校長雑感ブログ

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7月19日(水)大掃除

〇昨日は全校一斉の大掃除を行いました。暑い中でしたが、一人ひとりが自らの分担を責任をもって行うという活動を通して、集団の一員としての自覚を深め、生徒相互や教職員と生徒の触れ合いを深めていました。他の教育効果として、清潔の習慣の育成、公共心の育成、勤労の体験なども挙げられます。このように「掃除」のもたらす効果はとても大きいと感じます。

〇ある教育論者は、「掃除」を一生懸命することによって、5つの良いこと(「5K」)があると語っています。

一: 気づく人になれる

二: 心を磨くことができる

三: 謙虚になることができる

四: 感動の心を育むことができる

五 : 感謝の心が芽生えてくる

一生懸命に掃除している生徒に、「暑いので熱中症に気をつけて」と声をかけながらまわりましたが、終了後具合の悪い生徒が出なかったことに安心しました。

須藤昌英

 

7月18日(火)新着図書&夏休み本貸出

〇先週の金曜日の放課後、新しく図書室に届いた本の貸し出しがあり、帰りの会が終わると、多くの生徒が来室していました。少し遅れてきた生徒は、「この本は人気があるので、誰かが借りてもうないと思っていたけど、あってよかった」と笑顔で話していました。学校図書館指導員の菅原先生は、「富勢中は、本が好きな生徒が多く、列をつくって新着本を借りにくる中学校は他にあまりありません」と言っていました。

〇夏休み期間に読みたい本を借りた人もいて、新着本は一人1冊でしたが、こちらは一人5冊まで借りられます。梅雨明けはまだですが、猛暑の日が続いています。暑い日は外へ出かけるのを避け、涼しい場所で読書もいいと思います。読書は、自分とは異なる人間の生き方や考え方に触れることができ、多様な考え方を学べます。普段読書をしないという生徒も課題図書などをきっかけに、本と触れる機会を増やしてもらいたいです。

須藤昌英

 

7月14日(金)命を救う最初の一歩を学ぶ

〇今月に入り猛暑の厳しい日が多く、毎日熱中症の心配が絶えません(最悪の場合には命の危険も伴います)。熱中症の応急処置をしても、もし意識がはっきりしない場合はすぐに救急車を要請します。しかし、救急車が到着するまで(全国平均で8~9分程度)の応急処置をいかに的確にするかが、症状の悪化やその後の後遺症を防ぐことにつながります。

〇学期末の保健体育の授業では、「応急手当の意義と実際」の実習として、心肺蘇生法やAED(自動体外式除細動器)を使った救急救命法を行っています。生徒が学ぶのに合わせ、教職員も一緒に参加し、万が一の場合に備えるようにしています。

〇突然、心臓や呼吸が止まった人の命が助かる可能性は、10分間を過ぎると急激に少なくなるといわれています。心肺蘇生法とは、この止まってしまった心臓や呼吸の動きを助ける方法です。また、突然心臓が止まるのは、心臓がブルブルとけいれんする「心室細動」が原因となることが多く、この場合には出来るだけ早くAEDによる電気ショックをあたえ、心臓の動きを回復させることが有効です。心肺蘇生法、AEDともに、心臓が止まってから実施するまでの時間が、早ければ早いほど、救命の可能性が高くなることが知られています。

〇最初に生徒たちには、心肺蘇生法やAEDの使い方を説明をし、その後グループに分かれての実習を行いました。みんなこの実習のために借りてきた人形やAEDを使って、積極的に取り組んでいました。最後に指導者からは、「実際に道端で人が倒れていたのを見かけたら、勇気をもって行動することが大切です。自分一人では何もできなければ、近くの人に助けを求めましょう。その勇気さえあれば、もしかしたらその人の命が助かるかもしれません。」と結びました。

〇生徒のみなさんには、夏休みも安全に健康で過ごしてほしいと願っています。

須藤昌英

 

7月13日(木)体育祭応援団(顔合わせ)

