば・・」と判断させ、「短期記憶」から「長期記憶」に格上げさせることが有効な方法のようです。つまり「詰込み型(ガツガツと一方的に覚える)」よりも「知識活用型(余裕をもって双方的に身体を使ってみる)」の方が効率的だということです。そのようなことから教科書や参考書を何度も見直すよりも、問題集などを何度も解く復習法の方が良いと言われています。

〇つまり毎回の定期テストも「1つのアウトプットの機会」と考えられます。テストへ向けて準備をしてきたことを一気に押し出すように解答用紙に吐き出すイメージでしょうか。ただし私もそうでしたが、学習したことを正確にアウトプットするのも結構大変で、「失敗(不正解)」することも多々あります。しかしまたその失敗が脳に強い刺激を与え、「あのとき失敗したからこそ今ではそのことをきちんと覚え理解できている」ということもあります。

〇本日は給食がありますが、明日はありませんので、ご家庭で準備をお願いします。

須藤昌英

2月19日(月)千葉県公立高等学校入学者選抜

〇明日と明後日、千葉県立及び柏市立高等学校の学力検査が行われます。今日の給食は「味噌カツ丼」で、勝負事の前の「験担(げんかつぎ)」として縁起のよいメニューを全校生徒で食べ、3年生の合格祈願をします。3年生はさすがに前日ということもあり、今からみんな緊張していると思いますが、無事に自分の力を出し切れるように祈っています。

〇20日(火)国語・数学・英語、21日(水)理科・社会で、今年から解答用紙はマークシート形式になります。学力検査以外の検査については、各高等学校が設定して実施しています、いくつかを紹介します。

・面接(複数の面接官と受検生の個人面接や集団討論など)

・適性検査(作文・小論文を書く、運動・音楽の技能の検査など)

・自己表現(当日にパフォーマンスや実技等を行うなど)

・思考力を問う問題(論理的思考力や表現力などを問う内容)

〇以下の確認事項(時間、持ち物や身だしなみなど)や、「トラブル対応」も指導していますが、ご家庭でも再度お願いします。

【受検票を忘れた】

・あわてずに受付に申し出る(学校名、氏名、受検番号)

・受検票は合格発表の際も必要なので、大切に保管する

【電車やバスを乗り間違えた】

・できるだけ公共交通機関を利用する(感染症対策で車の場合は保護者判断)

・もし間に合いそうになかったら、直接志望校に連絡する

【体調不良(感染の疑い)】

・前日までに判明した場合には、富勢中に連絡する

・当日の場合には、直接志望校に連絡し、その後富勢中にも連絡する

〇千葉県の入学者選抜の歴史をさかのぼると、今から37年前までは、一部の専門学科を除きすべての普通科では、1回のみ(2日間で行う学力検査等)でした。その後当時の文部省の通知で「受験機会については、同じ高等学校においても定員の一部を留保して、入学者選抜を2回にわたって実施するなど、受験生に複数の機会を与える工夫をすることが望ましい」とあったのを受けて、昭和61年度から平成14年度までは、「推薦」と「一般」に分かれ、徐々に募集定員に対する推薦枠を拡大(普通科で最大40%)していきました。

〇さらに平成15年度から22年度は、「推薦」に変わり「特色ある入学選抜」が導入され、生徒の多様な能力・適性等を多元的に評価するようになりました。そしてその理念を継承しつつ、3年前までは、「前期選抜(2月中旬)」と「後期選抜(2月下旬)」の2回行っていました。確かに受験生にとっては2回受けられるという精神的な安堵感や受験パターンを戦略的に構築できるなどのメリットはありました。

〇上記のような入学者選抜の推移をみると、単純に言えば今の制度は40年前に戻っているということですが、中学校の校長としては、いつまでこのような選抜を行うのか・・、志願者はすべて入学させるような制度はいつになったら構築されるのか・・、少なくともそうなるための選抜方法の議論を不断に継続してほしい・・などの疑問や要望があります。

〇過去には2月は雪の影響などで、受検会場に行くことを心配したことがありましたが、今年はそれはないようですので、今日は早く休んで、明日に備えてほしいです。

須藤昌英

【味噌カツ丼 ひじきと切り干し大根のサラダ けんちん汁 不知火 大豆小魚 牛乳】

2月16日(金)卒業アルバム等の掲載内容及びその他学校行事等に係る写真の取り扱いについて

〇近年は通信器具の発達等により、個人情報の管理が厳しくなり、学校でもこれまでと違った対応を求められています。例えば昨年から卒業式や入学式のしおりには、卒業生名簿は掲載をしないことになりました。もちろんこれまでも来賓や保護者等の学校関係者のみに配付してきましたが、もしその方々のお一人が故意ではなくてもそのしおり紛失し、それによって結果的に生徒の名前が関係者以外に拡散されたりすると、最終的には作成した学校の責任になります。学校としては配付したあとのすべての管理状態までは把握できませんので、教育委員会が名簿は掲載しないと決めたのでした。

〇同じ理由で、学校行事の写真や卒業アルバムの権利侵害も法律で規制されています。例えば卒業アルバムの内容の複製等を許可なく行い、業者の著作権を侵害したと認定された場合、著作権法第119条1項~同3項により刑事罰に処され、また民事上では業者に対して、民法709条により不法行為に基づく損害賠償責任を負うことがあります。

