校長コラム

「日頃の行い」が大切

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い,緊急事態宣言が発令され短縮日課や制限された教育活動の中,十分な準備もできずに本番当日を迎えた第3回目の体育祭でした。全体練習の不足など,不安を抱きながら競技が開始されましたが,当日だけは天気が回復し,今までのそれらを払拭する柏の葉中生の「意地」と「底力」,そして「絆」に支えられ躍動感に胸打たれる体育祭でした。特に,1・2年生にとっては初めての体育祭,練習もままならぬうちの本番でしたが、最上級生である3年生の見事なリーダーシップにより,柏の葉中生として生き生きと競技や応援に参加していました。
 お忙しい中,保護者の皆様にたくさんのご声援とご協力ご理解を頂き誠にありがとうございました。職員一同心よりお礼申し上げます。
 さて,「人物に優れ,本校の教育を理解し,本校を志望する理由が明確な,次のような生徒を期待します。 ア 学習成績に優れ,意欲的に学習に取り組む生徒 イ 自分の将来を真剣に考え,進路実現に向けて努力できる生徒 ウ 部活動,生徒会活動,学級活動,学校行事等に熱心に取り組む意志のある生徒」,これはある県立高校の入試で高校が求める「期待する生徒像」です。言い換えればこの様な生徒に入学して欲しいと言うことです。県内全ての公・私立高校に同様なものがあります。ではこの「期待する生徒像」に近づくにはどうすればよいのでしょうか。
 全国の高校進学率が98%近い現在,専門学校も含め本校でも大多数の生徒が上級学校に進学します。中学校では進路に関する指導を単に進路先を決定するものとは捉えてはいません。義務教育の終了時に当たり,大切な「自立」の機会と考えています。3年間の中学校生活を通して身につけたものが凝縮して出てくる,それが進路決定時だと思います。日頃、周囲の意見もろくに聞き入れず努力もせず自分勝手な生活を送り,3年生になって入試だけは上手くやろうとしても,残念ながらそうは行かないようです。日常の生活そのままです。服装や言動のだらしなさは,当日いかにつくろっても面接者の目はごまかせません。緊張を伴う場面ではいつもの生活が不思議と出てくるものです。これは部活動でも同じで,いつもの練習をおろそかにし,大会で好成績を残そうと思ってもそれは無理なことです。だからこそ「日頃の行い」が大切です。普段いつもの様に繰り返している生活・学習や部活動の中で,今まで出来なかったことが努力し出来るようになる、それを体験することが中学校生活では大切ではないでしょうか。ノートの文字,提出物,挨拶,服装,言葉遣いなど,普段の自分を意識し努力すれば今からでも改善できるものです。
 先月3年生の保護者を対象に進路保護者会をWebで開催しました。公立高校の入試は,二日間で行われる選抜入試です。県下統一の学力検査(テスト)が実施されます。検査は5教科・計500点満点で行われ,さらに志願する高等学校によって設定は異なりますが,作文・自己表現・面接などが行われます。その結果に調査書の記載内容が加わります。また,志願する高等学校によって違いますが,「期待する生徒像」に対する志願理由書(自己アピール文)を生徒自身が作成・提出します。その内容は「期待される生徒像」について中学校生活3年間で何をし,さらに高校で何をしたいかです。何らかの理由で欠席日数が多い場合(年間30日以上)は,その理由を記載した自己申告書を提出することができます。以上のように公立高校の入試では,単に当日の検査点数だけでは合否を決定しないと言うことです。
 中学校3年生の生活も大切ですが,1・2年生の「日頃の行い」も大切ではないでしょうか。限られた3年間,日々の授業や諸活動を大切にして欲しいものです。
 秋の深まりは受験シーズンの到来をも意味します。今学校は,進路選択に向けて3年生は三者面談が行われています。千葉県の高校進学率は約98.7%ですが,反面県下では毎年約2,000名の生徒が高校を中退します。進路先変更が退学の主たる理由ですが,無目的の進学が要因の一つと言えます。高校進学後,そして高校卒業後は何をしたいか,三者が確認し合いながら進路選択・決定をしていくことが大切です。またこの時期に,1・2年生も教育相談が行われます。「いじめ」も含め学校生活における心配事が相談の中心となります。中学校生活,子どもたちは様々なことを経験しながら成長していきます。この間大切なことは,学校も含め周囲の大人が十分な連携を取り合いながら子どもを見守ることが大切です。不安なことが有りましたらいつでもご相談下さい。