〇体育祭実行委員と並んで重要な役割である、応援団の顔合わせが一昨日ありました。各クラス男女2~3名ずつが集まり、団長決めや色決め(赤と白)を行ないました。

〇体育祭などの学校行事は、生徒が大きく成長する場です。特に実行委員や応援団などのリーダーを経験することにより、「自分や仲間のことを考えることができる力」、「自分や仲間のために行動に移せる力」、「仲間をまとめることができる力」の3つが身につくと言われます。

〇体育祭当日は昨年度同様に、午前中で終了しますので、時間の関係上、応援合戦の時間は設定していません。しかしその分、応援団は、開閉会式や競技中の応援で、活躍してくれます。

須藤昌英

7月12日(水)体育祭実行委員会

〇今年の体育祭は、9月16日(土)に行います。先月に第1回実行委員会が開かれ、実行委員名簿作成や今後の活動予定などを行いました。今日の第2回では、全校スローガンなどを決定しました。中学校の体育祭は、小学校の運動会とは少し異なり、教員の指導を受けつつも、基本的に生徒たちの力で企画・運営をしていきます。つまり生徒の主体性や自主性を重視しますので、その分終わった後の達成感は大きくなります。

〇昨年の体育祭を終えての生徒の感想には、「コロナ明けの久しぶりの体育祭で、応援や競技などの練習や準備など、最初はあまりまとまりがありませんでした。しかし当日は、みんなで一緒に盛り上がり、自分でも精一杯がんばったので、とても感動が大きかったです。」とありました。今年も多くの生徒が楽しみにしていると思います。実行委員の皆さんには、体育祭を成功させるため、裏方のような役割もありますが、お互いに活発に意見を交換して取り組んでもらいたいです。

須藤昌英

7月11日(火)電子版新聞を使った「情報の扱い方」の学習

〇昨日の「対話型生成AIを使った学習の可能性」では、現在急速な進歩を遂げている「ChatGPT」などを、教育活動に取り入れていく場合の留意点などを書きました。そして同じ「情報を活用する力の育成」に役立つものとして、従来の新聞(全国紙)を使った学びもあります。

〇少し前の文部科学省のデータでは、「新聞をまったく読まない」という中学生3年生が約7割程度いるという結果でした。また最近ですと、新聞を定期購読している家庭の割合も6割以下と徐々に低くなっています(過去15年間で30ポイント以上低下)。

〇新聞は各面の見出しをサッと見渡すだけでも、社会で起こっていることが大まかにつかめるという利点があります。読めば読むほど、世の中は複雑で簡単には理解できないことに気づきます。新聞を読むという一見非効率に見える時間も、少しずつ自分の引き出しを増やしじっくりと深く考えてみる機会になるととらえると、前述のまったく新聞を読まないことのもったいなさを感じます。

〇現在の学習指導要領でも、「新聞を活用した学習」が明記され、国語の授業の一部では、新聞の記事を使った教材も使用しています。本校では全国紙(読売新聞)と地方紙(千葉日報)の朝刊に加え、中高生新聞(朝日新聞)を定期購読しています。全国紙と中高生新聞は、図書室でいつでも生徒は閲覧できます。

〇加えて本校では2学期から、「朝日中高生新聞デジタルfor school」(中高生新聞の電子版で、手元のタブレットで閲覧できる)を活用して、情報化社会である現代において、膨大な情報の中から必要な情報を取捨選択することや、情報同士の関係を捉え、自分の発信したいことを表現する力の育成に取り組むことを計画中です。

〇そもそも新聞は、教科書レベルの正確な言葉が使われ、記事は記者による取材の裏付け(事実確認)があり、信頼感が高いです。また電子版は、興味ある記事を選んだり関連記事のスクラップが容易だったりする点に大きなメリットがあります。そのことによりどんなキーワードで、どの記事とどの記事が関連付けられているか見ることができるようになります。

〇どの学年でどんな取り組みかなどの詳細は検討中ですが、12月には新聞記者を学校に招聘し、新聞の歴史や社会的な意義、他のインターネットニュースとの違いなどを、全校生徒に講演してもらう予定です。この学習を通して生徒たちに、「生きた教材」である新聞を身近に感じ、多くの気づきを発見してもらいたいと思います。