〇また児童生徒の無許可による写真の公開は肖像権侵害、個人情報の公開はプライバシー侵害として、その児童生徒に対して,民事上の不法行為に基づく損害賠償責任を負うことがあります。そのため 卒業アルバム及びその他学校行事等の写真について、上記のような権利侵害を防ぐため、学校またはアルバム作成業者が、児童生徒及び保護者に禁止事項をお知らせ、配付する等の注意喚起をする必要があります。

〇学校でも注意してまいりますが、くれぐれも生徒には友達の写真などを勝手にSNS上でアップしたりしないように、ご家庭でお話ししてください。

須藤昌英

2月15日(木)社会とのつながり(小さな貢献)

〇先日の日曜日、柏駅近くの献血センターで400mlの献血をしてきました。1回で400mlをすると、最低でも12週以上は間隔をあけないと次の献血はできませんので、多くても年間3回が限度です。次の予約は5月5日としました。

〇近年の日本赤十字社のホームページには長らく、「献血協力者の深刻な減少が続いています !」と書かれています。血液が不足している事情として、「日本は本格的な少子高齢社会を迎えました。輸血用血液製剤や血漿分画製剤の大半は、高齢者の医療に使われています。輸血を受ける方々の約85%は50歳以上である一方、献血にご協力いただいた方々の年齢層を見ると、約76%が50歳未満、そのうち16~29歳の方は約25%であり、健康的な若い世代の献血が高齢者医療の多くを支えている現状があります。今後、少子高齢社会が進むにつれて、現在のように若年層の献血者が減少している状況が続くと、輸血医療に重大な支障をきたす恐れがあります。」とあります。

〇私は20歳くらいから不定期に時間の余裕があるときのみ献血をしていましたが、定期的にするようになったのは、今から15年くらい前、当時勤務していた小学校の児童がある病気にかかり、緊急で多くの献血が必要となり、職員や保護者に協力依頼があったのがきっかけです。私は残念ながら事前の検査で血の条件が合わなかったので、その時は献血できませんでしたが、世の中には血を必要としている人が身近にいることを再認識したわけです。

〇これだけ科学が進歩した現代でも、血液は人工的に造ることができませんし、血液は生きた細胞であるため、長期間保存することができません。私はこれを知った時、人間はなんでもできるというような錯覚に陥っているのではないか・・と感じました。どれだけお金を積んでも血の一滴も造ることができないのであれば、方法はただ一つしかありません。献血ができる健康を保っている人が、献血の意義に関心をもち、気が向いた時でも良いので、貢献していくことではないでしょうか。

〇200ml献血は、男女ともに満16歳以上からできますので、今の中学校3年生も今年の春以降は可能になります。最初は少し怖い気がするかもしれませんが、それも一つの社会経験です。チャンスがあったらチャレンジしてもらいたいです。

須藤昌英

 

2月14日(水)令和7年4月に導入する「柏市標準制服」について

〇先週の新入生保護者説明会でも説明しましたが、市内の中学校21校では、現在の各校の既存の制服に新たな選択肢を追加するかたちで、「ブレザータイプ(スラックス&スカート)の柏市標準制服を導入する予定です。ただし上着のブレザーにはエンブレム(胸のワッペン)などはなく、シンプルなデザインのものです。

〇目的は多様性への対応や寒暖差及び衛生面の機能向上、さらには制服のリユースをすすめることがあります。すでに柏市教育委員会が製造業者と協議の上、「生徒モニター」の準備を進めています。これは新年度の1学期に希望する生徒に、新制服の試作サンプルを2着目の制服として無償で貸し出し、その着心地や機能についてのアンケートに回答してもらい、それをもとにさらなる改良を加えていくものです。

〇ただし生徒モニターの募集は学校を介せず、本人やご家庭で直接申し込みのようです。後日案内が来る予定ですが、もし応募者多数の場合は抽選になります。

〇現在の小学校5年生が入学する令和7年度の入学式は、従来の制服と柏市標準制服の生徒が混在していることになります。もしお知り合いで小学校5年生がいる保護者がいれば、お伝えください。この秋以降、どの制服にするのかを各家庭で決める必要が出てきます。

須藤昌英

【昨年の制服展示会のポスターより】

2月13日(火)新入生保護者説明会

〇9日に来年度入学予定の保護者の皆様に向けての説明会を行いました。ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。疑問点などがありましたら、学校にお問い合わせください。

〇4月からのご入学を職員一同、お待ちしています。

須藤昌英

2月9日(金)災害支援の募金活動

〇「富勢中学校と県立柏高校です。合同で能登半島地震で被害を受けた石川県の皆さんへの支援のための募金を行っています。ご協力をお願いします!」

〇昨日の夕方4時半から6時の間、北柏駅(南口・北口)とマミーマート前で、2校の生徒会役員が一緒に呼びかける元気のいい声が響き渡りました。

〇私も一緒に駅に立って呼びかけましたが、募金をしてくれる方の多くが、「寒い中ご苦労さま、えらいね」などの声掛けと共に、小銭ではなく千円札を入れてくださいました。

〇生徒たちも「ありがとうございました」とますます勇気をもらった様子で、笑顔がいっぱいでした。こういう経験は必ず彼らのこれからの人生にプラスとなることでしょう。

〇終了後のミーティングで、私からは「今回私たちは募金を呼びかける立場で、皆さんも貴重な体験ができました。でももし今後関東地方に大きな災害があれば、今度は支援を受ける立場になることもあります。この経験を学校に戻って、仲間の人たちに伝えてください」と言わせてもらいました。

〇募金の集計は、高校生にお願いしました。後日、全金額を石川県へ送らせていただきます。

須藤昌英