須藤昌英

7月10日(月)対話型生成AIを使った学習の可能性

〇文部科学省は先週、生成AI(対話型人工知能)の利用について、小中高向けの暫定ガイドラインを公表しました。このガイドラインは、急速なスピードで広がる「ChatGPT」をはじめとした生成AIの現状に対して、国としての考え方を示したもので、学校関係者が生成AIの活用の適否を判断する際の参考資料として活用していく目的があります。

〇そもそも最近よく耳にする「生成AI(人工知能)」とは、どんなものでしょうか?少し調べると、コンピュータがこれまでの既存の文章や画像・音声などのデータから、それを組み合わせて、新しい内容を生成することを示しています。特に最近はその発達が目覚ましく、以前にはコンピュータが人間と見分けがつかないような文章等をつくることは不可能とされてきました。しかし、新しい生成型AIは、質問者と相互に会話を交わせるだけでなく、一見すると既存ではないオリジナルに見える内容も生成できるそうです。

〇本校でもこのガイドラインをこれからよく検討する必要がありますが、私としては、生成AIを教育活動で利用する基本的な考え方として、「情報活用能力の育成」は重要だと思いますし、今の生徒たちに、生成AIへの正しい理解や活用、使いこなすための意識を持たせるべきだとも感じます。ただし、その内容が偽情報である可能性、個人情報の取り扱いが適切か、著作権の侵害がないかなどの視点では、まだ未知な部分が多く、慎重にやるべきだと思います。

〇ガイドラインでは、「現時点では活用が有効な場面を検証しつつ、限定的な利用から始めることが適切」と書かれていますので、まず生成AI自体の性質やメリット・デメリットをよく整理したいと思います。

【ガイドラインで示された適切な利用の例】

・グループ討論で、アイデアの参考にすれば、議論が深まる

・英会話の相手として活用し、自然な会話表現へ改善できる

・情報モラル教育の一環として、教師が生成AIの誤りを含んだ回答を教材として活用し、その性質に気づかせること

【ガイドラインで示された不適切な利用の例】

・生徒の感性や独創性を発揮させたい場面で安易に利用する

・夏休みの作文・日記・読書感想文・レポート、各種コンクール応募作品にそのまま使用する

・定期テストや単元テストで使わせる

〇いずれにせよ、生徒も教職員も高いリテラシー(適切に理解・表現していく能力)を持つ必要があると感じます。

須藤昌英

7月7日(金)第1回授業参観

〇本日の午前中は、授業参観を行いました。暑い中、多くの方々のご参観ありがとうございました。教室内に入って、授業の「ライブ感」や生徒たちの様子をご覧になった感想などを、アンケートでお寄せください。

〇新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが、5月8日以降季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行され、「マスクの着用はしなくてもいい」と生徒には呼びかけて2カ月が経ちますが、実際にはまだマスクは外せない生徒が多くいます。2学期には、体育祭や合唱コンクールなどの学校行事を予定していますが、今よりもマスク無しの生活が定着していることを願っています。

〇私が授業を参観する際は、教室の前の入り口から入って、生徒たちの顔を見ながら参観するようにしています。教師が投げかける課題や質問に、どんな心の反応(なるほど、そういうことか、よくわからない、どうしようか・・など)をしているのかは、彼らのつぶやき「あ・い・う・え・お」や表情から結構わかります。

須藤昌英

7月6日(木)1学期学校評価アンケートにご協力をお願いします

〇明日の授業参観に関しまして、本日の午前中、つながる連絡にて、「授業一覧表(時間・教科・単元名・場所)」を配信しています。ご参照の上、お越しください。

〇4月からこの3ヶ月余り、生徒にとってよりよい教育環境作り・わかりやすい授業を目指して取り組んできました。そこで保護者の皆様のご意見をいただき、2学期以降の教育活動の改善につなげたいと思います。

〇明日の朝、同じくつながる連絡にて、学校評価アンケートを依頼します。お忙しいところ申し訳ございませんが、Webによる無記名アンケートになりますので、QRコードからお答えください。昨年度同様に、次の4項目を5段階【1(そう思う)2(大体そう思う)3(あまりそう思わない)4(思わない)5(わからない)】で回答してください。

1お子様は,授業(教室における各教科など)に前向きに取り組んでいる。

2お子様は,学校行事(校外学習など)に前向きに取り組んでいる。

3学校(教職員)は、生徒によりそった生活指導やわかりやすい授業に努めている。

4学校(教職員)は、ホームページなどを通して、情報提供に努めている。

〇また明日の授業参観をしていただいた方は、「参観時間」「参観教科」「感想等」も回答できる欄がありますので、忌憚のないご意見をお寄せください。

須藤昌英

7月5日(水)総合体育大会&コンクール壮行会

〇今週末から柏市総合体育大会(運動部活動)が市内の各大会会場で始まります。3年生にとって最後の大会となりますが、市内大会で上位の成績をおさめ、県大会への出場をかけて試合に臨みます。また吹奏楽部は、千葉県吹奏楽コンクールへ出場します。

〇その大会やコンクールの直前に、悔いのない試合や演奏をしてもらうため、午後は体育館に全校生徒が集まり、壮行会を行いました。熱中症の心配をしていましたが、幸いなことに体調不良者が出るまでの暑さはなく、選手たちに心のこもった応援をすることができました。

〇私からは選手の皆さんに、「2つのプレッシャー」についての話をしました。1つは相手チームの実力が自分たちよりも上であった場合、「本当に勝てるだろうか?」など臆する気持ちが出てきます。一般的にはこのプレッシャーの方が多いと思いますが、もう一つあります。それは逆に相手が自分たちよりも格下と思える(この思い込みがあぶない)とき、「もしこのチームに負けたらどうしようか?」と逆のプレッシャーが出てきて、そこへ試合中のミスなどが重なると、その後は普段の実力が出せないで終わってしまう・・・こともあります。

〇後者のプレッシャーは、「私が中3の最後の総体で経験したことです」と前置きし、「むしろこの逆のプレッシャーの方がこわいので十分に気を付けましょう」と話しました。そして「むしろ強い相手には、開き直って思いっきりぶつかっていこうくらいの気持ちだと、いつもの実力以上の力が発揮できるものです」と続けました。

〇本番の試合では、相手の実力にかかわらず、仲間を信じて自分たちの実力を出し切ってほしいと思います。

須藤昌英

 

 

7月4日(火)卒業アルバム写真撮影

〇本日の午後に行う「柏市総合体育大会&コンクール壮行会」のリハーサルに合わせて、昨日と本日の放課後、3年生の卒業アルバムに掲載する部活動の写真を撮ります。一生の思い出となる写真ですが、大会やコンクール前ということもあり、どちらかというと笑顔よりも少し緊張気味の表情で臨んでいました。

〇校長室の本棚にある富勢中の一番古い卒業アルバムは、昭和39年(1964年)のもので、今から約60年前のものです(それ以前に卒業アルバムがあったかのかどうかは不明)。当時は白黒写真で、1クラスは40名(3クラス)、部活動も「野球部、ソフト部、テニス部、音楽部、英語部」の5つしかありませんでした。

〇最近は、デジタル時代に対応したモバイルの卒業アルバムが話題になり、少しずつ広がってきているようです。スマートフォンやタブレット等のデバイスに対応し、これまでの紙のアルバムではできない動画や音による表現も可能だということです。ただ個人的には、これまでのように、手に持った時に質感のあるアルバムがいいと思っています。

須藤昌英

7月3日(月)最優先の熱中症対策

〇気象庁の発表によると、関東地方は先月の8日頃に梅雨入りしていますが、過去のデータでは、7月19日頃が平均的な梅雨明けのようです。ただ先週などは、梅雨前線の活動が活発になったため、全国的に大雨による被害もありました。昨日も最高気温が30℃を超える真夏日となり、もう少しで猛暑日(35℃を超えた日)でした。

〇この時期は雨が降らない日でも、気温が高かったり蒸し暑く不快な日が多かったりと、普通に生活しているだけでも大変です。また前線上の低気圧が通過することで、頭痛などの体調不良がでやすく、大人でも体調管理が難しい時期です。

〇今月は生徒たちの学校生活にも、これまで以上に注意を払っていきます。特に「熱中症」は、即いのちの危険にかかわります。今朝も見ていると、長袖の校内着を着ている生徒もチラホラいて、その度に教員から声掛けをしています。まだ身体が暑さに本格的に慣れていない状態でしかも不適切な服装をしていると、身体が悲鳴をあげてしまいます。

〇本格的な暑さを迎える前に、体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」をすることが大切です。「暑熱順化」ができていないと、体の熱をうまく外に逃がすことができず、熱中症になる危険性が高まります。暑熱順化には個人差もありますが、数日から二週間程度かかるそうです。また、一度暑熱順化ができていても、数日暑さから離れると暑熱順化の効果は薄れてしまうようなので、常に意識の継続が必要です。

〇プールの授業では、今日はまだ雲もあり微風がありましたので、プールサイドの照り返しもさほどではありませんが、晴天で無風の場合には、細心の配慮が必要です。また熱中症が起こるのは、炎天下での運動中だけではなく、室内で発生する事例も近年増加しています。

〇再度のお願いになりますが、登校時の適切な服装(長袖などはさける)、帽子の着用(日傘の有効性も)、水筒持参(冷水、スポーツドリンクや麦茶などでミネラル分)、睡眠時間の確保(夜更かしをさける)などをご家庭で指導してください。

【環境省:熱中症予防情報サイト】より

須藤昌英

6月30日(金)確認テスト(3学年)

〇今日で今年も半分が終わり、明日から7月になります。昨日は全国的に今年一番の暑さとなったところが多く、熱中症対策が欠かせない季節です。梅雨明けはもう少し先のようですが、朝から蒸し暑く、気温と湿度から計算する「暑さ指数」は、警戒レベルになっています。

〇今週は期末テストがあったばかりですが、本日3年生は、確認テスト(5教科:国・数・英・理・社)を行います。すでに3年生に配付している「進路のしおり」の年間計画には、確認テストを年5回(6月、9月、10月、11月、1月)実施するとあります。

〇ではなぜ確認テストを行うのか。毎年実施される高等学校入試は、出題範囲が中学校3年間と広く、その対策が必要です。まず現在の自分の実力がどのくらいあるのかを把握し、次にそれを徐々に底上げしていくために、「自分の強み」はもっとのばし、逆に「自分の弱み」を補っていくことが必要です。そのためあらかじめ出題範囲が定められた期末テスト等ではなく、入試に近い形の「確認テスト」を行います。

〇例年ですと、3年生は夏季休業あたりから計画的に1・2年生の復習を行っていきます。時間をかけてじっくりと自分のペースで取り組んでほしいと思いますが、実際に今回の「確認テスト」も、ほぼ7~8割程度が1・2年生の内容です。多くの生徒が、2年生の内容はまだ記憶にあっても、1年生の内容になると怪しい・・というのが本音かもしれません。

〇1・2年生の内容が統合的に出題されている問題には、大半の生徒はまだ慣れていないので、最初は混乱してしまうことがあります。ただ、きちんと「確認テスト」の解き直しをして、 中1と中2の復習をすれば、自然と知識が整理され、苦手意識が薄まっていくはずです。

〇もちろん結果が返されると、「出来た」「出来なかった」と一喜一憂することもありますが、このテストの本当の目的は、自分の復習が足りない部分を明確にしたり、それをもとに復習計画の見直しをしたりすることです。あまり結果だけにこだわらない方が良いと思います。また過去2年間の復習をすることで、それが今行っている授業にもいきてくることは間違いありません。

〇5教科(各50分)を一日で行いますので、集中力を持続するにはいわゆる運動の体力とは別の「勉強に向かう体力」が必要です。これは簡単に言えば気持ちを持続させることですので、そのためには普段から食べる、寝るなどの生活習慣を整え、身体の調子を安定させることが重要です。

〇3年生の奮闘ぶりを見て、「頑張れ!」と心の中で応援しています。

須藤昌英

 

6月29日(木)2つのスパイラル

〇昨日、期末テストが終わりました。今朝、生徒に声をかけてみると、「普段から勉強が苦手なので、テストははっきり言って嫌いです」「テスト勉強は自分では頑張ったけど、来週戻ってくる結果が心配です」などの気持ちを聞きました。それに対しては私の方は、「何と言ってあげたらいいか・・」と毎回いつも悩むところです。

〇まず言えることは、学びの努力とその成果が比例することはとてもマレであり、大抵は努力したことがすぐに成果に結びつかないことが多いということです。ただ辛抱強く、人によって違いますが、数カ月程度努力を積み重ねていくと、ある日突然雲が晴れたかのように、望ましい結果が出始めることは、経験した人からよく聞く話です。

〇この辛抱する力がないことで、必要な努力を避けたり、結果が出る前の失敗や諦めを理由に、学ぶことから距離をおき始める生徒を見ると、とても「もったいない」と感じます。確かに学ぶことによって、知識や技能は身につきますが、それ以上にものの見方や思考力、表現力などが養われ、自分の可能性が広がっていくことが重要なポイントです。

〇昨日も書きましたが、学んだことを確実に身に付けていくには、分からなかったことや間違ったことを定期的に振り返り、その手当て(補充)を逃げずにやるかどうかで決まります。生徒によっては、「なぜ間違ったのか?」と自分が納得するまできちんと考えることができます。そのことを回避したままで、ただ表面的に「正解だけを丸覚えしよう」とするだけでは、残念ながら理解は深まりません。

〇普段から授業の中で、どんなにささいなことでも、「おもしろい」「なるほど」などの興味を持ち、「やってみよう」「できるかも」と経験を積みかさねていくこと(正のスパイラル)が得意な教科になるきっかけになります。一方で、負のスパイラルに陥ると、なかなか抜け出すことが難しくなります。

〇少しの成果でも、準備に取り組んだプロセスを自分で、また周囲からも認められることで、やる気の持続につながります。

6月28日(水)1学期期末テスト2日目

〇かつて教科担任として数学を教えていた頃は、生徒によく「定期テストが終わって、その答案用紙を参考に丁寧に復習することが重要で、一番勉強になるよ」と話していました。ただ人間はそれまで集中して取り組んだことや結果通りにならなかったことをすぐに振り返るのは、案外気乗りのしないものです。

〇繰り返しますが、定期テストの復習を行うのはもちろん記憶の鮮明な間が適しており、できればテストの当日が理想です。しかし、定期テストを採点するのに時間がかかり、すぐには返却できませんので、少なくとも答案用紙が返ってきた時が最後のチャンスといえます。

〇定期テストの復習は、「どこが間違っていたのかの確認⇒正しい答えを知るなどの間違い直し」が中心になります。また間違えたところを確認する際は、問題を解いている時の自分が、「どの程度自信を持って解答していたか」を思い出しながら行うことがよいようです。特に「これはできた!」と思っていたのに結果が不正解だった場合は、正確な知識の定着ができていないことになります。私もそうでしたが、そこをできるだけはやく改善しないと、その後も同じミスを繰り返す原因になります。

〇ただ今日は「テストが終わった」という解放感があるので、今日中に問題用紙を再度見る気にはならないと思います。来週月曜日からのテスト返しで、しっかり見直しをしてほしいです。

須藤昌英

6月27日(火)1学期期末テスト1日目

〇ホームページのトップに、各学年の出題範囲表を掲載していますが、生徒は授業の中で、各教科担任から出題範囲に関するもっと細かい説明を聞いていると思います。そして各自、教科書やノート、ワークや問題集などを使い、これまで準備を行ってきています。

〇特に1年生は、入学して初めての定期テストです。小学校にはなかった「定期テスト」に対して、不安を感じる1年生も少なくないと思います。教室をまわると、少し緊張した顔で、真剣に取り組んでいました。

須藤昌英

6月26日(月)経験記憶と知識記憶

〇テストを目前にした生徒からよく、「勉強の仕方がわからない」という声を聞くことがあります。ただその言葉だけでは、その人が「勉強に向かう気持ちがわかない」で悩んでいるのか、「やる気はあるけど自分にあった方法」を模索しているのかは、人それぞれであり、こちらもつかめないことが多いものです。

〇またそもそもどんな人にもピッタリとあった勉強方法などはなく、自分でやりながら、「こうかな、ああかな」と試行錯誤し、そこから最後は自分にあった方法を身に付けていくしかないだろうと思います。

〇先日も紹介した、池谷裕二著 「受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法」には、誰もが意識をすれば有効に活用できる方法がありますので、参考になります。

須藤昌英

 

6月23日(金)記憶の強化

〇来週火曜日からの期末テストに向けて、今日から部活動等の朝や放課後の活動は行っていません。特に1年生は初めての定期テストですので、準備に戸惑っている生徒もいることを考え、学年の職員で丁寧に指導しています。

〇生徒たちは今、期末テスト準備として、4月からの授業内容を教科書やノート・ワークを使って復習しています。これは記録したことと自分の記憶をすり合わせたり、より正確な記憶を強化したりする作業といえます。

〇東京大学大学院の池谷裕二教授(薬学者、脳研究者)は、著書「受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法」で、次のような指摘をしています。

「人の脳の海馬という部分は、神経細胞の結合をつくる役割を果たしており、『短期記憶から長期記憶』へと情報をつなげる中期記憶を担っています。海馬に入ってきた情報が溜まっている期間は、情報の種類によって異なりますが、短いと1か月程度です。海馬は情報を1か月かけて整理整頓し、『何が本当に必要な情報なのか』を選定しています。一日のうちに、新しい知識をあまりにもたくさん詰め込むのは避けたほうがよいですし、そもそも勉強は「復習」に主眼をおくべきで、覚えられる範囲をストレスなく覚えること、これが記憶の性質に適した学習方法です。比でいうと、『予習:学習:復習=0.5:1:4』が理想的です。」

〇さらに、「心理学者ビネーは、脳は入力よりも出力を重要視しています。海馬に『この情報はこれほど使用する機会が多いのか、ならば覚えねば』と判断させること、つまり「詰込み型」よりも「知識活用型」の方が効率的だということです。ならば教科書や参考書を何度も見直すよりも、問題集を何度も解く復習法の方が良いでしょう。」

〇要するに、授業で得た知識をただ漫然と覚えようとするだけでなく、口で言ったり手で書いたり、問題集でおさらいすることで、短期記憶の中から繰り返しアウトプットしたものだけが、長期記憶となり、すぐに忘れにくいものになっていくようです。

〇生徒たちの努力が実を結びますように・・と祈っていますが、むやみやたらに復習するのではなく、上記のようなポイントを押さえた方法を試してほしいと思います。

須藤昌英

 

6月22日(木)夏至が過ぎるといつ梅雨明け?

〇昨日は夏至でした。ご存じのとおり、「夏至」とは、二十四節気のうちの一つで、「太陽の中心が夏至点を通過し、北半球では一年の中で昼の時間が最も長く、夜の時間が最も短くなる日のこと」です。

〇3年生の修学旅行の最後は、東京駅からバスに乗り換え、学校で解散となりましたが、夜7時を過ぎてもまだほんのり明るい空をバスの車窓から見ていました。全員が無事に帰ってこられたことの安堵感から、いつもとは少し違う夕景に見えました。ただ梅雨明けも近いというニュースも聞くと、これからいよいよ本格的な夏となってくることも頭をかすめ、熱中症なども対策も再確認する必要がある・・と感じました。

〇修学旅行で気になったのは、奈良や京都で多くの外国人観光客をみましたが、彼らは全員マスクを着用しておらず、着用しているのは修学旅行生を含む日本人のみだということです。本校生徒も気温が30℃を超えた屋外でマスクをしており、こちらから「暑いから外していいよ」と言っても、「はい」と返事はあるものの、食事以外はそのままでした。果たしてこれからどのような声かけをしていけばよいものか・・・。

〇3日間も学校を留守にしていると、朝のうちは通常の感覚をとりもどすのに時間がかかりました。まず3日間で溜まっているメールをチェックしたのですが、この時期は毎日のように会議があったりそのための資料などが事前に送られたりしていますので、それらに目を通すだけでも一苦労でした。

〇また留守中にあった校内の出来事の報告を職員から受けましたが、いつもその事実や背景などを聞きながらその報告内容を整理しています。そしてその後の対応方針や方法を一緒に考えるのですが、3日間修学旅行のことに集中していたせいか、いつものように即座に判断することができないことに自分自身への焦燥感がありました。

〇3年生は先日の日曜日に登校し、修学旅行の事前確認を行いましたので、今日は振替休日(代休)です。校内をまわると、1・2年生は来週の期末テストに向けて、真剣に授業に参加していましたが、3年生がいないこともあり、いつもよりひっそりしていました。また明日から全学年がそろい、活気が戻ってくることでしょう。

須藤昌英

修学旅行第三日を振り返って

〇18日の前日指導の集会では、私から生徒たちに、「この修学旅行で、君たちには十分に楽しんでもらいたいと思う一方で、二泊三日の合計60時間がすべて楽しい時間ばかりというわけにはいかないと思います。なぜなら集団でしかも学校以外の不慣れな場所で、活動&生活するということは、裏を返せば、気を抜く時間がない(一人の時間がない)ことになります。つまり全員がそれぞれある程度の我慢をしたり窮屈な思いをしたりすることも出てきます。ましてや160名の生徒を私も含めてたった12名の職員で引率しますので、君たちへのお願いとして、当日発生したトラブルに対して、まず自分たちで問題解決を図ってほしい」と伝えました。また「その問題解決をリーダー一人に任せっぱなしにせず、その他の人がリーダーを支えるフォローアーとして自覚して下さい。特にトラブルが起きても、その場はあえて黙っていて、あとから『本当は私は~だと思っていた』だけは避けてほしい。それは一生懸命やっている仲間に失礼にあたると思います」と少し強めに続けました。生徒たちがその事をどこまで意識してくれたかは、今は把握できませんが、明日の代休明けの金曜日から、この二泊三日で彼らの成長した面をみるのが楽しみです。

〇三日間、ありがとうございました。帰りましたらどうぞお子様のお土産話を、めいっぱい聞いてあげてください。

須藤昌英 

修学旅行第二日目を振り返って 

朝から午前中いっぱいはまだ涼しい風もあり、生徒たちのグループ別行動も順調なスタートでした。しかし午後からは、初夏の日差しが照りつきはじめ、生徒の体力を奪っていきました。さらにバスの乗り継ぎも土地勘もなく勝手の違いから、スムーズにいかないことがありました。グループによっては、事前に調べておいた昼食の飲食店が廃業または休業日だったりと、なかなか予定通りにはいきませんでした。しかし終わってみると、水分補給を適宜行うなどの意識の高さから、体調を大きく崩すことはなく、夕方の宿への帰着時には、どのグループも疲れた表情はありましたが、その後部屋で寝込むことはありませんでした。夕食後の座禅体験も初めての生徒がほとんどでしたが、僧侶の話を聞く態度は、さすが三年生でした。明日はクラス別行動ですので、昨日と今日の経験いかし、無事に学校に戻れるようにしたいと思います。須藤昌英

 

グループ別行動(京都市内)

○朝の京都は曇り空で、まだ直射日光が当たらない分、歩いていても苦痛ではありません。どうかこのまま夕方まで雲っていてくれると、生徒たちも助かると思います。これから職員から送られてくる写真を随時アップします。

修学旅行第一日目を振り返って

一年前の林間学校では、マザー牧場や鋸山の房総の山々や、九十九里や内房の海などに触れ、自然を身近に感じながらの二泊三日でした。そして今回の舞台は、かつて日本の中心として栄え、多くの寺社仏閣、国宝、重要文化財、伝統文化や美しい風景を今に伝える奈良・京都です。生徒たちには、古都の「自然」「風物」「人情」等が醸し出す「雰囲気や情緒」を味わい、そこから私たち日本人の心が大きく影響を受けていることを少しでも感じてもらいたいと今朝から願っています。予測通りの暑い日でしたが、宿に入った生徒の様子を見ると、大きく体調を崩すこともなく、仲間と楽しそうに過ごしていました。生徒の就寝後に行った職員の打ち合わせでは、各クラス会議の内容や一日の生徒の様子から、成長している面とさらに成長してもらいたい点を洗い出しました。明日は終日、京都市内のグループ行動になります。彼らの主体性を見守り、必要に応じて引率職員でサポートしていきます。須藤昌英